2019.04.12
PCの不具合は忙しいときに起こることが多く、慌ててしまう人もいるでしょう。そんな場合にあると便利なのがWindows 10 のISOです。しかし、内容についてよくわかっていないと活用するべきかどうか迷ってしまうかもしれません。そこで、Windows 10 のISOに関心を持っている企業の経営者や管理職者、ITの担当者に向けて、ISOの仕組みやダウンロード方法、さらに活用方法について解説していきます。
この段落では、Windows 10 ISOの概要について説明します。まずWindows 10 ISOとは何かを知っていないと、うまく活用することはできません。そもそもISOとはどういうものかがわかる基本的な仕組み、そしてISOのメリットとISOのデメリットについて説明していきましょう。
ISOとはInternational Organization for Standardizationの頭文字を取ったもので、国際標準化機構のことです。Windows 10 のISOとは、国際標準化機構が定義する形式のイメージディスクのことで、仮想イメージファイルとも呼ばれています。具体的には、ハードディスクをはじめ、CDやDVDなどの記憶装置に記録されているデータをコピーしたファイルのことです。Windows 10 のISOは制御情報などもすべてそのままコピーするもので、ユーザーが使いやすいように設定した情報などもそのまま写しておけるという利便性があります。Windows はWindows 7 以降からISOの書き込みが標準装備として可能になっており、拡張子はisoで表記されます。
Windows 10 のISOを活用する一番のメリットは、良好な品質や使いやすい情報をそのままの状態で保存しておけることです。一旦ダウンロードしたISOファイルはDVDなどにバックアップすることも可能なため、複数の場所で保存と管理ができるのもメリットと言えるでしょう。ISOはライティングソフトを使用して書き込む方法もありますが、Windows 10 は OSにISOの書き込み機能が標準装備されているのも手軽で便利な点です。ISOは、圧縮されたデータではなく、容量は変わりません。そのため、解凍せずに利用できるのもメリットの一つです。
PCに不具合が発生したときには便利に活用できるWindows 10 のISOですが、デメリットもあります。その一つは、普通のファイルと同じようにエクスプローラーで開くことができないことです。ここで書くエクスプローラーとはFile Explorerとも呼ばれる新しい名称のことで、Windows の機能であり、ブラウザのインターネットエクスプローラーのことではないので混同しないように注意しましょう。Windows 10 のISOは、「仮想ドライブ」の作成にも手間がかかるという面がありますが、これもデメリットと言えるかもしれません。
これからWindows 10 を検討する場合には、Windows 10 のISOの利用方法以前に、Windows 10 の標準機能について知っておく必要があります。ここでは、Windows 10 の標準機能として装備されているWindows 10 のISOの基本的な機能、さらに、Windows 10 の入手方法の一つであるダウンロードの手順について説明していきましょう。
Windows 10 の標準機能の中にはISO機能も搭載されているため、外部からライティングソフトをわざわざ持ち込む必要はありません。つまり、Windows 10 を入手すれば、同時にISO機能もそろえることができます。さらに、Windows 10 ではISOを書き込むだけの機能ではなくマウント機能も装備されているので、データの中身を確認することも可能です。
次に、Windows 10 のダウンロード方法について説明していきましょう。Windows 10 の入手方法はいくつかあります。通販サイトまたは家電量販店でパッケージ版を購入するか、ダウンロード購入をするのも入手するための一つの手段です。価格帯に幅があるので、予算に合った安いサイトを探すのもよいですが、品質や対応にばらつきが出やすいという問題があります。Windows 10 をまだインストールしていない場合は、公式であるマイクロソフト社のホームページでダウンロードするほうが安定しやすいかもしれません。
マイクロソフト社のホームページでは、Windows 10 のUSB版の販売も行っていましたが、2019年3月現在では在庫切れとなっています。ダウンロードであれば、引き続き購入が可能です。マイクロソフト社のホームページから「ソフトウェアのダウンロード」、「Windows 10 」へと進みましょう。「ツールを今すぐダウンロード」をクリックすれば、ISOファイルも入手できます。
