Windows 11 Home と Pro の違いは?選定基準を解説

2026-09-09

Windows 11 Home と Pro の違いは?選定基準を解説
Windows 11 Home と Pro の違いは?選定基準を解説

Windows 11 の Home と Pro の最大の違いは「セキュリティと管理機能」です。一般家庭向けの Home に対し、Pro はビジネス用途に必須の BitLocker 暗号化、リモートデスクトップホスト機能、ドメイン参加などを搭載しています。価格差もありますが、選択を誤ると情報漏えいリスクや管理工数の増大につながるでしょう。

本記事では、Windows 11 Home と Pro の機能差を詳しく比較し、職種・企業規模・業種別の具体的な選定基準を解説します。自社に最適なエディションを判断し、適切なパソコン導入を進めましょう。

Windows 11 には、主に Home と Pro というエディションが存在します。両者は価格や対象ユーザー、搭載機能において大きな違いがあります。

1-1. 価格差とライセンス形態

Windows 11 Home と Pro の価格差は、Microsoft Store での販売価格を比較すると明確です。

エディション ダウンロード版価格(税込)
Windows 11 Home 1万9,360円
Windows 11 Pro 2万8,380円

※2026年9月時点

両エディションの価格差は2026年時点で約9,000円となっており、Pro の方が高額です。この価格差は、Pro に搭載されている追加のビジネス機能やセキュリティ機能に対する対価といえます。

ライセンス形態については、両エディションともデジタルライセンスとして提供されており、購入後は Microsoft アカウントに紐づけられます。新規パソコンを購入する場合は、プリインストールされているエディションによって価格が異なりますが、後から Home から Pro へアップグレードすることも可能です。

なお、Windows 10 Pro のライセンスを保有している場合は、Windows 11 Pro への無償アップグレードが利用できます。

1-2. 対象ユーザー層の違い

Windows 11 Home と Pro では、想定されているユーザー層が明確に異なります。

エディション 対象ユーザー
Windows 11 Home
  • 一般家庭での個人利用
  • 基本的なパソコン作業を行う方
  • 趣味や娯楽目的での利用
Windows 11 Pro
  • 企業や法人での業務利用
  • フリーランスや個人事業主
  • 高度なセキュリティやデバイス管理が必要な方

Home は個人や一般家庭向けに設計されており、日常的なパソコン作業やエンターテインメントに必要な機能を備えています。一方、Pro はビジネスシーンでの利用を想定しており、複数デバイスの管理やセキュリティ強化など、組織運営に必要な機能が追加されています。

そのため、個人で使用する場合は Home、業務や組織での利用には Pro を選択するのが基本的な判断基準となります。

1-3. 機能面での差異の概要

Windows 11 Home と Pro の機能差は、主にセキュリティとビジネス管理機能に集約されます。両エディションとも基本的な Windows 11 の新機能(スナップレイアウト、ウィジェット、新しいスタートメニューなど)は共通して利用できますが、Pro には企業利用を想定した追加機能が搭載されています。

また、スペック面でも Pro は最大メモリ容量2TB(Home は128GB)、CPUコア数128コア(Home は64コア)まで対応するなど、より高負荷な業務にも対応できる設計です。

Windows 11 Pro には、Home にはないビジネスに特化した機能が多数搭載されています。例えば、以下の機能です。

  • BitLocker(ドライブ暗号化)
  • リモートデスクトップのホスト機能
  • Hyper-V(仮想環境構築)
  • グループポリシー管理
  • ドメイン参加機能
  • Microsoft Entra ID・Intune との連携

これらの機能は、企業のセキュリティ強化やデバイス管理、システム開発など、ビジネスシーンで必要とされる要素です。個人利用では不要な場合が多いですが、組織での利用では必須となる機能も含まれています。

2-1. BitLocker(ドライブ暗号化)

BitLocker は、Windows 11 Pro に搭載されているドライブ暗号化機能です。この機能を有効にすると、パソコンのストレージ全体が暗号化され、万が一デバイスを紛失・盗難された場合でも、第三者によるデータの不正閲覧を防ぐことが可能です。

