2019.04.05

失敗しないBIOSのアップデート!メーカー別の手順をチェック

パソコンの中枢ともいえる重要なプログラムといえば、「BIOS」です。基本的な制御を行うために欠かせない存在なので、万が一アップデートを失敗するとパソコンが起動しなくなるおそれもあり、十分に注意しなければなりません。今回は、ビジネスやプライベートに欠かせない大切なパソコンを守るために、メーカー別の正しいBIOSアップデート方法を解説していきます。

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1.BIOSの基本をおさらい

パソコンはさまざまなプログラムや部品から構成された精密機械であり、正常に機能させるためにはそれらを制御してコントロールする存在が必要です。その重要な役割を果たしているのが、「BIOS」というプログラムなのです。BIOSは正式名称を「Basic Input/Output System」といい、主にOSの起動や、パソコンと接続機器との入出力を制御しています。これらの機能はパソコンを快適に使用するために欠かせないものであり、まさに「パソコンの根幹」ともいえるでしょう。「そんなプログラム見たことがない」という人がほとんどでしょうが、BIOSが起動すると画面が青くなり、英語表記のプログラムが表示されます。これこそがBIOSであり、プログラムの存在は知らなくても、この画面は見たことがある人も多いのではないでしょうか。

パソコンの根幹を担う存在であるため、BIOSを起動した後に誤った設定にしたりアップデートを失敗したりすると、パソコンの起動や接続機器がうまく認識されなくなるおそれがあります。このため、一般的には設定を変更する必要はありません。ちなみに、BIOSはパソコンのハードなど基本機能の各種設定を変更することも可能なので、パソコンに詳しい人であれば自分好みにカスタマイズしてみると良いでしょう。BIOSとひと口に呼ばれることが多いですが、実際にはいくつかの種類に分かれています。一般的に使用されているBIOSには、「Phoenix Award BIOS」「AMI BIOS」「Intel Visual BIOS」の3種類があるので所有するパソコンにどれが搭載されているか確認してみましょう。

2.BIOSのアップデートはなぜ必要?

インターネットやパソコンなどの世界は、より快適かつ安全に利用できるよう、常に技術開発が進められています。このため、使用していたBIOSのバージョンが古くなり、CPUに対応できなくなるケースがあるのです。CPUはパソコンを構成する代表的なデバイスであり、データの受け取りや演算などを行います。BIOSと同様に、パソコンの機能を維持する重要な役どころだといえるでしょう。このCPUでは内部設計や機能追加などが常に行われており、同じCPUでも中身は大きく異なるケースもあります。

BIOSにはCPUの種類に応じて正しく動作させるための情報がありますが、BIOSよりも新しいCPUについては情報を持っていないため、正しく動作させられません。このような事態を防ぎ、新しいCPUへの対応と動作を改善させるために、CPUに対応した新たなBIOSへのアップデートが必要になるのです。また、パソコン内の部品どうしの互換性や安定性を向上させたり、不具合を修正したりといった目的でアップデートが行われることもあります。快適な動作につながる可能性が高いため、CPUに問題がなくてもできるだけ行ったほうが良いでしょう。

アップデートの目的や方法は、それぞれのパソコンをつくったメーカーごとに異なるため、メーカーの公式サイトなどを確認する必要があります。比較的新しいパソコンであれば、アップデートはインターネット経由で行えるので手間はあまりかかりません。アップデート用のソフトウェア、更新ファイルなどをダウンロードし、指示に従って作業していくだけです。一般的にはパソコンが再起動したタイミングでBIOSのアップデートが行われるため、無事に再起動が完了するまではできるだけパソコンを触らないほうが良いでしょう。

3.BIOSをアップデートする際の注意点

新たなCPUに対応したり、不具合を修正したりするために行われるBIOSのアップデートですが、自分でアップデートする場合は十分な注意が必要です。BIOSは非常に重要なプログラムであるため、仮にアップデートに失敗するとパソコンが故障し、修理が必要になる可能性もあります。アップデートを正しい手順で行ったとしても、さまざまな要因により失敗してしまうリスクはあるので、万一の事態に備えてデータは必ずバックアップを取っておきましょう。バックアップさえあれば、パソコンが故障したとしても被害は最小限で済みます。また、アップデートをする際は、管理者のアカウントでWindowsにサインインしましょう。

