2024.03.28

日本HPが提供するワークステーション “Zシリーズ” に新モデル登場――「Z1」が短納期・低価格・カスタマイズに対応できるその理由とは?

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日本で再び販売されたエントリーワークステーション
「Z1」

日本HPの「HP Z1 Tower G9 Workstation」(以下、Z1)は、ワークステーション「Z」シリーズのタワー型デスクトップにおけるエントリーモデルだ。ワールドワイドでは以前より展開されていたが、このたび日本でも販売が開始された。

同シリーズのタワーモデルには「Z8」「Z6」「Z4」「Z2」がラインナップされており、“第13世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー”や、“インテル® Xeon® プロセッサー・ファミリー”がそれを支えている。

しかし「Z1」は一度販売されたきり、長らく欠番となっていた。ではなぜ、日本HPはこのモデルを再び日本で販売開始したのか。「Z1」の魅力とともに、日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 本部長の大橋秀樹氏に聞いてみた。

※本記事はTECH+にて掲載されたものです。

日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 本部長 大橋秀樹氏

なぜワークステーションが必要なのか?

日本HPにおけるワークステーションの位置づけはプロフェッショナル向けとなり、ハイエンドモデルが中心になる。同社内ではワークステーション専門の部隊がおり、PCとは異なる設計思想で独自に開発されているという。

とはいえ、カタログスペックは通常のPCと大きく変わるわけではない。インテルのCPUやハイエンドなグラフィックスカードなど、使用されるコンポーネントには共通性があり、異なるのはその用途だ。ワークステーションが利用されるのは、3D CADやCAE、BIM・CIMといった産業、CGや写真、映像と言ったエンターテインメント、AIやVR、データサイエンスなどの先端技術、医療や創薬などのヘルスケアなど、いずれも高度な処理能力が求められる業界であることが多い。

こういった分野では、CPUやグラフィックスカードに高い負荷が掛かるアプリケーションを長時間にわたって利用することになる場合が多く、その要求に応えるために設計されているのがワークステーションと言える。

「高負荷に絶えうる高品質のコンポーネントを使っていますので、平たく言うと高コストです。しかし、こういった仕事をされているみなさんはPCが故障などで動かなくなると、仕事も止まってしまうとリスクが高いので、信頼性を重視してワークステーションを選択されるのです」と、大橋氏はワークステーションが求められる理由を説明する。

“東京生産”だから実現した短納期・低価格・カスタマイズ対応

しかし日本HPは今まで日本市場において、ワークステーションのエントリーモデル領域を、通常のPCにおけるハイエンドの領域でカバーしてきた。だが近年の日本では、円安や物価高の影響などでPCの価格が上昇傾向にあり、またワークステーションでも同様に価格の高騰が否めない。個人であれ企業であれ、掛けられる予算の限りがあることに変わりはないが、一方で3DやAIなどの普及でPCに高い処理能力を求める需要も増えている。この背景を基に、これまで国内ではPCにまかせていたハイエンドの領域にも、ワークステーションのエントリーモデルでのカバーが必要になると日本HPは考えた。

「ハイスペックなプロセッサーにたくさんのメモリを搭載して、最新のグラフィックスカードを使った作業が必要。でもワークロードはそこまで高くなくて、どちらかと言えばPCに近いような業務がメインだが、PCが止まってしまうと業務に支障が出る。そんなユーザーに向けたポートフォリオが日本では欠けていました。そこを補うためにZ1を販売することになりました」(大橋氏)

だが、今回はカタログスペックのままで販売するわけではない。「Z1」にはフルカスタマイズモデルも用意されており、CPUやグラフィックスカード、メモリ、SSD等さまざまなオーダーが可能だ。さらに、おすすめ構成モデルであれば5営業日という短納期での納品も可能。しかもタイミング次第では「【期間限定6/28まで】ゲーミングも動画編集もZ1で!CPUもメモリもSSDもOfficeもモニターもお得で本当にこれいいんすか?キャンペーン」が適用され、ワークステーションでありながらもお手頃な価格で購入できる。

実際のZ1

そして短納期・低価格・カスタマイズ対応を実現できたのは、今回の「Z1」が“東京生産”だからだ。日本HPは2016年、東京都日野市に「日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」を開設した。ここで生産されたPCには「MADE IN TOKYO」のシールが貼付され、高い品質と国内サポートが保証されることを示している。

そのサポート期間は、標準保証3年、延長サービスを選択すると最長5年。しかも、翌日オンサイト休日修理付きという手厚さだ。こういったビジネス向けならではのサポートも、安心してワークステーションを購入できる理由のひとつとなるだろう。

またZ1は、アメリカ軍が調達する民生品の規格・評価ガイドライン、通称「MILスペック」に準拠しているが、実はワークステーションに求められる品質基準は一般向けPCよりもはるかに厳しいという。耐久性の高さは折り紙付きだ。

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