新型コロナウイルスの感染拡大により、各社が急ピッチで在宅勤務の導入を始めている。しかし、どんな職種でもリモートワークが可能なわけではない。この記事ではリモートワークに向いている職種の条件や、具体的な職種、また、リモートワークを成功させる環境などについて解説する。

リモートワークに向いている職種の条件

リモートワークはどんな職種でも可能なわけではない。人との接触の機会を減らすには有効だが条件に当てはまなければ、リモートワークはそもそも実施できないことになる。ここでは、リモートワークに向いている職種の条件について詳しく見て行こう。

現場に出勤しなくても成り立つ

リモートワークは、その場所に出向かなくてはならない仕事では成り立たない。例えば、建設現場などの作業者は、リモートワークはほぼ不可能だ。

また、接客や販売など、人に接する仕事もリモートワークには適していないといえるだろう。医療現場においても、最近はオンライン診療等のサービスが出てきているものの、やはり基本的に患者がいる病院でなければ仕事ができない。

成果を共有できる

仕事は、成果を示さなければ評価されない。そのため、リモートワークにおいては、離れていても一定期間における成果が目に見えるものでなければ、進捗を管理することができないといえるだろう。

例えば、以下の仕事はリモートワークに向いている業務内容にあたる。
・図面の設計
・文章作成
・キャラクターデザインや web デザイン

リモートワークでも通常のオフィスワークと同様に情報は誰かがまとめる必要があり、人と話し合う必要もある。そのため、成果が目に見えてわかり、進捗状況の把握が容易な仕事であるほどリモートワークを行いやすい。

リモートワークがしやすい職種

リモートワークが行える条件に触れたうえでここでは具体的な職種について触れていく。

プログラマー・ IT エンジニア

基本的にはパソコンに向かって行う業務のため、マシンのスペックが充分でなおかつ周辺環境の整備ができていればオフィスでなくてもパフォーマンスを発揮できる職種だ。コーティングなど、目に見えて成果がわかりやすいため、管理者にとっては作業進捗を把握しやすいともいえるだろう。

Web デザイナー

デザイナーの仕事はプログラマー・ IT エンジニアと同様、パソコンを使った業務が中心となる。また、デザインの作業は個人のセンスによる部分も大きいという意味では、オフィスよりも、デザイナー自身が最も集中できる環境で仕事を進めることでクオリティの向上も期待できるのだ。ただし、クライアントやコーダーなどと打ち合わせが必要になる場合もあるため、オンラインミーティングのツールはあったほうが良いだろう。

設計士

住宅や工事現場などでは、必ず設計図が必要となる。こうした設計図を作成する設計士の仕事もリモートワークで実現可能といえるだろう。
図面の作成をする際は、クライアントとデータのやり取りすることが多いため、ネット環境やPC のスペック、セキュリティ要件は満たしておく必要がある。

ライター・編集者・メディアディレクター

ライターや編集者、メディアディレクターなど、主にテキストコンテンツを扱う仕事もリモートワークには向いている。実際、感染症対策でリモートワークが注目される以前から、在宅で行えるライターの仕事は多かった。

執筆の作業においては一般的なパソコンに標準アプリとして入っているドキュメンテーションツールで行えるため、パソコンとネット環境さえあればリモートワークは容易に行える。

マーケター

企業が利益を上げるための戦略を講じるマーケターの仕事もリモートワークと親和性が高いと言える。中でもWebマーケティングを主とするマーケターはデジタルリテラシーも高いため、リモートワークでも抵抗なく、スムーズに環境構築が行える。マーケターは、クライアントや、社内外の制作担当や営業部ともコミュニケーションが頻繁に発生するため、リモート環境においてはコミュニケーションツールが必要不可欠だ。

