2024.05.21
2024年、ビジネスノートPCを取り巻くトレンドは、AI処理をより効率的に行なえる「AIテクノロジー内蔵PC」や「AI PC」といった言葉が中心となっている。そうした中で、PCメーカーであるHPはAI処理に特化するNPUを内蔵した「AMD Ryzen™ 8040シリーズ プロセッサー」搭載ノートPC、「HP EliteBook 635 Aero G11」を3月に発表した。
HP EliteBook 635 Aero G11は0.99kgと1kgを切る軽量を実現し、NPUや強力なGPUを搭載しているRyzen 8040シリーズを採用している。13.3型アスペクト比16:10の縦長ディスプレイを持ち、Copilotキーを搭載しているためMicrosoftのCopilotを手軽に利用することが可能であることなど、魅力的なスペックを持ち合わせながら最小構成で14万円台(※2024年4月現在、キャンペーン価格)というお買い得な価格設定になっている。
ハイパフォーマンスかつ軽量なノートPCと言えば、高価というイメージがあると思うが、そうしたイメージを覆す製品を今回は紹介していきたい。
※本記事はTECH+にて掲載されたものです。
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HP EliteBook 635 Aero G11の製品を象徴する言葉が、そのブランド名の一部である「Aero」である。というのも、HPにとってAero(エアロ)というブランドがつく製品は薄型軽量の製品を意味してきたからだ。
もともとAeroは、HPの源流の一つであるCompaq(2002年にHPと合併したかつて存在していたPCメーカー)の薄型軽量向けを示すノートPCやハンドヘルドPCなどのブランドとして活用されていた。その実の意味は、ラテン語の接頭語で「空気、航空」などを指しており、ラテン語の発展形であるスペイン語の空港が「Aeroport(エアロポート)」であることからもわかるように、Airのラテン語版と考えるとわかりやすいだろう。
今回、Aeroシリーズに加わった「HP EliteBook 635 Aero G11」は、0.99kgと1kgを切る軽量さが最大の魅力となり、歴代のAeroシリーズにおける最高傑作と言っても過言ではない。
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HP EliteBook 635 Aero G11は日本市場をターゲットに開発され、グローバルにPCビジネスを行なっているHPの中でも極めて異例な、日本先行投入のモデルとなっている。というのも、日本市場では他国の市場に比べて軽量なノートPCの人気が高く、薄型軽量なノートPCが多く販売されているからだ。そうしたノートPCの中には、もっと軽量(例えば600g~900g)な製品も存在しているが、軽量であることを優先するためにバッテリーの容量が約半分(25Wなど)で、ボディーが強化プラスチックという例も少なくない。
それに対して、HP EliteBook 635 Aero G11のバッテリー容量は「43Wh」とモバイルノートPCとしては標準的な容量を有しながら、ボディーはアルミニウム合金(A面=ディスプレイ裏面、トップカバー)とマグネシウム合金(D面=ボトムカバー)が採用されており、金属のボディーを持ちながら1kgを切っているのだ。通常、こうした金属を採用した軽量ノートPCは1.2~1.3kgというのが定番であり、1kgを切っている製品は少ないのが現状だろう。つまり、トップカバーとボトムカバーに剛性がしっかりと確保される金属を素材として利用していながら、0.99kgという驚異的な軽量さを実現していることがHP EliteBook 635 Aero G11の最大の特徴といえる。
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