AI PCはどこまで進化するのか ─ インテル® Core™Ultra シリーズ3 の実力を解説

2026年初、米ラスベガスで開催された年明け恒例の世界最大のテクノロジー見本市CESにおいて、Intel®がCore™Ultra シリーズ3 プロセッサーを発表しました。最先端のIntel 18A半導体プロセス技術を採用した最初のプロセッサーです。

強力なモバイルプロセッサーとして卓越したパフォーマンス、グラフィックス性能、バッテリー駆動時間を実現したこのSoCは、世界の主要パートナーが200以上の機種に採用し、Intelのプラットフォームとして最も広く採用されるAIプラットフォームとして提供されることになります。

この最新プロセッサーは、この先のAI PCをどのように方向付けていくことになるのでしょう。

2026年2月3日(火)、東京でのプライベートイベント「Intel Connection Japan 2026」における基調講演でインテル® Core™Ultra シリーズ3を披露するデビット・フェン氏(クライアント・コンピューティング事業本部副社長兼クライアント・セグメント担当本部長)。
2026年2月3日(火)、東京でのプライベートイベント「Intel Connection Japan 2026」における基調講演でインテル® Core™Ultra シリーズ3を披露するデビット・フェン氏(クライアント・コンピューティング事業本部副社長兼クライアント・セグメント担当本部長)。
2026年2月3日(火)、東京でのプライベートイベント「Intel Connection Japan 2026」における基調講演でインテル® Core™Ultra シリーズ3 を披露するデビット・フェン 氏(クライアント・コンピューティング事業本部副社長兼クライアント・セグメント担当本部長)。

インテル® Core™Ultra シリーズ は、長年続いたCore iブランドを刷新し、AI処理を効率的かつ低消費電力で行うためのNPUの統合や、タイル設計への移行など、Intelのプロセッサー設計における大きな転換点となった製品群です。

2023年12月に発表されたシリーズ1、すなわち初代のCore Ultraは、それまでのシリコン設計を、コンピュート、グラフィックス、SoC、I/Oを独自のパッケージング技術を使って、複数のタイルを連結するチップレット設計へと移行しました。

その翌年、2024年にはCore Ultraは2つのアーキテクチャに分岐します。コードネームでいうとLunar LakeとArrow Lakeです。前者は薄型軽量ノートPC向け、後者はデスクトップやハイエンドノート向けとされました。特に、前者のLunar LakeはNPUの性能を最大48TOPSまで大幅に強化しています。メモリをパッケージ上に統合し、消費電力を低減してバッテリー駆動時間を延ばすことに成功しています。また、Arrow LakeはNPUの強化は見送られましたが、ハイパースレッディング技術を廃止するなどの大胆な設計変更が行われました。

そしていよいよ今年2026年、満を持して登場したのがシリーズ3です。開発コード名Panther Lakeとして開発されてきた製品です。新しいCPUコアを持ち、第3世代のグラフィックスXe3を搭載、最大50TOPSに達する第5世代NPUをひとつのパッケージに統合しています。Intelのファウンドリでの製造に回帰し、最先端のIntel 18Aプロセスルールで製造されています。

CES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より
CES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より
CES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より

アーキテクチャは大きく進化しました。CPUがPコアとEコアで構成されている点では前世代と同様ですが、最大4基のPコア、最大8基のEコア、そして、さらに低消費電力のLPEコアを最大4基持ち、前世代比最大60%のマルチスレッド性能の向上を果たしました。LPEコアはシステムを眠らせたまま最低限の動作を維持する極低消費電力コアとして機能します。

また、Xe3アーキテクチャを採用したグラフィックスは最大77%の高速化を実現しています。単体で50TOPSのNPUとあわせ、システム全体では最大180TOPSのAI処理性能を持ちます。

日本HPからもこの新世代プロセッサー搭載の製品が発表され、すでに発売が開始されています。ビジネス向け製品としてはHP EliteBook X G2i 14 AI PCと HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PCがCore Ultra X7 プロセッサー358Hを、個人向けPCとしてはHP OmniBook Ultra 14-kdがCore Ultra 7 プロセッサー356H、またはCore Ultra X9 プロセッサー388Hを搭載しています。ビジネス向けPCに搭載されているX7は、新たなクラスで最高性能のグラフィックスを統合しています。従来のモバイル向けプロセッサーを凌駕する最高峰のグラフィックス性能を備えたハイエンドモデルという位置付けになります。