リモートワークに必要なスキル

リモートワークに向いている職種の条件や、職種をふまえたうえで、リモートワークでどのようなスキルが必要になるのかを解説する。

コミュニケーションスキル

リモートワークの場合、基本的には社員やクライアントとは対面で顔を合わせずに仕事を進めることになる。そのため、電話やメールだけのやりとりで正しく自分の思いや考えを伝え、逆に相手のことを理解するというコミュニケーションスキルが必要となる。顔が見えない分、微妙なニュアンスを文章だけで誤解なく伝える語彙力や、相手のことを理解しようとする配慮や思いやりが重要だ。

自己管理スキル

上司やクライアントの目が届かないリモートワークという環境では、自分自身を律し、自己管理できるか否かが重要だ。仕事の計画を立て、スケジュールに進める実行力と、状況を上司に正しく報告・連絡・相談する必要がある。自己管理を徹底できるかどうかは、仕事に対する個人の“姿勢”に起因するところもあるが、他にもリモートワークの環境が整備されておらず、集中を削がれてしまうなど、外的な要因も忘れてはならない。

自己評価スキル

「自己管理スキル」にも関連するが、リモートワークでは自分自身を評価したうえで課題を見つけ、能動的に生産性の向上や、仕事の仕方の見直しに取り組む姿勢が重要だ。「環境が悪い」とリモートワークを言い訳にしてしまう社員は、会社からの信頼を失ってしまうだろう。

もちろん、リモートワークであっても会社側のマネジメント力も重要になるが、社員もそれに依存せず、自己改善に努め、会社にフィードバックする……そんな関係性が理想的といえるだろう。

リモートワークを成功させる環境とは？

リモートワークを成功させるためには作業の環境がとても重要になる。一体どのような環境が良いのだろうか。ポイントを解説する。

集中できる執務環境

まず、リモートワークの拠点を社員の自宅と考えたとき、業務を行う空間とプライベートな空間を分けることが重要だ。部屋そのものを分けることが難しい場合でも、プライベートを過ごすソファは使わず、執務用のデスクとチェアを準備することで気持ちを変化できる。また、デスク用の照明器具や外付けの外部モニター、観葉植物なども集中できる執務環境を構築するためには有効だ。

整備されたICT環境

リモートワークを行う場合、ICT環境の整備も必須と言っていいだろう。例えば、リモートワークにおける環境構築の方法はリモートデスクトップ、仮想デスクトップなどの方式がある。外部から会社の内部サーバーにアクセスするリモートデスクトップ方式では、コストを掛けずに社内システムにアクセスできる環境を構築できるため、採用している企業は多い。

一方、仮想デスクトップは、複数の作業を同時並行で進めたい場合に有効だ。仮想デスクトップを使いこなせば大幅な作業効率アップを見込むことができる。

セキュリティ対策

リモートワークを行う場合、情報漏えいの観点から、セキュリティ対策は最重要といえるだろ。パソコンを持ち運びする場合、盗難や置き忘れ、画面を盗み見られるリスクが非常に高くなる。

例えば、スマートフォンと連携することで、マシンが一定距離以上離れたときにスマートフォンへ通知する機能が備わっているものもある。これは、置き忘れや盗難の防止に役立つ。

また、作業時に画面を覗き見されてしまう「ショルダーハッキング」と呼ばれるこの行為に対しても、斜めから画面を見ても視認できないという防止策が施されているパソコンもある。

なお、別記事では、安全なリモートワーク（テレワーク）環境構築について動画でわかりやすく説明している。詳細を知りたい方は下記URLをより視聴いただけると、安全なテレワーク環境構築についてより理解が深まるだろう。

リモートワークの環境整備はPC選びから

リモートワークには適している職種と、そうでない職種がある。リモートワーク に適している職種においては、環境を整え、適切なPCを選択することで、オフィスワークよりも快適に、なおかつセキュリティも担保しながら業務効率や品質の向上も実現できるだろう。

本サイトでは、リモートワークに適した高性能でセキュリティ対策が優れたノートパソコンを紹介している。テレワーク推進の担当者や総務・人事部門が提言すべきパソコン選びのポイントをまとめた資料も配布しているので、この機会にダウンロードしてはどうだろうか。