2020.05.18
テレワークを導入するうえで必要不可欠ともいえるのが、オンライン会議ができる環境を整えることだ。オンライン会議システムはテレワークのためだけではなく、遠方のクライアントや地方の支社との会議などにも活用することができる。しかし、オンライン会議の経験がないと、使い勝手など気になる点は多いだろう。この記事では、テレワークで活用できるオンライン会議システムの種類、用意すべき設備や環境などについて解説する。
テレワークとは、「離れた場所で働く」という意味を持つ造語だ。ネットワーク環境と適したデバイスを活用し、オフィス以外の場所で働くことをテレワーク(もしくはリモートワーク)と呼ぶ。オフィス以外の場所で働くこと全般を指し、在宅勤務やサテライトオフィス勤務などもテレワークの一種だ。
テレワークは働き方改革の推進のために、政府からも推奨されている。働く時間や場所にとらわれないテレワークは、ワークライフバランスの実現や労働力の確保、環境負荷の軽減など、あらゆる面で効果が期待されているのだ。育児や介護で自宅を離れられなくなった社員の離職防止や、自然災害や感染症の流行で多数の社員が通勤困難になったときでも会社機能を維持できるなどの効果もあり、テレワーク環境の導入を考える企業は増えている。
テレワーク会議とは、インターネットなどの通信環境を利用して離れた場所にいる人と会議をすることだ。一口にテレワーク会議といっても、その特徴によっていくつかの種類に分けられる。ここでは、代表的なテレワーク会議であるWeb会議、テレビ会議、電話会議の3つについて、特徴やメリットを紹介する。
Web会議は、ネットワークに接続したパソコンやタブレットなどのデバイスを使って行うテレワーク会議だ。Web会議システムは多数のサービスがあり、アプリをインストールするだけで使える製品など、手軽に利用できるものも多い。
Web会議の特徴は、多くの機能が利用できることだ。音声のやりとりに加え、パソコン内蔵のカメラやWebカメラを使えばお互いの映像を見ながら会議をすることができる。また、パソコン内にある資料を相手と共有する機能や、フリーハンドで書き込みができるホワイドボード機能、会議中の音声や映像を録画する機能など、製品によってさまざまな機能を利用することができる。
特別な準備をしなくても気軽に利用できるのが、Web会議のメリットだ。ノートパソコンやタブレットはカメラとマイクが内蔵されているものが多いため、別途機材を用意する必要はない。デバイスとネットワーク環境さえあればよいため、在宅勤務の社員とも簡単に会議を行うことが可能になる。
テレビ会議は、専用の機器を使って遠隔地と音声、映像をやりとりできるシステムのことだ。ディスプレイやマイクなどの必要な機器がパッケージになっている製品が多く、導入時にはそれを設置するための専用会議室などの用意が必要になる。双方にテレビ会議用の機器が必要になるため、テレビ会議を行いたい拠点にはあらかじめ機器を導入しておかなければならないのが特徴だ。
テレビ会議の通信にはISDNや専用回線を利用するため、映像や音声の品質を保ちやすいことがメリットだ。広角のカメラや集音機能に優れたマイクなど、機器の品質もよいものが多く、一拠点に複数人が参加していても快適に会議を進められるというメリットもある。
電話会議とは、1対1もしくは複数人で音声をやりとりすることをいう。音声会議やオーディオ会議と呼ばれることもあり、機能が非常にシンプルであることが特徴だ。カメラなどの機器は不要で、もともとある電話機を活用することもできる。また、通信には電話回線を利用するため、海外の拠点とも安定したやりとりが可能になる。
電話会議のメリットは、なんといってもその手軽さだろう。Web会議ではパソコンなどのデバイス、テレビ会議では専用の機器が必要になるが、電話会議は初期費用や月額料金が無料のサービスもあり、コストが低く抑えられることも多い。電話は使い慣れている人がほとんどのため、初めてでも比較的抵抗なく利用できることもメリットだ。
テレワーク会議は対面の会議とは少し違うポイントを意識する必要がある。ここでは、テレワーク会議でスムーズにやりとりするコツや振舞い方について解説する。
対面の会議でも重要なことだが、テレワーク会議の場合は特に簡潔に話すことが大切だ。テレワーク会議ではどうしても会話が一方的になりがちで、慣れるまでは発言するタイミングが掴みにくいと感じる人もいる。発言が長くなると、論点がぶれたり相手の発言機会を奪ったりしてしまうこともある。
テレワーク会議では音声の遅延や多少の途切れが発生することもあり、自然と集中してスピーカーに耳を傾けている人も多い。その場合、わかりやすい話し方を心掛けないと相手の集中を削いでしまう可能性もある。テレワーク会議に限った話ではないが、結論からわかりやすく、簡潔に発言することを心がけよう。
テレビで日本と海外との中継をやっているとき、音声の遅延でお互いの発言がかぶり、会話がスムーズにできていない場面を目にしたことがある人も多いのではないだろうか。あれほど顕著ではないが、テレワーク会議でも同じようなことが起きることがある。相手の発言が終わったと思って話始めたら、相手が続けて話し始めてしまい、発言がかぶってしまうのは珍しいことではない。