暗号化されたドライブにアクセスするには、48桁の BitLocker 回復キーが必要となるため、正規のユーザー以外はデータを読み取ることができません。このため、社外へパソコンを持ち出す機会が多い企業や、機密情報を扱う部署では特に重要なセキュリティ対策となります。

なお、回復キーを失くしてしまった場合、暗号化されたデータは一切読み取れなくなります。そのため、Microsoft アカウントや外部メディアなど、確実にアクセスできる場所への保存を徹底しましょう。

2-2. リモートデスクトップのホスト機能

Windows 11 Pro 版では、リモートデスクトップのホスト機能(接続を受ける側)が標準搭載されています。これにより、オフィス外から社内パソコンを操作したり、離れた拠点のパソコンをサポートしたりすることが可能です。

一方、Home 版はクライアント機能(接続する側)のみ対応しており、自分のパソコンを遠隔操作の対象にすることはできません。

Pro 版のリモートデスクトップは OS に標準搭載されているため、追加のソフトウェアインストールが不要という利点があります。

Windows 11 のリモートデスクトップ設定方法は、以下の記事を参考にしてください。

Windows 11 のリモートデスクトップ設定方法を確認する

2-3. Hyper-V(仮想環境構築)

Hyper-V は、Windows 11 Pro 以上のエディションに搭載されている仮想化機能で、1台のパソコン上に仮想マシンを構築できます。この機能を使えば、Windows 11 を動かしながら、同じパソコン上でUbuntu(ウブントゥ)などのLinux系OSや、過去の Windows バージョンを同時に稼働させることが可能です。

Hyper-V の主なメリットは、以下のとおりです。

  • 開発・テスト環境を物理的なパソコン追加なしで構築可能
  • ハードウェアコストの削減と有効活用
  • 異なるOS向けアプリケーションの動作確認が容易

ただし、仮想マシンを快適に動作させるには、ホストPCに十分なメモリやCPU性能が求められます。また、仮想OSにもライセンスが必要な場合がある点に注意が必要です。

なお、簡易的にLinux環境を使いたいだけであれば、Home エディションでも WSL(Windows Subsystem for Linux)により同様の目的を達成できる場合があります。Hyper-V による本格的な仮想マシン構築が必要な場合に Pro 以上が必須となります。

2-4. グループポリシー管理

グループポリシー(ローカルグループポリシー)は、組織内の複数のパソコンに対してセキュリティ設定や利用制限などを一括で適用できる管理機能です。Windows 11 Pro に搭載されており、Home エディションでは利用できません。

この機能を活用すると、管理者は以下のような設定を統一的に管理できます。

  • パスワードポリシーの設定(文字数、有効期限など)
  • 特定のアプリケーションの使用制限
  • USBメモリなど外部デバイスの接続制限
  • Windows Update の適用タイミングの制御

特に、複数台のパソコンを管理する企業においては、各端末を個別に設定する手間が省けるため、IT管理の効率化とセキュリティレベルの統一に大きく貢献します。従業員が勝手に設定を変更することを防ぎ、組織全体のセキュリティポリシーを徹底できる点が大きなメリットです。

2-5. ドメイン参加機能

Windows 11 Pro では、Active Directory ドメインへの参加機能が利用できます。これは、企業の社内ネットワーク環境において、複数のパソコンを統合的に管理するための重要な機能です。

ドメインへの参加で、以下のような運用が可能になります。

  • ユーザー認証の統合:社内ネットワーク上のどのパソコンでも同じIDでログイン可能
  • ファイルサーバーへのアクセス:社内の共有フォルダやネットワークリソースへの接続
  • セキュリティポリシーの一括適用:管理者が設定したルールを全端末に展開

自社内に Active Directory の環境をもつ企業では、従来の管理体制を維持するためにドメイン参加機能が欠かせません。従来型の社内ネットワーク管理を行う場合、Windows 11 Home ではドメイン参加ができないため、Pro 以上のエディションが必須となります。

2-6. Microsoft Entra ID・Microsoft Intune との連携

Windows 11 Pro では、クラウドベースの管理サービスである Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)と Microsoft Intune との連携機能が利用できます。これは、場所を問わずデバイスを管理できる現代的な運用手法です。

