2022.11.1

文書管理とは?重要性や法対応、デジタル化について解説

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企業や組織の運営に欠かせない文書管理。かつては紙文書によるアナログな管理方法が一般的でしたが、近年では電子文書や文書管理システムが浸透し、デジタル化が進んできています。本記事では、文書管理の重要性や法対応、デジタル化や印刷環境の最適化について解説します。

1.文書管理とは

ここでは、文書管理の基本的な概要について説明します。

① 作成から廃棄までのライフサイクルを管理

文書管理とは、文書の作成、保存、活用、廃棄のライフサイクルを管理することです。

組織が管理しなければならない文書には、紙文書と電子文書の2種類があります。紙文書の管理では、書類をルールに従って分類し、ファイリング後、保管期間が終了したら廃棄します。

一方、電子文書の場合、作成した、または受け取った電子データをネットワーク上のフォルダに保存し、管理します。近年の法改正からもわかるように、文書管理においては電子文書での保管、つまりデジタル化の必要性は今後ますます高まるといえるのではないでしょうか。

企業における製品やサービスの品質保証の観点からも、文書管理は重要です。「ISO9001」という品質マネジメントの国際規格では、文書化した情報の保持・管理が取得要件となっています。企業が商品やサービスの品質を保証し社会的信頼を得るには、適切な文書管理が必要です。

② 個人文書と共有文書

組織が活動を行う中で発生する文書は、個人文書と共有文書の2つに分けられます。これらを分けて考え、管理すべき文書を明示することが大切です。

個人文書とは、個人の手元においてある文書や、従業員個人が作成した文書を指します。たとえば、備忘録やメモなどです。

共有文書とは、法的に必要な文書や、承認や決裁のために必要となる文書です。たとえば、法定保存文書や決算書類、請求書などがあげられます。

個人文書と共有文書を分け、管理すべき文書が明確化できていなければ、さまざまな問題を起こす可能性があります。たとえば「どれが最新版なのかわからない」「必要な情報が共有されず、属人化する」といった問題です。文書管理を行うためにはこれらの分類を明確化し、それぞれの管理ルールを企業内に浸透させる必要があります。

2. 文書管理の重要性

文書管理は、業務効率や生産性、ガバナンスやセキュリティにまで影響を及ぼす重要な業務と言えます。ここでは適切な文書管理の重要性について解説しています。

① 業務効率や生産性への影響

文書管理は業務効率や生産性へ影響を及ぼします。

文書管理が適切にできていなければ、過去の文書の検索に時間がかかったり、情報を十分に収集できず、意思決定に役立てることが難しくなります。また、一方で、印刷やスキャン、文書のファイリングやフォルダ保存など、小さな作業の積み重ねが業務を圧迫している場合もあり、日々の業務プロセスの設計も、適切な文書管理とともに高い生産性を実現するためには重要なポイントとなります。

検索性が高くデータ活用しやすいか、ワークフローが最適かどうかが、業務効率化や生産性に影響しているのです。

② ガバナンスやセキュリティへの影響

年々重要度が高まっている組織のコンプライアンスですが、ガバナンスやセキュリティの面からも、文書管理は重要な役割を担っています。

文書管理のルールが徹底されないと、文書の改ざんや情報漏洩、紛失など、コンプライアンス違反のリスクを抱えることになります。企業には説明責任があるため、万が一訴訟が起こった際にも法的証明として文書が必要です。社会的責任という側面からも、適切な文書管理が求められます。機密情報を守り、組織の内部統制を機能させるためには、適切に文書管理を行うことが必要です。

③ コストへの影響

文書管理はコストにも影響します。ライフサイクルに応じて適切に分類、保管、廃棄がなされなければ、様々場面で余分なコストがかかることになります。

たとえば保管場所です。大量の紙の文書を長期間保管するには、そのためのキャビネットや倉庫が必要となります。ライフサイクルに応じて適切に廃棄されなければ、保管に必要なスペースがどんどん増え続けてしまい、保管コストが上がり続けてしまうことになります。

