2020.01.31

クリエイターから⾒た「HP Z1 Entry Tower G5」の魅⼒ スキャンCGの専⾨家も納得のコンパクト筺体と安⼼保証

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 動画編集やグラフィックワークで活躍する様々なクリエイターと共に、⽇本HPのクリエイター向けPC「HP Z1 Entry Tower G5」魅⼒に迫る集中連載「HP Z1 Entry Tower G5」クリエイターズファイル。前回はそのスペックとパフォーマンスをテクニカルライターの⽬線で検証してみたが、今回は、実際にデジタル業界で活躍するクリエイターに「HP Z1 Entry Tower G5」を評価してもらおう。

 テスターとして参加してくれたのは、CGSLAB合同会社 代表、⼭⽥有祐 (やまだ ゆうすけ)⽒。3Dソフトウェア代理店にてテクニカル・サポート業務に従事、その後、映像制作会社のシステム管理を経て、それまでのソフト・ハード知識からスキャン専⾨の会社、CGSLABを設⽴。そのほか、過去に、pixiv社が開発した3Dモデルを簡単に作成できる無料キャラメイカー「VRoid Studio」などのコンサルティングも担当している。

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スキャングラフィックス専⾨会社「CGSLAB」

——  まずは、CGSLABについてもう少し詳しく押してていただけますか︖

山田  CGSLAB合同会社では主に2D/3Dの⾼精度・⾼品質なスキャンサービスの提供と研究開発・制作を⾏っています。景観や⼩物、⼈物などをスキャンして、3Dモデルやテクスチャーを制作し、そうしたデータを映画やPVといった映像作品などに利⽤していただいています。

ARTEC 3D社の3Dスキャナー「Artec Space Spider」(写真左)と「Artec Leo」(写真右)

「Artec Leo」を使った3Dスキャンの実演デモ

——  CGSLABは、撮影スタジオとオペレーションルームが⼀体となっている。普段あまりお⽬にかかることがないような機器が所狭しと配置され、それらを駆使して様々なCGクリエイト業務に当たっている。

雑然とした中にラボ感を感じさせる社内

3Dプリンター

3Dプリンターその2

テクスチャースキャナー

レーザーカッター

撮影テントスタジオ

⼭⽥  私は主にハードやソフトの研究や開発を⾏っておりますが、他社へ出向して様々な検証なども⾏っています。ソフトウェアデモンストレーションやトレーニングから現場作業まで、就労⼈⼝の少ない業務を幅広く扱っています。

——  普段つかわれているマシンのスペックやソフトウェアなどはどんなものなんでしょう︖

⼭⽥  主にスキャン業務ではインテル® Core™ i7-8750H 2.2GHz搭載のノートPCを利⽤しています。こちらのマシンのGPUは、NVIDIA GeForce GTX1060 6GB GDDR5です。

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⼭⽥  ⾃⾝では開発環境として、インテル® Core™ i7-6850K搭載の⾃作PCを使っています。

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⼭⽥  このほか、サブマシンとして⽇本HPの「HP Z600」も利⽤しているので、その点でも「Z1」と⽐較できるかなと思います。

 ソフトウェアは、主にオープンソースの3Dソフト「Blender」と、3Dスキャン⽤のソフトとしてARTEC 3D社の「Artec Studio」を使っています。

オープンソースの3Dソフト「Blender」

ARTEC 3D社の「Artec Studio」

総合的に⾒て満⾜度の⾼いマシン

「HP Z1 Entry Tower G5」をテストする⼭⽥⽒

——  それでは、「HP Z1 Entry Tower G5」をご使⽤いただいた感想を聞かせてもらえますか︖

⼭⽥  今回のHP Z1のパフォーマンスモデルですが、外⾒でいうとワークステーションラインのスペックからみてかなりコンパクトに収まっているマシンだなというのが初⾒で⾒たときの感想でした。このサイズですとデスクの上や下などどこでも設置できるという印象です。実際、テスト使⽤させていただいた時はディスプレーの裏に設置させていただき、まったく問題なく操作していました。

 またワークステーションラインのマシンというと堅牢性が重視される都合上、重くて⼤きいモノでしたが今回お借りしたモデルはかなり軽量でした。VR系のマシンはノート型なども発売され、わりとデモンストレーションなどでの移動がある⽅はノート型のほうを考えるかと思うのですがこの重さなら問題なく持ち運びも可能かと思いました。

 それと、⾳がものすごく静かですね。レンダリングなども試しましたがこれなら深夜に周囲へ配慮せずとも作業できるレベルです。エアコンの⾳の⽅が⼤きいくらいですね(笑)。

