2021.02.24

AMD Ryzen™ は本当にビジネスユースの選択肢になるか
日本AMDに聞く、AMD Ryzen™ プロセッサー最新事情

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 法人向けPC市場でシェアが伸び続けているAMD。もともとこの分野ではコアなファンが多かったAMDだが、どちらかというとコンシューマとサーバ市場で強いイメージがあった。この変化がどのようにして生まれたのか、またどのように市場を拓いていくのか、AMDに直接伺ってきたので紹介しよう。

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日本AMD株式会社
コマーシャル営業本部
マネージャー
鷲島 正三
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日本AMD株式会社
コマーシャル営業本部
セールスエンジニアリング担当
マネージャー
関根 正人

AMDが語るシェア拡大の理由

 冒頭でも触れたとおり、このところ法人向けPC市場でシェアを広げているAMD。ロードマップにある「Zenコア」登場以降、注目度が俄然高くなり、2019年には進化したZen2コアを搭載した「AMD Ryzen™ 4000シリーズ」が登場したことで一気にシェア拡大を果たした。すでに多くの媒体が取り上げているが、パフォーマンスは競合と同等かケースによっては上回ることもあり、コストと併せて比較すると優位性が高いのも理由だろう。

 シェア拡大の要因をAMDに聞いてみると、「ひとつの要因としてモバイル向けプロセッサーでも、サーバ用プロセッサーでも同じコアを使っていることが挙げられます。多くの場合、ローエンド向け製品やサーバ製品には別のコアを用いるケースが多いのですが、私たちはすべて一つのZenコアです。この1種類のコアで、モバイル用の低電圧プロセッサーから、数百Wを消費するハイパワーなサーバ用プロセッサーまで提供しています。ですから、ジャンルが変わってもアプリケーションの互換性がとりやすいという特長もあるのです」と日本AMD 関根氏は分析してくれた。2021年初頭には最新のZen3コアの発表もあり、初春にはAMD Ryzen™ 5000シリーズが登場となる。これによってより高いパフォーマンスを得ることになるAMDはさらにシェアを伸ばす勢いだ。

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法人向け製品市場で大きな伸びを見せるAMD

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AMDの技術の中心である「ZENコア」のロードマップ。公約通りのタイミングで新しい世代がリリースされるので、開発ベンダーや学術研究などの分野で特に信頼されている

AMDを知らない世代も

 まさに破竹の勢いを持つAMDだが、課題もある。ここ数年間単位でみると学生の頃からスマートフォンのみを情報端末として育った、いわゆる「スマホ世代」が社会人進出を果たすようになっている。業務で使うPCのプロセッサーや、そのパフォーマンスに興味のない年代の若者にとって、「AMD」が高い技術を持ったプロセッサーベンダーであることを知らないケースも増えているのだ。

 「実はAMDはとても身近なところにも息づいています。例えば2020年後期にリリースされた最新のコンシューマ向けのゲーム機にはAMDのRyzenプロセッサーが採用されており、グラフィックスもAMD Radeonグラフィックスが搭載されています。そのほかのゲーム機メーカーでもAMDカスタムチップを採用しているところもあるなど、すでにみなさんの生活の中で直接AMDプロセッサーのパフォーマンスを体験している可能性は非常に高いのです」と語る日本AMDの鷲島氏。

 AMDの技術力とパフォーマンスの高さはかつてより定評が高く、例えばアカデミックな学術研究の分野などでは特に広く使われている。「現在でもその流れは変わっていません。みなさんがよく耳にするスーパーコンピュータの中にもAMDのテクノロジーを使っているものはたくさんあります。AMDのスローガンは『ハイパフォーマンス・コンピューティング』ということもあり、ビジネスの世界においては科学シミュレーションやビッグデータといった分野で、すでに体感いただいている方も多いのではないでしょうか?」と関根氏は語る。

 また、コンシューマ向けPC市場ではかなり以前から、インテル社との競合としてAMDは人気を続けているため、デスクトップPC、ノートPC問わず、PCファンの間では適切な選択肢として選ばれ続けている。「さらにZENコアになってから、より薄型のプロセッサーになったので、超薄型のノートPCや、超小型デスクトップPCなどにも広く使われています」と鷲島氏が言うとおり、かなりのモデルが市場でシェアを伸ばしている。「そういう意味では、AMDのテクノロジーがみなさんのお役に立てる機会はとても多いので、もっと身近に感じていただけるとうれしいですね」と鷲島氏は語る。

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身近なところにも使われているAMDのテクノロジー

AMDがビジネスシーンをリードする

 2020年から2021年にかけ、世界的なコロナ禍となったが、ビジネス界ではこれによってテレワークをはじめとした多様な働き方が一気に加速する契機にもなった。時を同じくするようにビジネス市場を席捲しはじめたAMDだが、実際の企業に与える影響にはどのようなものがあるのだろう。「ひとつはAMD Ryzen™ Proプロセッサーが持っているセキュリティ機能です。物理的な専用回路を搭載することで、メモリ内のデータを暗号化します。これによって例え物理的にデータを抜かれた場合でも、相手には中身を読み取ることができません」と関根氏。

 「また、物理コア数が多いのも特長で、ノート向けのAMD Ryzenプロセッサーでは最大8コアを実現しています。しかもTDPで15Wと消費電力が圧倒的に抑えられた設定でもきちんと稼働します。この効率の良さと、マルチコアを組み合わせることで、負担の大きなマルチタスク環境でも生産性を落とすことなく作業を続けられます」と鷲島氏は語る。

