2019.01.10
この記事では、Windows 10のインストール方法を説明します。インストールの準備から、作業を開始したあとの手順まで、すべての段階で必要な知識をまとめます。注意点も説明しますので、Windows 10のインストール失敗を未然に防ぎやすくなるでしょう。専門用語をかみ砕いた言葉で説明しますので、パソコンの設定が苦手な人でも簡単に理解できる内容となっています。Windows 10がインストールできないという方は、ぜひ試してみてください。
Windows 10のインストール方法は大別すると2つで、有償か無償かの違いがあります。無料でインストールすれば、コストの削減に繋がるでしょう。ここではWindows 10を無料でインストールできるクリーンインストールについて説明します。インストールにかかる労力を削減できることを考えると、有償を選ぶメリットもありますが、こちらは最後に紹介します。
すでにWindows 10がインストールされたパソコンがある場合、それを「移植」できます。これがWindows 10 のクリーンインストールです。そのパソコンでインストールディスクを作り、そのディスクから新しいパソコンにWindows 10をインストールする方法です。エディションが同じであれば、ライセンスを再認証する必要もありません。この方法は無料でインストールできるのがメリットです。時間と手間がかかるのがデメリットで、インストール作業の前にディスクを作成する作業があるため、この負担も考慮する必要があります。
Windows 10をインストールする際には、事前の準備が必要です。この準備を怠ると思わぬトラブルが発生する恐れもあります。そのため、事前準備はおろそかにせず、しっかりと行いましょう。それほど難しい内容ではなく、大別して3つの作業をこなすだけです。この段落の説明を読みながら作業を進めれば、スムーズにWindows 10をインストールできるでしょう。
Windows 10のようにパソコン全体を動かすソフトをOSといいます。OSのインストールは、やり方を間違えるとパソコン自体が起動しなくなることもあります。このため、事前にパソコンのバックアップをとりましょう。バックアップの作業は主に2つあります。1つは「現在の環境をまるごと保管する」作業、もう1つは「保管したデータを呼び出す鍵を作る」作業です。
1つ目の作業ではデータが極めて大きくなります。現在のパソコンのOS、たとえばWindows 7などをまるごとバックアップするわけですから、CD-RやDVD-Rではまったく足りません。外付けのハードディスクが必要になります。一方、2つ目の作業は「鍵」を作るだけなので、大きな容量は必要ありません。こちらはCD-RやDVD-R、あるいはUSBフラッシュメモリなどを使うのが一般的です。1台のパソコンのバックアップにかかる時間は、おおよそ30分~1時間とされています。
Windows 10のインストールにおいて必須ではありませんが、できれば各種のドライバを用意しておきましょう。ドライバとは、家電製品のソフトウェア部分のようなものです。たとえば、炊飯器が動くのは釜や熱を出す部分だけではなく「ソフトウェア部分」があるからです。同じように、パソコンのオーディオや映像装置(ビデオカード)も、それを動かすソフトウェアが必要になります。いわば「コンピューターの周辺機器を動かすソフトウェア」ですが、これをドライバといいます。
プリンタのドライバは、インストールした経験を持つ人も多いでしょう。あれと同じものが、ビデオカードなどの重要な部分にもあるわけです。パソコンを動かすのに欠かせないビデオカードなどのドライバは、インストール時に自動でダウンロードされます。しかし、このダウンロードがまれに失敗することもあります。そのとき、事前に用意したドライバが手元にあれば安心です。絶対に必要というわけではないので、難しいと感じたら用意しなくてもかまいません。多くの人は用意せずにWindows 10をインストールしています。
用意する場合は、ビデオカードドライバ、マザーボードのチップセットドライバ、LANやオーディオ関係のドライバの3種類を主に用意します。これらのドライバはその周辺機器のメーカーのホームページでダウンロードが可能です。
Windows 10のインストール先は、できる限り新品のハードディスクにしましょう。理由は、ハードディスクは消耗品であるからです。ハードディスクの内部には、プラッターと呼ばれる磁気ディスクがあります。これはCDと非常によく似た仕組みで、円盤の上に磁気を使ってデータを記録するものです。パソコンが動いているときには、このプラッターがCDのように回転します。そして、回転するプラッターの上に磁気ヘッドという「データを読み取る端子」が極限まで近い状態で動きます。
