貴重な自然環境を後世に残す活動に
HP 大判プリンターが貢献
-WWF ジャパン(世界自然保護基金)サンゴ礁保護研究センター
WWF ジャパン(世界自然保護基金)サンゴ礁保護研究センター
「しらほサンゴ村」センター長 上村真仁氏
沖縄県にある石垣島は豊かな自然に囲まれていることで世界でも有名な島だ。マングローブが生い茂る湿地や、森林に住む多様な生物はもちろん、中でも海岸線を囲うように発達しているサンゴ礁は広大な面積と美しさで広く知られている。そのサンゴ礁を守る活動にHPの大判プリンターが活躍しているという。
WWF ジャパン(世界自然保護基金)サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」センター長 上村真仁氏に話を伺った。
行われたアプローチ
- 写真品質印刷
- 印刷工程の柔軟性
- 導入コスト削減
かけがえのない自然環境を保護する
冒頭でも述べたように、石垣島には世界的にみても有数のサンゴ礁が存在している。しかし石垣島の開発が進むと同時にサンゴ礁が減少しはじめ、なんとか歯止めをきかせるため、世界的な自然保護団体 WWFが石垣島の白保地区に「しらほサンゴ村」を開設したのが2000年。以来、様々な活動を通じて、サンゴ礁の保護を訴えてきた。
「しらほサンゴ村をベースに、石垣島から始まる南西諸島全域を視野に活動していますが、スタッフ数も限られるため、私たちだけでサンゴ礁のすべてを守ることはできません。この活動「には、地域のみなさまの協力が不可欠なのです」と語る上村氏。サンゴ礁の保護は自然環境の保全という意味だけで無く、地域にとっては貴重な資源を守ることでもある。資源を持続的に利用できる環境にして、地域と共に活性化させる。継続的な自然保護を通じて地域が豊かになることが最大の目標なのだ。
「そのために、地域の方々が活動しやすいよう、2013年にNPO法人『夏花』という組織を起ち上げました。活動の中心を夏花が担い、私たちはそのサポートをするというスタンスです」と上村氏はいう。地域で運営するNPOが中心となり、サンゴ礁を守るための活動をする。その活動内容を伝えるのが、しらほサンゴ村が企画したポスター展だ。
「活動内容をまとめて大きなポスターにするのです。それを展示することによって、私たちや夏花がどのような活動をしているかを伝えます」と上村氏。。論文になってしまうと、読む人が限られる。しかし、サンゴ礁やそこに住む生物、活動中のスタッフの様子などの写真を盛り込むことで、見て楽しく、分かりやすい形で内容を伝えられるのだ。「以前は、外注を考えたこともありますが、自分たちの手で刷ったほうが便利ですし、コストも抑えられる。そんな理由もあって大判プリンターを使い始めたのです」と上村氏は語る。
WWF ジャパン(世界自然保護基金)
サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」
WWF ジャパン(世界自然保護基金)
サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」ロゴマーク
ポスターが伝える豊かな自然を守る人々
展示を通じた普及活動に注力し始めたのは上村氏が赴任してきた 2004年から。当初はWWFの東京事務局にあった古いプロッターを譲り受ける形で導入してみたのだという。「他に数機種のA3プリンターを使いましたが、大きく見せるには何枚か貼り合わせなくてはならないなど、大判プリンターがどうしても必要になってきて、ちょうど折良く東京事務局から譲り受けることができたので、まずはそれを活用していました」という上村氏。
当時からプリンターのオペレーターを務めている鈴木氏は「一応A1までは印刷できましたが研究結果などをポスターにするので写真も多く、データとしてはかなり重たいのです。そのため、途中で白抜けしたり、透けてしまうようなことも多々ありましたね」と当時を振り返る。
それでもなんとか印刷して、しらほサンゴ村にポスターの展示を始めると、年を追うごとに来場者も増えてきたのだという。「白保の方々の手づくりの物産を持ち寄って日曜市を開催するなど、集客のための活動をしていくうちに、足を伸ばしてくれる人たちが増えてきました」と上村氏。また、当初は市街地に近かった空港が移設、白保地区に近い場所へと移動してきたことからアクセスもよくなった。また、台湾から直接来ることができるクルーズ船が来港するようになったことからも、国内外の観光客が増えていったのだという。
同団体と連携する各団体から送られてきた活動内容を伝える
様々なポスターが展示場を彩る
ポスターを美しく速く
