色再現性に優れたHP DesignJet Z9+PS A1プリンターの導入でアーティストの世界観を印刷という形で緻密に再現
-株式会社 三洋プリント
アーティストの作品にはそれぞれの思いが詰まっている。色使いや構図、ディティールなど、そのこだわりは細部にまで及ぶ。そんな作品を印刷する場合、アーティストが描いたこだわりと同じだけの熱量がなければ想いを再現することは難しいといえる。そんな大きな課題を乗り越えるために、株式会社三洋プリントではHP DesignJet Z9+PS A1プリンターを選択。アーティスト作品を見事に再現、魂を吹き込むことに成功している。どのような背景から導入に至ったのか、話を伺って来たので紹介しよう。
株式会社 三洋プリント
〒192-0361 東京都八王子市越野25-27
Webサイト: http://www.sanpri.co.jp/index.html
HP DesignJet Z9+PS A1を選んだ理由
- 作品のベースとなる深みを持つ黒の再現が求められていたため
- 点描画の繊細なタッチまで美しく印刷する必要があったため
- HPプリンターに対し品質・生産性向上の面で信頼性が高かったため
HP DesignJet Z9+PS A1で解決できたこと
- 9色HP Vividフォトインクによる豊かな表現力で、従来できていなかった深みを持つ黒を表現できるようになった
- RGB印刷やHP Pixel Controlなどのテクノロジーでアーティストの持つイメージをそのまま印刷物として再現可能になった
ベテランと若手がお互いを支え合う好循環
1980年8月に八王子で創業して以来、建築業での取り扱う図面での入出力や製本及び印刷物を取り扱いながら業績を拡大。現在、新宿区、さいたま市、多摩市などにも支店を持つ株式会社 三洋プリント(以降、三洋プリント)。同社はこれまでに培ってきた豊富なノウハウをベースにアナログ手法と最新のデジタル技術を融合し、「精度の高い商品づくり、効率よく正確にそしてスピーディーに」をモットーとして掲げ、今日も業務に励んでいる。
「弊社は若いスタッフが大勢在籍する明るく活発な社風の会社です。様々な仕事を通じ、若者が感性を磨き、挑戦を続ける中で成長していく。ベテランはそんな彼らの道しるべとなり、会社全体を支えてくれる。とてもよい環境の中、お客様に喜んでいただけるような仕事を続けています」と語るのは三洋プリントの代表取締役 社長の長谷川 博氏(以降、長谷川氏)だ。
同社は多くの顧客の印刷ニーズを引き受けている中で、あるアーティストとの出会いがあったのだという。
「以前から秋山先生と面識のある従業員に紹介して頂き、実際に曼荼羅の点描画の原画を拝見し、とても衝撃を受けました。秋山先生に原稿をコピーよろしいですか?と尋ねたところ、「この点描画は自分の物では無いのでどうぞ」と言う返答を頂き大変驚いた事を今でも覚えております。秋山先生の作品に感銘を受け「先生の作品を是非弊社でなんとか守らせて頂きたい」とお伝えした所、作品印刷のご相談を沢山下さるようになりました。
秋山先生は、弊社と出会う前までは色々な企業にて商品の作成しておりましたが、今では弊社がほぼ全ての商品製作携わっております。商品製作に携わり始めた当初より商品製作について常に色々な課題がありました。例えば黒のベースをより美しく見せる為に光沢のある用紙に印刷するとベースの黒は美しく表現できるのですが、つやが出る事によって点描画の所々が光ってしまい全体的にぼやけてしまうという事や、展示する際にガラスの額を使用する事で先述と同様に全体がぼやけてしまい作品の細かさを伝えられないなど、悩みが沢山あり常に試行錯誤しまいりました。」と語る長谷川氏。
秋山 峰男氏は、1943年生まれ。幼少のころから絵に親しんでいた。30歳で家具・インテリア会社を設立。当時から日課として夜明けとともに走る日々を送っている。1998年ヒーリングルーム開設の仕事を受注竣工後に、オープンイベントでヒーリングアーティストが欠席したため主催者からアートを書いてみないかと誘われて「オレンジシャワー」を描き、会場に居合わせた人達に癒しのパワーと評価される。日課で得られた日の出の輝きとパワーを描いてきたと気づく。会社経営との両立が困難で2年間悩み、2001年に決起する。すべて家族に残して負債を背負い、年間300日ヒーリングアートを描く旅に出る。行く先々で人々の魂や神社仏閣のエネルギーを描き、コンサートで様々なミュージシャンとコラボレーションを行っている。特に現在は日本国内にとどまらずアメリカ、セドナ、マウンシャスタ、アイスランド、ハワイ、バリ島にも広がる。セドナのヒーラー、クレッグさんとコラボレーションが始まり、秋山氏の点描画の意味の説明や曼荼羅の動画化、オラクルカードの翻訳もして下さっている。近年、国内では出雲、札幌、青森など、各地で個展原画展を開催する。
黒をベースとした点描画によって描かれる秋山氏の作品。この印象深い「黒」を再現するため、三洋プリントはHPを選択した
