オンデマンド印刷の一翼を担う
プロフェッショナル大判プリンター
- 株式会社九電工フレンドリー
株式会社九電工フレンドリーは、九電工が障がい者雇用促進のために設立した特例子会社だ。従業員や会社としての独立性も持ち合わせており、自らが事業を創出してビジネス活動を続ける意欲に溢れているのが特長。同社では設立された15 年前より、HP の製品が多く使われてきたが、この度A0 ダブルロール複合機のHP DesignJet T2500PS MFP を導入した。実際の使われ方や効果について話しを伺ってきたので紹介しよう。えるのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の高性能ワークステーションと大判プリンターだ。
幅広いビジネスを目指して
九電工フレンドリー株式会社(以降、九電工フレンドリー)は、名刺をはじめとした印刷物のデザイン、校正、出力や印刷全般を請け負う会社だ。メインは九電工が使う各種名刺の受付・制作・出荷全般で、その他、会社の送別会や還暦祝いなどに使う、横断幕などの特殊印刷も引き受けるという、小回りの効いた営業スタイルが特長。
「起業当時が、印刷業界内で、オンデマンドにするか、従来通りのオフセット印刷を続けるかという、分岐点だった時代です。会社の性質上、オンデマンドでビジネスをすることに決定したのですが、これが時代にマッチしていましたね」と語るのは、九電工フレンドリー 課長 大島由美子氏(以降、大島氏)だ。起業当時と比べると、従業員も大分移り変わりがあったそうだが、「今がベストメンバーです」と大島氏が言い切るほど、社内の雰囲気がよく、チームワークが魅力のひとつになっている会社だ。
印刷をメイン業務としているものの、印刷機は置かずにオンデマンド機器に絞っている九電工フレンドリー。請け負う業務内容に合わせて、外注を使ったり、社内で対応したりと臨機応変なビジネススタイルを続けている。「そんな中、大判のカラーコピーも昔はやっていました。しかし、当時の機器はスキャナーと印刷機が別筐体になっていて、社内のスペースを広く占有していました。仕事としてはそれほど使用頻度が高いとはいえず、一旦は手放していたのです」と語る大島氏。
だが、ここ数年で再び大判カラーコピーの仕事が増えてきたのだそうだ。そうなると、機器を手放していたため外注へ依頼するしかない。「その場合、健常者が2 名しか居ないので、営業の社員が依頼や受け取りの度に車で移動するしかないのです。それが原因で業務が滞ることもあったため、スキャナー一体の大判プリンターを探していたのです」と大島氏は語る。
株式会社九電工フレンドリー 営業課長 大島由美子氏
オペレーションのしやすさがポイント
九電工フレンドリーが導入したのは、HP DesignJet T2500PS MFP だ。
36 インチ仕様のA0 ダブルロールの複合機で、大判コピー、大判プリント、大判スキャンを1 つの筐体でこなせる製品だ。「同業の印刷業者からの薦めもあって選択したのですが、車いすに乗った状態でも、扱いやすい場所に操作パネルがあるのも決め手になりました」と大島氏。バリアフリーという考え方ではないが、同機の操作系タッチパネルは低い位置に設定されている。これが車椅子を使った人に使いやすく、オペレーションに最適な高さなのだ。
「ちょうど目線にくるので、タッチボタンが的確に見えますし、押しやすいですね。上部パネル方式のプリンターもあるのですが、そちらではちょっと伸びながら操作するしかないので、タッチ式のパネルだとミスタッチが出やすいのです」と語るのは、HP DesignJet T2500PSMFP のオペレーションを担当する池幸氏(以降、池氏)だ。その日扱う印刷物が頻繁に変わる同社では、用紙設定も都度おこなう必要がある。「その場合でも、一度設定したものは細かい部分まで保存できるので、とても便利ですね」と池氏。
池氏は、同機で印刷する印刷物のデザインも担当しており、DTP ソフトウェアとしてAdobe Illustrator をメインに使用している。「色の発色もよく、狙ったとおりのレイアウトができます」と池氏はいう。カラーコピーでも4 色印刷には耐えられるが、もっとも違いが出やすいのが「黒」の発色だ。「コピーだとどうしても黒がムラになる傾向があります。遠目で見て黒にムラがあるとぼんやりした印象になってしまいますが、HP DesignJet T2500PS MFP の場合は、むら無くキレイに印刷できるところがいいですね」と大島氏も満足げだ。
