2020.05.13
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務が推奨されるようになった。しかし、中には「社員がさぼってしまうのではないか」と懸念する管理者もいるだろう。管理者は社員の環境を理解したうえで、作業効率を維持するために策を講じる必要がある。この記事では在宅勤務のリスクや、生産性を高めるためのポイントを解説する。
在宅勤務において、「社員がさぼるのではないか」と心配する担当者も少なくない。心配してしまう内容として、以下のようなことが挙げられる。
社員が自宅というプライベートな空間で仕事を進める在宅勤務では、マネージャーが社員の仕事ぶりをチェックすることができない。つまり、何をしているのかが把握しにくいということだ。そうした状況の中、社員に疑念を抱いてしまうマネージャーの気持ちはよくわかる。通常のオフィスワークで成果よりも労働時間や勤務態度になどに重きを置いて社員を評価してきたマネージャーの場合、在宅勤務では評価材料が少なくなってしまうため、心配になってしまうのだ。
前述した通り、在宅勤務の社員が「今何をしているのか」ということは、同じ空間を共有するオフィス勤務と比べて把握しづらい。そのため、仕事の時間と休憩の時間が曖昧になり、「さぼっているのではないか」と疑ってしまうのだ。また、出勤時間や退勤時間も守られていないのではないかと不安視する声もあるだろう。
「さぼっている」という故意的な意識がなかったとしても、自宅というプライベートな環境で仕事に身が入らず、「だらけてしまうのではないか」という心配もある。これは生産性の低下に直結するため、マネージャーとしては防ぎたい。
従業員がさぼったりだらけたりすることの防止策として、監視ツールを導入して仕事ぶりをリアルタイムでチェックするという方法もある。しかし、それによって従業員がストレスを感じてしまうことは言うまでもない。見られているという強迫観念に駆られて業務に取り組んだとしても、在宅勤務の本来の目的である「生産性向上」や「ライフワークバランスの実現」からは逆行しており、本末転倒な施策といえるだろう。そもそも監視ツールで社員がPCの前にいるかどうかを管理したところで、実際に業務が進んでいるかは別問題だ。それよりも、在宅勤務に際して業務管理や評価制度の見直しをしたり、社員一人一人が働きやすい在宅環境を実現できるように支援したりする方が前向きな解決策といえる。
在宅勤務における心配事は管理体制の観点からすれば、当然の心配だといえる。しかし、有効なさぼり対策は監視とはいえない。ここでは、在宅勤務における適切な“さぼり対策”についてみていこう。
オフィス勤務の基本とした人事評価制度の場合、在宅勤務にはそぐわない制度になっている場合があるため、整備が必要だ。例えば勤務態度などが重要視される評価制度になっている場合、在宅勤務では評価がしにくい。社員目線で考えても、例えばオフィス勤務で「自分の働きぶりを認めてもらえる」と感じ、モチベーションを維持できていたのに、在宅勤務では評価されている実感が持てず、さぼったりだらけたりしてしまうこともあるだろう。
在宅勤務では、成果を重視する評価制度にすることで、社員は仕事の質を向上させることにモチベーションを感じるようになり、ひいてはさぼりの防止にもつながるのだ。明確な成果(タスク)管理と適切な報告・連絡・相談によって、管理職側の「部下がさぼっていないか」、逆に部下側の「正当な評価がうけられないのでは」という両方の悩みの解消に近づくのではないだろうか。
在宅勤務では社員同士のコミュニケーションが希薄になってしまうという課題もある。それによって帰属意識も薄れ、さぼりにつながってしまうかもしれない。現在は新型感染症の拡大を防ぐための外出自粛により、オンライン会議システム利用が中心となるが、平常時は定例で対面の会議を設けてもよいだろう。例えば曜日を決めて毎週の定例にしておけば、各自の短期的な達成目標を決めて、随時共有できる。プロジェクトメンバーが同じ方向を向いて仕事をしているということが実感できれば、それがモチベーションに繋がり、在宅勤務のモチベーションを維持できるようになる。
前述した定期的なメーティングに加え、日頃から社員同士のコミュニケーションが取れる環境も重要。そこで有効なのが、SlackやChatworkなどのコミュニケーションツールだ。
メールのような形式貼った文章ではなく、気軽にやりとりができ、グループでのやりとりも可能。また、絵文字や顔文字も使えるので一層コミュニケーションがフランクになる。企業の風土にもよるが、コミュニケーションが希薄になりがちな在宅勤務においては、絵文字を多用したり、1人の社員の成果に全員で反応して賛辞を贈ったりと、チャットルームの雰囲気作りも重要だ。コミュニケーションツールによるやりとりが楽しくなると、在宅勤務の雰囲気も良い方向に一変するだろう。マネージャーはそうした雰囲気づくりのために、率先してメッセージを書き込む姿勢が大切だ。
在宅勤務が快適に行えるか否かは、「環境」にかかっていると言っても過言ではない。制度が整っていても環境が整っていなければ、在宅勤務は難しい。
在宅勤務の環境構築において重要なポイントとして、以下の3点が挙げられる。
・ネット環境
・作業スペース
・在宅勤務に適したパソコン
まず、コミュニケーションツールを使用したり、作業に使う専用システムにアクセスしたりするために、ネット接続ができる環境は必要不可欠。自宅の場合は光回線、外出先ではモバイルWi-Fiが有効だ。速度に不安定だったり、通信量に制限があって速度制限がかかってしまったりすると処理スピードも遅くなってしまうため、常に高速で回線が使用できる環境を整えよう。
また、作業スペースに関しては、自分が働きやすい環境を整えることが重要になる。仕事部屋を準備するのがベストだが、難しい場合はプライベートな空間と執務空間を分けられるようレイアウトを検討すると良い。また、長時間作業していても疲れにくいデスクやチェアや、集中力を高めるデスク用の照明、リラックス効果をもたらす観葉植物なども作業スペースの快適性を高めてくれる。
そして、在宅勤務に適したパソコン選びも非常に重要だ。前述した「ネット環境」と「作業スペース」が整っていても、作業に使用するパソコンのスペックが低く、処理に時間がかかったり、容量が少なかったりすると十分ではない。また、現在は在宅勤務が中心の人も、社内での勤務やカフェなどでのモバイルワークなど、今後の持ち運びを考えると軽量かつコンパクトなサイズ感も重要だ。また、セキュリティ対策も忘れてはならない。中にはオフィス以外のさまざまな環境で作業することを想定し、画面に覗き見の防止策が施されたマシンも販売されている。
「在宅勤務で社員がさぼるのではないか」という懸念は、社員を信じる気持ちを前提として、本記事で紹介した施策によって解消できるだろう。
そして、在宅勤務で企業と従業員をつなぐ最も重要なアイテムが「PC」なのだ。在宅勤務に適したマシンを選ぶことで、従業員は快適に仕事ができるようになるため集中力も持続し、他のメンバーとのオンラインにおけるコミュニケーションも円滑になる。
本Tech & Device TV では、リモートワークに適した高性能でセキュリティ対策が優れたノートパソコンを紹介している。テレワーク推進の担当者や総務・人事部門が提言すべきパソコン選びのポイントをまとめた資料も配布しているので、マシン選びの参考にダウンロードしてはどうだろうか。
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