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2020.04.14

働き方改革を前進させる、「テレワークデイズ」を徹底解説!

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近年仕事の効率化やワークスタイルの多様化を背景に注目されているテレワークですが、「テレワークデイズ」という取り組みがあることをご存知でしょうか。

そこで今回は、注目されるテレワークデイズの取組内容や効果、参加方法などについて具体的に解説していきます。テレワークに興味のある方、自社でテレワークを導入しようと検討されている人事担当者は、この記事を参考に今後のテレワークの取組みについて考えてみましょう。

テレワークデイズとは

テレワークは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを言います。テレワークには自宅で仕事をする「在宅勤務」、顧客先や移動中にパソコンや携帯電話を使って働く「モバイルワーク」、勤務先以外の決められた場所でパソコンなどを利用して働く「サテライトオフィス勤務」があります。

テレワークは妊娠・育児・介護・障害などを理由に通勤が困難な人、管理部門に属している人、営業やSEなどの仕事をしている人に適した働き方とされています。

テレワーク推進の取組に関しては、国や東京都、各関係団体が連携し、2017年から「テレワークデイ」を実施してきました。

2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会では、市内の交通混雑が予想されるため、市民にテレワークの活用を呼びかけ、多くの企業でテレワークが導入されました。結果として会期中の交通混雑を避けることができた上に、テレワークを導入した企業では事業継続体制の確立や、ワークライフバランスの改善などに効果があったことが実施の背景です。

2019年には、2020年東京大会前の本番テストとして、7月22日(月)~9月6日(金)の約1ヶ月間を「テレワーク・デイズ2019」として設定し、全国の企業にテレワークの一斉実施を呼びかけました。
第3回目となった2019年は、7月22日~9月6日の期間において国等が実施を呼びかけ、2,887団体、約68万人が参加し、全国的に大きな広がりがみられています。

テレワークデイズ2020 実施概要

2020年1月29日に総務省が「テレワークデイズ2020」の実施方針を資料として発表しました。ここでは、その内容を詳しく紹介していきます。

実施内容

テレワークデイズ2020では、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府では、東京都及び関係団が連携し、重点16エリア周辺企業への集中的テレワークの働きかけを行います。(2020年3月現在)
また、2019年にテレワークを実施した協力団体の事例紹介や先進事例の紹介、「テレワークデイズ2020」のキックオフの周知なども行われます。

今回のテレワークデイズの実施目標としては、前回2019年の数値を上回る約3,000団体以上の参加が目標数値として設定されています。
都内の企業においては、中小企業では従業員の1割のテレワークを実施、大企業ではそれ以上の大規模な実施を呼びかけ、様々な業種・規模・地域の団体の参加を促すこととされています。

実施期間

2020年7月20日(月)~9月6日(日)がテレワークデイズ2020の実施期間とされています。ただし、都内企業においては、オリンピック競技大会期間である7月24日(金)~8月9日(日)及びパラリンピック競技大会期間の8月25日(火)~9月6日(日)が集中実施期間とされています。

実施目的

テレワークデイズ2020は、テレワークを導入することによる交通混雑緩和、業務効率化等の効果を測定することを目的としています。
参加団体は、「実施団体」「特別協⼒団体」「応援団体」の3分類とされており、特別協⼒団体は、効果測定(交通混雑緩和、業務効率化等)のアンケートに協⼒可能な団体とされています。

交通混雑緩和の効果測定は、モバイルビッグデータを活⽤し、東京都⼼への交通量削減効果が検証されます。また、重点16エリアなど競技会場周辺エリアの減少量も検証されます。

また、業務効率化の効果も測定され、企業・団体の経営層から従業員まで幅広い層にテレワークの意義等を浸透させるため、⽣産性向上、ワークライフバランス満⾜度向上等のデータを収集し、広く周知することとされています。

テレワークデイズの実態

テレワークデイズは2017年から実施がされてきましたが、実際にテレワーク導入の効果は見られたのでしょうか。ここでは、直近のテレワークデイズのデータをもとに、導入の効果を見ていきます。

