2024.12.10
Microsoft のAIソリューション Microsoft Copilot は、この秋 Wave 2 として、飛躍的な刷新が行われました。正確には Microsoft 365 Copilot Wave 2 とされているもので、コラボレーションキャンバスとしての Pages を、ウェブや仕事に統合し、ナレッジワークのための新たなデザインシステムを実現するとしています。ここでは、その概要を見ながら、同社のAI戦略について考えてみましょう。
フリーランスライター 山田祥平
Microsoft は Microsoft 365 アプリ、すなわち、WordやExcel、そしてPowerPoint、さらにはコラボレーションツールとしてのTeamsといったアプリ内での Copilot 活用について、その機能向上を熱心に進めています。同社のAIテクノロジーは、OpenAIのChatGPTをベースにしていますが、GPT-4oと強化されたオーケストレーションによって、そのパフォーマンスが劇的に向上したそうです。具体的には、Copilot の応答が平均で2倍以上速くなったとしています。
Copilot はAIのための新しいユーザーインターフェース(UI)だと Microsoft は定義しています。このUIにおいて、AIとのコミュニケーションはビジネスチャットから始まります。Copilot Pages はそのチャットの履歴を蓄積する動的で永続的なキャンバスとして機能します。そして、AIとのやりとりをチーム内で共有することができるようにし、AIとのセッションを一過性ではないものとします。
われわれは、通常通りに Copilot とチャットで会話し、保存したい応答があったところで、Pages での編集を指示すれば、Copilot からの応答が Pages に追加されていき、さらにその内容をチームで共有することでコラボレーションに発展させます。
Pages は、いわば刹那的なAIとのチャットでのやりとりを固定化し、あとで役立てることができるようにするためのものと考えられます。
同社では Pages の概要についての動画をYouTubeで公開しています。
データ分析に欠かせない Excelも Wave 2 で大きな進化を見せます。今回の Wave 2 で一般提供が開始される Copilot in Excel を活用することで、Excelのエキスパートが常にそばにいるかのように、データの羅列としての数表から今まででは考えられないほどの多くの洞察を得ることができるようになるでしょう。
目の前に重要な傾向を示すデータがあるにも関わらず、それを明確なトレンドとして認識するには、データを分析する力が必要です。そしてその力は誰もが持っているものではなく、場合によっては、重要なトレンドを見落としてしまいかねないリスクもあります。Copilot はそんなリスクを低減し、専門家ではないエンドユーザーでも、Excelが備えた高度で強力な機能を享受できるようにしてくれます。
つまるところ、Excelのような分析ツールは、もはや、普通の人の手に負えないくらいに進化してしまっていて、そこに実装された膨大な機能をフルに活用するのが難しくなっているということかもしれません。
プレゼンテーションアプリのPowerPointでは Narrative builder の提供が開始されました。Narrativeはストーリー的な意味を持ちます。その構成を Copilot がパートナーのようにサポートしてくれるもので、短時間でのプレゼンテーションドラフト作成を支援します。
会議でのコミュニケーションは、リアルボイスとテキストチャットの二種類の方法で行われるようになっています。ハイブリッド会議がその典型です。Copilot in Microsoft Teams は、会議の議事録と会議チャットの両方を認識して、その会議の全体像を把握できるようにします。
Prioritize 機能によって、自分自身の役割に応じてメールを確認するなどの処理で受信トレイを分析し、重要なメッセージにすばやくアクセスできるようにします。Copilot は各メールの簡潔な要約、そしてそのメッセージを優先した理由、重要なポイントなどの洞察を自動的に作成します。これなら長いメッセージの最初から最後までに目を通す必要もありません。また、前もって重要な特定のトピック、キーワード、人物を Copilot に教えることができるようになり、それらのメールに確実に高い優先度が付けられるようにもなるそうです。これらの機能は、2024年後半からパブリックプレビュー版として提供されます。
ウェブデータや Word、PowerPoint、PDF、暗号化された文書などの業務データに加えて、電子メールや会議データもすばやく参照できるようにします。そして、これらの情報を作業の流れに直接統合します。これによって良質な下書きを迅速に作成できるようになります。
クラウドストレージ内のあらゆるファイルを迅速に分析し、必要な情報を検索することで、ファイルを開くことなく、その内容の詳細と差異を明確かつ読みやすい要約で表示します。それによって、ファイルの内容の理解や、サマライズ、比較を容易にします。
Microsoft のエグゼクティブ バイス プレジデント 兼 チーフ マーケティング オフィサーの沼本健氏は、会社のランチを無料で食べられるようになるよりも Copilot が使える方がうれしいという。
Microsoft のエグゼクティブ バイス プレジデント 兼 チーフ マーケティング オフィサーの沼本健氏は、Microsoft が信頼できるAIの提供を第一義に考えていて、それこそが人間の可能性を解き放つと述べています。
AIの活用にあたっては、セキュリティや安全性、そしてプライバシーも重要です。今回の Wave 2 の発表に際して、改めて信頼できるAIの重要性を訴えています。
ビジネスの現場におけるあらゆる場面で、AIが活用されることが、新しい当たり前として受け入れられるようになれば、その信頼性が問われるのは当然です。われわれエンドユーザーもまた、AIの提案を鵜呑みにせずに、きちんと考察する姿勢で接することも大事です。
われわれが今、AIによるテクノロジーパラダイムシフトのまっただ中にいるとする Microsoft ですが、これはコンピューターが人間にさらに近づくということでもあります。そのあたりにも留意しながら、AIとうまくつきあっていくことが重要です。最先端の先頭で音頭をとっているように見える Microsoft もまた、警鐘に近いコメントを出しながら、誰もが使えるAIアシスタントの開発を続けているようです。
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