現代のビジネス環境は急速に進化しており、企業は競争力を維持するために最新の技術を活用する必要があります。
その中でも、AI(人工知能)は特に注目されており、業務効率の向上や意思決定の迅速化に大きな役割を果たしています。
そこで今注目度が増しているのが「AI PC」やMicrosoftが提供する「Copilot」です。
AI PCやCopilotは、企業の業務プロセスを革新するための強力なツールです。本コンテンツでは、AI PCやCopilotの特徴や具体的な活用方法についてご紹介し、HPの最新AI PCラインアップもご紹介します。
AI PCとは?
AI PCの定義は以下とされています。(※2024年4月時点)
- NPUを内蔵し、生成AIなどをローカルのプロセッサーでも高速かつ省電力で処理ができること
- キーボードにCopilotキーがありCopilot in Windowsを使用できること
- Windows OSを搭載していることです。
2024年はAI PC元年と言われ、NPUと呼ばれるAIの処理に長けているプロセッサーが搭載されたAI PCが、複数のPCメーカーからリリースされ注目されています。
NPUとは、AIの処理を高性能かつ低消費電力で行なえる専用プロセッサーで、従来のCPUやGPUを使う場合に比べて少ない電力でより速く処理を行う演算能力を持っています。
これまでPC上でAIを使うというと、多くの場合はクラウド上にあるサーバーにあるCPUやGPUで処理が行なわれる仕組みになっていました。例えばOpenAIのChatGPT、MicrosoftのCopilot、GoogleのGeminiのいずれも、データをクラウドへインターネット経由で一旦アップロードして処理を行ない、その結果がインターネットを経由してPCに戻される形になっています。しかし、クラウド上でAIを処理する場合、PCとクラウド間でやり取りするデータ量が増加し通信遅延が発生してしまったり、ビジネス上重要なデータを社外に出すことになるため、セキュリティ面での懸念があるなどデメリットも存在しています。
Copilotとは?
AI PCという言葉とともに、「Copilot」という言葉を聞く機会も増えてきたと感じている方も多いでしょう。
Copilot(Microsoft Copilot)とは、Microsoftの生成AIに関するサービスアプリケーションの総称で、その傘の元にさまざまなサービス、アプリケーションが提供されています。
たとえば「Copilot in Bing」はWebブラウザーベースの対話型AIサービスになっており、ChatGPTと同じようにユーザーがプロンプトを通じてさまざまな事をAIにやってもらうことができます。
Microsoft CopilotのWindows版である「Copilot in Windows」は、Copilotの機能がWindowsに標準搭載されたもので、最新版のWindows 11ではCopilotのアイコンがタスクバーに表示されており、それをクリックすることで画面の左側にCopilotのメニューが表示され、やはりプロンプトに指示を出すことでAIにさまざまなことをお願いできます。また、ビジネスPCとしてユーザーが利用する場合には、データの保護機能が提供され、情報漏えいのリスクを低減することも可能となっています。
さらにMicrosoft 365を契約している企業ユーザーは「Copilot for Microsoft 365」という、Microsoft 365に生成AIの機能を追加するサブスクリプションを導入できます。このCopilot for Microsoft 365を契約すると、Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNoteなどにCopilotのアイコンが追加され、Wordであれば文章の要約を作成したり、Excelであればデータの分析をお願いしたり、PowerPointであればWordファイルの文章を元にスライドを作成してもらうなどの機能が活用できるようになるなど、AIが実務をサポートしてくれるものになっています。
そして、2024年夏には「Copilot+PC」が登場し始めました。Copilot+ PCは、AI活用を前提に最適化されたWindowsパソコンのハードウェアで、Microsoftが定義する各種要件を満たしたPCが名乗ることができる名称です。
- NPUと40TOPS(1秒間に40 兆回以上の演算能力)を持つプロセッサーを搭載していること
- 16 GB DDR5/LPDDR5のRAMを搭載していること
