新たなセキュリティ環境の構築を目指す
医療法人社団 三友会 (以降、三友会)は、埼玉県所沢市に拠点を構え、幅広い診療科を持つ一般外来から健康診断、訪問診療を展開する「彩のクリニック」を運営する医療法人だ。彩のクリニックは「信頼とやすらぎの医療」をコンセプトに掲げた地域密着型総合医療診療所として、市民にとってなくてはならない大切な医療サービスを提供している。
「今後、厚生労働省が全医療機関に対して電子カルテの導入を求めていく中で、従来紙カルテで運用していた私たちのクリニックでも2024年4月に電子カルテを稼働することが決定しました。一方で最近では大病院だけでなく中小の医療機関を狙ったランサムウェアによる被害も増えており、対策はしっかりしておかなくてはならないと考えていました。また、厚生労働省のガイドライン改定を受け、単にウイルス対策ソフトが入っていればいいという状況でもなくなったのです」と語るのは三友会 管理部 副部長の石井氏。
医療情報システムの安全管理に関するガイドラインが6.0版に改定されたことで、2024年度から保健所を通じて各医療機関へ立入検査が実施されることが決定。そこではチェックシートによる確認作業も行われる。
「ガイドラインを受けて、オンプレミス型の拠点であればUTM(ファイヤーウォールを含む統合脅威管理)、クラウド型であればゼロトラストモデルセキュリティの導入が求められています。三友会としても、チェックリストに対応できる体制づくりや、セキュリティシステムの構築が急がれました」と、三友会でDX推進を担当している鵜野氏は語る。
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」ページ
こうして、三友会は最新の脅威への備えはもちろん、ガイドラインへの対応を含めたセキュリティ体制および電子カルテ導入のためのシステム構築を目指し、行動を始めることになった。