ここでは、Windows 10をインストールする手順を説明します。手順は作業中の画面にも表示されるものですが、事前に理解しておく方が作業をスムーズに進められます。Windowsはパソコンが苦手なユーザーでも簡単にインストールできるよう、多くの作業が自動化されています。Windows 10のクリーンインストールにおいても、それほど難しく考える必要はありません。
インストールメディアとは「インストールに必要なデータが入ったCD-Rなど」です。市販のパッケージを購入した場合はCD-Rが主流になります。自分で作成した場合は、DVD-R、USBフラッシュメモリなどもあります(自分が作成時に使った媒体です)。Windows 10のクリーンインストールを行う場合は、媒体を準備しましょう。
パソコンを起動する前に、これらのインストールメディアをパソコンに接続しておきます。接続先は媒体ごとに異なるものです。たとえばCD-Rなら「CD-Rドライブ」に挿入します。簡単にいうとCDの挿入口、挿入トレイです。これらがないパソコンもありますが、その場合は外付けのCD-Rドライブを購入します。USBメモリの場合はUSBポートに接続します。
パソコンを起動すると、最初に「メーカーのロゴ画面」が表示されます。これはインストール時だけでなく、普段の使用でも毎回表示されているものです。そのまま放置すると、いつもどおりのパソコン画面が表示されます。
Windows 10をインストールするときは、このロゴ画面で「ファンクションキー」を押します。ファンクションキーとは「F8」「F11」などと書かれた、キーボードの最上段に並んでいるキーです。どのキーを押すかは、メーカーによって異なります。たとえばASUSならF8、AsRockならF11という具合です。押すべきキーは各メーカーのホームページに書かれているので、事前に確認しましょう。
ファンクションキーを押すと、インストールのメニュー画面が表示されます。この画面では「起動ストレージの選択」をします。簡単にいうと「何を使ってインストールをしますか?」と、パソコンがあなたに質問する画面です。すでにCD-RやUSBメモリを用意して接続しているので、それらの接続先を選択します。CD-RドライブやUSBポートです。
パソコンが起動したら「すぐに使い始めることができます」と書かれた、青い画面になります。この画面の右下に「簡易設定を使う」というボタンがあるので、それをクリックして初期設定をしましょう。設定する情報は「PC所有者」「Microsoftアカウント」「パソコンのユーザー名とパスワード」の3つです。
事前に用意しておいた各種ドライバをインストールしましょう。パソコンを動かすのに必須であるビデオカードやオーディオなどのドライバは、ネット回線から自動的にインストールされます。このため、ネット環境があれば特に何もせずに待つだけです。
ネット環境がない場合、事前にCD-Rなどに用意したドライバを、自分でインストールする必要があります。また、ネット環境がある場合でも「より速くインストールしたい」という場合は、自分で用意したドライバを使うのが有効です。特にWi-Fiのような無線のインターネットしかない環境では、その速度によっては自らインストールする方がいいこともあるでしょう。
ここでは、Windows10をインストールするにあたり、注意するべきことを4つ紹介します。特にbit数のチェックや「パソコンがWindows10に対応しているかどうか」のチェックなど、場合によってはパソコン自体の買い換えが必要になる場合もあります。これらの注意点を理解し、問題がないことを確認した上でインストールの作業に進みましょう。
パソコンには32bitと64bitがあります。これは簡単にいうと「処理できるデータの量」です。64bitを処理できるパソコンなら、32bitのソフトも使えます。逆に324bitしか処理できないパソコンで、64bitのソフトは使えません。Windows10もパソコンという「箱」に入れる「最大のソフト」です。このため、パソコンのbit数を確認し、それに合わせる必要があります。
基本的に64bitのパソコンなら、32bitのWindows10も動きます。しかし、32bitのWindows10を入れてしまうと、その後インストールするすべてのソフトも32bitしか使えません。これでは64bitのパソコンの性能がムダになってしまいます。わかりやすくいうと「パソコンの半分を使っていない状態」です。
このようなムダをなくすためにも、パソコン本体のbit数とWindows10のbit数は、合わせる方がいいのです。特に「32bitのパソコンなのに64bitのWindows10を買ってしまった」という場合、そもそもインストールができなくなります。こうした失敗をしないためにも、Windows10の購入前にパソコンのbit数を確認しましょう。