Windows 10 のISOは、USBメモリにダウンロードするという方法もあります。その際、注意したいのが、ライセンスの確認とOSの選択、そしてUSBメモリを選択することです。Windows 10 のISOをUSBメモリにダウンロードする手順として、これらの作業を一つずつ説明していきます。
はじめに、マイクロソフト社の公式サイトのダウンロードページからWindows 10 に進み、「ツールを今すぐダウンロード」をクリックします。ISOの入手やUSBメモリにダウンロードしたいときに選択するのが「ツールを今すぐダウンロード」のボタンです。この手順で「Media Creation Tool」を入手しておきましょう。「Media Creation Tool」を実行した後は「適用される通知とライセンス条項」が表示されます。ライセンスに関する説明は面倒で飛ばしてしまう人もいるかもしれませんが、重要な部分です。最後まで一通り目を通したら、最後に「同意する」をクリックします。ここで「同意しない」をクリックしてしまうとその先へ進めませんので、注意しましょう。
ライセンスに同意すると、次に開くのが実行する操作の選択画面です。「このPCを今すぐアップグレードする」の下に表示されている「別のPCのインストールメディアを作成する」のほうにチェックを入れ、「次へ」をクリックします。ここで注意しておきたいのが、用意しておくUSBメモリの容量についてです。推奨されているのは空き容量が8GB以上のもので、その条件を満たしていないと入らない可能性が高くなります。必ず8GB以上の容量のUSBメモリを事前に用意しておきましょう。また、できるだけ何も入っていないUSBメモリを使うようにし、重要なデータが入ったUSBメモリを使わないこともポイントです。
USBメモリの選択まで進んだら、次の画面では言語とOS、アーキテクチャを選択します。言語は使用言語なので日本語を選択し、OSはWindows 10 、アーキテクチャの選択は「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外したときだけに必要です。「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外せば、アーキテクチャで32bitか64bitのどちらかを選択でき、容量を抑えることも可能になります。ただし、それでもUSBメモリの容量は8GBはないと入りきらないので、ここはチェックをしたままにしておきましょう。
使用するメディアで「USBフラッシュドライブ」を選択し、「次へ」をクリックすれば、ダウンロードが開始します。ダウンロードが完了すると検証作業に移るので、終了するまで待ちましょう。検証が済むと、画面に「Windows 10 のメディアを作成しています」の文字が表示され、ダウンロードしたファイルがUSBメモリに変換されます。ここまで来たら、ダウンロードからUSBメモリに保存するという一連の作業は終了です。
Windows 10 のISOをダウンロードした後は、DVDに書き込んでおくこともできます。Windows 10 のISO をUSBメモリ以外でも保存しておきたいときには便利なので、覚えておくといいでしょう。DVDに書き込むには、パソコンにDVDをセットして、ISOの選択や書き込み開始の実行という一連の操作が必要です。この段落では、DVDの書き込みを完了させるまでの流れを順を追って説明しましょう。
操作を始める前に、あらかじめISOを書き込むためのDVDを用意しておきましょう。DVDは一度しか情報の書き込みが行えないDVD-Rの他に、情報の書き換えが可能なDVD-RWがあります。PCのドライブにセットする際、何もデータが保存されていない空のDVDなら問題はありませんが、DVD-RWに追加保存または書き換えをしたい場合、ドライブによっては対応していないタイプがあります。また、対応しているドライブでも、重要なデータが入っていないかどうか事前に確認しておきましょう。残しておきたいデータまで消してしまうというミスを防ぐためです。
Windows 10 のISOをDVDに書き込んで保存するには、他に注意点があります。ISOの書き込みを行えるソフトに「DAEMON Tools」というソフトが出ていますが、これをインストールしているとWindows 10 標準のISOが利用できなくなる可能性があるのです。操作を実行する前に「DAEMON Tools」がインストールされていないことも確認しておきましょう。インストールされている場合は、一旦アンイストールしてから操作を開始します。
