就労人口の減少を背景に、AIやロボティクスの活用、女性の活躍推進、複数の仕事をこなすパラレルキャリアの推奨など、今雇用や労働環境に大きな変化が起こっています。そんななか、「働き方改革」の名のもと、官民を問わず普及・定着・浸透がすすめられているのがテレワークです。Tech & Device TV編集部では、テレワーク研究の第一人者である東京工業大学の比嘉邦彦教授に、今後の労働環境の変化やテレワークのマネジメントについて取材し、テレワークを真の成功に導くポイントについて考察しました。
デジタル技術活用と
パラレルキャリア促進による、
経営と雇用の変革
デジタル技術活用と
パラレルキャリア
促進による、
経営と雇用の変革
現在、今後の日本における就労人口の減少を補うためのAIやロボティクス活用が注目されていることは言うまでもありません。また、労働基準法の改正に伴い社会的な動きとなっている「働き方改革」において、テレワークの導入促進が労働時間の短縮や働き方の多様性をもたらすものとして期待されていますこれからの雇用と働く環境には、どのような変革が求められているのでしょうか。
テレワーク研究の第一人者である東京工業大学の比嘉邦彦教授は、「AIやロボットが人の労働機会を奪うといった現象が起こったとしても、すべての業種・職種に適用する話ではなく、高いスキルや専門性が問われる仕事においては限定的だと考えています。企業内部で働くビジネスパーソンよりも外部で働く人たちが多くなるだろうと予測しています。事実、アメリカなどではこの形に近づいていくような変化がすでに始まっています」と語ります。
現在もクラウドソーシングの普及により、高度なスキルを持つITエンジニアたちは、特定の企業に所属せず、オンラインの人材プラットフォームに登録し、自らの意思で参加するプロジェクトを選ぶようになっています。「同じ企業に所属する者同士が、同じオフィスで顔を突き合わせて働くという局面は減り、外部のエキスパートや他社の人と有機的に連動していける働き方や環境が必要不可欠になっていきます。これらの雇用形態が増えていくことは確実だからこそ、テレワークの活用もまた必須条件になるのだと私は主張し続けています」と比嘉教授。
また子育てや介護など、勤務場所や時間が縛られてしまうような局面でも、テレワークを活用することによってその人が持つ専門的な知識やスキルを生かすことができるでしょう。多様性のある働き方は、働く人ばかりでなく企業側にもメリットをもたらします。適切な人材のみを正社員にすることでオフィスや福利厚生などにかかる費用を合理化できるのです。
テクノロジー活用に加え、
チームメンバーとマネジメント間の
信頼関係が成功の鍵
テクノロジー活用に加え、
チームメンバーと
マネジメント間の
信頼関係が成功の鍵
働く人と企業にとってメリットをもたらすテレワークですが、制度を導入してみたものの、実際には機能していないという事例もあります。その要因の多くが、テレワークに適したマネジメントの欠如による機能不全だと比嘉教授は注意を促します。テレワークを成功に導くために、企業の経営層や管理職には、チームメンバーがすぐ横にはいないことを前提とする新たなマネジメントスキル、テレマネジメントが求められているのです。
比嘉教授は、「たとえば在宅勤務において、『管理者の目が届かない場所では社員は働かないのではないか?』『セキュリティは大丈夫なのか?』という疑念を経営層が持てば、導入が消極的になります。『本音では積極的には進めたくはない……』といった観念が経営層にあるうちは、テレマネジメントも積極的に取り組まず、結果としてテレワークの活用は本格化しようもないのです」とマネジメントの重要性を語ります。
経営層のテレワークへの理解が進んでいなかったものの、現場社員からのアプローチにより成功した企業もあると比嘉教授はいいます。「テレワークの予算を得られなかったために、一念発起した現場の一人がオープンソースやフリーウェアの技術を活用しながら独自のテレワーク体制を構築したのです。そして現実の業績もこれによって向上してみせたことで、同社のテレワークは結果的に経営層を巻き込みながら本格化していきました」と事例を紹介しました。
