成長を続ける石垣市
沖縄地方にある八重山諸島の中心として機能している石垣市は、台湾からわずか約270kmの位置にある石垣島に拠点を構える日本最南端の自然文化都市だ。周囲を環礁で囲まれた環境にあり、農業、畜産業、漁業などが盛んなほか、遠方からも多くの人々が訪れる世界屈指の人気の観光地でもある。
「2023年の10月、石垣市の人口は5万人を超えました。現在でも人口は増えており、みなさんに興味を持っていただいているのだと思います」と石垣市の近況を語るのは石垣市で企画部DX課に所属する波照間氏だ。そんな石垣市は、老朽化が進んでいた旧庁舎から、2021年に完成した新庁舎への拠点移動も完了している。新庁舎の設計は隈研吾建築都市設計事務所が担当しており、石垣島が誇る自然との調和とランドマークとしての機能とを両立している素晴らしい施設だ。人口が増え続けている石垣市のシンボルとしてふさわしい市役所といえる。
「石垣市では、αモデルのいわゆる三層分離システムを採用していました。ここ数年、インターネット活用へのニーズが高まっており、接続する際には別のサーバに接続をしてから使っていましたが、やはりそれでは動きが鈍く、使いづらいという意見が多くありました」と石垣市の波照間氏。それに加え、無害化ソリューションを利用する際に、データを保存してからまた取り出すといった工程を経る必要があり、職員からは手間がかかるという意見が多かったのだという。
左から、石垣市 企画部 DX課 DX係
主事 波照間 照史氏、
同主事 村山 信幹氏
「そんな中、インターネットの活用やファイルのやり取りをもっとスムーズに行えないか検討してみることにしたのです。まずは新しいソリューションにどのようなものがあるのか、調べてみることにしました」と村山氏はいう。こうして石垣市の新たなセキュリティソリューションのリサーチが始まった。
機能と実績でHP Sure Click Enterpriseを選択
以前から石垣市へのIT環境を中心とした提案・支援を行っていた株式会社興洋電子(以降、興洋電子)は、石垣市が抱えている課題感を受け取り、ある提案をする。「今回、石垣市様で課題になっていたのはインターネット活用時におけるレスポンスです。そういった意味ではセキュリティの高さと、業務を妨げない軽さも必要です。さらに生産性向上まで考えていくと、それほど多くのソリューションは残りません。そんな中で最終的に候補として残ったのがHP Sure Click Enterprise(以降、HP SCE)でした」と興洋電子 新垣氏は語る。
「当初は仮想デスクトップや画面転送に関して様々なアイデアでコスト削減を図りましたが、全国の自治体と同じくどのような機軸で既存のαモデルのシステムの中で対応していけばよいのか非常に悩まれました。ちょうど同じタイミングで興洋電子様が別の自治体でHP SCEの導入によって課題解決をされていたので、石垣市においても活用できるのではないかという結論に至りました」と、補足するのは石垣市最高情報責任者補佐員を務める株式会社シンクライアント総合研究所 取締役 シニアコンサルタント 奥野 克仁氏(以降、奥野氏)だ。
興洋電子はすでに自治体へのHP SCE導入を成功させた実績を持ち、そのノウハウが石垣市でも活かせると考えてのことだった。「実際に私もその自治体様へ訪問し、実際にHP SCEの効果とクライアントPC上での動作を確認させていただくことができました。業務で使っていても普段通りのスムーズさで、アプリケーションのレスポンスもよく、改めて魅力を感じました」と波照間氏は語る。
石垣市にはもうひとつ、既存のファイル無害化ソリューションとの連携も懸念事項であったが、これについても興洋電子が担当をしていたため、導入を考えるにあたり不安は消えていったという。「石垣市様にはHP SCEの動作も確認いただき、とても気に入っていただけました。さらに実際の運用においてファイル無害化ソリューションとの連携に対して課題にされるケースがあるのですが、こちらに関しても弊社では実績があったので、特に問題にはならないと考えて、正式にご提案することになりました」と新垣氏は語る。
こうして様々なソリューションの候補が集まった段階で石垣市は入札を実施。最終的に選ばれたのはHP SCEだった。
石垣市 最高情報責任者補佐員
奥野 克仁氏
株式会社 興洋電子
情報通信事業本部 情報通信システム部
新垣 亮平氏