2022.05.24

歯科医療業界の進化を支える医療機器にHPワークステーションが貢献

株式会社ヨシダ

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 医療機器は人々の暮らしを支える大切な存在だ。人の健康はもちろん時には生死に影響を与えるため、その要件は非常に厳しい。最近は医療機器のデジタル化がさらに加速しており、その制御にワークステーションクラスのコンピューターが使われることが増えている。歯科医療業界において、国内シェアトップを持つ株式会社ヨシダも医療業界を支える企業のひとつだ。彼らがHPワークステーションを選んだ理由や活用状況について伺ってきたので紹介しよう。

国内トップシェアの老舗メーカー

 歯科医療向けの機器の開発、製造、輸入、販売業務をメインに、日本においてトップシェアを持つ株式会社ヨシダ(以降、ヨシダ)。同業界においては外資系の企業が多い中、1906年に創業したヨシダグループを母体とし、国内の工場でものづくりを続けている。

 主力となっている歯科診療用チェア製品をはじめ、画像診断の領域では3D(CT)撮影を可能とするレントゲン機器やコンピューター制御により歯の修復物を設計、製作する「CAD/CAM」なども手掛け、最新の歯科医療を実現するための製品を数多く市場に提供している。

 国内トップシェアを持つ同社は全国の歯科診療所が顧客となる。

 「いままで対面による商談がほとんどでしたが、2020年より始まったコロナ禍以降、オンライン商談が圧倒的に増えています。導入が決まれば担当者が出向いてセッティングなどをお手伝いしますが、それ以降は完全にオンライン会議によってコミュニケーションを続けるなど、私たちだけでなく、診療所の方々にとってもビジネススタイルが大きく変化していると思います。コロナ禍ではマイナスな出来事ばかりでしたが、商談の回数も格段に増えるなど、良い方向へ転じた事例ですね」と語る澤海氏。

営業本部 機械事業部 画像部 部長 澤海 真志 氏

 そのほか自社での会議も会議室に集まることによる密を避けるためにオンライン会議を利用するなど、デジタル活用による業務効率化が大きく進歩したという。

 そんなヨシダが長年、CTなどのレントゲン製品、ファイルサーバ、画像参照用端末などに利用しているのがHPワークステーションだ。

 「弊社の3Dパノラマレントゲンやデンタルセンサーなどの制御用としてHPのワークステーションを採用しています。主に活用しているのはHP Z4シリーズおよび、HP Z2シリーズになりますね」と語る関根氏。ヨシダでは同モデルを中心に要件に応じたスペックのワークステーションを各製品とセットで歯科診療所に導入しているのだという。

営業本部 機械事業部 画像部 課長 関根 和彦 氏

HPワークステーションを選ぶ理由

 医療機器のデジタル化が進んでいるが、HPワークステーションを選定する理由はどこにあるのだろう「2008年から3D画像処理技術を使った製品が使われだしましたが、この当時からグラフィックス性能が必要になってきました。そのプラットフォームとなるコンピューターもより高性能なものが求められるようになり、ワークステーションが採用され始めたという経緯ですね」と関根氏は当時を振り返る。

 グラフィックスであればNVIDIAでは大きくGeForce系統とQuadro系統があるが、ヨシダではQuadroを採用している。「GeForceも良いグラフィックスですが、コンシューマ色が強いためか、モデルチェンジの頻度がとても早いですよね。医療機器の場合、モデルが変わっただけで動作検証を行わなくてはならず、労力のみならず検証期間にはある程度の日数が必要なので同じ製品をなるべく長い間供給していただけるほうがうれしかったりします」と関根氏。つまり、長期的に生産が続き、尚且つ調達もしやすいグラフィックス製品のほうがヨシダ製品の安定供給には必要なのだ。

 「例えばCT機器の場合、耐用年数は、6年とされています。しかし、多くの歯科診療所ではそのタイミングで機器を入れ替えることはほぼなく、耐用期間は10年で設定されていますので、本体は10年前後使われるケースが多いのです。しかし、制御用のワークステーションはそこまで持ちませんから、コンピュータは、レントゲン装置を10年運用される中で最低でも1回は入れ替えが発生します。そのため、少なくとも5年以上、販売したレントゲン装置が使用できるコンピュータを供給していただく必要があります」と澤海氏は補足する。