参加団体

テレワークデイズでは、実施団体、特別協力団体、応援団体の3つの団体に分けられます。
実施団体は、参加人数等を問わずテレワークを実施またはトライアルを行う団体で、初参加の場合など、1日だけ、少人数の参加も許可されています。

特別協力団体は、5日間以上実施し、当日に100名以上の効果測定に協力可能な団体を指します。
また、応援団体とは、テレワークに係る実施ノウハウ、ワークスペース、ソフトウェア等を提供する団体、およびワーケーションを支援する団体を指します。
また、テレワークデイズの実施地域をエリア別に見ていくと、東京都が1,500団体以上と最も多く、次いで大阪、神奈川、愛知と大都市圏が続きます。

テレワークデイズの参加団体を業種別に見ると、情報通信業が680件以上と最も多く、次いでサービス業、製造業、学術研究・技術サービス業、卸売業、金融業と続きます。業種別に分類すると、やはりテレワークが導入しやすい業種とそうでない業種がくっきりと分かれる結果となっています。

テレワークデイズの企業・団体規模の分布は、約半数従業員数が99名以下の小規模な企業となっており、従業員数が1,000名以下の企業が7割以上を占めています。
テレワークデイズ2019では、参加団体のテレワーク予定実施形態の集計を行っています。その中では、「在宅勤務」が48%を占め、次いで「モバイル勤務」が29%、「サテライトオフィス勤務」が22%となっています。

実施効果と課題

テレワークデイズによる効果としては、交通削減効果とオフィスコスト削減効果の2つに分けられます。

交通削減効果としては、東京メトロ豊洲駅で10%、都営芝公園駅で5.1%の削減など、都内の地下鉄やJRの乗客率が減少し、一定の効果が見られました。

また、オフィスコストの削減効果としては、オフィスフロアの消費電力を最大18%、平均7.1%の削減が見られました。事務用紙等の資源の削減は、14%の削減が見られ、資源の節約にも大きく貢献しています。さらに、残業時間は45%削減され、従業員の労働環境の改善にも貢献する結果となりました。
このように、テレワークデイズには交通削減効果、オフイスソフトの削減効果がある程度見られました。

一方、テレワークデイズ実施により明らかになった課題もあります。
テレワークデイズの実施期間中は、通常のオフィスインフラを使用することができないため、従業員はリアルタイムでの情報共有やコミュニケーション不足が、業務進行を妨げていると感じたようです。

実際、国がまとめた『テレワーク・デイズ2019 実施結果報告』では、「約4割の社員がチームメンバーとのコミュニケーションに問題を感じた」という参加団体からのコメントも報告されています。

今後は、テレワークの推進とともに、専用PCやモバイル端末、リモート会議用ツールの確保、ペーパーレス化の仕組みづくり、適切な情報セキュリティの担保、サテライトオフィスの整備などテレワークに対応したITの活用が課題となります。

参加方法

テレワークデイズに参加するには、テレワークデイズホームページ内の参加登録フォームから登録する必要があります。
登録の際には、参加団体の担当者が、「企業団体名や所在地、業種、実施予定日、実施予定人数」などを記載し、フォームから情報を送信します。

登録が完了すると、テレワークデイズサイト内の「参加団体一覧」に表示されるようになります。

【まとめ】

これまで、テレワークデイズの実施内容や効果と課題、2020年のテレワークデイズの目標や参加方法などについて解説してきました。
国内では業務効率化が長年課題となっており、また、労働者のストレスを軽減するために労働環境の改善が喫緊の課題となっています。

あわせて、オリンピックによる交通量の増加は都内を中心として懸念されており、この両方を解決するためにテレワークは注目されています。

2020年のテレワークデイズは昨年より多くの従業員や関係団体の関りが予想されます。
今後テレワークを導入しようと考えているご担当者の方も、ぜひ今回のテレワークデイズの参加を検討してみてください。

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