テレワーク推進にはさまざまな懸念もありますが、テクノロジーを積極的に正しく活用することで補うことができます。ミドル以上の管理職は性善説に立ちメンバーを信じ、働く側は自由な労働環境を得ながらも確かな成果をあげる……と、お互いに信頼できる関係を構築することが、成功への条件となるのではないしょうか。
ではテレワークに適したデバイスは、どのような点を考慮して選ぶべきでしょうか。まず考慮すべきポイントが、セキュリティ面です。社外での業務が多くなると、セキュリティ面のリスクが高まります。たとえば、社内ではあまり気にしなくてよかった、画面を外部の第三者に盗み見られる可能性が高くなるといった状況には備えておきたいものです。もちろん、サイバー攻撃を受けた場合にすぐに検知し、自動で復旧できるような備えは日々進化するマルウェアやランサムウェアなどの対策にとても重要となります。
(*)デバイスセキュリティに関しては、以下を参照
https://jp.ext.hp.com/business-solution/security/
次に考慮すべきは、コラボレーションのための機能です。社内外のメンバーがかかわるプロジェクトにおいて、ビデオ会議を行う際、どんな場所からもクリアに音声を伝えられるようなマイクに加え、外の雑音をキャンセルし声だけをきれいに拾ってくれる機能があればスムーズに会議をすすめられます。また、それが面倒な操作なく、ワンタッチで受話、終了、といった時間を短縮してくれる機能も生産性を向上させます。
そしてもう一つ重視すべきなのがデザイン面です。働く人の意欲や創造性を高めるため、見た目のみならず、使いやすさや持ち運びのしやすさ、堅牢制、パフォーマンスの高さも考慮すべきでしょう。ビジネスPCにおいて軽量性は重視されても薄さは重視されないことも多いですが、常に鞄の中に入れて持ち運ぶPCには薄さもとても重要です。
日本HPでは、多様な労働環境などに適したデバイスやサービスを提供しています。テレワークの環境に応じた、編集部のおすすめをご案内します。
重量999グラム、薄さ16.1mm、削り出しのマグネシウムボディの軽量ビジネスPC。多彩なセキュリティ機能に加え、覗き見を防止する内臓型プライバシースクリーン、物理シャッターを備えたカメラ、コラボレーションを促進する全方位をカバーのマイクなど、ビジネスに必要なすべてをエレガントなボディーに備えました。
13.3インチのクラムシェルタイプで管理性、セキュリティ、耐久性を兼ね備え、軽量&コンパクトを実現。指紋認証センサーやIRカメラによる顔認証に加え、覗き見を防ぐプライバシースクリーンもオプションで選択可能など、先進のセキュリティ機能や、最新テクノロジーを提供するパフォーマンスシリーズです。
最上位のフラッグシップシリーズです。360°回転するディスプレイにより、タブレットとクラムシェルの両方の形状で使用できるコンバーチブルPCは、あらゆるシーンに合わせて、さまざまなモードで使用可能。生産性を最大限に発揮し、作業効率を向上させます。14インチの「HP EliteBook x360 1040 G5」と13.3インチの「HP EliteBook x360 1030 G3」は、外出先や移動中も安定した通信環境を実現する、4G LTE-Advanced対応モデルも選択可能です。
在宅勤務など、専用の席で効率よく仕事が進められる人たちが利用するPCは、デスクトップタイプのものが好まれます。オフィスの限られたスペースで最大限の効率性を得られるよう、小さな筐体や、モニター一体型などのデバイスが想定されます。
人間工学に基づく設計を追求し、様々な人の体型に調節できるモニターです。高さが最大15cm調節でき、縦置きも可能です。左右45度に首をふることが出来るので隣の人との情報共有やディスカッションにも最適です。21.5インチから27インチまでラインアップをそろえ最大4K解像度にも対応しています。ケンジントンロックなどで盗難防止も出来るのでフリーアドレスのモニターとしてもご利用いただけます。
USB-Cケーブル1本でドックとPCを接続するだけで、PC本体の充電、複数画面への出力、ドックに接続した周辺機器へのアクセスなど、デスク周りをすっきりとシンプルにできるので、外出が多い営業メンバー用のフリーアドレス席などに設置すると非常に便利です。また、別売のHP Thunderbolt3 ドック オーディオと組み合わせることで、遠隔地にいる方々との電話会議に最適な360度スピーカーとしても活用できます。