2021.09.29
進化したと噂のHP Elite Dragonfly G2。前モデルもモバイル性能が高く、移動を伴うビジネスに特に好評だったことから、テレワーク時代へと突入した現在、その真価をいかんなく発揮してくれると各方面で期待が高まっています。そこで今回はライターにHP Elite Dragonfly G2を手渡し、自身の仕事を通じてその実力をレビューしてもらおうと思います。それではさっそくお届けしましょう。
進化したHP Elite Dragonfly G2をレビューする!
HP Elite Dragonfly G2(以降、Dragonfly G2)は、前モデルから様々な機能が進化、または追加されたHPのビジネスモバイルノートPCのフラッグシップモデルだ。細かい機能紹介は他に譲るとして、ここでは実際に数週間使い倒してみた感触をお届けしたいと思う。
開封して最初に気が付くのは、ボディを掴んだ時の印象だ。独特のサテンライクな触り心地と手にしっくりくる厚さが、1kg*を切る重量をさらに軽く感じさせてくれる。よくあるプラスチック筐体による軽さではなく、金属の質感によって頑強さも伝わる中での“軽さ”なので、本能的に持ち運びやすいと体が感じているのが分かる。
天板を開いて持ってもその印象は変わらず、一般的なモバイルノートPCだと耐久性に不安さえ感じるケースもある中、この安心感を演出するデザイン性の高さは特筆に値すると素直に驚く。他にはないドラゴンフライブルーのボディカラーと相まって、所有感の高さもばっちりだ。
どんな持ち方をしても軽快であると共に金属ボディのしっかり感がある。モバイルで酷使したくなる頼もしさがうれしい
軽くセッティングを終え、実際に少々手荒に操作してみる。仕事上、キーボードにはうるさいが、薄型アイソレーションタイプのキーは速く打っても違和感はなく、打感もきっちりあるのでリズムが作りやすい。これなら長文の入力も問題ない。ただし、テンキーはさすがにないので、表計算が多い職種の方は別途用意したほうが良いだろう。
タッチ対応の13.3インチタッチディスプレイは品質も高く、フル解像度の1920×1080で100%表示をさせても文字にじみなどはなく、はっきりと見やすい。この手のノートPCはデフォルトで拡大表示設定されていることが多いが、筆者的にはスペックのまま表示したいタイプなので、明瞭なパネルはとても好みだ。
スペックだが第11世代インテル® Core™ i7またはi5のラップトップ用プロセッサーが選択できる。どちらもインテルとHPが公認するEVO™プラットフォームに準拠しているので、パフォーマンスの高さは折り紙付き。実際にオフィスソフトウェアなどを使ってマルチタスクや画像処理などを試してみたが非常にスムーズだった。さすがに4K動画の編集ともなれば厳しいだろうが、フルHD動画をトリミングするだけといった簡単な編集ならさほどストレスは感じない。用途にもよるが日常での作業で不足を感じることはないだろう。
全体に最初の印象としては良くまとまっている感があり、法人向け製品でありながら、個人ユーザーにも大人気機種になっただけのことはあるなと感心してしまった。あらゆる人にとって使いやすいノートPCといえるだろう。
良好な13.3インチタッチディスプレイと打ち応えのあるキーボードで仕事がしやすい。とてもバランス良くまとまっている第一印象だ
実際に外へ持ち出してみようと思って気が付いたのがファストチャージ機能だ。準備する段階でバッテリーが結構減っていたのでコンセントに繋いでおいたのだが、実際に30分程度で残量がかなり増加した。どの段階で充電を開始したかで計測値が変わってしまうのでベンチマークは取らないが、コンセント席があるカフェや新幹線の移動時などに、ちょっと挿して早く復活するという安心感は何ものにも代えがたい。
さて、さっそくDragonfly G2を街へ持ち出してみよう。今回はWWANモデルなので、ネットに繋ぐのにWi-Fiを探す必要がない。いつでもネットに繋げられる機能があるという点で、すでに気持ちが落ち着いているのが分かる。
Wi-Fiスポットを探さなくていいというだけで行動範囲はかなり広がる。5Gの普及が急ピッチで進んでいるだけにこれからが楽しみだ
日本HPが独自に検証した数値がこちら。5Gが圧倒的なレスポンスを実現していることがわかる
スマートフォンを無意識にメール受信端末やちょっとした資料の閲覧に使うことは多いが、その感覚でDragonfly G2が使えるという意味を考えれば、これからのビジネススタイルにも変化があると考えられる。WWANモデルは、アフターコロナ時代にさらに活発に動くビジネスマンには欠かせないアイテムになるだろう。
また、今回のレビュー機がQualcomm社製の5G通信モジュールを搭載している点も特長だ。今は大都市圏の一部でサービスが受けられるのみだが、現在もエリアは広がり続けている。これからの社会インフラのひとつとなるだけでなく、すべてのモバイルユーザーにとっても5Gは待たれているだけに今後の展開に期待したい。
Dragonfly G2にはLTEモデルと5Gモデルがある。今買うなら5Gモデルが断然オススメだ
車での移動が多い営業職などはWi-Fiスポットがなかなか見つからないことも…。しかし、WWANなら通信できる可能性が高いので、大きな武器となることは間違いない
