2025年のAIパソコンを考える

2025-01-16

フリーランスライター:三浦 優子

2025年10月14日でWindows 10のサポートが終了することもあって、パソコンの買い換えを考えている企業も多いのではないでしょうか?今日、AIが様々な場面で活用されるようになり、Windows 10の導入時点では想定していなかった、NPU(Neural Processing Unit)が搭載されるなどビジネスパソコンに求められる仕様も大きく変わってきています。企業の場合、パソコンを導入すると3年、5年といった長期間使用することが多く、長期的に利用することを想定し、導入する製品を選択する必要があります。最新のAIの動向などから購入すべきパソコン像を考えてみます。

(日本マイクロソフト 2024年12月18日開催記者会見 配布資料より)
(日本マイクロソフト 2024年12月18日開催記者会見 配布資料より)

ついにAIエージェントを発表したマイクロソフト

生成AIが発表されて以来、次々に新しいAIに関する発表が行われてきました。が、2024年末になり、企業でAIを利用する際の本命となりそうな、「AIエージェント」をマイクロソフトが発表しました。開発者向けグローバルイベントIgniteでCEOであるサティア・ナデラ氏自身が基調講演の中で発表を行いました。

AIエージェントとは、どんなものなのか。マイクロソフトでは次のように説明しています。

「AI エージェントとは、ユーザーと一緒に、あるいはユーザーの代わりに、たとえば質問への回答から、より複雑なマルチステップのタスクまで幅広い作業をこなすことができる、生成 AI の力をさらに一歩進めた存在です。特定の専門性を持たせたり、カスタマイズしたりすることが可能です」

生成AIが発表されて以降、調べ物やChatBotを作成して利用するといった使い方をされてきましたが、AIエージェントはそこから一歩進んで、次のような特徴を持っているそうです。

  • 自立性=AIチャットサービスは、ユーザーの指示に基づいて動作する。それに対し、AIエージェントは、与えられた目標に基づいて独立して行動し、ユーザーの介入を最小限に抑える
  • 目標指向=AIチャットサービスは、ユーザーの質問に答えることに主眼を置いているのに対し、AIエージェントは、特定の目標やタスクの達成に向けて計画を立てて行動する
  • 高度な推論=AIチャットサービスは、シンプルな一問一答に限定されることが多い。AIエージェントは、複雑で連続した対話の中からタスクを処理する能力を持つ。必要に応じて複数のエージェントを用意して協調し問題を解決することもある。

この特徴を見ると、乱暴な言い方かもしれませんが、従来のAIチャットサービスは検索サービスが賢くなった程度のものにすぎず、AIエージェントは自分で考えて行動するサービスへと大幅に進化したものと考えることができそうです。仕事を進める中で、人間が考える必要のないルーチンワークはAIエージェントに任せ、人間側は人間にしかできないであろう本来の業務に必要な作業に集中する――AIエージェントによって、そんな世界へ進む道筋が見え始めたのではないでしょうか。

もちろん、AIエージェントが登場した途端にそんな便利な世界が一気にできるわけではないでしょう。当初は段階的にそんな世界が実現することもあるでしょう。ある部分は見直しが必要になるということもあるかもしれません。そんなことを繰り返しながら、AIに任せながら仕事を進める、現在よりも便利で、効率的に仕事を進める世界がAIエージェントによって始まっていきそうです。

ちなみに、AIを利用する際のユーザーインターフェースとなるのがCopilotだとマイクロソフトでは説明しています。Copilotを介して、AIエージェントを利用していくことになり、Copilotの持つ役割はさらに大きいものとなりそうです。

(日本マイクロソフト 2024年12月18日開催記者会見 配布資料より)
NEXT サードパーティアプリケーションやカスタムアプリ用AIエージェントも登場

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