株式会社 大分銀行 様
大分銀行がクライアントPC環境刷新を機にHP OfficeJet Pro Xシリーズを採用。
ネットワークプリンター環境構築によりセキュリティを強化。
同時に業務効率化とランニングコスト削減も実現。
大分銀行では、各支店・出張所に配備しているカラーレーザー複合機の大半をHP OfficeJet Pro Xシリーズに置き換えた。レーザーにひけをとらないプリント品質、圧倒的なプリントスピードなど、プリンターそのもののパフォーマンスはもちろんのこと、運用管理やセキュリティなど多角的な視点から検討した結果だ。
この刷新プロジェクトをリードした担当者に話を聞いた。
地域活性化に尽力する大分銀行の斬新な取り組み
大分銀行は大分県を中心に事業を展開する地方銀行。「感動を、シェアしたい。」のブランドスローガンのもと、地域活性化、地元産業振興をより強化すべく、さまざまな取り組みを続けている。そのシンボルともいえる存在が、2015年4月にオープンしたフラグシップビル「大分銀行 宗麟館」だ。大分の戦国大名、大友宗麟にあやかって名付けられたこの施設は、「大分銀行SORIN支店」が入るほか、おしゃれで居心地のいいカフェを併設するなど、およそ金融機関らしからぬフロア構成が特色。ローンプラザやセミナールーム、大会議場なども完備し、総合的な金融サービスを提供するほか、ビジネス系のセミナーはもちろん、カルチャーやアート系のイベントを開催するなど、人が集い出会う、魅力あふれる場となっている。事務統括部 システム企画グループ推進役補の大塚卓氏はこの施設を次のように説明する。
「銀行に用がなくても気軽にお客様に訪れていただける、そんな施設を目指しています。いたるところにチェアやソファが置いてあるのですが、実は同じものがひとつとしてありません。JR九州の寝台列車『ななつ星in九州』や、大分駅ビル『JRおおいたシティ』を手がけた著名なデザイナーの方に総合デザインをお願いしたのですが、初めて見た時は私も驚きました」(大塚氏)
株式会社 大分銀行
事務統括部 システム企画グループ 推進役補
大塚 卓 氏
インクジェットのメリットを前提にプリンター入れ替えを検討
大分銀行では、2013年からクライアントPC環境のシンクライアント化に取り組んでいるが、その一環として支店・出張所のプリンターの入れ替えを進めている。
選ばれたのはHP OfficeJet Pro Xシリーズだ。以前のプリンター環境について、大塚氏は次のように説明する。
「支店・出張所には、モノクロ用レーザープリンターとカラーレーザー複合機1台ずつを配備しており、ローカルプリンターに近いかたちで運用していました」(大塚氏)
そのため、たとえばプリンターに紐づくクライアントPCにトラブルが発生すると、プリントやスキャンができなくなるような運用上の問題や、セキュリティ面の課題が指摘されていた。そこで、ネットワーク上にプリンターサーバーを設置し、ネットワーク上の共有フォルダにデータ保管するワークフローとすることで、ユーザーの利便性、運用管理性を上げつつ、セキュリティを確保することを目指した。
早速プリンターの選定に入った大塚氏らだが、検討のベースにあったのが、これからはインクジェットだという認識だった。
「まず、近年のインクジェットはプリント品質が大きく向上しており、レーザーと遜色のないプリント結果が得られるようになっています。
さらにランニングコストを見ると、レーザーはトナー、電力のコスト負担が大きいのに対し、インクジェットはインクコストも電気料金もリーズナブルです」(大塚氏)
ビジネスインクジェットを前提に複数の機種を検討したが、プリントスピードの点で他を圧倒していたのが、HP OfficeJet Pro Xシリーズだった。
「とにかく速い。プリントキューを出した直後にプリントが完了しているような印象でした」と大塚氏は当時の驚きを語る。このスピードに加え、プリント品質、操作性、コスト削減効果など、さまざまな面から検討した結果、HP OfficeJet Pro X476dwが採用されることになった。
革新的なテクノロジーを満載したHP OfficeJet Pro Xシリーズ
HP OfficeJet Pro Xシリーズは最速で1分間に70ページと、同価格帯のレーザープリンターの2倍もの脅威的プリントスピードを実現したビジネスインクジェットプリンターだ。
用紙にインクを吹き付けるプリントヘッドをA4用紙幅に拡大した独自の機構「HPページワイドテクノロジー」を搭載。従来のインクジェットプリンターは小型のプリントヘッドを左右に移動させながら用紙にインクを吹き付けているのに対し、「HPページワイドテクノロジー」ではプリントヘッドを固定したままA4用紙幅分を一気に吹き付けることができるため、このような高速化を達成している。
また、プリントヘッドを固定することで、用紙の搬送ルートもシンプルになり、用紙詰まりが起こりにくく、万一、用紙が詰まっても簡単に取り除くことができるようになっている。
この高速プリントに対応するインクも、速乾性・耐水性に優れた特性を持つ専用品が開発された。普通紙にプリントした直後に、水性の蛍光マーカーでマーキングしてもにじまないほどだ。さらに、一般的なレーザー用トナーよりもリーズナブルなため、1枚あたりレーザープリンターのほぼ1/2のコストでプリントすることができる。大塚氏らが評価したのはまさしくこの点で、ライフサイクルを通じたランニングコスト低減に貢献している。
またインクジェットならではのメリットとして、レーザーのようなトナー定着用ヒーターが構造上不要で、そのウォームアップ時間も発生しないため、待機状態からのファーストプリント=最初の1枚がプリントされる時間も最速で約9.5秒と短い。待機時の消費電力抑制にも貢献し、電力コストを抑制できるのだ。
カラー資料の活用を後押しするプリント品質の高さ
大塚氏は現在のHP OfficeJet Pro X476dwの稼働状況を次のように説明する。
「約100店の支店・出張所のうち70店のカラーレーザー複合機をHP OfficeJet Pro X476dwに入れ替えました。そこで実際に使ってみて思うのは、プリント品質の素晴らしさです。HP OfficeJet Pro Xシリーズは専用顔料インクを採用しているとのことですが、非常にきれいで、にじみも見られません」(大塚氏)
大分銀行では10年ほど前から融資のための稟議資料提出を電子ワークフロー化している。だが、顧客から提示される資料は紙ベースのものが多く、カラーレーザー複合機は資料のPDF化のためにスキャナーとして使用することが多かったとのことだが、「カラーの提案書も当たり前になってきていますし、今後はカラー資料を活用するケースも増えていくでしょう。このプリント品質なら十分に対応できますね」と大塚氏。
また、各支店のユーザーからは「トナーに比べるとインクはサイズが小さいため、保管スペースを取らないのは助かる」、「ファーストプリントが速い。お客様が窓口にいらっしゃっており、すぐにプリントしたいという時に、このスピードならお待たせせずに済む」などのコメントも寄せられているそうだ。
大分銀行では今後、HP OfficeJet Pro シリーズの導入拡大も視野に入れているという。
「現在、稼働しているプリンターは本部も含め全店で300台ほど。残る230台もHP OfficeJet Pro Xシリーズに置き換えていく方向で検討を始めています」(大塚氏)
標準プリンターとしてメーカー、機種を揃えることで、メンテナンスや保守の工数も削減できると期待する大塚氏。シンクライアント端末もHP製品を標準機として採用したこともあり、工数削減効果はより大きく波及していくだろう。
HP OfficeJet Pro Xシリーズはこれからも大分銀行の業務効率化に貢献していく。