園児が喜ぶ教材づくりにA0対応複合機を
~いま話題のデジタル保育の現場から~
- つるみね保育園
ポスター教材や掲示物など拡大用途が多い学校現場で重宝されている大判プリンター。
こうしたなか、優れた品質・機能・コストパフォーマンスで大判インクジェットプリンター業界をリードする日本ヒューレット・パッカード(以下HP)が教育市場に向けて提案しているのがA0対応モデルだ。
そこで、デジタル技術を保育の現場に取り入れて全国的な注目を集める「つるみね保育園」(鹿児島県鹿屋市)での活用から、その魅力を探った。
デジタル技術でワクワク体験を創出
「まさか、こんな所でデジタル保育が行われているとは思わなかったでしょう」
鹿児島空港から大隅半島の中央部まで車で2時間かけてたどり着くと、杉本正和園長は開口一番にそういって迎えてくれた。
そんな「つるみね保育園」の教育方針は、豊かな自然環境を生かした体験的なアナログ保育と、先進的な技術を活用したデジタル保育をバランスよく取り入れること。とりわけ、デジタル技術の活用には過疎地と都会との距離感をなくし、子どもたちに大きな自信を育むことができるという信念で実践研究を続けている。特に、iPadのビデオ通話を利用した外国とのライブ中継や県外の幼稚園の交流は、子どもたちの大きな刺激となっているという。
「今日も山形の保育園とつないで園児がスキーしているところを見せました。子どもたちはそれだけで同じ日本でもこんなに気候の違いがあることをリアルに感じることができるのです」 園長の思いはこうした創造的でワクワクできる体験を通して、子どもたちの未来力の育成に結びつけることにある。その上で、表現力や好奇心の幅を広げる今後の活用に期待を寄せているのが、HPのA0対応大判プリンターT2500PS eMFPだ。
同機は現場の生産性を大きく向上させる1台でプリント、コピー、スキャンが標準搭載されているのが特長。しかも、A1サイズのカラー線画をわずか約21秒でプリントするスピードや、グレーを含む6色インクによって高品質な線画出力を実現したほか、前面から2本のロールを給紙できるダブルロール対応により、用紙交換時の手間や時間が削減できる。
実は、デジタル活用で不満を感じていたのが、最大A3までしか出力できるプリンターがなかったことだったと園長。「たとえば、動物の工作折り紙は以前のプリンターでは考えられないインパクトのあるサイズで作ることができます。あるいは、手作り本もしかり。こんなふうに、子どもが歓喜するような体験を与えられる作品づくりが可能になりました」と語り、創作意欲を向上する大判プリンターの可能性に手応えを感じているようだ。
つるみね保育園
使いやすい前面操作やガイド機能
一方、HPの大判プリンターはすべての操作を前面から行える設計の追求など、人間工学に基づいた使いやすさも特長の1つ。これには、まだ導入して3週間も経っていないながら、多くの作品を生み出している園長も「この機器でいえば、動かしていいところは青い塗装が施されている。
そんなちょっとした工夫に好感が持てます」と満足する。
また、操作性についても「大判プリンターを使うのは初めてで不安もありましたが、タッチスクリーンに操作手順が表示されるので戸惑うことなく出力することができました」と話す通り、アイコンをタッチするだけでプリント、コピー、スキャンといった関連する操作が可能。加えて、本体の稼働状況もモニターできるほか、紙の残量をチェックする機能があるため印刷中にロール紙が切れてしまう心配もない。
さらに、「使い勝手でいえばクラウドにも対応して、スマホや遠隔地のPCからリモートプリントできる機能も標準で備えているなど便利。
デジタル技術を使っていくと欲しくなる商品なのでは」と指摘してくれた。
実際の制作作業ではテンプレートを選んで写真やテキストを配置するだけできれいに作れるDTPソフト「パーソナル編集長」を併せて活用することを示唆。「本園では保護者への月報もカラープリンターで印刷して配布していますし、園児の誕生月には顔写真を拡大出力して貼り出すなどプリンター用途も多岐にわたるため、組み合わせて使うことで職員の作業が効率化できると思います」
大判プリンターで作成した動物の工作折り紙(大)
拡大することで生まれる効果
それでも省エネに優れた機器とはいえ、大きな用紙を扱うため紙代やインク代などが気になるのも事実。この点についも「デジタル技術で都会とつながることで、逆に自然が豊富なこの地域のよさに気づくことができました。それは大判プリンターも同様で、使う前からあれこれ考えるよりも、どんどん使っていくことで新しいアイデアや思った以上の効果が生まれてくるもの。その意味で、”ランニングコストを考えていたのではイノベーションは起こせない!”という気概で活用していくつもり」と笑って答えてくれた。
その思いをひときわ強くしたのが、保育園のキャッチフレーズを表した長尺ポスターを作ったことだ。園長は、生き生きとした笑顔を浮かべている園児たちの写真を指さすと「ほら、私がどんな説明をするよりも、この表情を見ればどんな教育が行われているかが一目瞭然でしょう」と拡大することでの説得力を挙げる。
こうしたことから、できれば画質の良さをより一層感じられる光沢紙を使って職員全員の等身大写真をプリントするなど、A0サイズならではの大胆な使い方にもチャレンジしてみたい。または、同園では発表会などのバック絵として短焦点プロジェクタを活用しているが、これも大判プリントなら1枚で背景として使うこともできるため多様な表現活動が可能になると、次々とやりたいことが生まれているようだ。
園児たちの笑顔が魅力的な長尺ポスター
みんなで共有するツールとして
保育の幅、笑顔の幅、好奇心の幅を広げ、子どもたちに大きな夢を描かせることができるよりよいデジタル技術活を目指した研究実践で、今や県内外からの視察が相次いでる「つるみね保育園」。とはいえ、園長がコンセプトにしているのは「みんなで1 台のiPad」に代表されるように、大規模なインフラを導入するのではなく、みんなで共有することによる喜びや体験の場を創り出すことにある。
そんな信念を表すように、最後に園長は自信たっぷりに抱負を語ってくれた。「大判プリンターの場合は掲示物など拡大することで職員が便利になる利用方法を考えがちですが、子どものためにどう活用できるかということにこだわってみたいですね。できれば1年後に再訪してもらえると、びっくりするような成果が生まれていると思いますよ」
今回導入した大判プリンターがこうした思いに応え、園児たちみんなが共有できる新しいツールとしてこれから活躍していくことに期待したい。
手作り絵本もより読みやすい大きさで製本が可能になった
対象プリンター
HP Designjet T2500 eMFP
1台でプリント、コピー、スキャン。
ダブルロール標準搭載A0 対応複合機
- 人間工学に基づいた使いやすいデザイン
- ガイド機能でマニュアル要らずの簡単操作を実現
- 先生方の拡大教材づくりを効率化
- アナログ作品をスキャンして模造紙サイズに拡大
- USBメモリーからPCレスで直接プリントが可能