2024.05.20

AIのビジネス実装が始まり現場で何が起こっているのか?

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Copilotをカスタマイズできるプラットフォームが登場

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AIを創る統合プラットフォーム「Microsoft Copilot Studio」
出典:2024年3月18日開催、日本マイクロソフト記者会見資料より

AIを創るという点では、企業が自社に適したAIを開発することに適した、「Microsoft Copilot Studio」の日本語版が2024年2月から提供されています。これは、同サービスを導入した企業が自社向けにカスタマイズしたCopilotをローコードで開発可能な統合プラットフォームで、大幅に最適化されたCopilotを容易に構築することができます。

「Microsoft Copilot Studio」を使って社内相談AIをPoC(社内検証)として構築したのがベネッセホールディングスです。社内で様々な事業が併存していることもあって、「社内で情報を探す」、「各部門に相談をする」といった社内調整などに長い時間がかかるという課題がありました。それを解決しようと2023年10月、独自データを活用し、定型的な社内手続きと社内サイトを紹介する社内相談AIの最初のバージョンの運用を開始しました。

最初のバージョンはオリジナルで構築したものだったために、運用していく中で精度向上のためのデータセット追加・更新の都度、システム運用費が必要であることや、「ログ取得機能」「評価コメント追加機能」などの機能追加に改訂費が必要であることが明らかになりました。

そこで2024年2月に日本語版が登場した「Microsoft Copilot Studio」の利用を開始しました。このソリューションにはローコード開発という特徴があります。つまり、社員がアプリ上で簡単に開発・テストを行い、公開可能といった特性を利用できるところに着眼したのです。データの選択についても、Web、Teamsチャットなどから公開ツールを簡単に選択することができ、 利用料金についても、ログ保存のDB運用やユーザーごとのアクセス制限も追加負担がないなどリーズナブルな点を評価しているそうです。

ただし、リーズナブルで使いやすいデータをカスタマイズするプラットフォームがあってもそれだけで十分というわけではありません。社内にあるデータセットを精緻化することや、表や図など生成AIでは解釈が難しいデータもあり、さらなるデータ整備が必要になっているそうです。

利用者数もサービス開始当初は多かったものの、その後、減少していることが利用者データから明らかになったそうです。継続的に多くの人に利用してもらうために、さらなる検証も必要になってきているといいます。

こうした取り組みを見ればわかるように、優れたツールを使ってAIを構築するだけでは十分ではないことは明らかです。データ整備が必須で、「社内でよく使われている表現であっても、新入社員にはわからない名称もあり、汎用的に理解できる表現とすることや、専門用語には解説も必要になりました」とベネッセでは説明しています。UIやUXについても、「利用者の声を聞きながら改善していくことが必要」と継続的に見直しを行う体制が必要だといいます。

このような準備や整備を継続的に続けながら、ベネッセでは2024年には、このプラットフォームに簡易的な安全確認や情報セキュリティについて規約・ガイドラインに基づいた簡易審査を行う機能を持たせ、2025年にも社内手続きをAIが代行するところまで整備を続けていく計画です。

「パソコンとネットワークの見直しを」との声も

AIをスムーズに利用するためには「環境を整えた方がいい」とアドバイスする声もあります。ある販売会社のAI製品担当者は、「スムーズにAIを活用したいのであれば、パソコンとネットワークは新しいものに変更してくださいとお願いするようにしています」と言います。

「実はAIに限らず、クラウド活用が増えている企業全てにお願いしたいことですが、古いCPU、少ないメモリーのパソコン、利用人数に即していないネットワーク環境では作業が円滑に進まないので、新しいものに更新するべきなのです。古いパソコン、ネットワーク環境が貧弱だと処理待ち時間が長くなり、作業効率が著しく悪くなります。古いパソコンを使い続けることは、コスト削減のようでいて、作業時間を無駄にかけるという損失を引き起こすことになると思います」(同販売会社AI製品担当者)

AIをスムーズに活用するために新しいパソコンを勧めると、「新しいパソコンを売り込みたいだけでは?」と言われることもあるそうですが、「利用環境を整えることはAI利用を定着させるためには必要なこと」と担当者は話します。

一方、「社内でAIを使い始めたものの、導入当初は利用頻度が高かったが次第に利用頻度が低くなるケースがあるようです。当初はもの珍しくてAIを使ってみたものの、反応が返ってくるまでに時間がかかることがストレスになり、一度使っただけで十分と使うことを止めてしまうことが理由になることもあるのではないでしょうか。あまり表に出にくい実態かもしれませんが、AIを導入したのに使い続ける人が少ないのであれば、パソコン、ネットワークなど利用環境も確認してみてください」(同販売会社AI製品担当者)

社内で特定の人だけが利用するのではなく、全社的にAIを活用していくためには、「使いやすい」、「ストレスなく利用できる」といった、利用者が納得する環境を整えることが必要になります。そのためにパソコン、ネットワークに関しても利用者の声を聞き、見直していく対象とするべきだといえそうです。

また、生成AIを利用する際には、答えを出すために「プロンプト」と言われるAIに指示を出すテキストが必要になります。このプロンプトには、「良い答えを出すことにつながるプロンプト」もあれば、「うまく答えが出ないプロンプト」も存在します。うまく答えが出るプロンプトとはどんなものか、ノウハウを共有することや、AIをうまく使うコツを学習する勉強会が必要という声もあります。導入すれば終わりではなく、導入をスタートと考え、学んでいく体制を整えることも必要です。

現在は多くの企業が「機体整備」段階

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AI変革に向けた段階的な試み
出典:2024年3月18日開催、日本マイクロソフト記者会見資料より

マイクロソフトではAIを活用するための段階的な試みとして、クラウド化やデータ戦略などを整える「機体整備」段階からスタートし、各種業務で生成AI活用を試みる「訓練飛行」段階を経て、時間の有効活用、飛躍的な効率化を実現した「本航行」への進化を提示しています。現在は多くの企業が機体整備段階にあるということです。

実際にAIを早期導入したベネッセホールディングスのような企業は、他社よりも早い段階で機体整備の時期を終え、新しい段階に入ろうとしているようです。きっと、他社よりも早くAIを活用した社内変革を実践していくことでしょう。AIをどう活用しているのかによって、企業の競争力が計られる時代が始まろうとしています。

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※2024年5月XX日時点の情報です。内容は変更となる場合があります。

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