Windows 11
よりシンプルな体験がスタート

2022.04.08

現在のWeb会議を進化させる?Teamsの機能強化で注目される話題のメタバースとは

実はエンタメよりも業務利用が本命

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2021年11月、マイクロソフトは「Mesh for Microsoft Teams (英語版)」を2022年にリリースすると発表しました。コミュニケーションツールであるTeamsをさらに発展させることで、現在のオンライン会議に欠けている新しい要素を加えた、最近、話題になっているメタバース空間でコミュニケーションを取る、新しいサービスです。Windows 11 は、Teamsとの融合によってコミュニケーション機能が強化されていますが、2022年、さらに強化されたコミュニケーションを Windows 11 上で行うことになりそうです。Mesh for Microsoft Teamsは従来にはないどんなコミュニケーションを実現しようとしているのでしょうか?

フリーライター 三浦優子

2022年は Windows 11 でメタバース

Windows 11 正式リリースから1か月経った2021年11月5日、マイクロソフトは「Mesh for Microsoft Teams (英語)」を発表しました。英語版ではありますが、2022年リリース予定といいます。Windows 11 上でメタバースを使って仮想会議、チャット、共有ドキュメントを使ったコラボレーションなど、Teamsベースのコミュニケーションができるようになる予定です。
メタバースによるコミュニケーションツールを提供する理由をマイクロソフトは、「リモート会議では相手のパーソナルな部分が見えず、人間関係やキャリアを築く機会がへっています」と現行のオンラインコミュニケーションの問題点を指摘します。
これはマイクロソフトが行った調査によって明らかになった問題点です。現行のオンライン会議はビデオをオンにするか、オフにするか、二つしか選択肢がありません。発言しない参加者は静止画やアイコンを表示するのみで、どんなパーソナリティを持った人物なのか、会議参加者は知ることができません。こうしたコミュニケーションが続いた結果、人間関係を築く機会は減り、キャリアにとってマイナスな側面があることも明らかになってきました。
こうした問題点を解決するために提供されるのがMesh for Microsoft Teamsです。「Mesh for Microsoft Teams は、物理的に異なる場所にいる人々が、共通のホログラフィック エクスペリエンスを通して共同作業に参加できる Microsoft Mesh の Mixed Reality (複合現実) 機能と、仮想会議への参加やチャット送信、共有ドキュメント上でのコラボレーションなどを可能にする Teams の生産性ツールが融合されたものです」と説明されています。
メタバース上のアバター同士が同じ空間でコラボレーションを行い、コミュニケーションを行っていくことで、従来のオンライン会議よりもお互いの存在を感じながらコミュニケーションを行うことを想定しています。

Windows 11 はTeamsとの融合が進みました。ボタン一つでオンライン会議、チャットを開始できるようにするなど、コミュニケーション機能が強化されていました。しかし、Mesh for Microsoft Teamsの説明を読むと、マイクロソフトではオンラインによるコミュニケーションはまだまだ不十分だと思っていたことがうかがえます。