この連携により、以下のような管理が実現します。

  • クラウド経由でのデバイス登録:インターネット経由でどこからでも端末を組織に参加させられる
  • リモートからのアプリ配信:Intune を通じて必要なソフトウェアを遠隔インストール
  • モバイルデバイス管理(MDM):在宅勤務や外出先の端末も含めたセキュリティポリシーの適用

特にリモートワークが普及した現在、物理的な社内ネットワークに依存しない管理方法として注目されています。オンプレミスのドメイン参加と異なり、インターネット環境があればどこでも管理できる点が大きな特徴です。

Windows 11 の Home と Pro は、利用シーンによって最適な選択が異なります。自社の業務内容や組織体制に応じて、適切なエディションを選定することが重要です。

3-1. 部署・職種別の判断ポイント

職種によって必要な機能は異なります。以下を目安に判断してください。

職種・役割 業務内容・特徴 推奨エディション 理由・必要な機能
一般事務職(社内業務のみ) Web、Office、メール、オンライン会議が中心 Home でも可(条件付き) 基本業務には支障なし。ただし、会社のセキュリティポリシーで暗号化やドメイン参加が義務の場合は Pro が必要
営業・外回り職 持ち出し端末を使用 Pro
  • 紛失・盗難リスク対策
  • BitLocker によるドライブ暗号化
  • 組織側での暗号化管理
管理職・機密情報を扱う部署 人事データや財務情報を扱う Pro
  • BitLocker
  • リモートデスクトップのホスト機能
  • グループポリシーによる統制
IT管理者・開発者 システム管理・開発業務 Pro
  • Hyper-V での仮想環境構築
  • ドメイン参加
  • グループポリシー管理

一般的な社内事務作業のみであれば Home でも対応可能ですが、端末の持ち出し、機密情報の取り扱い、システム管理が伴う業務ではセキュリティと管理機能の観点から Pro が必要となります。

3-2. 企業規模別の選び方

企業規模によって、Windows 11 のエディション選択の考え方は異なります。

事業規模 対象 推奨エディション
小規模事業者 従業員5名以下、ドメイン環境なし
  • 一般的な事務作業中心→Home で十分
  • 顧客情報や機密データを扱う→Pro(BitLocker 暗号化機能)
  • 在宅勤務でリモートデスクトップが必要→Pro
中小企業以上 従業員10名超 Pro の導入が前提
  • IT管理の効率化とセキュリティ統一が必要
  • グループポリシーによる一括管理が可能
  • ドメイン参加機能で組織全体のセキュリティレベルを維持
  • Home では個別対応が必要で管理コストが増大

主な判断基準は、従業員数、扱うデータの機密性、リモートワークの必要性、IT管理の効率化ニーズです。事業規模が大きくなるほど、またセキュリティや管理の必要性が高まるほど、Pro エディションまたはそれ以上の Windows が必要になります。

3-3. 業種・業態別の判断基準

業種によって、セキュリティや管理機能への要求水準が大きく異なります。

業種分類 対象業種例 推奨エディション 主な理由
規制の緩い業種
  • 小売
  • 飲食
  • 一般サービス
Home(条件付き可)
  • 小規模店舗向け
  • クラウドサービス中心の利用

※自社サーバーで個人情報管理する場合は Pro 推奨

士業・医療・金融
  • 弁護士、税理士
  • 医療機関
  • 金融機関
Pro
  • 法規制により暗号化、ログ管理が必須
  • BitLocker、グループポリシー、ドメイン参加が必要

扱う情報の機密性と業界規制の有無によってエディションを選定し、個人情報を本格的に管理する場合は、業種を問わず Pro が推奨されます。

Windows 11 Pro を利用する方法は、起点となる環境によって異なります。すでに Windows 11 Home を使用している場合は Home から Pro へのアップグレード、Windows 10 Pro を使用している場合は Windows 11 Pro への無償アップグレードとなります。

4-1. Windows 11 Home から Pro へアップグレード

Windows 11 Home から Pro へアップグレードする一般的な方法は、Microsoft Store でライセンスを購入する方法です。この方法では、既存の Windows 11 Home がインストールされているパソコンから直接アップグレードできます。