パソコンのbit数は、マイコンピューターのプロパティから確認できます。プロパティは、マイコンピューターを右クリックして呼び出します。どのように書かれているかは、Windowsのバージョンによっても多少異なるものです。しかし、おおむね「システムの種類」という項目に「64ビット オペレーティングシステム x64ベースプロセッサ」のように書かれています。
メーカー製のパソコンとは、簡単にいうと「普通のパソコン」です。市販のパソコンはほぼすべて、どこかのメーカーが製造しています。これに該当しないのは「自作パソコン」のみです。上級者向けの店舗のオーナーが作って販売するものも、自作パソコンに含まれます。
よって、ほとんどのパソコンはメーカー製ですが、これにクリーンインストールを行うと、多くのリスクが生じます。たとえば保証の対象外となる、メーカーが用意したリカバリ方法を使えなくなるなどです。その他にも、省エネ機能などの一部機能が使えなくなることがあります。このようなリスクがあるため、クリーンインストールは基本的に行わないようにしましょう。
現時点でWindows7や8を使っていて、それを10にアップグレードすることもあるでしょう。この場合、パソコンがWindows10に対応していなければ、インストールできません。そのため、まず互換性のチェックが必要です。
チェックするには、Microsoftの「Windows10アップグレード診断」というページにアクセスします。このサイトに「まずは、あなたのOSを判断しますのでこちらをクリック」と書かれたボタンがあります。これをクリックし、あとは指示に従ってクリックや選択を続けましょう。これで、あなたのパソコンでWindows10のアップグレードをできるかどうかがわかります。
他の確認方法としては「メーカーのサイトを見る」手もあります。MicrosoftはWindowsという「ソフト」のメーカーです。これに対し、HPなどはパソコンという「ハード」のメーカーです。ハードのメーカーの公式サイトでも、パソコンの型番から「Windows10にアップグレードできるかどうか」がわかります。
インストールの作業中は、絶対に電源を切らないでください。Windows10を正常にインストールできないだけでなく、パソコン自体が起動しなくなるリスクもあります。特にノートパソコンの場合は、必ず電源アダプタをつないだ状態でインストールをしましょう。電源を自分で切らなくても、電力がなくなれば切れてしまうからです。
Windows 10を購入してインストールする方法もあります。購入の選択肢は大別して3つあります。1つ目はパッケージ版で「箱入りの商品」です。家電量販店やネット通販で購入できます。2つ目はダウンロード版で、インターネットからダウンロードして購入するものです。Microsoftの公式サイトだけでなく、Amazonやヨドバシカメラなどのネット通販サイトでも購入できます。3つ目はOEM版で、これは「Windows 10がインストールされたパソコンを買う」ものです。パソコンの買い換えも同時に検討しているのであれば、この方法がもっとも簡単となります。
複数のパソコンにWindows 10を導入する場合、ボリュームライセンスプログラムの利用で、割引を受けることが可能です。割引の度合いはパソコンの台数によるため、まずはMicrosoftから見積もりを取ります。
単独で購入する場合も、上記のプログラムを利用する場合も、Windows10のエディションに注意しましょう。Windows10にはHome、Pro、Enterpriseの3種類のエディションがあります。それぞれ機能と値段が異なっているため、自社の業務内容に合ったエディションを選ぶことが必要です。
2020年1月14日にWindows 7のサポートが終了します。8と8.1については2023年1月10日までですが、その期日が近づくほど使用できるソフトが減っていきます。「もうすぐ終わるOS」に対応するのは、ソフト会社にとって開発コストのムダ使いになるためです。
業務で使うパソコンであれば、7については早期にWindows 10に切り替えるべきだといえます。8と8.1についても、使えるソフトが増えるメリットを考えると、早めに10に切り替える方がいいでしょう。
この記事ではWindows 10のインストールの方法や注意点を説明してきましたが、どの内容もそれほど難しいものではありません。業務をより効率的に進めるためにも、できるだけ早くWindows 10のインストールを進めましょう。
もう困らない!Windows 10 移行ガイド