GIGA第2期への期待の大きさを体感する大型教育関係者向けイベント「NEW EDUCATION EXPO 2025 東京」にHPが参加

NEW EDUCATION EXPO 2025 東京
NEW EDUCATION EXPO 2025 東京

2025年6月5~7日、東京ファッションタウンビル 西館2階TFTホールにて「NEW EDUCATION EXPO 2025 東京」が開催された。教育関係者向けのイベントとしては国内最大級ということで、当日は大勢の来場者で会場は常に賑わっていた。このイベントにHPはもちろん参加。GIGA第2期もいよいよ進んでいる状況を受け、展示会場には最新の製品やソリューションが出そろっていた。そんな中、HPブースには特に大勢の来場者が足を止めていた。どのような展示だったのかその内容を紹介したいと思う。

取材:中山 一弘

イベント風景
イベント風景

会場の入り口付近に構えることになったHPブース。話題の製品やソリューションが並んでいることで、足を止める来場者の数は非常に多い。この日、一番大きくスペースを取ったのはGIGA向け端末および教員用ノートPCという小中学校向けのポートフォリオだ。「何よりもGIGAスクール構想向けの製品に注目が集まっていました。HPには様々な製品がありますが、タッチペンの仕様に関して多くの来場者様からご質問がありました」と語るのはHPの吉成氏。

HPのGIGA第2期向けの端末はMediaTek製のプロセッサーを搭載することでハイパフォーマンスと長時間バッテリーの両立を実現した「HP Fortis Flip G1m 11 Chromebook」、Windows 向け端末の「HP Fortis Flip G1i 11 Notebook PC」、さらに5年間LTEデータ通信が追加料金なし、上限なしで使える「HP Fortis Flip G1i 11 Chromebook (HP eSIM Connect対応)」、「HP Fortis Flip G1i 11 Notebook PC (HP eSIM Connect対応)」などがラインアップしている。いずれのモデルにも吉成氏が触れた、専用のタッチペンが用意され、端末本体の格納エリアにしっかりホールドすることで紛失や破損などのトラブルを激減させることが可能だ。また、収納エリアに設置されたタッチペンは自動的に充電されるので、授業中にバッテリーが切れることがそもそも少なく、万が一切れた際にも急速充電されるのも特長だ。

キーボード上部にあるタッチペン収納エリア。この状態で充電も同時におこなわれる
キーボード上部にあるタッチペン収納エリア。この状態で充電も同時におこなわれる
キーボード上部にあるタッチペン収納エリア。この状態で充電も同時におこなわれる
HPの吉成氏
HPの吉成氏
HPの吉成氏

「収納エリアがキーボードの上部にあるため、盤面に置いた状態で天板を閉じてしまうのではないかという方もいらっしゃいましたが、たとえその状態で閉めたとしても破損しないように作られています」と吉成氏。実際にキーボードの上にタッチペンをわざと置いておき、天板を思い切り閉めてくれたが、ディスプレイもキーボードも無傷だった。このあたりの考え抜かれた設計はさすがHPといったところだ。

「そのほか、離島の方や遠隔地の方にはHP eSIM Connect対応モデルに注目されるケースが多いですね。インターネット回線がどうしても弱い地域はまだまだありますが、安定したau回線が使えるHP eSIM Connect対応モデルなら学校ではもちろん、持ち帰った先の自宅でも通信格差が起こりづらいのも人気の理由です」と吉成氏は語る。GIGA第2期になり、新端末よりも学校の通信インフラに課題を抱える自治体も多いので、その打開策としてもHP eSIM Connect対応モデルは検討していただきたい製品だ。

教員向けの端末ではコストパフォーマンスが非常に高い『HP EliteBook 635 Aero G11 Notebook PC』が人気です。1kgを切る軽量ボディと AMD Ryzen™ 8000 シリーズ・モバイル・プロセッサーの高いパフォーマンスで、あらゆる作業をストレスなくこなします。また、5G対応のHP eSIM Connectと、PCの電源がオフの状態でも、探す、PCをロックする、データ消去するというリモート管理が実行できる『HP Protect and Trace with Wolf Connect』にも対応しています」と吉成氏は説明する。