購入手順は、以下のとおりです。

  1. 「スタート」から「設定」を開く
  2. 「システム」>「ライセンス認証」を選択
    「システム」>「ライセンス認証」を選択
    「システム」>「ライセンス認証」を選択
  3. 「Windows のエディションをアップグレード」を展開し、「Microsoft Store を開く」ボタンを選択
    「Windows のエディションをアップグレード」を展開し、「Microsoft Store を開く」ボタンを選択
    「Windows のエディションをアップグレード」を展開し、「Microsoft Store を開く」ボタンを選択
  4. Microsoft Store の指示に従ってライセンスを購入

購入時は Microsoft アカウントでサインインしていることを確認してください。購入完了後、Windows 11 Pro が自動的にインストールされ、デバイスの再起動が求められます。

なお、この方法は Windows 11 Home がライセンス認証済みである必要があります。「ライセンス認証」で「アクティブ」となっていれば購入可能です。

4-2. Windows 10 Pro から Windows 11 Pro への無償アップグレード

Windows 10 Pro のライセンスをお持ちの場合、Windows 11 Pro へ無償でアップグレードすることが可能です。Microsoft は Windows 10 ユーザーに対して、システム要件を満たしているパソコンであれば無償アップグレードを提供しています。

アップグレードを実施する前に、以下の点を確認しておきましょう。

  • Windows 10 が最新バージョン(22H2)に更新されているか
  • TPM 2.0、セキュアブート、UEFI に対応しているか
  • システム要件(CPU、メモリ、ストレージ容量など)を満たしているか

これらの条件を満たしていれば、Windows Update 経由で Windows 11 Pro へのアップグレード通知が表示されます。通知に従って手順を進めると、追加費用なしで Pro エディションの機能をそのまま引き継ぐことが可能です。

4-3. アップグレード時の注意事項

Home から Pro へアップグレードを行う際には、企業での運用を見据えた注意点を押さえておく必要があります。

まず、アップグレード作業は業務時間外に実施することをおすすめします。作業中はパソコンが一時的に使用できなくなるため、業務への影響を最小限に抑える配慮が必要です。

また、ドメイン参加やグループポリシーの適用は、アップグレード完了後に行う必要があります。Home エディションではこれらの機能が利用できないため、Pro へのアップグレード後に改めて社内ネットワークへの参加設定を実施してください。

複数台のパソコンをアップグレードする場合は、ボリュームライセンスの利用も検討しましょう。Microsoft Store での個別購入よりもコストを抑えられる可能性があります。

さらに、BitLocker や Hyper-V などの Pro 限定機能を利用する前に、システム要件を確認してください。特に Hyper-V は CPU の仮想化支援機能が必須となるため、古いパソコンでは動作しない場合があります。

なお、アップグレード後は Home への戻し作業ができません。導入前に Pro の機能要件を十分に検証することが重要です。

Windows 11 には、Home と Pro 以外にも、特定の用途や組織に最適化されたエディションが用意されています。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

エディション 対象ユーザー 主な特徴
Windows 11 Enterprise 大企業 Pro の機能に加え、より高度なセキュリティ機能や管理機能を搭載
Windows 11 Pro for Workstations 専門業務従事者 ワークステーション利用に特化し、高性能ハードウェアを活用
Windows 11 Pro Education 教育機関 Pro をベースに教育現場での利用に最適化

Windows 11 Home と Pro は、自社の業務内容・セキュリティ要件・予算を総合的に判断して、最適なエディションを選択することが重要です。

選定時の確認ポイントは、以下のとおりです。

  • リモートデスクトップやドメイン参加など、業務に必須の機能があるか
  • BitLocker などの暗号化機能が必要なセキュリティポリシーに該当するか
  • 既存の IT 管理体制(Active Directory や Microsoft Intune など)との連携が必要か

法人利用であれば Pro が推奨されますが、小規模事業者や個人事業主で高度な管理機能が不要な場合は、Home でも十分に業務を遂行できます。まずは自社の要件を整理し、必要な機能と予算のバランスを見極めながら、適切な Windows 11 パソコンの選定を進めましょう。

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