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日本HPはビジネスにWindows 10 Pro をお勧めします。

2020.06.17

圧倒的なパフォーマンスで開発環境が大きく改善! 小売業向けの売上予測をより確実なものにするAIシステム開発にHPワークステーションが貢献

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日本の流通業の中でも小売業界におけるIT化が進んでいる。例えばスーパーマーケットの多くで導入が進んでいるセルフレジやセミセルフレジなどはその代表といえる。そんな小売業向けに多くのITソリューションを提供している株式会社ヴィンクスでは、システム開発環境にHPワークステーションを活用しているという。どのような運用をしているか、直接伺う機会をいただいたので紹介しよう。

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株式会社ヴィンクス
営業本部プロダクト企画部 能登一樹氏(文中、能登氏)

人材不足を補うためのIT導入

株式会社ヴィンクス(以降、VINX)は、小売業を代表とする流通企業のビジネス活動を支援すべく、広くITサービスを提供している企業だ。同社は時代や社会が変動の影響を受けやすい業界に対して、タイムリーに、そして安心で、リーズナブルなサービスを届けるためにシステム開発を続けている。

「近年の小売業界にはひとつの大きな課題があります。それは人材不足で、どの企業や店舗にも人がなかなか集まらないのが現状なのです。そのため、ITを使った業務効率化を進めていく必要があったのです」と、業界のテーマについて語る能登氏。

小売業の業務的な特長として、消費者と直接金銭のやり取りをおこなう「レジ」と、品物が途切れないように適宜補充をおこなうための「発注」、そして届いた商品を棚にならべる「陳列」という3つの行動パターンがあるのだという。

「レジはもっともIT化が進んでいます。みなさまがお使いのスーパーでもレジの自動化は進んでいると思います。しかし陳列に関しては、人間が直接目で見て並べないといけないので高性能ロボットがもっと普及してからでないと自動化はなかなか難しいでしょう。もう一つの発注という業務は実は個人の能力差が大きく、これまでITが介入するのが難しい部分でした」と能登氏。

ひとつの商品を発注する場合、天候や季節、人々の趣向性などを考えながら、担当者個人が2、3日後の消費行動を予測、分析して個数を決める。個人のノウハウや勘といった部分に頼るケースが多く、発注が上手いと言われる人でも感覚に頼っていたのが現状だったのだ。「いわゆる属人的な業務でしたが、機械学習というテクノロジーが出てきたことによって、精度の高い予測が可能になってきました。つまり、発注業務においてもいよいよITが役にたてる時代が訪れたのです」と能登氏は語る。

AIを使った発注業務システムの開発

「小売業の予測はエンドユーザーごとに特徴量が全く違うという特長があります。予測の精度を向上させるためには様々な特徴量を生成し、組み合わせを試すことで最適なモデルを構築する必要があります」と語る能登氏。それを実現するには、GPUコンピューティングを活用して高速処理が可能になるライブラリと、そうではないライブラリを適材適所で組み合わせながら進める必要がある。

「開発環境として、CPUが強化されたコンピューターとGPUが強化されたコンピューターが必要になります。クラウドでコンピューターリソースを組み替えながら進めることもできますが、スペックが高くなるほど使用料が上がっていくのが難点です。また、コストを抑えようと時間を気にしながらの作業になりがちなので開発者にもプレッシャーがかかります。」と能登氏。そんな同氏が今回試したのが、NVIDIAデータサイエンスワークステーションに準拠した「HP Z8 G4 Workstation(以降、Z8)」だった。

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HP Z8 G4 Workstation

NVIDIAデータサイエンス ワークステーションはニーズが増え続けるデータサイエンティストが、前処理から学習までを大幅に効率化できるように、必要なツールを搭載し、最適なスペックや搭載するOS、ソフトウェアなどが規定されている。今回のZ8の場合、プロセッサーはインテル Xeon 6240をデュアルで搭載。GPUもNVIDIA RTX8000を2基、NVLinkで接続し96GBの広大なGPUメモリを搭載。メインメモリも384GBとなっているため、かなりの高負荷、高度計算を連続で処理させ続けても、最大級のレスポンスが得られるのが特長だ。

「小売業界向けの予測にはGBDT(勾配ブースティング)系をメインとして、NN(ニューラルネットワーク)系のライブラリなど様々なライブラリを組み合わせて使うのですが、このマシンならいちいち切り替えなくても一台のコンピューターでCPUのみのライブラリもGPU対応のライブラリも高速処理ができます」と能登氏はZ8の手応えを語る。

