大都市のベッドタウンとして成長を続ける長久手市
愛知県名古屋市の東に位置し、都心のベッドタウンとして人気の長久手市。歴史の舞台となった土地として有名だが、現在は都市化が進む地域と昔ながらの田園風景が調和する、暮らしやすい地域として評価が高まっている。「長久手市は名古屋に近い西側の区域が区画整理事業により、都市化が進められました。いまでは立派な街並みになっていますが、こちらは比較的新しく作られた地域です。一方東側は依然と変わらないのどかな景色があり、人々が落ち着いて暮らすことができるためか、名古屋市のベッドタウンとして多くのみなさまに愛される市に育っていると思います」と語るのは長久手市の伊藤氏。長久手市は伊藤氏が説明するように、住みやすい街であることが理由となり、全国的にみても人口増加率が高く、住んでいる人々の年齢層も日本で一番若い地域として知られている(2020年国勢調査)。
そんな長久手市がITシステムに課題を感じ始めたのは2021年に遡る。「2021年度末に、私たちの市でもDX推進計画を立て、基本方針を固めました。それまで以上に市民のみなさまによりよいサービスをお届けしたいということで、デジタルで解決できることは何か、DXチームを設置して調査することにしたのです」と当時を振り返る伊藤氏。
早速DXチームが市役所の職員らに対して調査したところ、業務改善等につながるようなアイデアが150個以上飛び出したという。「それらを整理、精査した結果、ネットワークの最適化という大きなテーマが見えてきました。中でも、クラウドサービスや検索エンジンなどを利用するインターネット活用には多くの期待が集まっていることが分かったのです」と伊藤氏。
長久手市はαモデルでシステムを運用しており、インターネット環境は使いやすいものとはいえなかった。「αモデルの中でインターネットを活用していく際の大きな課題としてセキュリティが担保しづらくなるというデメリットがあります。βモデルの移行も視野に様々なアイデアが出ましたが、どれも時間もコストも必要で、すぐにできるというものではなく、様々なシステムの比較検討をしていました」と長久手市の野田氏は語る。こうして長久手市は活用しやすいインターネット環境のためのソリューションを探していくことになった。
左から、
長久手市 市長公室 情報課 課長補佐兼情報政策係長 伊藤 友人氏、
長久手市 市長公室 情報課 情報政策係 主任 野田 将司氏
左から、アルファテック・ソリューションズ株式会社
社会公共事業部 技術部 自治体技術グループ 技術チーム リーダ 小嶋 孝夫氏、
社会公共事業部 営業部 自治体営業グループ 今津 直哉氏