TWRはタワー型の筐体を意味します。設置スペースさえ許せばタワー型の筐体は、いろいろな点で拡張性に優れ、望みの環境を容易に得ることができます。現代のPCには冷却が欠かせませんが、大きな筐体なら、大きなファンを低速で回転させることで必要な風量を確保できるので、稼働音が比較的静かだというメリットもあります。PCを使う場所によっては、あえてタワー型を選ぶというのも賢明かもしれません。
また、電源ユニットひとつとっても、余裕のある容量の大きなものを装備し、550Wという大電力を供給できるため、消費電力の大きな高性能プロセッサーやグラフィックカードも安定して稼働させることができます。
VR Ready構成を実現するといった目的がはっきりしている場合には、NVIDIA GeForce RTX 2060 Super / NVIDIA GeForce RTX 2080 Superなどの高性能グラフィックカードを増設するのが望ましいのですが、そのためには、どうしてもフルサイズの拡張カードを内蔵するスペースと大容量の電源ユニットが必要です。その条件を満たすためにはタワー型の筐体は必須ともいえる装備です。
もちろん、ハイエンドのグラフィックカードは必要なくても、ウェブ用の短い動画作成のエンコード作業などを考えると内蔵グラフィックスではちょっと心許ないという場合には、メインストリームグラフィックスとして、AMD Radeon R7 430 FH 2GBやAMD Radeon RX 550X FH 4GBなども選べます。
選択可能なグラフィックスカード
AMD Radeon R7 430 FH 2GB
AMD Radeon RX 550X FH 4GB
NVIDIA GeForce RTX 2060 Super FH 8GB
NVIDIA GeForce RTX 2080 Super FH 8GB
PCの拡張にM.2スロットが使われることが多くなりました。コンパクトな基板で増設ができることから、ノートPCなどでも主流になっている規格ですが、デスクトップPCでも使われています。
HP EliteDesk 800 G6 TWRは、M.2スロットを2つ装備し、SSD増設など、さまざまなカスタマイズが可能です。また、オプションのインテルOptaneメモリー H10 with SSDを装備すれば、アプリ起動時の立ち上がりも早く、重いアプリでも圧倒的に効率的に仕事ができます。このオプションは、キャッシュ用のOptaneメモリーとSSDがひとつのM.2基板上に実装され、SSDを高速化することができるため、もうひとつのM.2スロットは、別のSSDの増設に使えるなど、柔軟な運用が可能です。
HP EliteDesk 800 G6 Towerには、出荷時から複数のHDDを内蔵する構成を選ぶことができます。大容量ストレージのニーズに応えられるのみならず、RAIDオプションを選択することで、RAID1のソフトウェアRAIDを構築し、2台以上のHDDを仮想的に1つのドライブであるようにPCに認識させることができます。これがミラーリングです。
つまり、2台のディスクに同じ内容を同時に書き込むことで、1台のディスクに万が一のハードウェア障害が発生しても、もう片方のディスクが無事に稼働を続けていれば、障害を起こしたディスクを新しいものに交換するだけで元の状態に復旧します。ディスクの交換だけで、ミラーリングが再開され、大事なデータを守り続けることができます。クラウドやネットワークの共有サーバーに頼るには大きすぎるような容量、そして頻繁に参照しなければならないデータを運用したい場合には必須のオプションといえるでしょう。
RAID構成例
RAID 1構成(ミラーリング)500GBハードディスクドライブx2
RAID 1構成(ミラーリング)1TBハードディスクドライブx2
RAID 1構成(ミラーリング)2TBハードディスクドライブx2
RAID 1構成(ミラーリング)256GB SSD (TLC)x2
RAID 1構成(ミラーリング)512GB SSD (TLC)x2
RAID 1構成(ミラーリング)1TB SSD (TLC)x2
床置き設置はデスク上の作業スペースを広く使うために有効なレイアウトです。ただ、設置場所の環境によっては、フロントパネルにダストフィルターオプションを追加し、故障の原因となるホコリ等の筐体内部への流入を減らせば安心です。