HP DesignJet T2500PS MFP を使う印刷物としては、会報誌のカラー表紙などのほか、冒頭でも触れた横断幕などもある。ロール紙を使った印刷物はデータが大きくなるのが通常だ。「最大で3.5m ぐらいのものも扱います。以前の機器では、2m ぐらい印刷したところでメモリーが切れてしまい印刷不可能になるケースもありました。紙が勿体なくて嫌だったのですが、HP DesignJet T2500PS MFP になってからは一度もありません」と笑顔で語る池氏。同時にかつてはモノクロで印刷することが多かったが、現在では還暦や送別会などの際に使う「祝」という文字を朱にすることができるなど、印刷物の表現力も大きく向上している。
また、HP DesignJet T2500PS MFP の得意とするスキャン機能もよく使うのだという。「電力関係者用の1/25,000 縮尺の地図があるのですが、これを一度取り込んでデータとしてお渡しするのです。用途に合わせて、データを接合することもあり、割とスキャンの頻度は高めですね」という大島氏。「スキャンでは自動調整機能があるのがうれしいですね。多少斜めに入ってしまっても、しばらくするとまっすぐに戻ります」と池氏は語る。大判用紙となれば、スキャン時に原紙がずれて読み込まれると、最悪切断あるいは原紙に傷が入るなどのトラブルに発展する。HP DesignJet T2500PS MFP ではその心配がないため、快適なオペレーションが可能なのだ。
株式会社九電工フレンドリー 池幸氏
やれることを確実にこなしていく
「半年以上使っていますが、今のところインクタンクは一回しか交換していません。交換も楽なので手伝い不要で自分で交換できます」と池氏。同社では、障がい者の従業員でもやれることは自分でやることで、社員としての成長を促すスタンスを持っている。もちろん、体力や設備が要因する部分は健常者が手伝うことはあっても、なんでも自分でやることで自信を持ってもらうためだ。そうしたスタンスと、扱いやすい機器が揃うことで、池氏を含めた従業員が明るく楽しい気持ちで作業できる環境を作っているといえるだろう。
「池はCAD も扱えるので、図面などの仕事もやりたいですね。一度制作した図面を送ってもらい、それをスキャンしてデータ化から製本までをこちらがやる。親会社である九電工を含めて、大きなコストカットになります」と、大島氏は新しいジャンルの仕事への意欲をみせる。
低めのタッチパネル位置が車椅子からのオペレーションを容易にした
※バリアフリー用の設計ではありません。
また、同社の社屋壁面は福岡市内の学生街への分岐点にあり、そこへ看板を設置することで、上手に自社PR をしている。「大学がたくさんあるので、そこでも使っていただきたいですね。
弊社は試し刷りができるので、仕上がりを見てから印刷できます。卒論や論文などぴったりだと思います」と大島氏。実際に学生や教授からの委託も確実に増えてきているのだという。建築学の教授から古い教会の製図をスキャンするという依頼があった際も、池氏が担当した。「しわが目立つ紙質でしたが、とてもきれいにスキャンできました」と、笑顔で語ってくれた。企業として従業員と共に成長していく九電工フレンドリー。地域に根差した仕事を通じて、これからも社会に貢献し続けてくれるはずだ。
3.5m の長尺物の印刷物も扱う
対象プリンター
HP DesignJet T2500 MFP
A1対応で世界最小・最軽量!
低価格を実現した大判インクジェットプリンター
- A0スキャナ内蔵複合機
- 6色インク搭載
- A1印刷速度21秒
- HP DesignJet ePrint & Shareによるクラウド対応※
- インテグレーテッドスタッカー標準装備
- 用紙の切り替えが容易なダブルロールを装備
- 大判のプリント、スキャン、コピー機能を内蔵
※HP DesignJet ePrint & Shareアカウント、プリンターとのインターネット接続、インターネット対応デバイスとの接続が必要です。 HP DesignJet ePrint & Shareモバイルアプリケーションを使用する場合は、互換性のあるApple® iOSまたはAndroid™デバイス、およびインターネット接続が必要です。 データや接続の利用料金が発生する場合があります。 印刷時間は条件によって異なります。 1つのアカウントにつき、2GBの一時保存領域をご利用いただけます。 詳細については、HP DesignJet ePrint & Shareをご覧ください。