ご存じの通り、ここ数年のPC業界を取り巻く状況は生成AI一色に塗りつぶされているといっても過言ではありません。この状況下で、ビジネスにおけるAIの利活用は欠かすことができない要素であることも新しい当たり前として浸透しています。

しかも、クラウドサービスとして提供されることがほとんどだったAIが、PCローカルで機能することが求められるようになってきています。機密の漏洩や他者の知的財産の侵害を抑止し、自社内に閉じた情報処理によるAI活用を求める組織が増えてきているのです。

処理がPC内、あるいは、少なくとも自社ネットワーク内に閉じて処理されることが保証されれば、機密が外部に漏れたり、AIとのセッション内容がAIの学習のために第三者に使われたりする心配はありません。そのためには、PCが高いAI処理性能を持つ必要があるのです。もちろん自分しか使わないPCですから、そのレスポンスについても担保されます。

こうした理由で、プロセッサーにはAI処理が実用レベルでできるだけの性能が求められるようになりつつあります。

また、Core iシリーズ時代のx86プロセッサーは、消費電力の高さが課題となっていました。競合他社の製品に対してバッテリー駆動時間などで劣る場面が少なくなかったのです。

また、過去のモバイル向けプロセッサーにおける内蔵グラフィックスは、その性能が決して満足できるレベルにあったとはいえず、外出先で高負荷なクリエイティブ作業を行うのは困難でした。オンライン会議が浸透し、画像処理や音声処理にGPUが積極的に使われるようになったこともバッテリー駆動時間を短くしていった要因です。

そこでIntelは歴代でもっとも電力効率の高いx86プロセッサーを目指し、徹底的な消費電力の削減を目指しました。また、単体グラフィックスがなくても、高度な作業をマルチタスクでこなせる最高性能の統合型グラフィックスをめざし、X9やX7クラスが新設されました。

しかも、PC向けのみならず、ロボット工学やスマートシティといった環境におけるエッジAIや産業用途での利用を想定し、それらの現場における高い処理能力とコスト削減効果を提供できるプラットフォームが目指されています。

こうした取り組みで開発が行われ、ついに完成したのがCore Ultraシリーズ3だったというわけです。

Intelは2021年に第12世代Coreプロセッサーで、PコアとEコアという用途別の2種類のコアを導入しました。Pはパフォーマンス、Eはエフィシエント(効率)を優先することを意味します。

当時はまだ、ハイパースレッディングに対応していましたが、Eコアは対象外でした。8つのPコアと4つのEコアが搭載されている場合、Pコアは16スレッド、Eコアは4スレッド、合計20スレッドを同時に駆動することができました。

その後、Core Ultraシリーズ2において、ハイパースレッディングは廃止されました。その理由は3つあります。まず、ハイパースレッディングを実行するために複雑な制御をPコアから省くことでコアの設計がシンプルになり、消費電力の大幅削減とチップ上のシリコン面積の縮小が実現できるからです。

もうひとつは、Eコアが大幅に性能向上したため、Pコアの仮想スレッドに処理させるよりも、Eコアにまかせたほうがシステム全体の処理速度やワット当たりのパフォーマンスが高くなったことがあります。

しかし、最後の理由として、複雑なスレッド管理をなくし、物理コアとしてOSに任せてしまうほうが、パフォーマンスが安定し、効率的になると判断されたことが大きいといえます。

ハイパースレッディングを廃止して仮想スレッドの管理が不要になったためアルゴリズムは大幅にシンプルになりました。つまり、スケジューリングの複雑さによる考えすぎが電力を消費してきたともいえそうです。

また、電力管理システムとも、より緊密に連携することで、タスクの負荷に応じて最も電力効率の良いコアに瞬時に処理を移行させるなど、システム全体のバッテリー駆動時間延長と発熱低減に大きく貢献しています。

