2021.02.19
AMD Ryzen™ 4000 & AMD Ryzen™ PRO 4000 シリーズプロセッサー徹底解説
一般的にいう「AMD」とは、アメリカに本社を持つ「Advanced Micro Devices」社のことで、1969年に設立された歴史ある半導体製造で有名な企業です。もうお分かりのように「AMD」は企業名の略称で、創業以来、x86互換マイクロプロセッサーやグラフィックスカード、フラッシュメモリ等を市場に送り出しており、高い技術力でこの分野においてはインテルに次いで世界2位のシェアを持っています。
AMDの製品はパフォーマンスの高さはもちろん、コストパフォーマンスに優れている点からもユーザーの支持を集めています。長らく個人向けPC向け製品や、サーバ製品に強みを持っていましたが、近年では法人向けPC市場でもシェアを伸ばしています。ここでは、現在のAMDがどのような製品を持っているのかみていきましょう。
現在、AMDではデスクトップPC向けの「AMD Ryzen™ Threadripper™プロセッサー」 、ノートPC向け「AMD Ryzen™ モバイル・プロセッサー」のほか、ビジネス向けの「AMD Ryzen™ PROプロセッサー」やワークステーション/サーバ向けの「AMD Ryzen™ Threadripper™ PROプロセッサー/ AMD EPYC™ プロセッサー」など様々な用途に向けたラインアップがあります。圧倒的な描画性能と演算ユニット数を持つグラフィックカード「AMD Radeon™ RXグラフィックス」などを含めると膨大な種類の製品を市場に送り出していることになります。
2020年~2021年にかけて、特に需要を伸ばすきっかけとなったのがノートPC向けプロセッサーの「AMD Ryzen 4000シリーズ」の登場です。7nmという緻密なプロセスノード(半導体製造技術)で 最新のx86コア「Zen2」によって製造され、同クラスの他社製プロセッサーと比較して、多くの点で優位性を持っています。本来ならそのすべてを紹介したいところですが、今回はノートPC向けの製品に注目して、ポイントとなる機能や特長をご紹介しましょう。
なかでも注目なのは「Ryzen(ライゼン)」シリーズプロセッサーです。ノートPC向けのRyzenには幅広いユーザーへ向けた「Uシリーズ」と、ビジネス向けに機能が強化された「PROシリーズ」がラインアップしています。
AMD Ryzen™ 4000U シリーズ
コア数/スレッド数 | 周波数 | キャッシュ | グラフィックスコア数 | グラフィックス周波数 | TDP | |
AMD Ryzen™ 7 4700U | 8/8 | 最大4.1/2.0GHz | 12MB | 7 | 1600MHz | 15W |
AMD Ryzen™ 5 4500U | 6/6 | 最大4.0/2.3GHz | 11MB | 6 | 1500MHz | 15W |
AMD Ryzen™ 3 4300U | 4/4 | 最大3.7/2.7GHz | 6MB | 5 | 1400MHz | 15W |
AMD Ryzen™ Pro 4000 シリーズ
コア数/スレッド数 | 周波数 | キャッシュ | グラフィックスコア数 | グラフィックス周波数 | TDP | |
AMD Ryzen™ 7 PRO 4450U | 8/16 | 最大4.1/1.7GHz | 12MB | 7 | 1600MHz | 15W |
AMD Ryzen™ 5 PRO 4650U | 6/12 | 最大4.0/2.1GHz | 11MB | 6 | 1500MHz | 15W |
AMD Ryzen™ 3 PRO 4450U | 4/8 | 最大3.7/2.5GHz | 6MB | 5 | 1400MHz | 15W |
低消費電力設計でありながらマルチコアによる高い演算処理能力を発揮。これによってOfficeアプリケーションはもちろん、各種編集ツールやマクロの実行といった高負荷な作業やマルチタスク環境でもスムーズな作業環境を実現します。どのような環境においてもユーザーの生産性を維持し、業務効率化に貢献できるプロセッサーです。
※資料提供:日本AMD
Ryzenプロセッサーでは、内蔵グラフィックスにディスクリートグラフィックスで定評のある「RADEON」グラフィックスコアを搭載しています。プロセッサーのグラフィックス機能だけを使う場合、より高い描画能力を得られるのは大きな強みです。近年は高精細動画によるビジネス向け動画の配信なども盛んなため、そうしたケースでより鮮明で滑らかなコンテンツを視聴することが可能です。
TDPで15Wと省電力設計を採用しており、これによってバッテリーパフォーマンスが大きく向上しています。モバイルワークでより高効率運用が可能となっているというだけでなく、このクラスのTDPにおいて最大8コアで稼働できるプロセッサーはAMDが先駆者です。テレワーク時代に最高のパフォーマンスを提供してくれます。
Ryzen Proはプロセッサーにセキュリティ専用の回路「AMD セキュアプロセッサー」を内蔵しており、優れたシステム保護を可能にしています。これによりメモリ内のデータを暗号化する「AMD メモリーガード」をはじめ、リモート管理機能なども提供。企業のPC運用に効果的なソリューションを提供します。
※ryzen-pro-article-multilayered-security-features-jaから
各特長からも分かるように、ビジネス向けのPCに必須であるパフォーマンスやバッテリーの持ち時間の長さといったデバイス的な強みだけでなく、セキュリティの高さやコストパフォーマンス、安心安全な運用や調達のしやすさなど、あらゆる面で優位性を持っているのがAMDプロセッサー搭載PCだといえます。広い意味で生産性を高めてくれるPCですから、企業にとってはPC調達における有効な選択肢が増えることになります。それだけみても注目する価値はあるでしょう。興味のある担当者の方はぜひ一度手に取って試していただければその実力がすぐにわかると思います。
HPは企業のみなさまに対してビジネス向けPCの選択肢を幅広く提供するため、AMD搭載製品の拡充を続けています。ここでは注目製品をピックアップしてお届けします。ハイコストパフォーマンスを実現している各モデルで、AMDの実力をぜひ体験してください。
注目製品)
HP ProBook 635 Aero G7
13.3インチの扱いやすいサイズのボディはわずか約999gととても軽量です。在宅ワークで会社との往復に使うことはもちろん、客先へ出向いたり、オフィス内の移動がメインのモバイルワークでも抜群のフットワークを提供します。AMD Ryzen4000シリーズプロセッサーによるハイパフォーマンスで負荷の高い作業も楽々こなせるので、ビジネスでの生産性を高めます。テレワーク時代のビジネスをサポートする製品です。
注目製品)
HP ProBook x360 435 G7
コンバーチブルデザインを採用し、ノートPCとしてもタブレットPCとしても利用できる13.3インチの2in1タブレットPCです。フルHDタッチディスプレイによって、指先やペンでの書き込みや操作が可能です。AMD Ryzen4000シリーズプロセッサーを搭載し、スムーズなレスポンスを実現。いつもの業務が快適におこなえます。場所に合わせて多彩なスタイルで利用できるので、働き方に合わせた使い方ができる製品です。
注目製品)
HP ProDesk 405 G6 DM
専用のVESAマウントでモニターにマウントすることが可能な超小型PC。片手で持てるサイズの超小型PCで、好みのモニターやキーボードと組み合わせて、オフィスと自宅といったように決まった拠点でPCを使うユーザーの「持ち歩けるデスクトップPC」としてもオススメです。どこでも同じ環境で業務が継続できるため、効率がよく生産性の高いPC運用がおこなえます。AMD RyzenプロセッサーのハイパフォーマンスでOfficeアプリケーションはもちろん、各種編集作業もストレスなくこなせます。