毎日、稼働を続けるなかで、吸い込んだ外気に含まれるホコリがフロントパネルに蓄積されると、筐体内のエアフローが悪くなり、プロセッサー等の冷却効果にも影響します。最終的にはPCがそのパフォーマンスを落としたり、寿命を縮める結果を招く場合があります。最悪の場合は故障の原因にもなりえます。
前面、背面には各種機器を拡張接続するのに便利なUSBポートを豊富に装備しています。標準装備は、
前面
USB 3.1 Type-C ×1
USB 3.2 Gen2 Type-A ×2
USB 3.2 Gen1 Type-A ×2(うち1 つはFastcharging対応)
背面
USB 2.0 Type-A ×2
USB 3.2 Gen2 Type-A ×2
USB 3.2 Gen1 Type-A ×2
と十分なポートの数と種類です。マウスやキーボードはもちろん、光学ドライブやポータブルSSD、各種メモリーカードリーダー、Type-C接続のモニター、さらにはスマートフォンまで、さまざまな機器の接続に対応できます。
また、シリアルやパラレルなどのレガシーポートをカスタマイズで装備できるのも、想定されている用途によっては魅力です。
3.6GHzのインテル® Core™ i3-10100 プロセッサーから最大5.20GHzのインテル® Core™ i9-10900 プロセッサーまで第10世代のCoreプロセッサーから用途に応じたプロセッサーの処理性能を選べます。Officeアプリの活用ならCore i5、少しヘビーな活用が想定されるならCore i7、メニーコアが求められるマルチスレッドアプリの活用が目的ならCore i9と、利用形態に応じてプロセッサーを選択可能です。
選択可能なプロセッサー
Intel(R) Core(TM) i5-10500(6C/3.1GHz/12M)
Intel(R) Core(TM) i5-10600(6C/3.3GHz/12M)
Intel(R) Core(TM) i7-10700(8C/2.9GHz/16M)
Intel(R) Core(TM) i9-10900(10C/2.8GHz/20M)
最大64GBまたは128GBまでのメモリを搭載可能です。大容量のメモリを搭載することで、VRや動画コンテンツなどの巨大なデータを扱う際にも、ディスクへのスワップを最小限に抑え、ストレスのない作業をかなえます。ときには高性能プロセッサーの選択以上に作業の快適さを支えます。
なお、Core i5以下のプロセッサー搭載時は、64GB (16GBx4) までのDDR4 DIMM 2666MT/s、Core i7以上のプロセッサー搭載時は、128GB (32GBx4) DDR4 DIMM 2933MT/sが最大搭載メモリ容量となります。
デスクトップ筐体は、内部へのアクセスが容易で、空きスロットさえあれば、あとからのメモリー増設も可能です。こうした柔軟性もタワー型筐体の魅力のひとつだといえるでしょう。
Core i5以下のプロセッサーの場合の搭載可能メモリ
8GB (8GBx1) DDR4 DIMM 2666MT/s
16GB (8GBx2) DDR4 DIMM 2666MT/s
32GB (16GBx2) DDR4 DIMM 2666MT/s
64GB (16GBx4) DDR4 DIMM 2666MT/s
Core i7以上のプロッセサーの場合の搭載可能メモリ
8GB (8GBx1) DDR4 DIMM 2933MT/s
16GB (8GBx2) DDR4 DIMM 2933MT/s
32GB (16GBx2) DDR4 DIMM 2933MT/s
64GB (16GBx4) DDR4 DIMM 2933MT/s
128GB (32GBx4) DDR4 DIMM 2933MT/s
標準で装備されているモニター用のDisplayPort×2に加え、VGA / HDMI / USB Type-Cから任意のタイプのポートを選べる「モニター用選択可能ポート」がオプションとして用意されています。
グラフィックカードを増設せずに、プロセッサー内蔵グラフィックだけで利用する場合、使う予定のモニターの入力ポートに応じたポートが選べます。
また、拡張グラフィックカードの搭載時は、カードに装備されたポートにモニターを接続します。これらのポートにモニターを接続する場合、最大7台までのマルチモニター環境が得られます。複数のモニターを接続してのPC利用は、時には、複数台のPCを併行して使う以上の便宜が得られます。しかもローコストが魅力です。