そんな秋山氏と三洋プリントがコラボレーションし、色の深みを実現しようとする中、アーティストとしての秋山氏からはかなり厳しい注文が来たのだという。「秋山先生の信条とする作品のベースとなっているカラーは『黒』なのですが、この色がなかなか気に入っていただけなかったのです。黒にはいくつもの種類があるのですが、用紙との組み合わせになると、さらに幅広いニュアンスがある色なのです。当時持っていた印刷機では、なかなか思ったような黒が再現できず、常に悩んで困り果てていました」と長谷川氏は当時を振り返る。
右から、株式会社 三洋プリント 常務取締役執行役員 加藤 正美氏、
代表取締役社長 長谷川 博氏、
八王子本店 業務サブリーダー 吉池 孝太氏
テクノロジーと信頼のHP
「HP PageWide XL Pro 5200 MFPは出力の時間も早く、印刷スケジュールが立てやすいですし、モノクロとカラーが混在している出力でもページ順に印刷できるので丁合の必要がなく生産性が向上しました。」
そんな三洋プリントではHP PageWide XL Pro 5200 MFPの導入により、モノクロ・カラー印刷の技術においてHPに高い評価を得て、自信を持っていう。「弊社の事業の中でも中心となる図面印刷のためにHP PageWide XL Pro 5200 MFPを導入していました。近年、図面はカラーが当たり前になっているので、本機の導入により、業務効率化や生産性の向上を実現していました。お客様からも品質や納期への満足度が高く、私たちの中でもHPの技術力には一定の評価が得られていたので、他社のプリンターで問題となっていた『黒』の再現性について、事業本部長でおられる那須さんにお話ししました。すると刈和野さん、垣見さんに連絡が繋がり、すぐに三洋プリントへ出向き、秋山氏の作品を確認。ヒアリングを続ける中でイメージに近い色を出せるのは「HP DesignJet プリンター」であるとの結論を出していただきました」と長谷川氏はいう。
数あるラインアップの中で最適なモデルを探すため、実機でのテスト印刷を提案。さっそくHP 東京グラフィックス エクスペリエンスセンターでサンプルを取ることになった。「この時、HPだけでなく、パートナー企業のリコージャパン株式会社様及び接点パートナーの株式会社タキネット様にもご協力いただき、テストを繰り返しました」と語るHPの垣見 雄斗氏。「デモセンターの技術スタッフとご一緒に何度もサンプルを出していただきました。三洋プリント様にご納得いただけるまで対応するつもりでした」とタキネットとリコージャパンの田中 孝氏も当時を振り返る。
三洋プリントと共にサンプルを見極めていく中で、最終的に候補に残ったのは「HP DesignJet Z9+PS A1」だった。「三洋プリント様のお話しを伺っている中で、サーマルインクジェット方式による9色HP Vividフォトインクを採用したHP DesignJet Z9+PS A1モデルが最適だと判断しました。表現力が高く、非常に深みのある黒の再現が可能なので、必ずイメージに合う色を出すことができると思いました」と語るのはHPの苅和野 稔氏だ。
「紙だけでなく、布、キャンバス地など複数のメディアでもテストを重ねました。その結果、満足のいく結果を得られたこともあり、HP DesignJet Z9+PS A1モデルの導入を決定いたしました」と長谷川氏は語る。
HP PageWide XL Pro 5200 MFPからHP DesignJet Z9+PS A1の導入に確かな手応え
海外からの輸送となるため、三洋プリントの拠点に届くまで約2カ月間の時間が掛かったが、比較的スムーズに導入は完了した。「搬入の際に予想以上のスペースが必要になるなど、ちょっとした想定外はありましたが、基本的にはスケジュール通りに導入は完了しました。HPのサービス・サポートの方々からは密な連絡をいただいていたので予定が立てやすく、とてもありがたかったです」と当時を振り返る長谷川氏。
今回のHP DesignJet Z9+PS A1の導入に関して、秋山氏の作品をイメージ通りに印刷するという目的のほかにも狙いがあったのだと同氏はいう。「秋山先生のようなアーティストの作品を手掛けることで、若手エンジニアの経験値が大きく上がります。そのためにも、ぜひ若い世代のスタッフに挑戦してもらいたかったのです」と長谷川氏は思いを語る。
「他社プリンターで秋山先生の作品を印刷すると、どうしても霞みや白っぽさが出てしまいます。その他のカラーにも発色の限界があり、なかなかイメージ通りにはいきませんでした。基本的に作品をデータ化してから調整しながら出力していくのですが、パソコン上のイメージと実際の印刷ではかなり印象が違ってきます。そんな中、HP DesignJet Z9+PS A1を導入してもらってからはCMYK以外にもRGB印刷もできるようになったため、より読み込んだデータに近い色が出せるようになりました」と語るのはHP DesignJet Z9のオペレーションを担当する吉池 孝太氏(以降、吉池氏)だ。事前にテストを繰り返した成果と、HP DesignJet Z9の機能がうまく働いたことで、オペレーターとアーティスト間のイメージがより深いところで歩み寄ったのだ。
