2023.03.09
小田急電鉄株式会社
VRやARなどの仮想技術はあらゆる業界にとって期待の大きいテクノロジーだ。XRと総称されるこのテクノロジーを活用することで、人々の生活がより豊かになるだけでなく、企業にとっても付加価値の高いサービスを生み出すことが可能となる。一方で、いまだに身近になっている印象はなく、開発や作品づくりに携わりたいと考える若いエンジニアやクリエイターにとっては敷居の高いジャンルでもあることも事実だ。今回はそんな課題を解決するために生まれた施設「NEUU」と、そこへ導入されたHPワークステーションについて話を伺ってきたので紹介しよう。
NEUU
岡本 享大 氏
小田急電鉄株式会社
まちづくり事業本部 新宿プロジェクト推進部
坂田 和也 氏
NEUU東京都新宿区西新宿1-5-11 新宿三葉ビル 1階 9時~21時(定休日:火曜)
※利用料金などはホームページ参照
小田急電鉄は神奈川県を中心に鉄道事業や不動産業など多様なビジネスを展開する大手私鉄企業だ。小田急グループの中核を担っている組織であり、新宿から小田原、箱根湯本、さらには多摩地区、江の島などを結ぶ各路線には同社や同グループが提供する不動産やスーパーマーケット、百貨店、ホテルやレストランといった施設やサービスが展開され、そこに住まう多くの人々の豊かな生活を支えている。
「小田急電鉄は沿線に様々なアセットを持っています。XRは現実世界をアップデートするための技術だと考えているので、この技術を活用した新しいプロジェクトを起ち上げていきたいという狙いから、『NEUU』設立の構想が始まりました」と語る岡本氏。沿線を中心に幅広いサービスを展開する同社が次の施策としてXRを活用した新しいビジネスの創出を考えるのは自然な流れでもある。
「一方で、XRクリエイターだけでなく、この分野に興味のあるアーティストやエンジニアにまずはこの技術を知ってもらいたいという思いもあります。NEUUという施設を起ち上げたのも、ここで何をしているのか、どんなことができるのかをまずは広く知ってもらい、XR技術の敷居を下げ、すそ野を広げる役目があると考えています」と坂田氏は言葉を続ける。
彼らがいう『NEUU(ニュー)』は、小田急電鉄の拠点のひとつでもある東京都新宿区に新設されたXRをテーマとした常設施設になる。ここでは最新のVR映画やARコンテンツなどが体験できるほか、そこに設置してあるVRゴーグル、ワークステーションなどの必要な設備を利用することも可能だ。
「この施設には体験コーナーがあり、4名同時にXRコンテンツを利用することができます。また隣にはワークスペースがあり、ここではXRクリエイターやエンジニアが自由に交流し、新たな表現を創出することも可能です」と岡本氏が語るように、NEUUはXRコンテンツに関わる、あるいは楽しみたいというユーザーが一堂に会することができる場所としての機能を持っているのが特長となっている。