2021.09.15
2020年1月下旬ごろから日本を席巻している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題。感染力、症状など未解明な部分が多く、その後はマスクや消毒液の不足、大型イベントの自粛など影響が拡大。そして3月11日にはWHO(世界保健機関)がパンデミックの認識を示したことで、拡散のフェーズはさらに進んでしまった。
新型コロナウイルスによる企業活動停滞を緩和・打破するための手段として、一躍注目を浴びているのがテレワーク(リモートワーク)、在宅勤務だ。オフィスに人を集中させることなく、自宅などから仕事上のコミュニケーションが図れるため、感染症予防・生産性向上の両面に有効と考えられている。
しかし一方で「どのツールを使えばいいのか」「どう部下を管理すればいいのか」「残業をどう扱えばいいのか」など、検討すべき課題は多い。そこで今回の緊急特集では、ITベンダーが新型コロナウイルス対策として実施している無料施策、先達によるノウハウ集、国・自治体の補助金制度などについてまとめた。
新型コロナウイルス問題の長期化を受け、ITベンダーは提供中のサービスの一部を無償化し、テレワーク・在宅勤務に役立ててもらおうという動きが相次いでいる。種類も多種多様で、国際的企業の著名サービスはもとより、国内の中小ベンダーも積極的だ。
ただし、これらの取り組みの多くが期間限定である点には十分留意が必要だ。またWebからの申し込みをもって自動で利用開始できるとは限らず、営業担当者などによる有人対応が必須のケースも少なくない。詳しくはリンク先の説明・条件などをよくお読みの上、手続きしてほしい。
https://www.cisco.com/c/m/ja_jp/solutions/collaboration/webex90days.html
米国の通信機器・大手シスコが2月25日に開始した日本国内企業・組織向け制度。「Webex Meetings」はオンライン会議用のクラウドツールで、PCのほかスマートフォンやタブレットからも利用可能。メールで届く招待状からクリックするだけで会議に参加できる手軽さも魅力という。支援プログラムは最長90日間の予定。会議の開催回数、時間などに制限はない。また1会議には最大1000名まで参加できる。
https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/03/09/200309-to-work-on-remote-work-with-covid-19-measures/
マイクロソフトの日本法人では、リモートワーク体制の構築を模索する企業・教育機関向けに相談窓口を設置。専用サイトでの情報発信とともに、平日日中は電話でも問い合わせを受け付けている。またMicrosoft米本社では、「Office 365 E1」の6カ月無償提供プランを発表した。こちらは大規模なテレビ会議やオンラインセミナーにも対応した本格的なプランとなっている。
https://zoom.us/docs/jp-jp/jp-info.html
ビジネスユースに耐えるWeb会議ツールとして、ここ最近急速に知名度を高めているのがZoom。利用の容易さなどが人気の秘訣(ひけつ)のようだ。もともと無料プランが存在し、誰でも最長40分までは連続してコミュニケーション可能。また新型コロナウイルス対応の一環として、教育機関向けにはサービスを無償提供している。一般企業向けにも、適宜オンラインセミナーを開催中。
https://forjapan.withgoogle.com/intl/ja/
新型コロナウイルスなどに関連して、Googleの取り組みを日本語で発信する特設サイト。3月10日付けで公開された。すでにGoogleはG Suiteにおいて、高度なビデオ会議機能の無料開放を7月1日まで行うことを発表しているが、そのほかの施策についても、こちらのサイトに詳しくまとめられている。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2020/3130
国内で圧倒的な利用率を誇るコミュニケーションツール「LINE」だが、リモートワーク積極活用の呼び掛けや全国一斉休校に前後する2月下旬以降、ビデオ通話機能などの利用率が伸びていたという。そこで急遽「画面シェア」機能の繰り上げ提供を実施。スマホでのビデオ通話中、PCの画面をリアルタイムで表示できるようになった。スライドなどが容易に共有可能。
https://news-ja.chatwork.com/2020/03/Chatwork0316.html
テレワークが注目される背景にあるのは、やはり専用ツールの充実──特にビジネスチャットの隆盛に負うところが大きいだろう。国産ビジネスチャットの代表格「Chatwork」は3月16日、上位プランを1カ月無償で提供することを発表。また無料プランにおけるビデオ通話機能の人数上限も一時的に緩和した。
