極細線が成果を決める
プロ仕様図面作成に
HP DesignJetT7200と
HP SmartStreamが貢献
- アジア航測株式会社
図面と一口に言っても実に様々な種類があるが、行政が使う維持管理に用いられるタイプともなれば、実に細かな線を使用する。線の太さの違いに色の違いを加えると、線画だけでもかなりの繊細さを持つことは容易に想像できるだろう。そのようなプロ仕様の図面を刷るプリンターには、様々な制約がある。厳しい条件の中、どのような要件が求められるのか、アジア航測株式会社 関 友和氏に話を伺った。
行われたアプローチ
- 図面専用大判プリンターの選定
- 印刷機能の高さ
- 管理ツールの柔軟性
アジア航測株式会社 空間情報事業部 G空間 ICT部
上下水道コンサルタント課 係長 関友和氏
空からの目で日本を見守る企業
アジア航測株式会社(以降、アジア航測)は、60年前から日本全国を空から見守ってきた企業だ。社名の由来ともなっている航空機を使った測量による俯瞰図を始め、空間情報やGISそれらの技術を使ったシステム開発から、コンサルティングまで、データや図面が必要な分野のあらゆるジャンルへ、トータルなサービスを提供している。
「一番お馴染みなのは、大きな災害などがあったときの災害地図でしょう。何かが起こればすぐに飛行機を現場へ派遣し、いち早く情報として提供していますからね」と語るのはアジア航測 空間情報事業部 G空間 ICT部 上下水道コンサルタント課 係長 関 友和氏(以降、関氏)だ。
「わたしが担当しているのは行政支援のGISに関わる上下水道の管理用図面の作成と提供です」という関氏。様々な部署があるアジア航測の中には、関氏が担当する行政向けのサービスも含まれる。「この管理図面は上下水道の敷設の詳細が記されています。役所はこれを所有し、有事の際はもちろん、日々の管理に使うという流れです」と関氏。当然のように、この種の図面は高精度に書き込まれている。これを印刷するのに某社の大判プロッターを活用していたのだが、古くなってしまったので買い換えを検討し始めたのだという。「そこで新しい大判プリンターを選定するのに対し、いくつかの条件がありました」と関氏は語る。
アジア航測株式会社 ロゴマーク
描画能力に加え管理機能も必要
「まず始めに線が書き分けられ、例え0.1mm、あるいはそれ以下でも潰れたり滲んだりしない描画能力が必要です。これは最低限の基本機能ですね」という関氏。線の太さや色によって意味が変わる図面を印刷するには、それに見合う高い基本機能が必要になるのだ。
「もう一つ重要となるのは、原寸の印刷に加え、縮小版を印刷できる機能です。これは私の部署ならではの要件になりますが、原寸は窓口用として、縮小版は持ち運びがしやすい縮尺にしたものを揃えて納品するためです」と関氏はいう。この縮小版が印刷できるか否かで、関氏の部署の業務負担が大きく変化する。縮小版が作れないとなれば、指定された縮尺に合わせた図面を再度作り直す必要があるからだ。
「業務負担を考えても、縮小版が簡単に印刷できる機能は是非とも欲しいところなのです」という関氏。この要件を日本 HPへ投げかけたところ、最新の管理ツール「HP SmartStream ソフトウェア」があれば、自由自在な縮尺変更が可能という返事が来たのだという。
「そもそも私たちの業界でのスタンダード大判プリンターはシェアが高いHPの大判プリンターです。私の部署があるフロアでも、他の部署が導入している大判プリンターのほとんどがHP製ですからね。ある意味、納品する成果物の品質を他部署と同じにするという意味でも、同社の製品に興味が沸きました」と関氏。
同氏は実際に日本 HP 本社へ赴き、デモルームで様々な種類の大判プリンターを試してみたのだという。「その結果、ハイエンドモデルになりますが、HP DesignJet T7200 が一番要件に合っていると感じました。そのまま稟議へ委ねた結果、OK のサインが出たので、正式に導入することになったのです」と関氏は明るい表情で語る。
HP DesignJet T7200。B0ノビ対応のハイエンドモデル。
トリプルロール※対応、A1印刷時で15秒の高速印刷をはじめ
最先端の機能が満載の1台。
※ 要オプション
ハイエンドモデルと管理ツールの組み合わせで業務効率が向上
「導入されてからは早速 HP SmartStream ソフトウェアを使ってみました。思ったサイズへの縮小もできますし、使ってみてから分かったのは印刷待ちのジョブがサムネイル表示されるのが意外と便利だということです」と関氏はいう。ファイル名だけでなく、サムネイルで目視できることで、印刷優先順位を再確認するのも容易なのだ。