- 256 GB SSD/UFS 以上のストレージを搭載していること
- Copilotキーを搭載していること
ビジネス現場におけるAI PC(AI機能)の活用
2024年に入り、日本マイクロソフトはAIに関する説明会でMicrosoft Copilotの新機能と共に早期導入企業を紹介しました。2024年3月時点で、グローバルでは5万3,000社以上の企業が導入。日本企業でも、東京都や大阪府などの自治体、三菱UFJグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループといった金融業、ソフトバンク、NTT西日本、電通などの通信業やサービス業、トヨタ、NEC、パナソニックッホールディングスといった製造業、弁護士ドットコム、メルカリなどのスタートアップと業種を問わず多くの企業がAIを導入しています。
Copilot(Microsoft Copilot)とは、Microsoftの生成AIに関するサービスアプリケーションの総称で、その傘の元にさまざまなサービス、アプリケーションが提供されています。
AIを使うというフェーズでは、どんなことが行われているのでしょうか。AIを導入した企業は、どんな用途にAIを活用しているのでしょうか?マイクロソフトが「こんな用途でAIは活用できる」と紹介していた代表的な用途は次のようなものです。
- 議事録を自動作成
- 契約書のチェック
- 社内データベースを活用したAI Chat Botの作成
日本ビジネスシステムズはCopilotのデフォルト機能に加え、プロンプト作成を工夫することで精度やわかりやすさを向上した議事録の作成、契約書チェックやマーケティング等の契約書チェックに利用していると発表しました。利用の結果、法務部門の契約書チェックと再鑑定にCopilot for Microsoft 365を利用したところ、従来は15分かかっていたチェック時間を5分に短縮することに成功したそうです。 このように当初から想定されていた用途については、実際の業務においても従来よりも作業時間を減らすことに成功したケースが出てきています。
より具体的な活用シーンを見てみましょう。
販促支援活動の一環としてセミナーを開催する際、以下の手順でCopilotを活用すると、セミナー企画からプレゼンテーション資料の作成まで効率的に進められます。
- セミナーの目的とターゲットを決める
- Wordファイルを起動し、Copilotにセミナー企画書の作成を指示する
- 企画書を参照しながら、セミナー開催に必要な準備物をリストアップするよう指示する
- 当日までのスケジュール作成を指示する
- PowerPointにWordファイルの企画書を読み込ませ、当日のプレゼンテーション資料を作成するよう指示する
営業活動において企業調査を行うときにもCopilotを活用できます。Copilotを使って、顧客の事業分析を効率的に行う手順を見てみましょう。
- 顧客の投資家向けページから、株主向けレポートのURLを入力し、分析するよう指示する
- サマリーが作成されるので、必要に応じて過去数年間の売上高や営業利益の推移を表示するよう指示する
- 気になる成長分野などがあれば、市場規模などを聞いて事業環境や競争状況を把握する
- 顧客のニュースに関するURLがあれば、要約するよう指示することも可能
Copilot in Excelを使うと、エクセルでの作表や数式の入力を自動化したり、データの分析や可視化を行えたりします。例えば、次のような作業を実行できます。
- データをグラフにする
- データの並べ替えを行う
- 特定のデータを強調表示する
- 指定した条件から、データを表示する
- データから相関関係を導き出す
このように、ビジネスでAIを活用できる現場は広がってきています。実際に活用できるようになるまでには多少の慣れやコツも必要なことから、積極的に活用しトライアンドエラーを繰り返して、活用法を身に付けていくことが重要です。
動画で理解!
ビジネスによくある会議、資料作成についてどうAI PCが活用できるか動画でみていきましょう。
ビジネスPCのAI活用とリモート管理
AIのために考えられた先進のアーキテクチャーを採用。インテル🄬 Core™ Ultraプロセッサー x Intel vPRO🄬プラットフォーム
2024年7月に全世界のPCにブルースクリーンが表示。そんな中でも Intel vPRO🄬プラットフォーム対応PCを導入していた企業はいち早くPC復旧に成功。
Intel vPRO🄬プラットフォームは、ハードウェアベースの高度なセキュリティと、強力なリモート管理機能を提供します。