テレワーク会議では、音声や映像の遅延があるかもしれないことを念頭に置き、相手の発言が終わってからワンテンポ待って発言すると効果的だ。お互いがそれを意識することで、発言を遮ることなくスムーズに会話ができるようになる。
モニターに相手の姿が映っていると、どうしてもそちらに向かって話かけてしまいがちだが、相手はカメラがとらえた自分の姿を見ている。モニターとカメラが別の位置にあると、相手側には全く別の方向を向いて話している自分の姿が映っていることになる。発言するときは、意識的にカメラに目線を向けるようにすることが大切だ。カメラの位置が調整できるのであれば、モニターとカメラを同じ位置に設置しておくとよいだろう。
ノートパソコンやタブレットを利用する場合も同様だ。これらはディスプレイの上部にカメラが付いていることが多く、相手の顔を見ながら話しているつもりが、相手にはずっと伏し目がちで話しているように見えるということがあるため注意しよう。
テレワーク会議では、マイクがしっかり音声を拾えるように普段より声量を上げる必要がある。集音性の高いマイクであればそこまで問題になることはないが、マイクと距離がある場合などはやはり声量を意識して会話するようにしよう。
声のトーンも重要だ。声のトーンが低いとマイクで拾いにくいだけでなく、相手に不快感を与えてしまうことがある。特に電話会議では音声しか相手に伝わらないため、声のトーンは印象を大きく左右する。相手に誤解を与えないように、声のトーンは普段より高めにするとよいだろう。
テレワーク会議システムには、無料で手軽に使えるサービスが多く提供されている。ここでは、パソコンやタブレットで使えるテレワーク会議用の無料アプリを5つ紹介する。
Skypeはチャット機能や音声、ビデオ通話を無料で利用できるサービスだ。パソコンやスマホだけでなく、ゲーム機やウェアラブル端末からも利用でき、世界的にも多くのユーザーが利用している。どのデバイスからでも最大50人のWeb会議を行うことができる。Skypeビデオ通話アプリを使うと背景のぼかし機能を使うことができ、自宅など背景をあまり見られたくない場所からでもWeb会議に参加しやすくなるだろう。また後継としてMicrosoft Teamというチームコミュニケーションツールがサービス提供されている。2018年8月末に、Skype for BusinessをMicrosoft Teamsに移行するロードマップが発表され、順次移行が進んでいる。特にO365利用者にとっては非常に使いやすいツールだ。
Zoomは、特にビジネスに最適化されたWeb会議アプリケーションだ。デバイスに内蔵されているカメラやマイクを使った場合でも、高画質・高音質のWeb会議を行うことができる。有料版と無料版が提供されているが、無料版でも使用できる機能は多い。1対1のミーティングなら時間無制限、3人以上のグループミーティングなら40分まで可能となっている。資料共有機能や画面の録画機能なども無料で利用できる。
Googleハングアウトは、その名のとおりGoogleが提供しているツールだ。チャット機能やWeb会議機能があり、Googleアカウントを作成すればブラウザからビデオ通話を開始することができる。相手と画面を共有できる機能や、ビデオ通話中にチャットを行える機能なども提供されている。
Wherebyは、会議用のURLを発行することで利用できるWeb会議サービスだ。一度会議用のURLを発行すると、同じURLを何度でも利用することができる。参加者はユーザー登録不要で、会議主催者から伝えられたURLにアクセスするだけでWeb会議に参加することが可能だ。画面共有やチャットの機能も提供されている。有料版と無料版があり、無料版では最大4人までのWeb会議を行うことができる。会議への招待が手軽なため、オンライン面接などにもよく利用されている。
Chatworkは、チャットやWeb会議などの機能が利用できるコミュニケーションツールで、日本企業の導入実績も多い。通信の暗号化や24時間体制のサーバー監視など、セキュリティ性が高いことも特徴だ。こちらも無料版と複数の有料プランが提供されている。無料版では累計14グループチャットや1対1のビデオ通話、音声通話、2段階認証などのサービスが利用可能となっている。
テレワークを導入するためには、離れた場所にいても会議ができる環境が必須だ。テレワーク会議を利用するためのサービスは数多く提供されているため、目的に合ったツールを選定しよう。また、テレワーク会議に不慣れな社員の中には、Web会議などに抵抗のある社員もいるだろう。ストレスなくテレワーク会議を行うためのポイントなどを周知し、積極的に実施するように教育することも大切だ。
テレワーク会議ツールの性能はもちろん、それを行うネットワーク環境やデバイスのスペックも、会議の快適性を大きく左右する。本Tech & Device TVでは、総務・人事部門の視点からみたテレワーク導入のポイントや、在宅勤務に適したデバイスの紹介などを行っている。以下より一度資料をダウンロードしてみてはどうだろうか。
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