はじめに、エクスプローラーを開き、そこからリボンの「書き込み」を選択して「Windows ディスクイメージ書き込みツール」を起動させます。書き込み先としてDVDを選択し、画面下の「書き込み」をクリックすると書き込みが開始しますので、終了まで待ちます。
書き込みが進むと自動的に最終処理が行われ、何も問題がなければ「ディスクイメージはディスクに正常に書き込まれました」という文字が表示されて完了です。「閉じる」をクリックして終了させましょう。ここまでの作業が終わったところで、念のためDVDの中身を確認しておくと安心できます。DVDに保存したファイルに抜けなどの問題がないかチェックし、何もなければ本当にこれで終了です。あとは、紛失したりどこに入れたかわからなくなったりしないよう、ラベルを記入するなどして適切な場所に保存しておきましょう。
ここでは、ダウンロードしたWindows 10 のISOの中身を確認する方法について具体的に説明していきます。Windows 10 のISOがファイルとして正常に保存されているかどうかを見るには、まずマウントさせてISOの中身を表示させなければなりません。ISOをマウントさせる方法からファイルの中身の確認方法について、順を追って解説しましょう。
マウントさせるには、ISOをクリックするだけではできません。その先の操作が必要です。また、PCによっても多少操作が異なります。まずISOをクリックし、フォルダに「管理」が表示されるかどうかを確認してからその先の操作に進みましょう。「管理」が表示される場合は「管理」タブをクリックし、続いて「マウント」をクリックします。すると、マウントが実行され、ここで初めてISOファイルの中身が確認できます。
次に「管理」タブが表示されない場合のマウント方法について説明しましょう。まずISOファイルを右クリックします。ここでメニューが表示されるので、「プログラムから開く」をクリックするか、「プログラムから開く」と「別のプログラムを選択」を順にクリックするかのいずれかを実行します。「このファイルを開く方法を選んでください」という表示が確認できたところで「エクスプローラー」を選択し、「OK」をクリックしましょう。ここまできて、やっとISOファイルの中身が表示されるので、確認が可能です。
マウントというとわかりにくいかもしれませんが、マウントは「登る」や「乗る」、「上がる」などの意味があります。PCを使ううえでのマウントとは、周辺機器をPC上に認識させることを指します。つまり、まずPCに認識させて画面に表示させないと確認ができないため、マウントの作業が必要になるということです。マウントは、Windows 10 のISOを扱うだけに限った用語ではなく、PCを使っていると普通に出てくる言葉なので、慣れない人は覚えておきましょう。
PCによって細かい操作や表示は異なりますが、マウントが完了したところで、ISOファイルの確認ができるようになります。ISOファイルをマウントすると、PCの画面に「仮想ドライブ」が表示されるので、ここをクリックすれば中身を見ることができます。ここで、データに抜けがないか、壊れているものがないかどうかをチェックしておきましょう。もし、データが壊れているような場合は、もう一度ダウンロードするなどして、正常に完了させておく必要があります。
「仮想ドライブ」の中身を確認し、再び非表示にする場合は、「仮想ドライブ」を右クリックします。するとメニューが表示されるので、そこから「取り出し」を選択するだけです。これで「仮想ドライブ」は表示されなくなり、この操作を「アンマウント」と言います。慣れないとわかりにくいことも多く、面倒に感じる操作かもしれませんが、一度覚えてしまえば特に難しい手順ではありません。必要なときには同じ手順でISOファイルをマウントさせればいいのです。
Windows 10 のISOは、単純にバックアップをするという作業とは異なり、情報や設定などデータをそのままの状態でコピーし、保存ができます。仮にPCを初期化するようなことが必要になった場合でも、ISOファイルをUSBメモリやDVDとして保存管理しておけば、初めから設定をやり直すという手間が省け、作業効率もアップできます。なかなかそこまでの状況になることは少ないものですが、PCは急いでいるときに限って不具合が起こることは多いものです。通常のバックアップでは、細かい設定などは反映されず、初めからすべてやり直しが必要になり、時間がかかってしまいます。万が一のときにも標準機能で備えておけるISOは、便利なツールとして活用できるでしょう。業務を迅速に安全に進めるためにも、Windows 10 のISOの利用を検討してみましょう。