管理権限のないアカウントでサインインしようとすると、エラーが出てアップデートを行えないこともあります。さらに、アップデート中はパソコンの電源を切らないことも大切です。アップデートには安定した電力供給が必要となるため、もし途中でバッテリー不足などにより電源が落ちれば故障してしまうおそれもあります。電気工事や自然災害などで停電する可能性があるときは、できるだけアップデートを避けたほうが安心です。さらに、一度アップデートが完了すると、以前のバージョンに戻すことはできません。アップデートによって使い勝手が変わり、後悔してしまう場合もあるので、事前に必ず新バージョンの内容を確認しておきましょう。

4.パソコンメーカー別BIOSのアップデート方法

4-1.富士通編

具体的なBIOSのアップデート方法は、パソコンメーカーによって異なります。富士通製の場合、Windows 10 とWindows 8.1 / 8 どちらを利用しているかによって必要な操作も変わります。まずはBIOSのバージョンを確認しましょう。Windows 10 であれば、スタートボタンをクリックし、アプリ一覧の中から「Windows システムツール」、さらに「コントロールパネル」へと進みます。Windows 8.1 / 8 の場合は、デスクトップタイルをクリックし、設定画面から「コントロールパネル」に進みましょう。その後、「システムとセキュリティ」「管理ツール」「システム情報」へ進むと、BIOSのバージョンが確認できます。

バージョンを確認したら、BIOSの書き換えデータが提供されているかどうかを調べましょう。パソコンの下部にある通知領域から「アップデートナビ」をクリックし、「富士通へ最新情報を確認」へ進めば書き換えデータの有無がわかります。書き換えデータの横にはバージョン情報も記載されているため、最初に確認したBIOSのバージョンより新しいかどうかをチェックしましょう。一般的には、数字が大きくなるほど新しいバージョンということになります。確認したBIOSより大きいバージョンの書き換えデータがあれば、ファイルをダウンロードしてアップデートを行いましょう。アップデートすると、パソコンは自動的にシャットダウンもしくは再起動します。

4-2.ASUS編

ASUS製のパソコンでBIOSをアップデートする場合、まずは最適なBIOSの書き込み方法を選択することから始めます。ASUSには「EZ Flash2」や「USB BIOS Flashback」などの複数のアップデートツールがあり、それぞれメリット・デメリットが異なるため、比較検討したうえで自分に最適なものを選びましょう。書き込み方法を決めたら、次に使用中のBIOSバージョンを確認します。アップデートには故障のリスクがともなうため、使用中のバージョンが新しいものであればわざわざアップデートする必要はありません。バージョンの確認は、BIOSのpost画面で確認したり、アップデートツールである「EZ Flash2」のメニュー画面から確認したりできます。

また、Windows 上で「ASUS Update」「EZ Update」などを使って確認する方法もあるので、使いやすいものを選びましょう。バージョンを確認したら、ASUSのメーカーサポートページから新しいBIOSファイルがあるかどうかを調べます。該当するファイルがあればダウンロードし、最初に選んだ書き込み方法にしたがってBIOSを書き込みましょう。作業後、正常にBIOSがアップデートされたかどうかを確認することも大切です。パソコンが再起動した後、BIOSのバージョンを再度チェックして新しいものに変わっているか調べましょう。その後、「Load Setup Defaults」機能もしくは「CMOSクリア」を利用して、BIOSの設定情報を初期化すれば完了です。

4-3.Dell編

Dell製のパソコンを使用している場合、USBフラッシュドライブを利用してBIOSのアップデートを行うと便利です。具体的には、まずブータブルUSBフラッシュドライブを作成します。ブータブルUSBとは、USBによってパソコンと接続し、パソコンを起動させる機能を搭載した記憶装置のことです。大容量かつ高速コピーなどが可能になるため、USBにOSをインストールしておけばアップデートの際などに便利になります。DellでブータブルUSBフラッシュドライブを作成する方法は、ミスを防ぐためにも公式サイトで確認しましょう。ブータブルUSBフラッシュドライブを作成したら、BIOSまたはシステムセットアップにアクセスしてバージョンをチェックします。