「秋山先生の作品のベースになる黒色は作品に深みや奥行きを与えるだけでなく、先生が醸し出すヒーリングイメージを表現するためにとても重要な要素です。震災からの復興や、人々の精神世界に至るまで様々な点描画によるイメージを乗せていくベースとしても大切な黒なのです。そうした思いや作品などの理解を深めることで、印刷物にもそれが活かされてくることを若いスタッフたちに分かって欲しかったのです」と長谷川氏は語る。
「秋山先生をはじめとするアーティストの作品にはそれぞれの思いが詰まっています。例えば秋山先生の作品を掛け軸にしようとした場合、印刷する用紙から、断裁の切り口の仕上がり、掛け軸を巻き取る軸に至るまでこだわることもあるほどです」と語るのは三洋プリント 常務取締役の加藤 正美氏(以降、加藤氏)だ。
秋山氏の作品へのこだわりは、ベースカラーの黒色に留まらず、細部にまで及ぶ。吉池氏をはじめとする三洋プリントの若手社員は直接秋山氏と何度も話し合い、接していく中で、アーティストの世界観を印刷という手段で表現していくための技術を磨き続けているのだ。
HP DesignJet Z9+PS A1で秋山氏の作品を印刷する吉池氏。
オリジナルで見られた印象深い黒を見事に再現している
「秋山先生の作品のベースになる黒色は作品に深みや奥行きを与えるだけでなく、先生が醸し出すヒーリングイメージを表現するためにとても重要な要素です。震災からの復興や、人々の精神世界に至るまで様々な点描画によるイメージを乗せていくベースとしても大切な黒なのです。そうした思いや作品などの理解を深めることで、印刷物にもそれが活かされてくることを若いスタッフたちに分かって欲しかったのです」と長谷川氏は語る。
「秋山先生をはじめとするアーティストの作品にはそれぞれの思いが詰まっています。例えば秋山先生の作品を掛け軸にしようとした場合、印刷する用紙から、断裁の切り口の仕上がり、掛け軸を巻き取る軸に至るまでこだわることもあるほどです」と語るのは三洋プリント 常務取締役の加藤 正美氏(以降、加藤氏)だ。
秋山氏の作品へのこだわりは、ベースカラーの黒色に留まらず、細部にまで及ぶ。吉池氏をはじめとする三洋プリントの若手社員は直接秋山氏と何度も話し合い、接していく中で、アーティストの世界観を印刷という手段で表現していくための技術を磨き続けているのだ。
印刷物に魂を吹き込む三洋プリント
「HP DesignJet Z9は業界の中でも極めて鮮明で重厚感のあるカラーが表現できるのが魅力だと感じています。」
HP DesignJet Z9+PS A1の導入により、アーティストのイメージをカタチにすることに成功した三洋プリント。「作品の再現性という部分では現在とても安定していて、HPのデジタル印刷技術も手伝って、細部まで非常に美しく表現できていると思います。秋山先生の作品は宇宙からのメッセージで、自然体の中から光が勝手気ままに働きかけているのか、意識的に描く事は無いのが特長ですが、印刷された作品を見ても小さな部分がすべて点で構成されていることもわかるほどです」と吉池氏は評価する。
「先に導入したHP PageWide XL Pro 5200 MFPは出力の時間も早く、印刷スケジュールが立てやすいですし、モノクロとカラーが混在している出力でもページ順に印刷できるので丁合の必要がなく生産性が向上しました。トラブルもほとんどなく、同業他社との差別化につながっています」とHP PageWide XL Pro 5200 MFPについても総括する加藤氏。
「HP DesignJet Z9+PS A1は業界の中でも極めて鮮明で重厚感のあるカラーが表現できるのが魅力だと感じていますし、HP PageWide XL Pro 5200 MFPは、図面印刷に関してはこれまでの常識を覆す究極の1台といっても過言ではないぐらい信頼し、何故もっと早く導入しなかったのかと反省しています。今後は一般の方が求めている印刷ニーズへの対応を考えていますし、日本中に眠っている古文書の類をデジタル化して保存していきたいという思いもあります。これからも多方面へ向けてのサービス拡張も考えていますので、HP様とリコージャパン様及びタキネット様にはこれまで同様、最新情報の提供とよりよい製品やソリューションのご提案をお願いしたいと思います」と最後に長谷川氏は語ってくれた。HPとリコージャパン及びタキネットはこれからも三洋プリントのサポートを続けていく。
対象プリンター
HP DesignJet Z9+PS A1
先進のプリントテクノロジーをフル装備したA1大判プリンター。デジタル印刷に最適化されたプリントテクノロジーでトータルの生産性を大幅に向上。
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