2020.12.21
この冬、日本HPはシンクライアント製品新機種を発表した。それにあわせ、HPのシンクライアント製品の注目モデルである「HP mt32 Mobile Thin Client」をはじめとした3機種の新製品紹介および、AMDの最新プロセッサー解説やシンクライアント管理ツールのテクニカルセッションで構成されるコンテンツ「待望の1kgシンクラ登場!在宅、通勤を繰り返すハイブリッドワーク時代に最適な究極のデバイス」をリリースした。このコンテンツでは「HP mt32 Mobile Thin Client」の長期貸出によるPoC参加企業の募集も告知されるため、多くの注目が集まる内容となっている。
それではさっそく主要コンテンツの内容をダイジェストで紹介していこう。
シンクライアント製品の導入実績で国内No.1となっているHPから、ニューモデルが発表された。浦野氏が最初に紹介したのはデスクトップシンクライアントの新製品「HP t540 Thin Client」だ。この製品はAMDの最新プロセッサー「AMD Ryzen™ Embedded R1305G」を採用しておりパフォーマンスは前モデルと比較し約4倍に向上しています」と浦野氏。このほか、AMDメモリーガードに対応するのでセキュアな環境構築が容易で、最新のWi-Fi6にも対応するなど拡張性も高いのが特長だ。
日本国内シェアNo.1を獲得しているHPのシンクライアント製品群
デスクトップシンクライアントのニューモデル「HP t540 Thin Client」
続いてモバイルシンクライアントの紹介に入る前に浦野氏は「日本はモバイルシンクライアントの比率がとても高い国ですが、その傾向がますます強くなっています」とビジネストレンドの変化を分析。モバイルシンクライアントを採用するケースが増えることで、軽量でなおかつ壊れにくい端末が求められ、さらにWeb会議利用も増えパフォーマンスのより高い製品がより望まれるようになっているという。
モバイルシンクライアントへのニーズが高まっていると浦野氏は分析
その解答としてHPが提案するのが「HP mt32 Mobile Thin Client」と「HP mt46 Mobile Thin Client」だ。「mt32はそういった要求を叶える端末です。耐久試験をクリアした信頼性の高い1kgを切る軽量ボディ(※)に、パワフルなAMD Ryzen™3 プロセッサーや、覗き見防止のHP Sure View Reflectなどのセキュリティ機能を搭載して課題を解決します」と浦野氏。「mt46もベゼルを細くすることで、コンパクトで軽量に仕上げています。もちろん、AMD Ryzen™ 3 PROプロセッサーですからパフォーマンスも高く、快適な業務環境構築に貢献します」と浦野氏は語った。
※HP Sure View Reflect搭載モデルなど一部は約1.1kgとなります(詳細はスペックシートでご確認ください)。
モバイルシンクライアントのニューモデル「HP mt32 Mobile Thin Client」および「HP mt46 Mobile Thin Client」
現在、法人向けプロセッサー市場でシェアを伸ばし続けているAMDが今回紹介してくれたのは、HPシンクライアント製品にも採用されている「AMD Ryzen™ 4000シリーズプロセッサー」だ。このプロセッサーにはSMB向けノートPC用の「U-シリーズ」と、エンタープライズ向けに最適化されセキュリティも強化されている「Pro-シリーズ」の二つのラインアップがある。このプロセッサーについて「AMDのロードマップで最新となるZEN2コアを採用し、7nmプロセスで製造された最先端のテクノロジーが活かされています」と関根氏は解説する。
テクノロジー、性能、セキュリティの3つの観点から、AMD RYZEN™ 4000シリーズプロセッサーを解説
今回紹介されたHPのシンクライアント製品のニューモデルにはそれぞれ「AMD Ryzen™ 3 PRO」、「AMD Ryzen™ 3 」シリーズが採用されており、処理能力の高さと低消費電力のほか、高い描画能力で定評のある「AMD Radeon™ Graphics」を5基搭載しているのが特長だ。「先代のプロセッサーと比較して、グラフィックスも高速処理が可能になっており、よりパフォーマンスを発揮しやすい最高性能のプロセッサーとなっています」と関根氏は語る。
HPシンクライアント製品に搭載される主力モデルのスペック
また、AMD Ryzen™ 4000 シリーズプロセッサーは、x86プロセッサーとは別にセキュリティ専用の「AMD セキュア プロセッサー」を内蔵している。「この機能により、各種セキュリティを高めるために必要なセキュアキーの生成管理をおこなうことができるようになります」と関根氏。例えば、AMD PROプロセッサーに採用されている「AMDメモリーガード」では、物理メモリーにデータを格納する際に暗号化をおこなうことができる。「仮にマルウエアに侵入されデータを盗まれても内容を読み取ることはできません」と関根氏は解説した。
メモリー内データの暗号化を実現する「AMD メモリーガード」
田中氏はWeb会議ツールとして現在主流となっている「Zoom」「Microsoft Teams」「Skype for Business」の各サービスと、VDIプラットフォーム「Citrix Virtual Apps & Desktops」「VMware Horizon View」など、それぞれの環境における対応状況を説明。田中氏は「OSによって利用可能とそうでないものがありますが、プリインストールされていないものでも別途ダウンロードすることで使えるケースもあります」と注意をうながした。また、VDIにおけるローカルリダイレクションの仕組みも解説。Web会議をシンクライアント環境で実践するための基礎知識を分かりやすく説明した。
使用する機会が増えているWeb会議ツールのVDI対応状況を解説。
ホワイトペーパーも公開されている。
※対応状況はアップデート等により変更されることがあります。最新の対応状況はお問い合わせください。
続いて「HP Device Manager 5.0(以降、HPDM 5.0)」の特長を紹介。「HPシンクライアントをご利用であれば無償で提供されます。サポート対応も可能なので安心です。またインストールや操作が簡単でマニュアルも提供します。さらに10万台のデバイスがあっても管理が可能で、ルールを設定することで自動運用もできます」と田中氏は語る。その後、同氏はイメージング、ファイル・レジストリ操作、デバイス操作、設定変更、資産管理といったHPDM 5.0の主要機能の説明や、デモンストレーションなどをおこない、管理ツールとしての使いやすさと高機能性をアピールした。特にデモンストレーションはHPDM 5.0の実際の画面を使った実践形式だったので、現場でオペレーションをおこなう管理者には必見の内容となっていた。
導入から運用までカバーできるHPDM 5.0の主要機能
実際の画面を使ったデモを実施。今回は「デバイスの管理」について解説した
シンクライアント最新製品を体感!
「HP mt32 Mobile Thin Client」PoC協力企業募集のお知らせ
HPでは、今回のセミナーでも紹介された「HP mt32 Mobile Thin Client」を対象としたPoC(概念実証)に参加いただける企業様を募集しています。
対象は100名以上の企業でテレワーク制度を導入されているか、あるいは今後導入を検討していることが前提となります。また、約2か月の評価期間の前後に、本企画にご応募された経緯や、試用後の感想、その後の取り組みへの抱負等を取材(オンライン取材となります)させていただきます。
今回の募集企業数は15社で、対象製品は「HP mt32 Mobile Thin Client / 1台」となっています。お申し込みは2021年1月15日まで、機器の貸し出しは2月中旬からを予定しています。ご応募多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。ご応募は下記にて受け付けておりますので、ふるってのご参加をお待ちしております。