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日本HPはビジネスにWindows 10 Pro をお勧めします。

2021.09.22

“自宅リビングに置けるデザインの仕事用マシン” GPU搭載の一体型デスクトップPCを使ってみた

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業が積極的にテレワークを推進している。この約1年間に自宅で仕事をする人も急激に増えた。テレワークでも作業効率が大きく低下しないと分かり、感染収束後もテレワークを継続する予定の企業もかなり増えている。

 自宅で働く場合も仕事はPC上で行う。従業員の作業効率を高めるにはテレワークに適したPCの支給が必要だ。テレワークというと、持ち運びできるノートPCを支給するというイメージが強いが、今後もテレワークを続けると決まっているなら、性能面でコストパフォーマンスが高いデスクトップPCを選ぶのも一つの選択肢になる。PCを外に持ち運びしない用途であれば、作業効率性を重視した大きなディスプレイも選べるだろう。

 そのような背景から、PCメーカー各社もテレワーク環境に求められる要素と利便性、デザインを兼ね備えたPCを続々と投入している。今回は中でも日本HPが6月に発売した「EliteOne 800 G6 All-in-One 27インチモデル」を試用する機会を得たので、その魅力をチェックしていこう。

平澤寿康

 フリーライター。
1990年代からPCやモバイル分野を中心に、近年はモバイル決済や非接触決済、リテール分野なども含めて取材および記事執筆を行っている。

インテリアと共存する、薄く大きな一体型デスクトップPC

 まずは何といってもデザイン性だ。一般的な法人用のタワー型デスクトップPCは、明らかに業務用といった見た目で、自宅に置いていると異質に感じられる。プライベートな空間に職場が混ざりこんだような感覚だ。

 EliteOne 800 G6 All-in-Oneを見てほしい。一体型デスクトップPCなので本体は薄型・非光沢液晶ディスプレイのみ。幅が約60cm、高さが約33cmの大きな画面を持ちながら、ベゼル幅はわずか4mmに抑えられ、すっきりとした印象を与える。本体カラーの落ち着いたシルバーと合わさってスタイリッシュなデザインだ。書斎はもちろんリビングに置いても違和感がない。

EliteOne 800 G6 All-in-One

 狭ベゼルを実現するため、カメラがポップアップ式なのも面白い。Web会議などで使わないときはカメラユニットを収納してレンズ自体を物理的に隠せるため、プライバシーの確保や、従業員の心理的な負担を軽減できる。

Webカメラはポップアップ式で、使わないときは収納できる

 シンプルなのはデザインだけではない。EliteOne 800 G6 All-in-Oneは省スペースなのはもちろん、設置も簡単だ。

 タワー型デスクトップPCは、本体とディスプレイ、キーボードなどの周辺機器があり、場所を取る上、取り回しにも制限がある。あまりPCに詳しくない人の中には、PCと周辺機器を接続するのも難しいという人もいるだろう。

 EliteOne 800 G6 All-in-OneはディスプレイにPCとしての機能を内蔵しているため、別途PC本体を設置する必要がない。ディスプレイにマウスとキーボードをつないで電源を付ければすぐ使える。設置のシンプルさは使いやすさにも直結すると実感できる。

EliteOne 800 G6 All-in-Oneなら机の上がすっきりする

 ワイヤレス接続の周辺機器を使えば、電源コード以外のケーブルが一切いらないのも一体型デスクトップPCの特徴の一つ。設置場所が限られる自宅でもコンセントがあれば自由に設置できるのがありがたい。

事務作業には23.8インチ、クリエイターには27インチモデル

 EliteOne 800 G6 All-in-Oneシリーズには23.8インチモデルと27インチモデルがあり、それぞれに適した用途がある。

 23.8インチモデルはスタンドを含めた大きさが53.9(幅)×23.7(高さ)×54.1(奥行き)cmのコンパクトなPC。東京で生産するため、ニーズに合わせたカスタマイズが可能で、最短5日の短期納品にも対応できる。価格は10万円からとリーズナブルで、事務作業に最適なモデルだ。

 今回レビューする27インチモデルは、クリエイター向けのPCだ。ディスプレイには正確な色表示が可能なIPS方式の液晶パネルを採用した上、タッチ操作にも対応。感覚的でスピーディーな作業を実現する。

 また、映像処理に対応できるようGPUもNVDIAの「GeForce RTX 2070 SUPER」を搭載。クリエイター向けとして本気の構成だ。

 例えば、デザイナーや映像クリエイターなど、クリエイティブな仕事をする従業員には27インチモデル。経理や総務など事務的な作業をする従業員には23.8インチモデルなど、用途に合わせた選択ができる点もEliteOne 800 G6 All-in-Oneシリーズの強みといえる。

省スペースでもハイスペック GPU搭載の処理性能はいかに

 いよいよ27インチモデルの使用感を見てみよう。EliteOne 800 G6 All-in-Oneは省スペースでもクリエイター向けとして十分な処理性能を持っている。

 一般的に、一体型デスクトップPCは本体をスリム化するためノートPC向けのシステムを採用する例が多い。しかしEliteOne 800 G6 All-in-Oneは省スペース性を犠牲にすることなくデスクトップPC向けのシステムを採用。試用機にはインテル第11世代CPU「Core i7-10700」を搭載。これは8コア16スレッド、クロック周波数は最大4.8GHzのハイスペックモデル。GPUのGeForce RTX 2070 SUPERは2560コア、クロック周波数が最大1.77GHz、メモリが8GBで、ノートPCではまず見ない構成になっている。