文書を適切なタイミングで廃棄するには、日ごろから管理をしっかりと行っておく必要があります。正しく運用することが、コストの最適化にもつながります。

④ 紙からデジタルへ

紙の役割の多くをデジタルで代替できるようになってきた昨今、文書管理をデジタルへ移行していく必要性がでてきています。月刊総務による調査では、37.3%の総務担当者が「文書管理をデジタル化したい」と回答しました。

紙をベースとしたアナログの文書管理は煩雑になりやすく、無駄が発生しやすい環境といえます。文書管理をデジタル化すれば、管理の手間を削減でき、データ活用の幅を広げることができます。

今後ますます人手不足となることが予測されています。企業や組織が生産性を高めるには、文書管理のデジタル化は文書管理を考えるうえで、とても無視できない必須項目といえるのではないでしょうか。

3.法改正への対応

近年、帳簿や請求書など、文書に関する法改正が続いています。ここでは電子帳簿保存法、インボイス制度の概要と、企業が対応する必要のあるポイントについて解説します。

関連リンク:対応迫る「脱・紙文化」。電子帳簿保存法とインボイス制度の現状と対策

① 電子帳簿保存法

「電子帳簿保存法」とは、税法で保存が義務付けられている帳簿や書類について、電子データでの保存方法を定めた法律です。

2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されました。特に企業が注目すべきは、2024年1月から義務化する「電子取引データ保存」です。領収書や請求書などをメールやチャットツールなどで電子的にやりとりした場合、受け取った取引情報は電子データで保存しなければなりません。

電子取引データ保存の義務化にあたって、企業は「検索機能の確保」と「データの真実性担保」に対応する必要があります。

  • ・検索機能の確保…「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できる状態にすること
  • ・データの真実性担保…タイムスタンプの付与、事務処理規程の整備

参考・出典:どうすればいいの?「電子帳簿保存法」|経済産業省 中小企業庁

② インボイス制度

「インボイス制度(適格請求書保存方式)」とは、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるための制度です。

企業は、インボイスの発行と受取に対して、次のような対応をする必要があります。

  • ・発行側として…請求書のフォーマット変更(登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの追加)、発行したインボイスの保存
  • ・受取側として…受け取ったインボイスの適切な保存

2023年10月1日から施行に合わせ、請求書作成時のルールや、経理処理に合わせたインボイスの保管ルールなどを整備することが急務となっています。

参考・出典:インボイス制度の概要|国税庁

4. 文書管理のデジタル化を進める目的とメリット

紙を中心とした文書管理の場合、管理が煩雑になりやすく、生産性を下げる原因となったり、改ざんや紛失のリスクもあります。

一方で、電子データでの文書管理の場合には、生産性の向上や管理体制の強化など、多くのメリットがあります。ここでは、その目的やメリットについて解説します。

① コスト削減や生産性向上につながる

文書管理をデジタル化することによって、コスト削減や生産性向上を実現することが可能になります。

紙を中心とした文書管理の場合、印刷に必要なコピー用紙やインク、文書の郵送、廃棄処分そして倉庫やキャビネットなどの保管にもコストがかかります。デジタル化することににより、このような「目に見えるコスト」の削減が期待できます。

また、さらに「目に見えないコスト」についても削減が見込めます。印刷やファイリング、検索などにかかっている手間や時間といった人的コストを削減し、省力化できます。

さらに、文書のデジタル化は、RPAによる業務自動化や、AIによるプロセスの自動最適化など、最新のツールを用いたさらなる業務効率化に繋がります。これまで蓄積してきた大量の情報をAIで分析し意思決定に活用するなど、付加価値創造への活用も期待できます。

