【HP Latex大判プリンター導入事例】
車両ラッピングをより高品質で魅力的に!
スピードと仕上がり重視で選ばれたHP Latexプリンター
- ヤマックス株式会社
技術と完成度の高さで国内外を問わず、市場で大きな信頼を得ているグラフィックデザインとカーラッピングブランド「G-MEISTER」。このブランドを運営しているのがヤマックス株式会社だ。レーシングカーをはじめ、一般車両、あるいはプレジャーボートなど、あらゆる乗り物に施された同社のラッピングは、仕上がりの丁寧さや美しさから多くのファンを魅了してきた。そんな同社のラッピングに欠かせないのがHP Latex プリンターだ。どのように活用されているのか、実際に伺ってきたので紹介しよう。
ヤマックス株式会社 代表取締役 山口 孝二氏
ヤマックス株式会社 工場外観
ヤマックス株式会社
〒253-0101 神奈川県高座郡寒川町倉見1735-2
TEL. 0467-73-7377
Webサイト:https://www.g-meister.net/
国内外で高い評価を得ているラッピングブランド
「私たちの会社は、カーラッピングに強い自信を持っています。高品質なサービスを短納期で提供する生産力においても他社には負けません。お客様のニーズにお応えしたいと、日夜スキル向上に励んでいます」と語るのはヤマックス株式会社 代表取締役の山口 孝二氏だ(以降、山口氏)。
同氏は、ヤマックスの代表であると同時に、エイブリィ・デニソン認定ラッピングトレーナーでもあり、レーシングドライバーでもある。そもそもレーサーとして活動を始めた当初、独学で始めたレーシングカーへのラッピングが国内外問わず高く評価されるようになり、現在のビジネスを始めたという異色の経歴も持っている。「レースカーから、トラック、最近ではプレジャーボートのラッピングも人気が出ています」と山口氏は近況を語る。
ヤマックスがビジネスを開始した頃、ラッピングの素材について研究を重ねていくうちに、印刷機やシートによる違いに気づき、最良の方法を模索していたのだという。「当時から海外ではインクジェット方式によるグラフィックスの表現はかなりメジャーになっていました。私たちもその方法を採用してきましたが、通常の大判プリンターだと、私たちがやっている自動車などの乗り物に施すラッピングシートには不向きな面もありました」と山口氏。
「HP Latex は印刷後も素材の糊への影響がなく、速乾で且つインクの伸縮性も高いため
印刷にひび割れが発生せず、カーラッピングには非常に適しています。」
続けて同氏は「カーラッピングは素材の糊(粘着剤)の状態にすごくシビアで、平らなところに貼る感覚とはまるで違います。糊の状態が悪いと剥がれなどのクレームに繋がりやすくなりますし、逆に着きが良すぎると施工作業性が悪くなります。
印刷する場合、溶剤プリンター印刷は乾燥が足りなければ糊が柔らかく本来の性能を発揮できません。かと言って広げて乾かすと表面にゴミが付着してしまうこともあります。短時間で仕上げようとしてUV プリンターで印刷すると、ラミをするときにインクと素材の間に空気だまりができたり(シルバリング)、施工時にインクの部分だけにひび割れなどが発生しやすくなります。」と、一般的な溶剤系のインクを使った大判プリンターをラッピングに転用した際のセッティングのシビアさについて説明する。
では、これらの課題をどのように克服したのか伺ってみると、同氏は「試行錯誤をしている中で取引があった業者から、Latex インクを使用したフィルムを預かったことがありました。それを車に使ったとき『もうこれしかない』と感じましたね」と笑顔で語った。
山口氏はLatex インクと出会い、速乾、耐久性に優れ、あらゆるメディアに対応できるというメリットにすぐに気付き、そしてこのジャンルに多くのノウハウと製品ラインアップを持つHP に相談したのだという。
HP Latexプリンターの導入で生産性が向上
ヤマックスはHP Latex プリンターの導入をすぐに決定、以後同社のデザインの多くをLatex に切り替え、現在では2 台目となるHP Latex 800W プリンターの運用も開始している。「私がHP Latex シリーズに求めた最大の理由はスピード感です。平面に貼るわけではないのでどうしてもミスも出ます。その時に、すぐに印刷して乾燥を待つことなく作業に取り掛かることができればリトライまでの時間は短くなります。また、レースなどではクラッシュがつきものですが、すぐに修理して翌日には走らなくてはいけないということも多いのです。そのほか、イベントなどでもスケジュール的にデザインが仕上がるのがギリギリのタイミングということもあるので、印刷、施工までの時間は短ければ短いほど有利であり、生産性も高くなるのです」と山口氏は解説する。
HP Latex 800 W の場合、屋外品質で最大36m² / 時という高速印刷を高精度で実現することが可能となっている。HPLatexプリンター独自の低温硬化インクが印刷直後から完全に乾燥した状態で仕上げるため、ソルベント(溶剤)インクによる印刷では必須である印刷後の長時間のインク乾燥時間がゼロとなる点も生産性向上に大きく寄与している。
またリサイクルしやすいHP エコカートンインクカートリッジを使用しており、より多くのラテックスインクをセットしておくことができるため、ノンストップでの長時間印刷もおこなえる。
ヤマックスの新社屋に設置されたHP Latex プリンター。手前が新しく導入したHP Latex 800 W。奥が最初に導入した同560 だ。長期間の運用でもトラブルも少なく、機器として信頼できると山口氏は評価する
「この白が出るから HP Latex プリンターを使っているといっても過言ではないぐらいです」
