2019.11.22

3DCG女子高生『Saya』に命を吹き込む ─ クリエイターの創造力を止めない、ワークステーションの重要性

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2015年、SNSで発表された3DCG女子高生が大きな注目を集めた。その少女は「Saya(サヤ)」という名で、3DCGアーティスト 石川晃之・友香夫妻によるユニット「TELYUKA」によって生み出された作品だ。
彼らにとって3DCG制作になくてはならないコンピューターにHPのワークステーションが使われていた。Sayaが誕生した背景や、ワークステーション活用の考え方などをTELYUKAの二人に伺ってきたので紹介しよう。
石川晃之・石川友香ご夫妻

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2015年、SNSで発表された3DCG女子高生が大きな注目を集めた。その少女は「Saya(サヤ)」という名で、3DCGアーティスト 石川晃之・友香夫妻によるユニット「TELYUKA」によって生み出された作品だ。
彼らにとって3DCG制作になくてはならないコンピューターにHPのワークステーションが使われていた。Sayaが誕生した背景や、ワークステーション活用の考え方などをTELYUKAの二人に伺ってきたので紹介しよう。

話者)TELYUKA / 石川晃之・友香ご夫妻

永遠に輝きを失わない少女

──現在、TELYUKAは国内外でも注目されるアーティストとして広く知られている。卓越した技術はもちろん、クリエイターとしても評価が高く、現在では様々な企業と共に、人間の傍らに存在できるようなキャラクターや、それを実現するためのテクノロジーの開発などもおこなっている。各方面で活躍中の二人に、ブレイクのきっかけとなったSayaが生まれたきっかけを伺った。

友香:CGで人間を表現する制作に挑戦していたのですが、モチーフとしたのは西洋人が多かったです。一方で、私は十代の日本人女性が持っている独特の初々しさや透明感のある瑞々しさにとても魅力を感じ、作ることにチャレンジしたくて構想を練りました。

それらの魅力を持っているタレントさんなどもたくさんいらっしゃいますが、だんだんと成長する中で、場慣れして磨かれていく反面、そうした魅力が薄れていくのが寂しいと感じていました。それで、3DCGでなら永遠に輝きを失わない少女が作れるのでないかというのがSayaの原点になりました。

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──そこから試作を重ね、Sayaの原形が誕生。当時は静止画での発表だったが、そのコンセプトモデルとなったSayaを動画として再現するという試みが始まった。

晃之:1年後のイベントで発表するために制作を始めました。Sayaが動くことに対しいちばんこだわったのは、いかに親近感を持ってもらうかという部分です。そのためにできるだけ自然な振舞いを再現するために努力を重ねました。

──動画の制作にはモーションキャプチャの技術を応用しているが、俳優ではなく、当時仕事を手伝ってくれていた女性がモデルになったという。

晃之:俳優でも「自然に振舞ってください」といえば、それを演じてくれると思います。でも、欲しかったのは、本当の日常での振舞いだったので、その子がモデルになっていたときでも、実際に使ったのはカットが掛かって緊張がとけた瞬間の動きなどが多かったのです。

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ワークステーションの導入

──多くの時間と熱意によって生み出されたSayaをはじめとするTELYUKAの作品創りには、ハイスペックなコンピューターが必須となる。二人はどのような環境で制作活動をしているのだろう。

晃之:そもそも、フリーランス時代には自作PCで作業していました。自分でパーツを選んだり、取り換えたりするのも好きだったので、最初はそれでよかったのですが、だんだんと仕事の負荷レベルが上がるにつれて高価なパーツを使う必要が出てきました。

自作PCにはトラブルがつきものですが、金額的にも仕事的にも楽しみの範疇だけでは済まないような環境になってきたのです。以前、あるプロダクションでお手伝いをした時代があったのですが、その時に与えられたマシンがHPのワークステーションでした。その性能の高さや信頼性は十分知っていたので、自分で購入するならそれしかないと思っていました。

──TELYUKAの制作環境では、複数のソフトウェアを使う。それらに総合していえるのは、いずれもCPUパワーが必要ということだ。物理コア数が多いほど作業効率が上がるため、最重要だったのがCPUの構成だった。

晃之:インテル® Xeon® プロセッサーが、当時のワークステーションでのトレンドだったと思いますが、それを複数コアで動かせるとなると、そもそも選択肢はそれほど多くはなかったです。ですから、以前の経験も踏まえて当時のハイエンドモデル HP Z820 Workstation を購入することに決めました。

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──自作PC時代とは違い、パッケージングされたコンピューターはケーブルの取り回しをはじめ、エアフロー、ドライバレスでパーツが取り外しできるメンテナンス性の高さなど、さまざまな面で感動したのだという。

晃之:自作PCではパーツの相性などで悩んだり、トラブルが起こればその原因を探したりするのにも苦労しましたが、HPのワークステーションでは、そこで悩む必要が無いことが分かりました。実際に作業してもとても効率が良くなったので、翌年にはもう一台買ってしまったほどです。