https://www.access-company.com/news_event/archives/2020/0309-2/
https://line.worksmobile.com/jp/pr/20200304/
https://www.neo.co.jp/corp/telework-support.html
https://www.persol-group.co.jp/news/20200228_5282/index.html
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2020/200317.html
https://www.morenote.jp/archives/1545/
https://www.nttbiz.com/news/20200226/
https://jp.vcube.com/news/release/20200302-1700.html
https://www.calling.fun/news/page-1756/
https://content.rview.com/ja/blog/outdoor-event/notice_200130/
https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2020/0313.html
https://www.cloudplus.co.jp/service/telework/
https://www.softether.jp/7-news/2020.02.21
https://bit-brain.jp/emergency_response/
https://www.oya-bunko.or.jp/tabid/165/Default.aspx?itemid=486
テレワークは、ツールを導入するところまでがゴールではない。ITに不慣れな従業員を巻き込みながら、かつセキュリティを重視した体制を“運用”する必要があるからだ。この項では、テレワーク導入手順、よくある疑問などをとりまとめたノウハウ集をピックアップした。
https://www.lenovo.com/jp/ja/news/article/2020-02-28
PC製造大手のレノボが、テレワーク導入に悩む企業に役立てもらおうと、各種ノウハウを文書にまとめた。新型コロナウイルス対応を念頭に、時間をかけずにテレワーク導入を行う際の注意点も増補している。PDF形式になっており、会員登録などをすることなく誰でもダウンロードできる。
レノボ・ジャパンが公開した「はじめようテレワークスタートガイド」表紙
https://cybozu-remotework.qloba.com/
グループウェアベンダー大手のサイボウズ。これまで在宅勤務・テレワークを推進してきたが、その導入から現在までの流れを時系列にまとめ、こちらのサイトで緊急公開した。細かな社内ルールをどう整備していったかの変遷がよく分かる。
https://www.nice2meet.us/
Web会議ツールで著名なブイキューブが、それまで運営していたオウンドメディアを発展させるかたちで公開した新サイト。「テレワークに関するあらゆるギモンを解決する」とアピールしている。
https://telework.mhlw.go.jp/
厚生労働省が運営。テレワークについてゼロから学べる読み物コンテンツを軸に、導入事例やセミナー予定なども公開している。また「関連資料」のページでは、これまでに制作されたパンフレットを多数配信中だ。
https://vscovid19.code4japan.org/
内閣官房などが民間と連携して実施中のプロジェクト。各社・各団体が独自に展開している新型コロナウイルス対策や支援サービスなどを本サイトに集約しており、利用者は企業向け、一斉休校中の子供向けなどの条件をもとに検索できる。テレワーク関連の情報源も一部含まれている。
テレワークというと、専用ソフトや大がかりな装置をどうしても想起しがちだが、PC1台・スマホ1台で行うことも今や難しくない。組織の大きさによってセキュリティへの要求は違ってくるだろうが、身近な、導入しやすいツールで「まずはやってみる」のもアリだろう。代表的なサービスをおさらいしておく。
https://slack.com/intl/ja-jp/
いわゆる「ビジネスチャット」の代表格。メールより手間をかけず、またプライベートのLINEとも使い分けることで、業務効率の向上に寄与するとされる。無料プランあり。月額850円の「スタンダード」プランからはビデオを交えた複数人コミュニケーション機能も有効化される。
https://go.chatwork.com/ja/