アップデートできる最新バージョンのファイルがあれば、ダウンロードしてUSBフラッシュドライブに保存しましょう。後で正しくアップデートできたかを確認するために、新しいバージョンのファイル名をメモしておくことが大切です。無事にファイルを保存できたら、一度パソコンの電源を切ってからUSBフラッシュドライブを接続し、パソコンを再起動させます。画面にDellのロゴが表示されたら、「F12キー」を押し、「One Time Boot Menu」へと進みましょう。カーソルを「USB Storage Device」に合わせ、Enterキーを押します。コマンドプロンプトでBIOSファイルの名前を正式に入力して再度Enterキーを押し、「BIOS Update Utility」画面の指示にしたがって操作すればアップデートは完了です。

4-4.HP編:Windowsの起動不能時

BIOSをアップデートする際、HP製のノートブックコンピュータではWindows が起動できないといった不具合が起きるケースもあります。Windows が起動しなければインターネットにアクセスできないため、そのコンピューターだけではBIOSをアップデートすることができません。このような場合は、インターネットにアクセス可能なほかのパソコンやタブレットなどを使い、BIOSのアップデートファイルをダウンロードすることができます。ダウンロードしたファイルをUSBフラッシュドライブなどにコピーし、アップデートしたいコンピューターにセットアップすれば良いのです。

まず、新バージョンのBIOSファイルがあるかどうか調べるためにも、アップデートしたいコンピューターの製品番号やBIOSのバージョン、プロセッサの種類を取得しなければなりません。その後、インターネットにアクセス可能なほかのパソコンなどを使い、BIOS復元用のUSBフラッシュドライブを作成しましょう。USBフラッシュドライブから、BIOSアップデートをセットアップしていきます。新しいBIOSファイルをドライブにコピーしたら、次はアップデートしたいコンピューターのシステムボードIDを取得し、新しいBIOSファイルを識別してBIOSを更新しましょう。アップデートが成功するとコンピューターは自動的に再起動しますが、失敗するとその旨を伝える画面が表示されます。再起動後にシステムがBIOSを復元させるケースもあるため、失敗の表示が出てもコンピューターの電源を切らずに待ちましょう。

4-5.HP編:Windowsの起動可能時

HP製のノートブックコンピュータのWindows が問題なく起動できる場合は、そのコンピューターからアップデートが行えます。まずは、Windows で「bitlocker」と検索し、「BitLockerの管理」から「保護の中断」をクリックし、BitLocker Drive Encryptionを無効にしましょう。無効にしないままアップデートすると、再起動後にBitLockerキーが認識されず、パソコン内部のデータが消失したり、Windows の再インストールが必要になったりするおそれがあります。無効に切り換えたら、BIOSのアップデートが必要かどうかを確認するために、パソコンの製品番号やプロセッサ名、使用中のBIOSバージョンなどを取得しましょう。

これらの情報は、コンピューターのキーボードにある「fnキー」と「escキー」を押し、「HP System Information」ユーティリティから確認できます。新しいBIOSファイルが見つかった場合は、HPのカスタマーケアサイトから最新バージョンのファイルをダウンロードし、アップデートを完了させましょう。

5.失敗したら大変!アップデートは慎重に

あまりパソコンに詳しくない人にとって、BIOSのアップデートは非常にハードルが高く感じられるでしょう。しかし、アップデートの流れや注意点などは各メーカーの公式サイトに丁寧に記載されています。指示された手順通りに作業していけば、決して難しいものではありません。わかりにくい部分があれば、メーカーのカスタマーサポートに連絡すればアドバイスしてもらうこともできます。パソコンを快適に使用するためにも、最新バージョンのBIOSファイルがあればアップデートに挑戦してみましょう。ただし、BIOSのアップデートには失敗するリスクも付きまといます。失敗すればパソコンが故障し、しばらく使えなくなってしまうおそれもあるので、くれぐれも慎重に作業していきましょう。