──晃之氏、友香氏ともにHPのワークステーションにしたことで、作業にも大きな影響が生まれていた。

晃之:何しろいままで出来なかったことや動かなかったものがすべてストレスなくできるようになったのは大きかったです。マシンパワーがあるということはそれだけで、できることが増えるということが一番うれしかったですね。

友香:肌のテクスチャは4K品質で100枚以上もレイヤーを重ねていくのですが、アンダーパワーのマシンではそもそもできなかったと思います。髪の毛も十万本単位で表現していますが、動きによって揺らめく様子はすべてシミュレーションですから、ハイエンドのコンピューターが無ければ表現できませんし、一本動かすのに何分も待たされるようだとモチベーションにも影響があります。その点、HPのワークステーションなら安心して高負荷の作業を任せられるので、制作スピードも向上しましたね。


“止まらない”ことへの安心感

──HPワークステーションの導入で作業環境が向上したTELYUKA。同時にHPのサポート力の高さを実感した出来事もあった。

晃之:実は2台目の納品直後にちょっとした電源トラブルがあったのですが、連絡をした翌日にサポートの方が来てくださって、その日のうちに修理対応してもらったことがありました。サポートの方の丁寧な対応もそうですが、迅速に駆けつけてくださったことにまず驚きましたね。

──翌日オンサイト対応を基本としているHPサポートのおかげで、大きなトラブルには発展しなかったという晃之氏。その後トラブルはまったくおきておらず、コンピューターは過酷な作業環境を支え続けているという。

友香:HPのコンピューターの多くは「東京生産」と聞いていました。個人的にも国内生産というのはとても信頼できると感じていましたし、先ほども話した通り、ケースを開けてみると、様々な点で安定動作のための気配りや配慮がされていることが理解できます。私たちの仕事はコンピューターが止まってしまえば制作を継続することが難しいので、止まらず動いてくれることは大きな安心感になりますね。

──レンダリングをはじめ、CPU利用率が100%のまま長時間作業することが多い仕事ですが、それを連日おこなってもトラブルレスなので、その分仕事に集中できるというTELYUKA。かつての自作経験を活かし、メンテナンスにも余念がない。

晃之:やっぱり、コンピューターにはホコリが大敵だと思います。現在はサーバルームにする部屋があるのでそれほどではないのですが、以前の作業場は居住空間も兼ねていたのでホコリがすごかったのです。その頃から、ケース内や放熱フィンのホコリを取り除くことはしていたので、それは現在でも続けていますよ。

──確かにホコリが溜まるとケース内温度が上昇する傾向は強くなる。ケースのメンテナンス性の良さを活かして、現在でも掃除を欠かさないということも、トラブルレスでいられる理由の一つであることは間違いない。最後にクリエイターとしてワークステーション活用のコツを伺った。

晃之:コンピューターに関しても何にでも興味を持つことが大事だと思います。このパーツにはどんな意味があるのか、入れ替えてみたらどうなるのか、それを理解することはとても大切です。私たちにとってワークステーションは“道具”ですから、興味を持つだけでなく、さらにもう一段掘り下げてみればいろいろなことに気が付くと思います。マシンのパフォーマンスが上がれば、自分が表現したいことも広がりますからね。

友香:ハイエンドのコンピューターがあれば、やりたいことができるようになるだけでなく、トライアンドエラーの回数も増やせます。またスムーズに動いてくれる分、直感的な創作にも繋がります。ストレスを感じながら作業したり、トラブルに見舞われたりすることを考えれば、最初からしっかりしたワークステーションを使った方が良いですよね。

晃之:私たちの環境ではまだCPUパワーを重視していますが、今後は高性能なGPUコンピューティングを搭載したPCの力が必要になってくると思います。次世代の仕事環境を作る時もきっとHPのワークステーションを選択すると思います。

これからもキャラクターを使った創作活動は続けていくと思いますし、実際にいろいろと準備を進めています。そのうち発表する機会があるでしょうから、楽しみにしていてください。

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最新機種『HP Z8 G4 Workstation』が試せるチャンス

お申し込みの受付は終了いたしました。
たくさんのお申し込みありがとうございました。

記事中に登場する HP Workstation Z820 Workstation の最新機種『HP Z8 G4 Workstation』を約2週間お貸出しいたします。

【スペック】
機種:HP Z8 G4 Workstation
OS:Windows 10 Pro for Workstations Plus(64bit) (日本語版)(Intel Xeon 6コア以上搭載システム用)
プロセッサ:インテル® Xeon® Bronze 3204 プロセッサー(1.9GHz, 6コア, 8.25MB, 2133MHz)
GPU:NVIDIA Quadro P400 2GB
製品情報:https://jp.ext.hp.com/workstations/z8g4/

【応募概要】
応募期間:2019年11月22日~2019年12月13日(金)
貸出期間:2週間程度
貸出開始時期:応相談

お問い合わせ ws_jp_mktg@hp.com

※当選者様には事務局よりご連絡いたします。ご相談の上、貸出期間を決定させていたただ来ます。必ずしもご希望に沿えない場合がございますのであらかじめご了承くださいませ。
※モニターは付属しておりません。本体のみのお貸出しとなります。