さらに外出先での作業で特筆したいのはWeb会議の品質だ。Dragonfly G2のカメラとマイク、スピーカーの品質はあらゆるところで高評価のレビューがあるので詳しくは割愛するが、実際に試してみると自分はもちろん相手にもすこぶる評判がいい。もちろん、環境によってはヘッドセットを使う必要があるが、制約が無ければノートPCを開いた状態で会議をしたほうが臨場感があって個人的には好みだった。Web会議はこれからも日常に溶け込んだコミュニケーションツールとして利用シーンは多いままだろう。この品質はなるべく多くの人に体感してもらいたいと感じた。
数週間使った感触では、バッテリーの持ちがすこぶる良く、ネットに接続する時間が多くてもビジネスタイム中は楽に持ってくれる印象だ。Web会議の本数が多い日や、複数人でクラウドサービスに繋いで長時間にわたって共同編集するようなケースではコンセントが必要なるケースも出てくると思うが、ACアダプターは小型なのでそういう日だけカバンに入れておくといったスタイルも可能だ。
良くできたACアダプター。ダッグヘッドとの組み合わせが筆者の好み
実際に外でDragonfly G2を使ってみると、やはり他人の視線はとても気になる。背後に留まられると相手にそんな意図は無いと知りつつも、ついつい作業を中断してしまう。その点、Dragonfly G2ではデフォルトで「F2キー」を押すだけで正面以外の視界を遮るスクリーンが下りる「HP Sure View Reflect」が搭載されているので安心だ。操作がとても簡単なので、すぐに日常に取り入れることができそうだ。
また、さすがにカフェではやらないが、サテライトオフィスや取引先のオフィスフロアなどで作業をする際には、PCを開けたまま席を立つことがある。盗難への予防はもちろんだが、画面のロック解除にWindows Helloを使うのが心地よいことに今回改めて気づかされた。
というのも、コロナ禍を経てそういった場所ではマスク姿が日常となっているからだ。Dragonfly G2は顔認証にも対応しているが、いまの社会情勢としてそれは使いづらい。そこで指紋認証によるログインを設定しておくと、席に戻ると同時にセンサーをツルっと触ればすぐに作業が再開できるのだ。ウィズコロナ時代においては、指紋認証機能を搭載していることが必須要件となるのではないか?と思えるほど快適だ。
生体認証は顔認証と指紋認証に対応している
また、コロナ禍で私たちが得たものは“物”を清潔に扱うという日常的な行為だ。これはPCにも当然当てはまる。Dragonfly G2は「HP Easy Clean」という機能が備わっていて、メニューにある機能をクリックするだけで、ディスプレイのタッチ機能と、キーボード、タッチパッドを少しの時間だけオフにすることが可能だ。この機能によって気になった時に除菌シートなどで吹き掃除ができる。ちょっとした機能に思えるかもしれないが、HPのユーザー目線での開発力の高さを感じるうれしい仕様といえる。
「HP Easy Clean」はソフトウェアでコントロールする。タスクバーに常駐させておくと便利だ
最後にDragonfly G2から「HP Wolf Security for Business」としてセキュリティ機能の数々がパッケージ化された。実質的な内容は初代モデルと同等で、BIOS、OS、リアルとあらゆる面でHP独自のセキュリティ機能がPCを守ってくれるのが特長だ。これによって追加予算が不要でここまでのセキュリティが担保されている点は要注目といえる。テレワークが多くなれば、実際にエンドポイント、すなわちDragonfly G2をはじめとするノート端末はますます狙われやすくなる。新しい時代の脅威対策として、この製品はまさに最適な存在といえる。
数々のセキュリティ機能は「HP Wolf Security」として管理される
実際にDragonfly G2を使ってみると、モバイルを知り尽くした機能や使い勝手の良さが目立ち、HPのノウハウが満載されたモデルだと再認識できた。アフターコロナ以降、人々は場所を選ばず仕事をするようになるだろう。そんな時代に傍らに置くのにふさわしいPCはそう多くはない。Dragonfly G2はビジネスマンにとって相棒のような存在になってくれる製品だ。
*構成により質量は異なります
海洋プラスティックを使用したノートPC
HP Elite Dragonfly G2
重さ989g、厚さ16.1mm、CNC削り出しのマグネシウムボディーの軽量ビジネスPC。多彩なセキュリティ機能に加え、のぞき見を防止する内蔵型プライバシースクリーン、物理シャッターを備えたカメラ、コラボレーションを促進する全方位マイクなど、ビジネスに必要な全てをエレガントなボディーに備えました。
* デバイスには Windows 10 に無料の Windows 11 へのアップグレードが付属しているか、Windows 11 がプリインストールされている場合があります。
Windows 11 へのアップグレードは 2021 年下旬~ 2022 年に対象となるデバイスに提供される予定です。時期はデバイスによって異なります。機能によっては特定のハードウェアが必要です(aka.ms/windows11-spec 参照)。