2024.03.19

株式会社協同クリエーション
ウェブ・ツー・プリントの強み最大限に発揮

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株式会社協同クリエーション(東京都中央区入船、立石 昌紀 社長、TEL:03-3555-2537)は現在、協同制作グループとして技術力と発想力に基づき新たな「モノづくり」を推進している。核となるのがデジタル印刷機「HP Indigo」であり、2022年には既存機から「同WS6800」へと入れ替えを行った。高付加価値なラベルやパッケージなどの企画から制作、製造までのトータルソリューションを手がけ、顧客に提供することで新需要の開拓を試みる同社のビジネス動向をリポートする。

Indigoのポテンシャルを生かす〝新事業の開拓〟

同社は2012年11月の設立以降、デジタル印刷技術を駆使した事業を展開。埼玉県春日部市に「DPC(デジタルプリントセンター)」を構え、HP Indigoやインクジェットプリンタなどを設備する。

同社設立の経緯について、立石社長は「現会長が株式会社協同制作の社長だった当時、印刷市場が将来的に多品種小ロット化かつ高品質化へ進むと予測。11年、電子写真(EP)方式のデジタル印刷機『HP Indigo WS6000』を導入した。さらにその翌年、当機種を有効活用し、従来のビジネスとは異なる〝新事業の開拓〟を目的とした当社の設立へと至った」と振り返る。

立石 昌紀 社長

もっとも当初から、順調に同機種を駆使できたわけではなく「オフセットやグラビアの印刷と同等、あるいはそれ以上の印刷品質」(立石社長)といったポテンシャルを生かすビジネスの模索がしばらく続いた。

早期に実績を上げたのは「商品ラベル・パッケージ」。粘着ラベルは地ビールや酒類大手の業務用ボトルなど、またシュリンクラベルは飲料向けPETボトル、日用品のプラ容器などで採用された。いずれも高い印刷品質と小ロットがメーンのニーズ対応で奏功したといえる。

さらに立石社長は「デジタル印刷の優位性などを提案し続けた結果、新たなビジネスを見いだすことができた。そのうちの1つが『商談見本』。当社事業の柱となっている」と話す。

商談見本とは、PETボトルや缶、プラスチック容器などに薄型のシュリンクラベルや隠ぺい性のある粘着ラベル、あるいは軟包装などを装着した商品ダミーを指す。ブランドオーナーが新商品の開発や販売戦略で重視するパッケージを本物さながらの仕上がりで再現。商談で使用する直接取引のブランドオーナーやデザイナーから信頼を得る。

同ビジネスの展開について、佐藤 俊範 ゼネラルマネージャーは「当社はグループ会社と連携して、デジタル印刷だけでなく真空成型などのノウハウを駆使し、商談見本で高い実績を上げている。見本はデザインの異なる複数のパッケージを容器に装着して提示。そのため、印刷は実際の商品と同等の高品質かつ極小ロットが必須となり、加えて幅広い基材への印刷が求められる。HP Indigoはこれらすべてのニーズに対応できる」と説く。

佐藤 俊範 ゼネラルマネージャー

ただし同事業はブランドオーナーの商品開発があってこそ成り立つビジネス。コロナ禍では各社の新商品プロジェクトが停滞し、それに付随して商談見本の需要も落ち込んだ。そのような中で、同社の事業を支えたのは、オリジナルデザインのラベル・パッケージを受注・製造する「カスタマイズデザイン」。一般消費者がブランドオーナーの特設サイトで作成したデザインをHP Indigoでデジタル印刷することにより、オリジナルパッケージを可能にする。商品のパーソナライズ化に対するニーズとマッチし、コロナ禍でも菓子や日用品などの分野で着実に需要を伸ばした。

カスタマイズデザインで安定したニーズを得る

立石社長は「〝モノ〟ありきのビジネスは景気動向に影響を受けやすい。商談見本もその一例で、現在は回復したが、コロナ禍にはそれまで手がけていた仕事が消失した。しかし消費者が体験に価値を見いだすビジネスは安定した需要があると考える」とコメント。続けて佐藤ゼネラルマネージャーは「当社では、ウェブ上の画像(低解像度)を印刷用の画像(高解像度)に自動変換できるシステムを独自に開発している。ウェブシステムとデジタル印刷を融合させた総合的なサービスを提供。多数のブランドオーナーさまから高評価を得ている」と語る。

これまでの実績としては、一般消費者が撮影した画像をビールのラベルにデザインできるサッポロビールの「フォトビー」が挙げられる。さらにコロナ禍では、食品大手が展開するロングセラーの菓子や、トイレタリー大手の洗剤・柔軟剤でも、消費者が知名度の高いキャラクターを選択し、独自にデザインしたデザインのパッケージをHP Indigoで印刷するといった一連のソリューションが複数採用された。

立石社長はビジネスの現状について「各事業の売上高比率は、カスタマイズデザインが4割、商品ラベル・パッケージと商談見本がそれぞれ2割、店舗装飾やデジタルサイネージなどその他が2割といった状況。今後、ギフト商品のパーソナライズ需要はさらに増加するだろう」と予測。それを踏まえて22年10月、WS6000からWS6800へと入れ替えを行った。同機種は7色2400dpiの解像度やシームレスな印刷工程などの基本スペックを継承しているため、同社がこれまで培ってきたデジタル印刷の技術ノウハウを流用。「ラベルだけの印刷ならば、他の機種でも可能。しかし当社のビジネス領域は幅広く、あらゆる基材に対応するデジタル印刷機はHP Indigoしか存在しない」(佐藤ゼネラルマネージャー)としている。

22年には「HP Indigo WS6800」へと入れ替えた

今後のビジネス展望について、立石社長は「一つのビジネス形態に固執せず時流に即応できる体制を維持してきたことで、現在の事業規模に成長できた。その根底にあるのは『カスタマイズデザイン』。ウェブ・ツー・プリントによるビジネスモデルは当社の強み。現在も、複数のブランドオーナーからカスタマイズデザインの引き合いを得ている。今後も培ってきたノウハウを生かしつつ、当社の強みを各需要分野へ訴求することで、さらなる発展を目指したい」と述べた。

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【本記事はラベル新聞が制作しました】

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