日本国内で特に高い知名度を誇るビジネスチャット。新型コロナウイルス関連の無料施策を発表しているが、通常でも無料プランが用意されていて、やはり利用のハードルは低い。ビデオ通話機能は、料金プランによって同時利用者数が異なる。
https://www.skype.com/ja/
高品質な音声・ビデオ通話が手軽に利用できるサービスとして、すでにおなじみだ。外線発信機能こそ有料だが、Skypeメンバー同士のビデオ会議は50人まで参加でき、かつ無料なのは大きな魅力。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
Skypeと同じくマイクロソフトが手がけるサービスだが、こちらはよりビジネスに最適化されており、ファイル共有などが容易。有料プランでは、最大250人のオンラインビデオ会議が開催できる。
https://hangouts.google.com/
Googleアカウントで利用できる音声・ビデオコミュニケーションサービス。法人版は「Hangouts Chat」「Hangouts Meet」の2つに移行・分割されつつあるが、一般ユーザーは従来のハングアウトを引き続き使える。
https://www.facebook.com/help/messenger-app/1414800065460231
会社の同僚や取引先とFacebookでつながっているのであれば、メッセンジャーで業務連絡をとってしまうのも、1つの手だろう。このヘルプ記事にあるように、ビデオチャットにも対応する。
https://support.apple.com/ja-jp/HT204380
日本ではiPhone利用者が多い。FaceTimeならMac OSでも使え、どちらでも特別なソフトをインストールすることなく、標準機能だけでビデオチャットができる。
国が「働き方改革」に注力する影響もあってか、政府・地方自治体によるテレワーク支援は積極的に行われている。助成金制度も少なくなく、また新型コロナウイルス問題の噴出後に緊急制定されたケースすらある。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09904.html
3月3日発表。厚生労働省では「時間外労働等改善助成金」の一部コースについて、すでに2019年度分受付を終了していたが、新型コロナウイルス対策の一環で特例コースを新設した。「テレワークの特例コース」は2月17日以降に購入したテレワーク用機器の導入費、就業規則の新設コストなどが対象で、補助率は最大で2分の1、1社あたり100万円まで。助成事業の実施は5月31日までの予定。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/03/05/27.html
新型コロナウイルス対策の一環として、東京都が3月6日に開始した制度。常時雇用する労働者が2~999名で都内に本社ないし事業所をおく企業に対し、VPNルータやPC等の購入費などを最大で250万円まで助成する。申請受付は5月12日まで。
東京都の助成制度についてのチラシ
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/
東京都民向けの人材サービスなどを手がける公益財団法人。都と連携して助成金の交付を行っている。育児・介護に伴う制度以外に、テレワークや働き方改革に関連したものも幾つかある。年度末を控え、すでに締め切り間近なものも少なくないが、定期的にチェックしておいて損はないだろう。
https://www.meti.go.jp/covid-19/
経済産業省による新型コロナウイルス関連の支援策をまとめたページ。中小企業の資金繰り対策にも言及している。また「IT導入補助金」については、新型コロナウイルス関連の臨時対策が発表された。申請期間は3月13日~31日。詳しくは当該ページを参照のこと。
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/subsidy/
テレワークの普及・啓発を手がける業界団体。情報発信の一環として、国や自治体による助成金制度の紹介を行っている。新型コロナウイルス対策関連の情報もすでに反映されているので、参考にしよう。
【本記事は2020年3月19日、クラウド Watchに掲載されたコンテンツを転載したものです】
海洋プラスティックを使用したノートPC
HP Elite Dragonfly G2
重さ989g、厚さ16.1mm、CNC削り出しのマグネシウムボディーの軽量ビジネスPC。多彩なセキュリティ機能に加え、のぞき見を防止する内蔵型プライバシースクリーン、物理シャッターを備えたカメラ、コラボレーションを促進する全方位マイクなど、ビジネスに必要な全てをエレガントなボディーに備えました。