 パフォーマンスモデルのCPUは、インテル® Core™ i9-9900です。私の利⽤しているマシンのCPUであるCore™ i7-6850Kは、いわゆる6コア版の「Broadwell-E」で2016年当時のハイエンドCPU。これと⽐較すると、第9世代インテル® Core™プロセッサーであるCore™ i9-9900では、コア数も8コアになっており、 最⼤動作クロック周波数もCore™ i7-6850Kの3.8GHzから5.0GHzと、現状仕事に利⽤しているマシンより、処理速度も数段⾼速なのは⾔うまでもありません。
 
 普段、複数のマシンを動かしているので消費電力も気になるところですが、Z1はその観点からも優秀でした。レンダリング回している最⾼値でも220Wで、待機時は70W。とても優秀だと思います。

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待機時の消費電力(写真左)と⾼負荷時の消費電力

 NVMeで、そんなに使い込んでないというのもあるともいますが、とにかく起動が早いなーというのも好印象です。そうなると安定性がやはり気になる点ではありますので、その辺りの負荷をかけながら使⽤感を⾒てみました。
 
 インターフェースとしては前⾯にUSB3.1Gen2が2ポート、Gen1が1ポートあるのはSDカードやポータブルSSDなどでデータを取り込むことが多いので、これは⾮常に助かりました。総合的に⾒て、満⾜度の⾼いマシンでした。

——  メンテナンス性の⾼さもZ1の⻑所のひとつですが、そのあたりはいかがでしょう︖

⼭⽥  中も確認してみたんですが、マニュアルなど確認せずとも難なく開けることができました。Z600もそうでしたが、やっぱり⼯具無しで内部にアクセスできるのはポイントが⾼いです。内部もスッキリしていてメンテナンスしやすいですね。

 ただ側⾯のパネルは問題なくはずせるのですが、おもて⾯のパネルと連動しておらず、無理すると内部に⻲裂がはいる可能性があり、個⼈的にそこは改善していただけるとよいかなと思いました。

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⼯具要らずで開閉、拡張・改修作業ができるのも「HP Z1 Entry Tower G5」の⼤きな利点だ

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法⼈導⼊なら配置やサポート⾯で幅広いクリエイター職におすすめ

——  では最後に、この「HP Z1 Entry Tower G5」、どういう⽅にオススメできるでしょう︖

⼭⽥  価格⾯でいうと、昨今ではBTOゲーミングマシンが様々なショップなどからリリースされているのでそちらと⽐較すると、どうしても価格については割⾼になります。

 ですが標準で3年保証での翌⽇オンサイトサポート、オプションで当⽇オンサイトサポートも⽤意されているのでプロフェッショナル向けとして仕事で安⼼して利⽤できると思います。

 合わせて、他のVR Readyなマシンが⾮常に⼤きい筐体なことが多いので、「HP Z1 Entry Tower G5」のコンパクトで過度な装飾も少ないスタイリッシュな筐体は、VR機器と合わせて卓上・下問わず配置の幅が広いことで、導⼊しやすくなるかと思います。

 特にVRマシンはイベントやクライアント先でデモするために持ち運ぶことも多いでしょうから、そうした点でも、おすすめできると思います。ホビーユースでは同社のOMENシリーズなどが選択しやすいかとは思いますが、法⼈導⼊としてみれば配置やサポート⾯などで、VR⽤途以外の幅広いクリエイター職におすすめができるマシンだと思います。

プロの⽬から⾒ても満⾜度の⾼い「HP Z1 Entry Tower G5」

 今回の試⽤レポートでは、軽量・コンパクトな筺体、騒⾳性、消費電力、充実したインターフェース類、メンテナンス性の⾼さ、そしてなにより仕事の道具として捉えたときの、サポート体制の安⼼感。それらを総合的に評価したうえで、「仕事に使える」クリエイターPCとして幅広くおすすめできると太⿎判をもらうことができた。

 ⼭⽥⽒の指摘する「HP Z1 Entry Tower G5」の評価ポイントは、そのまま同機のアピールポイントと合致する。今回の試⽤レポでは、プロ⽬線でのお墨付きをもらったような格好だ。

 個⼈の趣味としてゲームもしたい、ちょっと動画投稿もしてみたい、っといった⽤途であれば、同じく⽇本HPのゲーミングブランドOMENシリーズでも……という判断もあるかもしれないが、仕事としてのクリエイティブワークを考えると、パフォーマンスと同等以上に、安定性や万が⼀のときのための保証は不可⽋と考えざるを得ない。そういった点で、「HP Z1 Entry Tower G5」はすべての職業クリエイターにとって魅⼒的な選択肢と⾔えるだろう。

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ASCII.jpより転載