また、オンプレミスでワークステーションを運用することになり、時間的な制約からも解放されたという。「例えば夕方に後4時間回せば処理が終わるとなった場合、時間貸しだと無駄な出費を抑えるため、計算が終わるまで残業しなければなりませんでした。しかし、Z8が手元にあれば同じ状況になっても明朝一番に結果を見ればよいだけなので残業の必要はなくなります」と能登氏は語る。

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NVIDIA データサイエンス ワークステーション(Z8)を使った開発作業の手応えを語る能登氏

処理能力で1/2削減以上の効率化を体感

「もちろん処理させる計算の種類や量にもよりますが、従来のシステムと比較して、場合によっては1/3から1/2ぐらいの処理能力向上が実現できていると思います」と語る能登氏。開発作業的にまったく同じ処理がないためベンチマークは取っていないというが、体感できる範囲では大幅な効率化が実現できているという。

「実際の開発ではプロセッサーはリソースを100%使っている状態で丸1日、あるいはそれ以上連続稼働させているのですが、トラブルらしきものはまったくありません。この安定度の高さは、開発者にとってとても安心できるうえ、頼りがいのあるものとなります」と能登氏。同氏の言葉を裏付けるように、Z8をはじめとするHPワークステーションは、過酷な利用を前提としているため、エアフローや廃熱処理を最適化するため厳しいテストを繰り返して製品化している。「ケースを開けたときにはすべてのパーツが整然と配置されていて感激しました。メンテナンスもしやすいデザインです」と能登氏は語る。

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Z8の完成された内部レイアウトについて語る能登氏

また、オンプレミスでコンピューターを運用する価値について改めて実感しているという。「私たちが扱っているのはお客様の大切なデータです。クラウドにデータを上げることに抵抗は少なくなってきてはいますが、常に細心の注意を払って管理し、活用しなければなりません。オンプレミスでZ8を使用すればデータをネットワーク上に上げる必要もなく安心してローカルで管理できます。機密を守る上で、とても安心できるのもメリットです。また、データをクラウドに送る必要がないので、転送時間によって生じる課金コストなどを気にせず、様々なことを手元で試すことができ効率よく作業することができます」と顧客データの運用管理の利便性向上について語る能登氏。

進化する小売業向けのサービスを拡充

「今回のZ8は導入した初日からすぐに動かせたのにも驚きました。日常的にLinuxOSで開発環境を構築しているのですが、Z8には最初からUbuntu環境上に必要なソフトウェア類がほとんどプリインストール済みでした。自分で入れたのはMicrosoft Visual Studio Codeぐらいでしたよ」と笑顔で語る能登氏。開発環境をあらかじめ整えておき、導入してすぐに利用できるという点もNVIDIA データサイエンスワークステーションのメリットとなる。

「今は小売業向けの機械学習による需要予測を可能とするため、弊社提供のMDwareと連携させるための実証実験を行なっております。今後は発注数などを基に混雑を予想し、時間単位でスタッフの適正数や配置を予測するサービスなどもニーズが高まってくると思います。これからも小売業界は機械学習を使ったテクノロジーが浸透していきますから、弊社としてもよりよいサービスをお届けしていきたいですね」と能登氏は最後に語ってくれた。小売業界を支え続けるVINXの開発環境をバックアップするため、HPも最大限のサポートを続けていく。

今回使用の HP Z8 G4 Workstation データサイエンスワークステーション準拠 構成
NVIDIA QuadroRTX 8000 2基搭載
インテル®Xeon 6240 2.60GHz 18CコアCPU 2基搭載
1TB HP Z Turboドライブ G2(内臓M.2スロット接続 TLC SSD)メモリ
4TBハードディスクドライブ(SATA, 7,200rpm)2基搭載
メモリ 384GB(12 × 32GB)DDR4 2933Mhz ECC Registered
OS Ubuntu 18.04

HP Z8 G4 Workstation 最小構成

  • Windows 10 Pro
  • インテル® Xeon® Bronze 3204 プロセッサー (1.9GHz, 6コア, 8.25MB, 2133MHz)
  • 8GB DDR4 SDRAM (2,933MHz, ECC, Registered, 8GBx1) シングルプロセッサー用
  • 500GBハードディスクドライブ(SATA, 7,200rpm)

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