本リリースは、HP Inc.（以下「HP」）が、2023年11月7日（現地時間）にフランクフルトで発表したプレスリリースに基づいて作成した日本語抄訳です。

本発表のハイライト

• 3Dプリンティングの適用と生産の拡大を加速し、パートナーやお客様のサステナブルな製造を促進
• BMWやDecathlonなどの業界のリーダーは、HPの材料やソリューションを活用して、サステナビリティの目標に向けた活動を推進
• 最新の樹脂材料ソリューションを発表し、自動化とソフトウェアの機能を拡充
• 信頼性、カスタマイズ性を強化したHP Jet Fusion 5600シリーズを発表

HPは、3Dプリンティングの樹脂分野の適用と生産の拡大を加速するため、最新のイノベーション、材料、ツール、ソフトウェアの拡張機能など、サステナブルな製造への取り組みの強化を発表しました。HPは、BMWやDecathlonなど、業界をリードするパートナーや顧客との提携にも力を入れています。

HP のパーソナライゼーション& 3Dプリンティング事業担当プレジデント兼チーフインキュベーションオフィサーであるSavi Bavejaは次のように述べています。「HPのパートナーやお客様は、私たちの最新のイノベーション、機能拡張、継続的な取り組みを通して、サステナブルな製造を実現するための機会を創出、拡大しています。各業界がより環境に優しく状況の変化に素早く対応する未来を創造するために、当社が貢献できることを誇りに思います。サステナビリティへの取り組みは、HPのビジョンの中核となっています」

〈サステナブルな製造への取り組み〉
HPは、サステナビリティに対して、カーボンフットプリントの削減、循環性社会の実現、よりインパクトのある成果のための知識共有という3つの柱で取り組んでいます。

HPの樹脂3Dプリント担当グローバル責任者であるFrançois Minecは次のように述べています。「HPの3Dプリンティングソリューション、機能、材料を通じてサステナブルな製造の推進をサポートするため、3つの共通の注力分野を掲げています。お客様が廃棄物を実質ゼロに削減したり、カーボンフットプリントを最小化することを支援するリサイクル性の高い材料に加え、カーボンフットプリントを計算する最新ツールの提供など、お客様が地球と人々に役立つ選択をする支援をしたいと考えています」

特筆すべき例として、HPはモビリティ業界のリーダーであるBMWグループと長年にわたりコラボレーションをしています。BMWは、HPのさまざまな3Dプリンティングソリューションを活用して、サステナブルな設計、材料、生産、およびアプリケーションの自動化の推進を検討しています。BMWグループのアディティブ・マニュファクチャリング部門の責任者であるJens Ertel氏は、共有ビジョンについて次のように強調しています。「私たちは生産プロセスのあらゆる部分を評価し、カーボンフットプリントを最小限に抑えるためにオペレーションを継続的に改善しています。HPは環境への責任を重視し、CO2を削減した材料を追加コストなしで提供しているため、円滑に採用することができます」

BMWグループは、HP Multi Jet Fusionテクノロジーを採用することで、開発の迅速化、リードタイムの短縮、および製造に対する柔軟でコスト効果の高いアプローチにつながりました。BMWグループは、コストを削減しながらサステナビリティゴールの達成をサポートするため、HP Jet Fusion 3D Automation Accessory（自動化アクセサリー）を使用しています。このソリューションは、アイドリング時間を最小限に抑え、3Dプリント造形に関わる人件費を削減し、連続生産における新しい機会を開拓できるよう設計されています。Ertel氏は次のように力説しています。「当社の製造モデルでは、HPのAutomation Accessoryを採用することで同じ3Dプリンターを使った場合にも造形量を倍増させることが可能で、プロジェクトのリードタイムを短縮することに貢献しています。3Dプリンティングのコスト削減と新たなビジネスケースにより、このソリューションの導入と3Dプリントパーツの需要が拡大するでしょう」

その他のHPのサステナビリティのハイライトは以下の通りです。

HPは、材料パートナーと提携し、サステナビリティとリサイクル性がより高い材料を開発しています。HPはArkemaと連携して、再生可能な資源であるヒマシ油から作ったバイオマス材料の開発を進めており、バイオメタンを利用してカーボンフットプリントをさらに削減しています。また、HPはEvonikと連携してリサイクル性の高い3Dプリント用のPA12（3D High Reusability PA12）を開発し、サステナビリティを強化しています。この材料は製造時に再生可能エネルギーを使用されており、PA12材料で一般的に発生するカーボンフットプリントを49%削減しつつ、PA12材料の持つ特性はそのまま維持しています。

DecathlonなどのHPのお客様は常に、サステナビリティの実践を改善する新しい機会の特定に取り組んでいます。Decathlonのアディティブ・マニュファクチャリング部門責任者のJulien Guillen氏は次のように述べています。「アディティブ・マニュファクチャリング、特にMulti Jet Fusionテクノロジーは、当社のスポーツ製品のライフサイクルを延長し、耐久性とアップグレード性を高め、製造プロセスにおける環境への影響を軽減することができます」

HPはカーボンフットプリント測定ソフトウェアをリリースします。このソフトウェアにより、お客様は特定の造形パーツのカーボンフットプリントの数値を計測できます。このツールはさまざまな業界で利用可能で、アディティブ・マニュファクチャリングの実施における環境への影響に関して、情報に基づく意思決定を行うことができます。

〈最新のイノベーションとパートナーの拡大〉
HPは、以下のような最新の樹脂3Dソリューション、高度な自動化機能、統合型ソフトウェアのオプションも提供しています。

HPの樹脂3Dプリントポートフォリオの最新のイノベーションに、HP Jet Fusion 5600シリーズが追加されます。HP Jet Fusion 5600シリーズは、再現性、信頼性、カスタマイズ性が大幅に強化されており、開発コストと検証コストを削減できます。PrototalやProtolabsなどのお客様は、すでにこの最新ソリューションを使用してパーツを生産しています。

Materialiseとの新たなパートナーシップにより、HPのMulti Jet FusionテクノロジーがMaterialiseのCO-AMソフトウェアプラットフォームに統合されたことで、3Dプリントの量産を加速します。この統合により3Dプリントのジョブ管理、装置のリアルタイム監視、および造形データの準備を最適化することが可能になり、製造メーカーは、トレーサビリティ、品質管理、および装置の稼働率を向上するワークフローを作成できます。

AutodeskとのコラボレーションによりHP Multi Jet Fusion方式のプリンターにはAutodesk Fusion 360がバンドルされており、設計と製造の統合ソリューションが提供できます。

現在、生産の合理化や効率の向上、ダウンタイムの削減を検討する企業向けに、HPとシーメンスによるオートメーションの概念実証のライブデモが公開されています。本ソリューションのデモはスペイン・バルセロナにある施設「D-Factory」にてご覧いただけます。この施設は、R&Dやアプリケーション開発、生産事例に関するパートナーや顧客とのコラボレーションのハブ拠点となっています。

◆HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューションに関する情報は、以下のURLを参照してください。
　https://jp.ext.hp.com/printers/3d-printers/

◆製品写真ライブラリ（画像データは以下のURLからご覧になれます。）
　http://www.hp.com/jp/3dprinter_pr/