HP SmartStream ソフトウェアは、柔軟性のある数々のプリント管理機能を提供するソフトウェアだ。縮小版の印刷やジョブのサムネイル表示はもちろん、印刷ワークフローを全体管理することで、印刷効率を向上させる機能を持っている。「最初は操作に戸惑うところもありましたが、今では必要な機能についてはきちんと使いこなせています」と関氏はいう。
また、HP DesignJet T7200についても良好だという。「細かい線がきちんと書き分けられるのはもちろんですが、何より静かなのに驚きましたね」という関氏。同氏の部署では、オフィスに隣接するエリアに HP DesignJet T7200 が設置してあるため、業務環境としては静音であるにこしたことはないのだ。「印刷も速いのでいつ終わったか気がつかないケースもありますよ」と笑顔で語る関氏。
さらに、先ほども少し触れたが、同社では他部署もHPの大判プリンターを数多く導入している。HP DesignJet T7200は6色インクだが、同じ6色インクを使う大判プリンターでもHP製であれば、品質に差が出ないこともメリットなのだという。「他部署で作成した図面を同じお客様へ納品するケースもあります。ですから、例えば違う部署の赤と、私たちの部署の赤が同じでないと、納品の際に説明が必要になることもあるのです」と関氏はいう。顧客にとっても大きなメリットになるというわけだ。
前機種が古かったこともあり、あまり比較はできないが、重いデータを印刷するときの扱いにも変化があるのだという。「私の部署では100MBを超える重いデータを印刷するケースもあります。このサイズになると、古かった以前の機種ではジョブが実行されず、印刷することがそもそも出来ませんでした。その場合、他部署に印刷をお願いするなど負担を掛けてしまうこともありましたが、HDDを搭載しているHP DesignJet T7200では、そのようなことは一切なく、重いデータもスムーズに印刷できます」と関氏は語る。
多様な管理機能を提供してくれるHP SmartStream ソフトウェア
縮小印刷、ジョブのサムネイル管理などを
容易なオペレーションで操作できる
繁忙期にも心強い信頼の印刷環境
「ランニングコストに関しては、まだ導入して4 ヶ月程度なので正確には算出できていません。しかし、最初のインクタンクがまだ残っているので、消耗が非常に少ない印象があります。これなら、ランニングコストもダウンできる可能性が高いという手応えはありますね」と関氏はいう。HP DesignJetシリーズは、独自の節電機能や廃インクの少ないプリントシステムなど、ランニングコスト削減を実現するための機能も提供されているので、長期間の使用を考えればこれも必ず実現できるはずだ。
「HP SmartStream ソフトウェアについてはまだまだ全部の機能を試せていませんが、様々な用途に使えると思います。例えば物件ごとのフォルダ管理や、この図面は何年の何月何日に印刷したといった履歴管理にも使えそうな手応えがありますね」という関氏。HP SmartStream ソフトウェアの多機能を活用すれば、アイデア次第でワークフローへの落とし込みも可能となり得る。大判プロッターのオペレーションにノウハウを持つ関氏ならば、きっと新しい使い方も開発してくれるはずだ。
「私の部署の繁忙期は毎年1月から3月に集中します※。真価はそこで発揮されると思いますが、現状でも十分に信頼できるプリント環境が手に入ったと思います」と関氏は自信を持って応えてくれた。関氏の部署における高度なニーズに応えることができた HP DesignJet T7200とHP SmartStream ソフトウェア。人々の生活を守るための図面を作る業務を支えるため、これからも日々の稼働を続けていく。
※ 取材は2015年10月に実施
「高い描画能力と管理ツールで業務効率が向上した」
と語る関氏
対象プリンター
HP DesignJet T7200
新開発のプリントヘッドによりA1サイズ・カラー線画を最速15秒でプリントするなど、大判インクジェットプリンターとしては業界最速クラス。標準2本、最大3本※までロール紙を装着可能。
用紙交換の頻度を減らせるほか、連続大量印刷にも余裕を持って対応できます。
スピンドル不要で用紙交換が簡単な「HP スマートロールローディングシステム」の採用で、用紙ハンドリングを大幅に簡略化しています。
※ オプション使用時
対象ソフトフェア
HP SmartStream
プロ仕様のソフトウェアソリューションによる本格的なPDF管理を活用することで、生産性を向上させ、一貫性のある確かな印刷を実現できます。 複雑なジョブでも準備にかかる時間を最大50%短縮し※、印刷ワークフローを全体的にコントロールできます。
※ 50ページの文書からページを抽出して数台のプリンターを使用して印刷するのに要する時間を、同等のソフトウェアプログラムを使用した場合と比較したHP社内テストに基づく結論。