しらほサンゴ村へ訪れる人が増加傾向にある中、頼りの大判プロッターが故障したのだという。「東京事務局でも長期間使っていたので、かれこれ 10年以上経っていたと思います。修理も難しく、何とかならないか検討していたのです」と上村氏はいう。数ある候補の中から、導入コストを抑えつつ、写真品質の印刷画質とB0ノビのロール紙まで対応できる、HP DesignJet Z5400が目にとまったのだという。
「導入が決まり、届いたときにはうれしかったですね。待ちに待ったという感じでしたから」と笑顔で語る上村氏。しらほサンゴ村と夏花の活動も活発になり、活動範囲は周辺の島々へと広がりをみせていた。「他の島々の保護団体と協力しあい、サンゴ礁を守る活動が広がっています。ですから、各島の団体からもポスターになるコンテンツをいただいて、こちらで印刷展示するほか、団体へ刷り上がったポスターを配布して、地元でも活用してもらうようにしています」と上村氏は語る。
また、白保地区の小中学校では、科目として自然保護に取り組む時間を設けるようになり、しらほサンゴ村は子供達と共に、地元である白保海岸の自然保護活動を展開している。「子供達と一緒に活動結果をポスターにしています。きれいに仕上がったポスターを見て、子供達も感慨深げでした」と明るい表情で語る上村氏。しらほサンゴ村で印刷されるポスターは質、量とも増加傾向にある中、期待を持って導入されたのが、HP DesignJet Z5400なのだ。
左から日本 HP DesignJet 担当 西分、
しらほサンゴ村の鈴木智子氏、上村氏、権田雅之氏と
事務所に設置された HP DesignJet Z5400
ロール紙で作られた横長のポスター。
こうした工夫は今後も取り入れられていく予定だ。
多くの人と繋がり継続可能な自然保護活動を創る
「静かですばやく印刷できるだけでなく、写真の発色も良好なのでカラーも鮮明ですね」と仕上がりの美しさについて語る上村氏。目下の心配事は、南の島特有の強い日差しになる。しらほサンゴ村の施設は、サンゴ村の施設には、沖縄らしい雰囲気の平屋で囲われた中庭がありその中庭に面した部分が展示スペースになっている。中庭と、展示スペースの間に壁やガラスはないため、ポスターは直接、日光や潮風に晒されるのだ。「台風なども来るので、天候対策は欠かせません。コンテンツは保存してあるので、また印刷して貼り直せば良いだけですが、紙資源も大切ですから長期間使えるに越したことはありませんからね」と上村氏はいう。
強い日差し、潮風、時折訪れる台風等、紙媒体には過酷な環境だが、そうした場面に強さを発揮できるのもHP DesignJetシリーズの6色インクにおけるメリットでもある。もちろん、空調が効いた室内とは比較できないが、厳しい環境の中でも長期間の品質保持能力は期待できる。現在、HP DesignJet Z5400で刷られたポスターで古いものは約半年が経っているが、「この程度では色褪せなどの傾向は見られません」と、上村氏は手ごたえを語る。
また、廃インクタンクが不要な仕様や、独自の省電力機能により、ランニングコストにも優れている。「HP DesignJet Z5400があれば抜群のコストパフォーマンスでポスターが作れます。これでしたらテスト印刷をして、細部を修正しながら品質の高い展示物を作ることも可能です」と上村氏。
「将来的にもポスター展は続けていきます。また、石垣島を含む南西諸島でもまだ協力体制が出来ていない島々も残っています。そうした地域の団体とも協力し合い、未来に残せる素晴らしいサンゴ礁を守る活動を根付かせたいですね」と上村氏は力強く語ってくれた。
石垣島をはじめとする南西諸島全域の美しいサンゴ礁を残すことは、人類全体の願いでもある自然と地域の共存共栄を可能とし、未来への資産として手渡そうとする、しらほサンゴ村と夏花の活動が実を結ぶことを期待せずにはいられない。ポスター展はそんな活動を伝える大切な役割を担っている。HP DesignJetは、今後も同団体の活動を支えていく。
琉球様式の家屋を活用したポスター展示場
世界的に貴重なサンゴ礁が広がる白保海岸。
ここを起点にサンゴ礁と共に生きる暮らし方を
南西諸島全域へ広げていく手助けをするのがWWF の役割だ。
対象プリンター
HP DesignJet Z5400PS
PS内蔵だから長尺プリントにも安心。また、サーバーなどの付属機器やサーバーメンテナンスなどの手間も不要です。2本のロール紙をセットできるので、プリントサイズや用紙の種類に応じての用紙入れ替えや手間と時間を大幅に削減します。廃インクタンクは不要で、ランニングコストは競合他社同等モデルに対して最大約34%※も削減することができます。
※ 競合他社同等8色インク搭載グラフィックモデルとの比較(HP 自社調べ) 。