これらの基本構成に加え、光学ドライブ、メディアカードリーダーライター、Wi-FiとBluetoothのコンボ(Intel WiFi6 AX201 ax 2x2 +BT5(vPro対応))といった各種の装備が内蔵できます。魅必要とされるあらゆるデバイスを内蔵してしまえる内部空間の広さこそが、タワー型の筐体の魅力だといえるでしょう。
HPはWindows 10 Pro をお勧めします。ProとHomeの違いは、HomeエディションではActiveDirectory対応やドメイン参加機能といった企業向けの管理機能が省かれている点です。PCを組織内で集中管理する場合には必ずPro版を選択してください。Windows 10はこれらのエディションとは別に、Windows 10 IoTというシンクライアントやPOS端末、コミュニケーションデバイス向けのエディションも提供されています。Windows 10 IoTのプリインストールはコンフィグレーション & デプロイメントサービス(CDS)で提供されています。
選べるWindowsのエディション
Windows 10 Home (64bit) (日本語版)
Windows 10 Pro (64bit) (日本語版)
Windows 10 Pro (64bit) Intel(R) Core(TM) i9プロセッサー用 (日本語版)
Windows 10 Pro (64bit) (英語版)
Windows 10 Pro (64bit) Intel(R) Core(TM) i9プロセッサー用 (英語版)
Windows 10 IoT(CDSで提供)
ハードウェアによる保護、ソフトウェアによる保護、その他の機能の組み合わせによって、サイバー攻撃のような脅威に備え、その被害を予防、検知し、復旧に至るまでのプロセスを担保します。
HPの独自開発によるチップ「HP Endpoint Security Controller」が、PCの理想的な状態を原点とし、現在の状態と比較して安全を確保します。悪意による改ざんが発見されればただちに復旧を開始します。この機能によって、たとえPCのBIOSが攻撃によって改ざんされたとしても自動的に正常な状態に回復するHP Sure Startや、セキュリティ機能をオフにさせないHP Sure Run、ウィルス感染によってOSが起動しなくなってしまっても自動的にネットワークから必要なイメージをダウンロードしてリカバリーするHP Sure Recoverといった機能が装備されています。
また、アンチウィルス対策のためのHP Sure Sense、ウェブ閲覧やメールの添付ファイルでの感染をなかったことにするHP Sure Clickなど、ソフトウェアによる対策などにより、HPのPCは、世界でもっとも安全なPCの座を守り続けています。
HP Sure Sense
ディープラーニングAIを活用してマルウェアを検知し、ブロックする新機能です。HP Sure Sensは、既知のマルウェアだけでなく、未知のマルウェアについても約99%を最短で20ミリ秒(1ミリ秒は1000分の1秒)で検知できるソリューションです。
HP Sure Start
専用チップがBIOSのコードや設定が正規の状態であるかどうかを起動時と実行時に監視し、マルウェア、ルートキット等の脅威、改ざんから自動復旧します。
HP Sure Recover
万が一OSがマルウェアに感染した場合、BIOSさえ正常であればセキュリティを確保してネットワーク経由で復旧します。
HP Sure Run
アンチウイルスなどのOS上の重要プロセスが正常に動作しているかをOSとは独立した専用チップが常に監視し、万が一停止した場合には正規の状態で再起動し自動復旧します。
HP Sure Click
ブラウザタブをハードウェア上で稼働するマイクロVMで隔離し、マルウェアをマイクロVM内に閉じ込め、タブのクローズで消去し感染から復旧します。
1,5G
3,DDR4
5,GPU
6,HDMI
7,LTE
8,M.2
9,PCIe
10,SSD
11,USB Type-C
13,VESAマウント規格
14,VR
15,Wi-Fi6
16,オンラインミーティング
17,プロセッサー