 スペック的な理由はもちろん、日本の歯科医療の実情に合わせたサポートの提供のためにも、長期間の安定供給が望めるHPワークステーションがヨシダの要件にはマッチしているのだ。

 また、歯科診療所でのコンピューター運用においては可用性の高さも必要となるという。「午前の診療が始まる前から、夜の診療が終わるまでの間、コンピューターの電源は入ったままになります。サーバ用のコンピューターは診療室以外の室内に置いておけますが、機器制御用のコンピューターは、むき出しという訳にはいきませんので、キャビネットに収めておくことになります。ですから、長時間の安定動作に加えて、排熱処理に優れたデザインであることも求められます」と関根氏はいう。

 専用のキャビネットには通気用のホールが設けられているが、もちろんワークステーションの筐体そのもののデザインは特に重要となる。例えばHP Z4 Workstationの場合、独自の排熱性を高めた内部レイアウトを採用しているため、空気の流入速度や冷却効率が向上しているので安心だ。

ヨシダの歯科診療用チェア

診療用チェアの正面には大型ディスプレイが並ぶ。HPワークステーションに集積されたデータが表示され、患者の治療への理解を促進する

専用キャビネットに収められたHPワークステーション

止められない医療サービスのために

 歯科診療所で扱う機器類はトラブルレスで運用する必要がある。しかし、工業製品である以上、どうしてもトラブルは発生してしまうものだ。ヨシダではそのようなときにどのようなサポート体制を持っているのだろう。「コールセンターがあり、そこで専任者が対応することになります」と澤海氏。

 同社にあるコールセンターではトラブル対応のための専任スタッフが常に詰めており、技術に明るい彼らが顧客対応を続けることで迅速な解決を可能としているのだ。

 「例えば、ソフトウェアトラブルの場合、導入しているHPワークステーションにはエージェントがインストールされているので、コールセンターから遠隔操作で原因究明やトラブル対応が可能になっています」と澤海氏は言葉を続ける。

 歯科診療所の医師や現場スタッフのITリテラシーは一定ではない。そのため、ヒアリングによる対応では時間が掛かってしまうケースも多い。だが、ヨシダのコールセンターでは、医院のコンピュータに接続されれば、医院のスタッフがコンピュータの前にいなくてもコールセンターのスタッフが対応できるので、高度なサービスサポートが提供できるのだ。

 「また、ハードウェアトラブルに関しては保守サービスを依頼しているシャープマーケティングジャパンでも対応してもらっているので、スペアパーツの調達から修理までスムーズにおこなえるような体制を敷いています」と関根氏。

 止めることができない医療サービスに対して、あらゆる角度から最速の解決ができるよう、ヨシダでは万全のサポートサービスを提供しているのだ。

本社にあるコールセンター

医療機器が未来の歯科診療をやさしくする

 「例えばCAD/CAMの世界では、現在著しい技術の進歩がみられています。資料のために必要な詰め物も、これまでは歯科技工士が数日かけて手作りしていたものを、数時間で自動化できるソリューションも出ています」と澤海氏。

 最新のCAD/CAM機器では、これまで歯科技工士が経験と勘で患者の歯の状態を予測して作っていた部分を、デジタル解析による精度の高い仕上がりができるようになっているのだという。

進化が著しい歯科技工用のCAD/CAM機器。技術の標準化と高精度化を両立する

 「今後は資格さえあれば、実際の手作業が苦手な人でもオペレーションができるようになるでしょう。そうなれば、治療の時間はもっと短くできますし、医師の負担も軽減できます」と澤海氏。

 「デジタルの技術で医療を視覚化して、医師はきちんと目で見て診断し、患者も目でみて自分の状況をはっきり理解する。歯科医療機器の進歩によって、迅速で分かりやすい医療が提供できるようになるはずです」と関根氏は力強く語る。

 「弊社のほうでもそうした医療の見える化を含め、『いい歯科いいんづくり』をスローガンにしています。患者さんが選びやすく、医師がしっかりと伝えられる。簡単なようですが、これを実現するには優れた医療機器が不可欠です。それを実現できる機器を提供し、便利に使っていただくのがこれから私たちのすべきことだと思っています」と最後に澤海氏は語ってくれた。

 歯科医療業界および患者のために、歩みをとめない株式会社ヨシダ。同社が作る未来のために、HPはこれからもサポートを続けていく。

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