2019.01.10
パソコンのバックアップや復元は、そう何回も実施する作業ではありません。しかし、万が一の時のためにも、ぜひ行っておきたい作業です。複雑なイメージを抱きやすいバックアップと復元ですが、実はパソコンに詳しくなくても簡単にできる作業となっています。ここでは、Windows7のバックアップに必要なものやバックアップの取り方から復元方法までを詳しく紹介します。
Windows 7 において、標準のバックアップには2種類の内容があります。それが、システムイメージとシステム修復ディスクの2つです。まずは、それぞれのバックアップがどのようなものなのか解説します。
システムイメージのバックアップでは、OS(オペレーションシステム)が入っているドライブ全部をバックアップします。通常のパソコン設定であれば、OSが入っているのはCドライブです。ここには、パソコンの設定やソフトなどがほぼ全部入っています。これら全てをそのままバックアップするのがシステムイメージで、これによって設定やソフトをそのままの状態で新しいパソコンへと移行することができます。
通常OSが入っているCドライブは、インストールされたソフトなどがほとんど全て入っているため容量が大きくなりがちです。システムイメージのバックアップではそのCドライブをそのままバックアップするため、大きめの容量があるハードディスクが必要です。現在利用しているCドライブの使用容量と同じだけ容量のあるハードディスクでなければ、バックアップをとることはできないのです。そこで、まずはCドライブの使用容量を確認しハードディスクの空き容量についてもチェックしておきましょう。Cドライブの使用容量は、マイコンピューターから確認が可能となっています。
システム修復ディスクは、なんらかのトラブルが原因でコンピューターが起動しなくなった場合に役立つバックアップです。例えば、プログラムエラーなどの不測の事態が起こると、OSが起動できなくなる可能性があります。そうなると、せっかっくとったシステムイメージのバックアップも呼び出すことができなくなってしまいます。これでは、バックアップの意味がありません。これを防ぐためのバックアップが、システム修復ディスクなのです。また、Windows 7 のバックアップにおいてはシステムイメージを復元させるための起動ディスクとしての役割を果たします。システム修復ディスクも、Windows 7 のバックアップには不可欠であることを念頭に置いておきましょう。
Windows 7ユーザー必見!Windows 10移行ガイド |
次に、Windows 7 をバックアップするにあたって必要なものを紹介します。バックアップするために必要なアイテムは、たった3つしかありません。バックアップと復元を成功させて快適なパソコン環境を整えるために、ぜひ必要なものを揃えておきましょう。
バックアップをとるためには、バックアップをとるWindows 7 のパソコン本体が必要です。必要なものは全てこのパソコンに入っているため、バックアップには不可欠な存在です。ちなみに、ノートパソコンのバックアップを取る場合には充電切れに注意する必要があります。バックアップの途中で電源が落ちてしまうと、不具合を起こす原因にもなりかねません。そこで、充電を満タンにしておくか、電源アダプターを使用して充電しながらバックアップを実行すると安心です。
バックアップをおこなうためには、バックアップをとっておくための場所が必要です。バックアップをとるパソコンでもなく新しいパソコンでもない、別の場所が必要なのです。そのための場所として、外付けハードディスクを用意しましょう。ハードディスクは、バックアップをとるために十分な容量があるものを選びます。システムイメージのバックアップにおいては、OSが入っているドライブの使用容量と同じだけ容量を使うことになります。そこで、ハードディスクの容量はバックアップをとるのに十分かどうか、あらかじめチェックしておく必要があります。大きな容量が必要になることもあり、バックアップをとるハードディスクは空の状態にしてしておくと安心です。
システムイメージのバックアップには外付けハードディスクが必要ですが、システム修復ディスクではCD-Rを使用します。外付けハードディスクへ一緒にバックアップをとることはできないため、必ず1枚用意しましょう。CD-RよりもDVD-Rのほうが容量が大きいですが、システム修復ディスクとして使用するには容量が余りすぎてしまいます。そこで、DVD-RよりもCD-Rのほうがおすすめです。
続いて、Windows 7 をバックアップする具体的な手順を解説します。難しい作業はなく誰でもおこなえるものなので、1つずつ確実に進めていきましょう。
まずは、コントロールパネルを開きます。コントロールパネルを開いたら、「システムとセキュリティ」項目の中にある「バックアップの作成」をクリックしましょう。すると、画面が変わるので、画面右側にある「バックアップの設定」をクリックします。はじめてバックアップをとる場合にはここで保存先などを設定しますが、以後は同じ設定でバックアップが可能となります。
バックアップの設定をクリックすると、バックアップの保存先を選ぶ画面が開きます。バックアップの保存先は、接続しているハードディスクを指定しましょう。ここで空き容量も表示されるので、再度ハードディスクの容量もチェックしておきます。保存先を選択すると、次はバックアップの対象を選ぶ画面となります。「自動選択」と「自分で選択する」から選ぶことができますが、ここでは「自動選択」がおすすめです。「自動選択」では、パソコンの全ユーザーのドライブをまとめてバックアップが可能です。それに対して「自分で選択する」では、個別のフォルダやドライブを手動で選択していく必要があります。はじめてバックアップをとる場合は、「自動選択」にしておけば間違いないでしょう。
保存先の設定をするとシステムイメージのバックアップが始まり、これが完了するとシステム修復ディスクの作成が自動で始まります。「システム修復ディスクを作成しますか?」とポップアップが出てきたら、「はい」を選択して用意したCD-Rをパソコンに挿入しましょう。挿入後に「ディスクの作成」をクリックすると、バックアップが始まります。システムイメージのバックアップは時間がかかることが多いですが、システム修復ディスクのバックアップはあまり時間はかかりません。