「実はHP Latex プリンターで気に入っているのは『白インク』なんです。このラテックスインクで表現できる白は、本当に良くて、他にない濃さの白色なので下地にしてもよいですし、フィルムや用紙の素材の色を止める役目にもぴったりです。最初にデモ機で白を印刷してもらったときに『これだ!』と思いました。この白が出るからHP Latex プリンターを使っているといっても過言ではないぐらいです」と山口氏は言い切る。HP が長年研究を重ねた結果到達した「白」は、同氏の目にかなったようだ。
顧客の想いを受け止めるビジネスを展開
若手のデザイナーやエンジニアを多く抱えるヤマックスが行なっているHP Latex プリンター運用。2 台目の運用も軌道に乗っており、デザイナーを始め、あらゆるスタッフが使い慣れているという。「いま働いているメンバーにとってHP Latex プリンターは無くてはならない存在です。他のプリンターや印刷機を使っていた当時の苦労は知らない世代ですが、このプリンターを使っている限り、乾燥やインクの乗り具合などに関する知識はもはや不要ですからね」と山口氏は目を細める。
HP Latex プリンターを使いこなしているヤマックスだが、このプリンターでしか成しえなかったエピソードもあるという。「ある米国の飲料メーカーのイベントがあり、会場に総長130m ものラッピングをするという企画がありました。デザイナーがデータを持って来日することになっていたのですが、当日になって『データを持っていくのは明日でいいか?』とのんびりしているのです。私は来日してすぐにデータを渡してもらえるものだと思っていましたから、スケジュールがさらに圧縮される申し出に正直焦りましたね。結局そのデザイナーが宿泊しているホテルまで車を飛ばしてデータをもらい、会社に戻ってからHP Latex プリンターで印刷を始めました。スタートは遅れましたが、一晩で130m を印刷して、なんとか製作した看板を設置し開場までに間に合わせることができました。高速印刷と乾燥が不要ですぐに施工できるHP Latex プリンターがなければどうなっていたか。終わったときは胸をなでおろしましたね」と笑いながら当時の思い出を語る山口氏。現在も度々、短納期の仕事を依頼されるというが、同社の高い生産性によって無理なくこなせているのだという。
総長130m にもおよぶラッピングも実施。ヤマックスでなければ成し遂げられない見事な仕事だ
ヤマックスは、一般社団法人 日本カーラッピング協会に加盟しており、施工者の育成にも力を入れている。この活動を通じて日本におけるラッピングシーンもますます活性化しているそうだ。「この協会があることで、同業者の横連携が強まっています。お互いに施工に関する知識やアイデアを持ち寄ることで、スキルやノウハウもどんどん溜まっています。若い世代の施工者も大きく育っていて、弊社の中にも海外のラッピング大会に日本の代表として出場経験のある人材もいます。ラッピング業界における品質向上はこれからも進んでいくでしょうね」と、業界全体について語る山口氏の表情は明るい。
最近は車の色を変えるのにオールペイントよりも手軽なラッピングを選ぶユーザーも増えている。ラッピングの楽しみはますます広がるばかりだ
「ラッピングでお客様に満足していただくためには、直接ニーズを伺い、その想いをそのままデザインするのが最適です。G-MEISTERブランドとしては常にお客様に最も近い位置でコミュニケーションしたいと考えています。そこで私たちの仕事をより広く知ってもらうために、イベントにも積極的に出るようにしていますし、その中で企画を立案してデモンストレーションするのも楽しい作業です。直近では車業界では大きなイベントとなる東京オートサロンでの出展車両の製作を数多く手がけましたし、別のイベントでは1 台の車のラッピングを1 日で8 種類見せるという企画をやりました。自分で企画してなんですが、とても大変でしたね( 笑)。でも、それを通じて新たな気づきやノウハウも蓄積できたので、これからも面白いアイデアがあればそういったデモンストレーションも企画していきたいと思います」と山口氏の向上心は尽きることがない。
2021年には新社屋も完成し、ますます意気上がるヤマックスとG-MEISTER。事業を支えるスタッフと共に山口氏は今日もラッピングシーンを盛り上げるため活動を続けている。HP はこれからも同社と同ブランドのサポートを続けていく。
- ※記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。
- ※本書に含まれる技術情報は、予告なく変更されることがあります。
- ※記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
- ※記事事項は2023 年1 月現在のものです。
日本HPデモセンターに常設展示しているこのボンネットラッピングサンプルはヤマックスによる制作だ。イエローのラメ入りマテリアルにホワイト+カラーのアンダーフラッド(UF)の2層印刷品質をいつでも確認できる。
HPプリンターを選んだ理由
- 素材の糊への影響がなく、速乾のため印刷後すぐに作業に取り掛かることができる
- Latexで表現できる『白』が他にない濃さの白色で、色の表現の幅を増やすことができる。
- ノンストップで印刷でき、印刷~施工までの時間短縮も可能なため、大幅に生産性を上げることができる。
HPプリンターで解決できること
- 屋外品質で最大36㎡/時という、高速印刷を高精度で実現でき、乾燥も不要なため、生産性が向上した。
- 表現できる白が本当に良く、他にない濃さの白色のため下地やフィルム、用紙の素材の色を止める役目にも適している。
対象プリンター
HP Latex 800Wプリンター
- 幅 1,625mm(64インチ)までのロール素材に対応
- コスト効率に優れた設計、3リットルのHP Latexインクカートリッジ対応
- 印刷素材の重量 55kgまで対応
- HP Latex ホワイトインク
- HP Latex ホワイトインク
- 屋内品質:36m2/時の高生産プリント
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