仕組みとしては、OSで発生したタスクはまず原則としてLPEコアに割り当てられます。バックグラウンドの更新処理、音楽再生、アイドリング状態のシステムタスクなどはすべてこのLPEコアだけで完結します。この間、電力を大量に消費するPコアやEコアにはまったく電源が供給されず、これが驚異的なバッテリー駆動時間を生み出します。

LPEコアだけでは処理が追いつかないほどタスクの負荷が高まった場合、あるいはLPEコアの処理枠がすべて埋まった場合、OSに対して「タスクをEコアへ移動させる」よう指示を出します。複数タブを開いたブラウジングや一般的なオフィスソフトの操作などはこのEコアで処理されます。Eコアはパフォーマンスと電力効率のバランスが最も良く、日常的なマルチタスクの主力を担います。

そして、ゲームの起動、動画のエンコード処理、大容量ファイルの展開など、瞬発的かつ極めて高い処理能力が要求される重いタスクが発生したと検知した場合のみ、タスクは最上位のPコアへと昇格します。Pコアは消費電力が大きい代わりに最高のパフォーマンスを発揮するため、ここぞという場面でのみ稼働させます。

Pコアでの重い処理が完了した、あるいはユーザーがそのアプリをバックグラウンドに回したと判断されると、即座にそのタスクをEコアやLPEコアへと降格させます。役割を終えたPコアやEコアは速やかにスリープ状態(電源オフ)に戻され、無駄な電力消費を徹底的に防ぎます。

これが歴代でもっとも電力効率の高いx86プロセッサーの徹底した低消費電力のからくりです。

IntelのCES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より
IntelのCES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より
CES 2026時のIntel® Core™Ultra Series3 発表資料より

HP EliteBook X G2i 14 AI PCはHPのビジネスPCとして、AI利用を追求し、モビリティとパフォーマンスを両立させた超軽量の製品です。もちろんMicrosoftが定義するCopilot+ PCとしての要件も満たします。

重量も現在販売されているモデルで約1.099kgと軽量ですが、今後は999gまで軽量化されたモデルの登場も予定されています。しかし堅牢さにも妥協はありません。米軍調達基準(MIL-STD-810H)に準拠しています。

ACアダプターは飛躍的にコンパクトなものが採用されました。65WのUSB PDアダプターはスマホ用のアダプターと比べても遜色のない携行性をかなえます。

また、HP eSIM Connect対応モデルを選択することで、デバイス料金に5年間の無制限のデータ通信料金が含まれ、液晶を開けばいつでもどこでもインターネットにつながるという環境を実現します。

HPによる次世代のAI PCとして、素晴らしい仕上がりです。

HP EliteBook X G2i 14 AI PC(クラムシェルモデル)
HP EliteBook X G2i 14 AI PC(クラムシェルモデル)
HP EliteBook X G2i 14 AI PC(クラムシェルモデル)
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC(コンバーチブルモデル)
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC(コンバーチブルモデル)
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PC(コンバーチブルモデル)

インテル® Core™Ultra シリーズ3 は、最先端プロセスと新アーキテクチャによって、AI性能と電力効率を高い次元で両立した世代のプロセッサーです。CPU、GPU、NPUを統合したヘテロジニアス構成の完成度をさらに高めたことで、これまでクラウドに依存することが前提だったAI処理を、ローカル環境でも現実的に運用できる段階へと押し上げました。

この進化は、単なるスペック向上にとどまりません。セキュリティやレスポンス、コストといった観点から、企業におけるAI活用の前提そのものを変えつつあります。AIは「外部のサービス」から「PCに常駐する機能」へと位置づけが変わり、AI PCは特別な用途のための高性能機ではなく、日常業務に組み込まれる基盤へと移行し始めています。

その中核を担うプロセッサーとして、Core Ultra シリーズ3は今後のPCの方向性を示す重要な転換点といえるでしょう。そして、HP EliteBook X G2i 14 AI PCのような製品は、その変化をいち早く体現する存在として、これからのビジネス環境における新たなスタンダードを提示していくはずです。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。
また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

ハイブリッドワークに最適化された、Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

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