 この他にもPCIe/NVMe準拠の高速SSD(512GB)を搭載し、Wi-Fi 6に対応するなど、スペック面の充実度は高い。

 実際に使ってみても全く不満を感じない。Web会議を行いながらオフィスソフトを複数立ち上げて同時に作業してみても、動作が重いと感じる場面は皆無だった。写真や動画の編集をする際、操作のたびに動作が重くなるようではイライラが募ってしまうが、CPUもGPUも高性能なため、作業が詰まるという感覚がない。

 ベンチマークテストでも性能の高さが確認できる。「PCMark 10」の結果はハイエンドクラスのノートPCをはるかに上回っている。3Dグラフィックスのベンチマーク「3DMark」でも非常に優れたスコアが得られた。

PCMark 10の総合結果は6333

 それでいて動作音が静かな点も見逃せない。一般的に高性能なCPUやGPUを搭載するPCは冷却ファンの動作音が大きく、かなりうるさく感じることが多い。しかし本機は負荷を掛けても静かで、自宅での利用を考えるとありがたい。

 3Dモデルをリアルタイムに動かしながら作業したい場合など、より高い処理性能を求めるクリエイター向けには、GeForce RTX 2070 SUPERより高性能なGeForce RTX 3070を搭載できるタワー型PC「HP EliteDesk 800 G6/G8 TWR」がおすすめだ。

ディスプレイにタッチ液晶を採用 ちょっとした操作をスピーディーに

 処理性能が高くても画面が小さくては複数の作業を同時並行できない。EliteOne 800 G6 All-in-Oneはその点、27インチ(2560×1440ピクセル)の大型ディスプレイを採用している。

 ビジネスシーンで使われるディスプレイの多くは24型フルHDが主流だ。マルチディスプレイにして作業している人もいるが、自宅で複数のディスプレイを設置するスペースを確保するのは難しい場合も多い。画面サイズと画面解像度を大きくして1画面でも快適に作業できるようにすれば、複数のアプリを並べて利用する場合でも快適だ。

 発色も鮮やかで、写真や映像の編集作業でも、本来の色味をしっかり確認しながら作業できる。

 また、特徴的なタッチパネル対応だが、直感的に画面をタッチで操作できるという点は、実際に使ってみると想像以上に便利。特に簡単なウィンドウ操作や確認ダイアログのOKボタンを押す場合など、マウスでは地味に時間がかかる操作をする際にかなり重宝する。

 例えば、写真編集の際には写真の回転や移動、拡大縮小をすることがある。ショートカットキーを使っているクリエイターも多いが、画面タッチと組み合わせることでより素早く作業できる。マウスでやるしかない操作を全て指でできると考えれば、その効果を実感できるだろう。

Webカメラは500万画素、マイクはノイズキャンセリング機能付き

 EliteOne 800 G6 All-in-Oneシリーズは、23.8インチモデルも27インチモデルもWebカメラとマイクを内蔵しているためWeb会議にも対応できる。ノートPCなどに搭載されるWebカメラは100~200万画素がほとんどだが、本機のWebカメラは500万画素で解像度は2K以上。テレワーク中のWeb会議でも鮮明で美しい映像を届けられる。

 マイクとスピーカーにもこだわりがある。複数ある内蔵マイクは自分の声を鮮明に届けるだけでなく、子供の泣き声やサイレンなどの音をほとんど分からないレベルにまで低減するノイズキャンセリング機能を備えている。テレワークをする際は生活音がWeb会議に載ってしまうのが気になるが、会議のたびに周囲の音に気を遣う必要がないのが便利だ。

 スピーカーはデンマークの高級オーディオメーカー「Bang & Olufsen」が監修。同社は高いデザイン性が特徴のメーカーで、EliteOne 800 G6 All-in-Oneシリーズの画面下にあるメッシュのようなスピーカーのデザインには、確かにBang & Olufsenのカラーが反映されている。

ソフトとハードの両面で情報を守る

 法人向けPCは機密情報を扱うこともあり、高度なセキュリティ機能が求められる。もちろんテレワーク用PCでも同様だ。EliteOne 800 G6 All-in-Oneはその点も不安がない。

  • ・AIを活用して未知のマルウェアも検知しブロックする「HP Sure Sense」
  • ・BIOSの改ざんなどの脅威を検知して自動復旧する「HP Sure Start」
  • ・PCが全く起動しなくなっても自動で正常な状態にリカバリーする「HP Sure Recover」
  • ・ウイルス対策ソフトやセキュリティ機能をオフにさせない「HP Sure Run」
  • ・万が一マルウェアを開いてしまっても感染から自動復旧する「HP Sure Click」

 これらの機能を標準搭載している。ソフトウェアはもちろんハードウェアをターゲットとした脅威にも対応でき、安心して業務に利用できる。

 また、不正ログオン対策のためWindows Hello対応の顔認証にも対応。これにより、PC前に座るだけで即座にログオンできるだけでなく、家族のログオンを防げる。高度なセキュリティ性を確保しつつログオンを簡便化でき、利便性も大きく高めてくれる。

 このようにEliteOne 800 G6 All-in-Oneは、法人向けPCでありながらスタイリッシュなデザインを採用しつつ、高度なセキュリティ機能を備え、ハイエンドPCに匹敵する性能で快適に利用できる、非常に完成度の高い法人向けディスプレイ一体型デスクトップPCに仕上がっている。企業はもちろん、在宅勤務を行う従業員も安心かつ快適に利用できるPCとして、強くおすすめしたい。

 ※好評につき品薄のため、在庫についてはHPコールセンターもしくはHP取扱い販売店にご確認ください(2021年9月13日時点)

※本記事は2021年09月13日、ITmedia NEWS SPECIAL に掲載されたコンテンツを転載したものです

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