 現在ではWeb会議が毎日当たり前のように開かれているが、コミュニケーションツールとPowerPointやPDFの資料、さらにはメモ用のWordなど、複数のアプリケーションを同時に起動しておくシーンは以前よりも多くなっている。これまでマルチコアの恩恵を感じることが少なかった職種のビジネスマンでも、今後はマルチタスク時のパフォーマンス不足を感じるケースはますます増えていくだろう。「ニューノーマルといわれるこれからのビジネスシーンにまさにマッチした機能をAMDは提供できます。ビジネスマンの方々が安心して業務を続けることができるのもAMDの強みといえます」と鷲島氏は語る。

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薄型で効率のよいZENコアを搭載した製品により、これからももっと身近になるAMDのプロセッサー

PC選びに幅広い選択肢を

 AMDとインテルがよきライバルである限り、市場の公正性は保たれる。これはプロセッサーのコストにも当てはまる。「ある企業のお客様が必要とする要件のPCを購入する際、割高な投資をしている可能性も出てきます。健全な競争という意味で、インテルとAMDを対等に評価していただき、経営者の方はPCに対する適正な投資をする材料としていただければと思います」と鷲島氏。「管理者の視点でいえばセキュリティですね。それに対するコストはとても重要なので、特に気にしてもらいたいポイントです」と関根氏も言葉を続ける。

 例えば、インテル Core i5 プロセッサーが必要だとしてもコストとの兼ね合いでインテル Core i3 プロセッサーになってしまうといったケースはこれまでも多かったと思う。今まではそれで我慢できていたとしても、先ほども触れたようにニューノーマル時代のビジネスシーンでは少し物足りない。その際にAMD Ryzen 5が同じコストで調達できるとすれば、それはとても大きな選択肢になる可能性が高いのだ。

 「AMDは費用対効果が優れているのも特長です。例えば、薄型で1kgを切る軽量モデル、HP ProBook 635 Aero G7などはAMDらしさを存分に活かしていただいたHPとのコラボレーションで実現できた素晴らしい製品だと思います。日本市場はAMDにとっても特別なので、HPの協力も得ながら今後も魅力的な製品をお届けしたいと思います」と最後に両氏は語ってくれた。ますます進化を遂げ、私たちにより良い選択肢を与えてくれるAMDとHPのコラボレーヨンに今後も期待していきたい。

HPのAMD搭載製品

 HPは企業のみなさまに対してビジネス向けPCの選択肢を幅広く提供するため、AMD搭載製品の拡充を続けています。ここでは注目製品をピックアップしてお届けします。ハイコストパフォーマンスを実現している各モデルで、AMDの実力をぜひ体験してください。

注目製品)

先進機能と軽量ボディでテレワーク時代のビジネスをけん引するモバイルノートPC

HP ProBook 635 Aero G7

13.3インチの扱いやすいサイズのボディはわずか約999gととても軽量です。在宅ワークで会社との往復に使うことはもちろん、客先へ出向いたり、オフィス内の移動がメインのモバイルワークでも抜群のフットワークを提供します。AMD Ryzen4000シリーズプロセッサーによるハイパフォーマンスで負荷の高い作業も楽々こなせるので、ビジネスでの生産性を高めます。テレワーク時代のビジネスをサポートする製品です。

  • Windows 10 Pro (64bit)
  • AMD Ryzen™ 3 4300U / 5 4500U / 7 4700U CPU
  • 8GB / 16GB メモリ
  • 128GB / 256GB / 512GB SSDストレージ

注目製品)

あらゆるニーズに対応するタフ & パワフルな2in1タブレットPC

HP ProBook x360 435 G7

コンバーチブルデザインを採用し、ノートPCとしてもタブレットPCとしても利用できる13.3インチの2in1タブレットPCです。フルHDタッチディスプレイによって、指先やペンでの書き込みや操作が可能です。AMD Ryzen4000シリーズプロセッサーを搭載し、スムーズなレスポンスを実現。いつもの業務が快適におこなえます。場所に合わせて多彩なスタイルで利用できるので、働き方に合わせた使い方ができる製品です。

  • Windows 10 Pro (64bit)
  • AMD Ryzen™ 3 4300U / 5 4500U CPU
  • 8GB / 16GB メモリ
  • 128GB / 256GB / 512GB SSDストレージ

注目製品)

容量約1リットルのコンパクトボディで片手で持ち歩くことも可能な超小型PC

HP ProDesk 405 G6 DM

専用のVESAマウントでモニターにマウントすることが可能な超小型PC。片手で持てるサイズの超小型PCで、好みのモニターやキーボードと組み合わせて、オフィスと自宅といったように決まった拠点でPCを使うユーザーの「持ち歩けるデスクトップPC」としてもオススメです。どこでも同じ環境で業務が継続できるため、効率がよく生産性の高いPC運用がおこなえます。AMD RyzenプロセッサーのハイパフォーマンスでOfficeアプリケーションはもちろん、各種編集作業もストレスなくこなせます。

  • Windows 10 Pro (64bit)
  • AMD Ryzen™ 3 PRO 4350GE / AMD Ryzen™ 5 PRO 4650GE APU
  • 8GB(4GB×2)(最大64GB) メモリ
  • 256GB SSD (最大2TB) ストレージ
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