2019.04.03
Windows 10 にはHomeとProという2つのエディションがあり、企業でどちらのエディションを使用するかお悩みの方は多いのではないでしょうか。
一般家庭で使用する分には基本的な機能が備わっているHomeで十分ですが、企業で使用する場合はセキュリティ強化や社内パソコンの一括管理機能を搭載しているProを選択した方が良いでしょう。
ここでは、エディションごとの機能や価格の違いを解説し、HomeからProにアップグレードする方法を紹介します。
Widonws10 HomeとProは、それぞれのエディションで搭載されている機能が違います。Widonws10 Homeは一般家庭向けの基本機能、ProはHomeの機能に加えて法人向けの機能が備わっています。
また、Windows 10 ProはHomeよりも拡張性が高く、HomeのCPUソケット数が1つなのに対して、ProはCPUを最大2つまで搭載できます。
Windows 10 (64bit版)では、Homeなら最大メモリ数は128GB、Proなら2TBまで搭載可能です。
それでは、Windows 10 HomeとProでは、具体的にどのような機能の違いがあるのでしょうか。ここで解説していきます。
まず、Windows 10 は従来のインターネットブラウザ「Internet Explorer」だけではなく、新ブラウザ「Microsoft Edge」が搭載されています。Microsoft EdgeはInternet ExplorerよりもWebページの表示速度が速く、不正な動作を引き起こすマルウェアに感染しにくいよう設計されています。
また、Windows 10 は指紋認証や顔認証でWindowsにログインできる「Windows Hello」、ノートパソコンのキーボードを取り外すとタブレットモードに自動的に切り替わる「Continuum」の機能を使用できます。
Windows 10 Proには、Windows Homeには搭載されていないビジネス向け機能があります。1つ目は、他のパソコンを遠隔操作できる「リモートデスクトップ機能」です。リモートデスクトップを利用すれば、他のパソコンのソフトウェアを実行したり、データを閲覧することができます。また、外出先でノートパソコンやスマートフォンを使って、社内のパソコンを操作することも可能です。
2つ目は、Windowsやソフトウェアの設定を社内で一括管理できる「グループポリシーの管理機能」です。
コントロールパネルを操作させない、Windowsアップデートを無効にする、指定したソフトウェアを起動禁止にするなどの設定が可能です。あらかじめ従業員の操作を制限することで、セキュリティトラブルを未然に防げます。
3つ目は、ドライブを暗号化できる「BitLocker機能」です。ドライブを暗号化しておくと、第三者から社内のパソコンに接続されても、データが読み取られることを防ぐことができます。情報漏えい対策になり、社内のセキュリティを向上できます。
4つ目は、パソコンの操作を制限する「キオスクモード」です。図書館や美術館など公共の場で、特定の操作しかできないパソコンを見たことはありませんか?これはキオスクモードで操作が制限されているためです。操作権限を与えたくない従業員のパソコンを制限したり、来客向けのパソコンを設置する際に使用します。
5つ目はハードウェアの仮想化を実現する「Hyper-V」です。仮想化をすることによって1つのパソコン内で複数のオペレーティングシステムを動かすことができるため、例えばITプロフェッショナルがソフトウェアのテストを実行する際に、1つのマシンで複数のオペレーティングシステムによるテストを行うことができます。
Windows 10 ProはHomeよりも機能が優れているため、Proの方が高価です。Microsoftの公式サイトではHomeのライセンス価格が19,008円、Proのライセンス価格が27,864円と掲載されています。Windowsパソコンを新規購入する場合、メーカーや製品によってエディションの価格は異なりますが、ProはHomeと比べて6,000円~8,000円ほど価格が高いと想定しておくと良いでしょう。
Windwos10 Proは、セキュリティを強化する機能が搭載されています。企業でWindowsパソコンを購入する場合、顧客情報の漏えいを防ぐためProを選ぶことをおすすめします。また、Proにはリモートデスクトップ機能やグループポリシー管理機能など、社内パソコンを管理する機能が搭載されており、管理コストの削減に繋がります。セキュリティや管理の観点から、企業でWindows 10 のパソコンを購入する場合はProを選んだ方が良いでしょう。
現在使用しているエディションの確認方法、アップグレード前の注意点、HomeからProにアップグレードする手順を解説します。
Windows 10 では、下記の手順で現在のエディションを確認できます。
1.画面左下のWindows スタートメニューを開く
2.歯車マークで表示される「設定」をクリックする
3.「システム」をクリックする
4.画面左側のメニューから「バージョン確認」をクリックする
5.下側にスクロールすると表示される「Windows の仕様」の項目に「エディション」が記載される
エディションの欄には「Windows 10 Home」もしくは「Windows 10 Pro」と表示されます。
Windows 10 HomeからProにアップグレードする前に、確認しておくべき注意点があります。
1つ目はディスクの空き容量です。Proをインストールするための空き容量が足りなければ、警告が表示されてアップグレードできません。Proのインストールに必要な空き容量は現在インストールされているWindowsシステムファイルの状況によって異なりますが、基本的には15GB以上ディスク容量を空けておくと良いとされています。
2つ目は、パソコン内に保存しているデータのバックアップを作成することです。もしアップグレード中にエラーが発生してしまうと、パソコン内のデータを取り出せなくなる可能性があります。万が一に備えて、外付けハードディスクやUSBメモリなどにデータを保管しておきましょう。
3つ目は、現在インストールされているWindows 10 Homeのバージョンです。Microsoftは、エディションアップグレード前にWindows 10 を最新バージョンに更新することを推奨しています。Windows のスタートメニューから設定をクリックして表示される「更新とセキュリティ」の画面で、Windows Updateが必要か確認しておきましょう。
Windows 10 HomeからProへのアップグレードは、下記の手順で行います。使用しているパソコンがすでにWindows 10 Proのライセンス認証されている場合、もしくはProのプロダクトキーをお持ちの場合は、下記「4.ライセンス認証」の画面から無償アップグレードができます。
1.画面左下のWindows スタートメニューを開く
2.歯車マークで表示される「設定」をクリックする
3.「更新とセキュリティ」をクリックする
4.「ライセンス認証」をクリックする
5.「Windows のエディションをアップグレード」をクリックする
6.「Microsoft Storeに移動」をクリックする
7.「Proへアップグレードする」をクリックする
8.「購入」をクリックする
9.「PIN(個人識別番号)」もしくは「Microsoftアカウント」を入力する
10.支払い方法を選択して「購入」をクリックする
11.起動しているアプリケーションがある場合はすべて閉じます
12.「インストール」をクリック
13.「はい、アップグレードを開始します」をクリック
14.Windows のエディションアップグレードが開始されます
15.アップグレードが完了するとWindows が再起動します
16.Windows 10 Proがインストールされているか現在のエディションを確認してみましょう
Windows 10 Homeは一般使用する家庭向け、Proはセキュリティ強化や社内のパソコンの管理機能を搭載している法人向けです。企業でパソコンの新規購入を検討している場合、Proを搭載しているパソコンの購入をおすすめします。