普及の鍵は最新パソコン

そもそもメタバースとは、コンピュータで作られた仮想空間内で行われるサービスを指します。メタバースに注目しているのはマイクロソフトだけではありません。例えば、2021年10月、ソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」が社名をメタバースからとった「メタ・プラットフォームズ」に変更しました。メタバースに関連する市場が大きく成長することが見込めることから、メタバースの開発に注力するためこの社名に変更したといいます。
さらにメタバースが話題になったのは今回が初めてではありません。1990年代後半に開始されたオンラインゲームの中でのCGキャラクターを使ったコミュニケーションが始まり、2003年にはCGキャラクターによるコミュニケーションを目的としたサービス「Second Life」がサービスをスタートしています。
これまで何回も話題になったものの、メタバースは広く普及するには至っていません。要因のひとつが仮想空間で円滑にコミュニケーションなどを行うためには、高性能のCPU、潤沢なメモリとネットワークが必要となることだと言われています。仮想空間を描画するために、十分なコンピュータリソースが必要となるからです。Second Lifeが話題になった当時のパソコンとネットワーク環境では、仮想空間で円滑なコミュニケーションを行うことは難しかったのです。それに比べ最新のCPU、潤沢なメモリを搭載したパソコンであれば、仮想空間でスムーズなコミュニケーションを取ることができるようになりました。
2022年、Mesh for Microsoft Teamsがスタートした時点で Windows 11 パソコンでと最初に書いたのも、最新パソコンを利用することでメタバース利用がスムーズに行えるからです。Windows 11 が動作するパソコンであっても、古いCPUを搭載しているものやメモリ容量が少ない場合、スムーズに動作しない場合があります。
現在提供されているメタバースアプリケーションを動かしてみると、サービスを提供する事業者が「動作可能」としているスペックよりも高機能なパソコンで動かした方がスムーズに動作する場合が多いようです。グラフィックスを表示しながらコミュニケーションを行う場合、パソコンへの負荷が大きいことが要因でしょう。
2022年、Mesh for Microsoft Teamsを利用したいと考えるのであれば、 Windows 11 を搭載した最新パソコン、それもメモリ容量の大きい、ハイエンドCPUを搭載したものを選ぶ方がスムーズにサービスを利用できるのではないでしょうか。
日本HPの最新パソコンを選ぶ際、最新のハイエンドCPUを搭載した、メモリ容量の多いものを選ぶことで、スムーズにメタバースを楽しむことができると思います。

業務用途であれば早期普及との指摘も

グラフィックで描かれたメタバース空間を見て、「ゲームなどエンターテインメント領域で利用するためのものではないのか?」と考えられた方もいるかもしれません。しかし、マイクロソフトは「業務用途でのメタバース利用が最初に始まる」としているのです。
一つの用途は、これまでマイクロソフトがヘッドセット型コンピュータ「HoloLens」で作っていたミックスドリアリティ(MR)の世界をMesh for Microsoft Teamsに融合しようとしていることです。
「このテクノロジを活用した当初のシナリオは、あらゆる 3D 物理モデルを仕事としている人々がターゲットでした」と3Dデータを活用して仕事をしている人を想定して作られたテクノロジーだと説明しています。
建設業に携わる複数のチームが参加して建設中の建物の設計図を確認する。電気自動車の設計図を見ながら工学部の学生が学ぶ、医学部の学生は人体解剖データを使って学ぶといった場面が想定されていますこれまで物理的な距離があって共同作業することが難しかった場合でも、制約を受けず一緒に学ぶことや一緒に作業することができるようになる世界が想定されています。
メタバースを使った共同作業、学習が普及することで、大きな変化が起こる可能性があります。

さらに、現行のオンライン会議をメタバース空間で行うことで、業務コミュニケーションに大きな変化を起こすことができるのではないかと期待しているのです。
Mesh for Microsoft Teams発表の際、マイクロソフトが現行のオンラインコミュニケーションについて、「リモート会議では相手のパーソナルな部分が見えず、人間関係やキャリアを築く機会が減っています」と問題点を指摘しています。業務でオンライン会議を行う場合、ビデオカメラで自分の姿を表示することなくやり取りすることも多いことから、リアル会議のように相手の様子を見てコミュニケーションを行うことが減ったことを問題点としてあげていました。
この問題点を改善するため、「ほとんどの Mesh for Microsoft Teams ユーザーが最初に行うステップは、通常の Teams 会議に参加することです。その際、静止画像やビデオを使用するのではなく、自身のアバターをカスタマイズし、そのアバターで参加します」とコミュにエーションを買えていくことを提案しているのです。リアルな会議で起こった、会議後の挨拶や日常的な会話から新しい発見が起こる可能性があります。コミュニケーションによって起こる化学反応をメタバースに期待しているのです。これまでのオンライン会議よりも、密なコミュニケーションが発生を期待しているようです。
現行のオンラインコミュニケーションに物足りなさを感じている企業にとっては、Mesh for Microsoft Teamsを使ったコミュニケーションが課題を解決するきっかけのひとつとなる可能性があります。メタバースはコンシューマユーザー以上に企業が注視すべき新しい技術なのです。

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