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2024.03.25

AI PCは本当に仕事を変え、暮らしを変えるのか。
もはやそんな段階はすでに終わっている

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2024年2月20日に開催されたイベントMicrosoft AI Tour – Tokyoのオープニング基調講演に登壇した津坂 美樹氏(日本マイクロソフト 代表取締役社長)は、AIを語る段階はすでに終わり、AIを成長させ、スケールさせるのが今年2024年であるとしています。

この大きな流れは、これからどのような進展を見せるのでしょうか。

フリーランスライター:山田 祥平

筆者撮影:津坂 美樹氏(日本マイクロソフト 代表取締役社長)

AIの勢いを止めるのはもはや不可能

もはや、この勢いを止めるのは不可能ともいえるのが今のAIです。HP Tech & Device TVでは、この流れを積極的に取り上げ、AIがPC界隈に、そして、われわれの暮らしやビジネス、そして働き方などに、どうかかわっていくのかなど、生成AIという、この新しいインテリジェンスがもたらす変化や影響について取り上げています。

プロセッサーを筆頭とするPC関連のハードウェアにAIがどのような変貌を遂げさせようとしているのかについてはフリーランスライターの笠原 一樹氏に、Windowsに代表されるプラットフォーム製品のAI対応や、企業向けサービスなどのAIについてはやはりフリーランスライターの三浦 優子氏に、また、赤井 誠氏(キャリア・デベロプメント・アドバイザー、MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長)には、企業内におけるこれからのアプリ活用にAIがもたらす変化や影響等を如実に示す可能性について、MicrosoftのAIであるCopilotを解説していただきました。どのコラムも現在のAIの立ち位置を明確に示し、これからのわれわれがとるべき対応について示唆したわかりやすい解説となっています。

冒頭で紹介した津坂 美樹氏(日本マイクロソフト 代表取締役社長)は、その基調講演で、生成AIの経済効果は中小企業において11兆円、日本全体で34兆円をたたき出す規模のものだと述べています。かつて、「コンピュータをすべての机と、すべての家庭に」というミッションを謳っていた同社は今、「世界中のすべての人にCopilotを」というゴールに向かって突き進んでいるとアピールしていました。

津坂氏自身も、一般の人たちに先駆けてCopilotを毎日使っていて、もうCopilotがないと仕事ができないとさえ言っています。三浦氏のコラムでもふれているように、「日本マイクロソフトは、あなたの”Copilot”として成長を支えます」と、同社自身がCopilotになることを宣言しているのです。

「語る」フェーズから「導入」のフェーズへ

津坂氏に続いて、同基調講演のステージにたった米Microsoftの沼本 健氏(エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフマーケティングオフィサー)は、今、世界全体でAIがキーワードになっていることを指摘します。同氏は四半世紀前にマイクロソフトに入社し、さまざまなプラットフォームシフトを経験してきたが、今回はその最大となるものではないかといいます。

筆者撮影: 米Microsoftの沼本 健氏(エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフマーケティングオフィサー)

AIは今日のビジネスを大きく変革していると沼本氏。すべての個人、チーム、業界が影響を受けるのはまちがいなく、すでにAIは「語る」から「導入」のステージに入っているといいます。

沼本氏は企業がAIに1ドルを投資するごとに、平均リターンとしてに3.5ドルを得るという調査結果を紹介します。これなら14ヶ月で元が取れるといいます。

また、沼本氏はビジネスのAIトランスフォーメーションが進む中で、次のようなステップを踏むことを紹介しました。

まず、MicrosoftのCopilotを使ってもらう
次に、各社特有のAI機能を構築して自分のCopilotを使ってもらう
そして、信頼に基づく共同イノベーションでビジネスを保護する

というプロセスです。このなかで、Microsoftはあくまでデータプロセッサーとして、個客のデータを処理しているだけで、個々のユーザー企業のデータが競合他社に使われるわけではないことも強調しました。

AIはすでに働き方を変えていると沼本氏はいいます。欠席した会議のキャッチアップも速くなるなど、個人的にCopilotなしで仕事をするのは考えられないといいます。これは津坂氏の発言とも一致します。調査では週に1.2時間をセーブできるとされているが、自分はもっとセーブできているとのことでした。

別の調査では、AIをいったん使ったエンドユーザーは、その77%がもう手放せないという感想を持ったとしています。会社のランチがただになるよりもCopilotがほしいといっているそうです。ちなみに、英語の会議でCopilotにその議事録などをまとめさせたとき、その精度は97%になるそうです。この数字はネイティブな英語を喋る人間が、自分だけで要約したものより高いのだそうです。

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出展: Microsoft社Webサイト

津坂氏や沼本氏の言葉は、実際のビジネスで率先してCopilotを活用してきた経験からのものであるだけに、説得力を持って我々を刺激します。

より具体的にCopilotの使い方とその振る舞いの様子を紹介した赤井氏のコラムもぜひご覧ください。今年は、これからさらに具体的なソリューションとしてAIが提示されていくことになりそうです。笠原氏のコラムで紹介されたIntelの今後のロードマップを見てもわかるように、AI PCが一般に浸透していくことは間違いなさそうです。

個人的に、AIのビジネス活用は、世の中で「それなり」とされている結果の底上げを果たすものではないかと思います。逆にいうと、AIを使えば、誰にでもそれなりのことができるようになるということでもあります。世の中の平均が嵩上げされるということでもあり、それがビジネスにどのような影響を与えていくのかは、これからもっと考えて行かなくてはならないはずです。

こうした点を含めて、今後もHP Tech & Device TVではAIを積極的に取り上げ、考え、その将来を探っていきます。どうか、この先のコンテンツにもご期待ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

※2024年3月26日時点の情報です。内容は変更となる場合があります。

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