② リスク管理につながる

文書管理のデジタル化は、リスク管理の強化にもつながります。

文書管理システムには、セキュリティや管理体制を強化できる機能があります。たとえば、アクセス権限の設定や、編集・閲覧履歴の追跡、タイムスタンプなどの機能です。また、データをバックアップしておけば、万が一削除してしまった場合にも復元が可能です。できます。

情報漏洩や文書改ざん、紛失のリスクが低減でき、コンプライアンス強化を実現できます。

③ ペーパーレス促進につながる

文書管理システムの導入にあたっては、文書の電子化が必要となります。紙文書を電子文書に置き換えることで、業務に使用する紙の量が減りペーパーレス化が促進されます。

しかし、文書の電子化だけでは本当の意味でペーパーレス化のメリットを得られるというわけではありません。電子文書をベースに、ワークフローの最適化などの効率化に向けた取り組みが必要となります。

関連リンク:DXの入り口となるペーパーレス化。その重要性とメリットを解説

④ ハイブリッドワークなど柔軟な働き方に対応できる

コロナ禍をきっかけに、テレワークやハイブリッドワークが浸透しつつあります。文書管理のデジタル化を進めれば、場所にとらわれない柔軟な働き方にも対応することができるようになります。

紙を中心とした文書管理の場合、業務を進めたり、過去の情報を参照したりするためには、出社して業務を行うことが必要でした。紙というアナログデータの存在が、働き方を限定する一因となっていたといえます。

人材採用においてもテレワークが可能かどうかを重視する人が増えており、企業にとって多様な働き方の実現は重要課題となっています。ネットワーク環境があれば業務を進められ、情報にアクセスできる環境の整備が必要です。

5. 文書管理の進め方と注意点

次に文書管理の基本的な進め方と注意点について解説します。

① 文書を分類する

文書の管理方法を考える場合、まずは文書の分類方法を誰がどのように決め、ルールを浸透させるかについて考える必要があります。

文書の分類方法の決め方には、「ワリツケ方式」と「ツミアゲ方式」があります。

ワリツケ方式は、総務部などの管理部門が文書管理ルールを決め、トップダウン式に全社に適応するやり方です。組織として必要な書類については、大分類から中分類、小分類へと分けていきます。社内共通の文書を分類するのに適した方法といえます。

ツミアゲ方式は、実務担当者が文書管理方法を決めるやり方です。実務で発生する書類を小分類から中分類、大分類へと決めていきます。各部署で業務上発生する固有文書の分類に適した方法です。

大きく方向性を決定した後文書をどのようにグループ化するのか、分類する基準を決めていきます。基準には、たとえば、部署別、書類別、発生日別、顧客別、地域別、手順別などがあげられます。

② 文書管理規程を整備する

次に、社内の共通ルールとなる文書管理規程を整備します。規程の適用範囲、保管、参照、編集、廃棄、罰則、改廃などについてのルールを定めます。

必ず法令を遵守するように作成することが求められます。紙とデジタルの両方を管理対象とする場合には、電子文書への対応についても明記しておくことも重要なポイントになります。

確認するポイントは、次のとおりです。

  • ・法定文書の保存期間が正しいか
  • ・紙だけでなく電子文書にも対応しているか
    → 紙と電子文書を使い分けるルールが示されているか
    → 電子文書の原本性を明らかにしているか
    → 電子の秘密文書の取り扱いが明らかになっているか

③ 文書管理システムを導入する

ここでは文書管理システムの導入について解説します。どの文書を、どのような目的で管理するのかを明確にし、必要な機能があるシステムを検討する必要があります。

最近では、いろいろなクラウド対応の文書管理システムが提供されています。ソフトウェアをインストールするためのサーバーなどの必要がないため、導入の容易な点がメリットになります。

また、今後も文書に関する法律が新しく施行されたり、改正される可能性があります。システムを導入する際には、現在の法制度に対応しているという点はもちろんですが、今後起こりうる法令変更にスムーズに対応できるかどうかも含めて確認しておくことが必要です。