「システム修復ディスクの作成」というポップアップがでてきたら、作業完了です。バックアップが完了してシステム修復ディスクが作成できたら、CD-Rの表面に情報を記載しておきましょう。ここで記載するのは、どのパソコンからバックアップを取ったのかとディスクを作成した日付です。このディスクがないとバックアップを復元できないため、確実に情報を記載しておくことが大切です。
バックアップがとれたら、次に復元の手順に移ります。しっかり復元するために、正しい手順に従って操作していきましょう。
まずは、復元したいパソコンにシステムイメージのバックアップをとったハードディスクを接続します。このとき、USB3.0対応のハードディスクであれば青色のポートに接続しましょう。
次に、作成したシステム修復ディスク(CD-R)を復元したいパソコンに挿入しましょう。バックアップの復元にはシステムイメージが含まれるハードディスクとシステム修復ディスクが必要なので、ここで必ず両方セットします。CD-Rがうまく挿入できない場合には、一旦取り出して再度試してみると効果的となります。無理な力を加えて押し込んでしまうと故障の原因となってしまうこともあるので、注意して挿入することが大切です。
バックアップのための準備が揃ったら、ここで一旦パソコンの電源を落とします。そして、パソコンを再起動してシステム修復画面を表示させましょう。システム修復画面を立ち上げるためには、パソコンを起動させた際にキー操作をする必要があります。パソコン起動時に出てくるWindowsのロゴが出ている画面において、指定のファンクションキーを押すのです。指定のファンクションキーはパソコンによって異なりますが、一般的にはF12やF10、もしくはEscが対応しています。復元したいパソコンにあわせて、ファンクションキーは使いわけていきましょう。また、このファンクションキーはパソコン起動時のWindowsロゴが出ているタイミングでのみ有効となっています。再起動した際は、タイミングを逃さないようにスタンバイしておくと安心です。
システム修復画面が立ち上がると、「システムイメージから回復する」が選択できるようになります。これを選ぶとバックアップ先を選べるようになるので、ここで接続している外付けハードディスクを選択すれば復元がスタートします。復元が始まったら、特にパソコン上での操作はありません。復元作業が終わるまで、そのまま待ちましょう。
ここまで、Windows 7のバックアップと復元をおこなうための手順を紹介してきました。最後に、これらの作業をおこなうにあたって注意したい点をまとめます。バックアップと復元を1回で成功させるために、そのポイントも押さえておきましょう。
システムイメージのバックアップには、外付けハードディスクを使用します。ここで注意したいのが、ハードディスクの容量です。せっかく用意したハードディスクでも、バックアップをとりたいパソコンの使用容量よりも容量が少なければバックアップをとることはできません。そのため、バックアップ用に新しくハードディスクを購入する場合にはなるべく大きな容量で余裕のあるものを選ぶと安心です。しかし、具体的にどれくらいの容量が必要なのかは、想像だけではわかりにくいものです。そこで、ハードディスクの選び方として2種類の方法を紹介します。
1つ目は、バックアップをとるパソコンのCドライブと同じ容量のハードディスクを選ぶ方法です。システムイメージのバックアップではOSが入っているドライブ全体のバックアップをとるため、Cドライブと同じ容量のハードディスクを用意すれば容量不足になることはありません。さまざまなソフトが入っていてバックアップの量が多いと予想される場合は、ドライブと同容量のハードディスクを選ぶとわかりやすいでしょう。2つ目の方法としては、バックアップをとるCドライブの使用分に合わせた容量のハードディスクを選ぶことです。バックアップをとる内容がそんなに多くない場合には、Cドライブと同容量のハードディスクを用意しても容量が大幅に余ってしまいもったいないケースが出てきます。そこで、事前にCドライブで使用されている容量を確認して、それに合わせたハードディスクを選ぶのです。このとき、使用容量ぴったりのハードディスクではなく少し余裕を持った容量のハードディスクを選ぶことがポイントです。バックアップをとる量に応じて、適切な方法でハードディスクを選びましょう。
バックアップ中や復元中は、パソコンの電源を切らないでください。作業中に電源が落ちてしまうと、最悪の場合パソコンが起動できなくなってしまう可能性があるからです。操作ミスなどにより電源を落とすことがないよう、しっかり注意しておきましょう。また、ノートパソコンの場合は充電が切れてしまう可能性もあるため、十分に充電しておくか電源につないで作業を行うと安心です。
バックアップをおこなう前に、音楽や動画のファイルはあらかじめ移しておきましょう。音楽や動画のファイルは容量が大きいため、バックアップ作業と同時に行うと大変長い時間がかかってしまいます。OSを含むバックアップにはただでさえ時間がかかるため、なるべく容量の大きなファイルは先に移しておくと効率的です。これら容量の大きいファイルを移すためには、システム修復ディスク用に購入したCD-Rのあまりを利用するのがおすすめです。CD-Rならばバックアップとしてとっておくこともできるので、あまったCD-Rは有効活用していきましょう。
Windows 7のバックアップと復元は、難しい作業ではありません。手順通りにすすめれば、パソコン初心者でも確実におこなうことができます。バックアップ作業には外付けハードディスクとCD-Rの2点が必要なので、まずはこれらを揃えることから始めるといいでしょう。また、バックアップや復元作業中は、絶対にパソコンの電源を切らないことも重要なポイントです。正しい手順と知識を元に、確実にバックアップを成功させていきましょう。
もう困らない!Windows 10 移行ガイド