④ 法定保存文書の取り扱いに注意する

法令によりに保存期間や保管要件が定められている文書は、取り扱いに注意する必要があります。

保管や廃棄に関するルールを設け、破った場合の対処方法など、規程を遵守させる仕組みも必要となります。保存期間を間違えないために、起算日を把握しておくことも重要なポイントです。

書類ごとの保存期間は、たとえば次のようなものがあげられます。

  • ・会計帳簿(総勘定元帳など)、決算書…10年間
  • ・取引に関する帳簿(仕訳帳、現金出納帳など)…7年間
  • ・監査報告・会計監査報告に関する書類…5年間
  • ・労働者名簿、雇入れや退職に関する書類…3年間

⑤ 自社のセキュリティポリシーを確認する

情報セキュリティポリシーは、情報資産を脅威から守るために、企業や組織が掲げている指針です。自社のセキュリティポリシーに沿っているかを確認し、文書管理規程や運用を検討することが必要です。

⑥ 重要な「印刷」「スキャン」というステップ

文書管理について、重視されやすいのは「検索」や「保管」の工程です。しかし生産性向上やセキュリティ対策には、「印刷」や「スキャン」というステップにも注目する必要があります。しなければなりません。

デジタル化を推進する際、「印刷」「スキャン」という工程は必ず発生します。生産性を高めるには、印刷環境を最適化し無駄をなくす必要がありますが、るのです。たとえば、大量の既存文書をスキャンして電子化する場合、スキャンにかかる工程を最小限にすることで作業が効率化できます。

また、実際にスキャンを行う複合機プリンターなどの印刷機器のセキュリティが対策されていなければ万全でないと、機密情報の持ち出しやが持ち出されたり、サイバー攻撃による社内ネットワークへの侵入口となるなどを受ける危険性など様々なリスクが考えられます。企業が機密情報を守るためには、このような機器印刷やスキャンへのセキュリティ対策も重要なポイントと考えなければなりません。

ハイブリッドワークなど新たな働き方も広がりをみせています浸透しています。企業は、印刷やスキャンの環境を含めた文書管理全体を設計を見直しし直し、新しい働き方や生産性向上、最新の法令対応など、時代の時代の変化へ素早く対応することが求められています。していかなければならないのです。

関連リンク:今、印刷環境に潜むリスクとは? 働き方の多様化でセキュリティ対策は新たなステージへ

6. 印刷環境の最適化による文書管理とは

文書管理に大きく関わっている「印刷」や「スキャン」という工程。文書管理の効率化やセキュリティ向上を図るには、印刷環境の最適化にも考える必要があります。

文書作成や文書の電子化にあたって、印刷やスキャンは頻繁に発生する作業です。環境が最適化されていないと、意外と多くの工数がかかります。文書作成の際の印刷については、プリンターそのものだけでなく用紙やトナーサプライ品の管理作業も発生します。可能な限りデジタル化し、印刷量を減らすことにより関連する作業を劇的に削減することが可能です。

また、文書デジタル化の際に必要となるスキャンにも、複合機を利用します。このデジタル化の作業工数についても、直接文書管理ソフトへの保存を可能にするなど、可能な限り減らすことが効率化、生産性向上につながります。

また、デジタル化が進む中、セキュリティ対策は喫緊の課題となっています。複合機を狙ったサイバー攻撃など、あらゆるリスクを想定した、ゼロトラスト・セキュリティ環境下におけるセキュリティ対策が必要です。

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7. まとめ

文書管理は、組織の生産性の向上やガバナンス強化において重要な業務のひとつです。文書管理を見直すと同時に、業務効率化や生産性向上、そしてセキュリティ強化を図ることが今、求められています。

高いセキュリティのもと、効率的な文書管理を行うには、印刷環境の最適化も重要となります。エンドポイントセキュリティに対応した印刷機を使用し、複合機によるスキャン業務の効率化、印刷環境全体を管理することが大切です。

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