HPのGIGAおよび教員向けPCがずらりと勢ぞろい
HPのGIGAおよび教員向けPCがずらりと勢ぞろい
HPのGIGAおよび教員向けPCがずらりと勢ぞろい

その他、AI PC、Copilot+ PC にも注目が集まっており、これから訪れるであろうAI最盛期へ向けて準備を始める学校も出始めているのだという。「やはり、ICT教育にもAIを取り入れようとする動きは出始めています。今のうちからその機能を有したものを買っておきたいということでお問い合わせいただくことも多く、期待の高さが伝わってきますね」と吉成氏は語ってくれた。

HPのPolyブランドもこのイベントに参加。近年重要さを増しているWebコミュニケーションをさらに進化させるデバイスを展示して来場者の注目を集めていた。「学習機会の充実、多様な進路の選択を可能にする教育支援、教員の負担軽減とICT指導力の強化、学校間の交流支援といったテーマに沿った製品の提供をしています」と語るのはHPのPoly担当 岩本氏だ。

HPの岩本氏
HPの岩本氏
HPの岩本氏

そんなPolyの注目製品はビデオバーの「Poly Studioシリーズ」だ。スピーカー、マイク、Webカメラが一体となった製品で、PCのUSBポートに差し込むだけで使える利便性の高さが魅力の製品だ。高品質なノイズキャンセリング機能や、話者が動いても追従したり、発言者にクローズアップしたりするカメラワークなど、AI制御による没入感の高い映像演出も可能な製品となっている。

「近年、社会的な課題となっている不登校児への遠隔授業や、山間部・離島といった少子化に悩む地域の学校では、物理的な制約から教育機会が限られてしまう現実があります。そうした中で、Webコミュニケーションの重要性はかつてないほどに高まっています。

こうした教育現場において、Polyの高品質な映像と音声があれば、「ただの会話」ではなく、「心が届く対話」が可能になります。ブースにいらした方々の中にも、同様の課題に向き合う多くの関係者様が見受けられ、私自身、HPとPolyのテクノロジーが未来の教育に貢献できるという強い使命感を改めて感じました」と岩本氏は感想を述べる。

注目が集まるビデオバーとヘッドセット群
注目が集まるビデオバーとヘッドセット群
注目が集まるビデオバーとヘッドセット群

また、Polyといえば世界的なヘッドセットブランドとしても知られており、今回も代表的なモデルを展示していた。「長時間のWebコミュニケーションなどはもちろんなのですが、教育向けとして考えた場合、英語のスピーキングの授業に高品質のヘッドセットが非常に効果的なことが分かってきました。自分の声が聴きとりづらい廉価なヘッドセットやイヤホンマイクなどでは上手に自分の声が再現できないケースもあります。Polyのヘッドセットの場合、隣の生徒が発声していても自分の声がよく聞き取れるので正確なスピーキングが身に付きます。この点で評価いただく関係者の方々も多いです」と岩本氏は語ってくれた。

「高校でも工業系のところを中心に、高度なCAD/CAMやプログラミング、あるいはデザインを授業にしているケースがあります。スタンダードな仕様のPCではパフォーマンスが不足するようなことが多く、もっとパワフルなPCが必要になってきます」と語るHPの新井氏。

HPの新井氏
HPの新井氏
HPの新井氏

そんな同氏がアドバイザーを務めるワークステーションコーナーには「HP ZBook Power 16inch G11 Mobile Workstation」、「HP ZBook Firefly 14inch G11 Mobile Workstation」、そして「HP Z2 Mini G9 Workstation」、「HP Z2 SFF G9 Workstation」が用意されていた。

「HP ZBook Power 16inch G11 Mobile Workstationはインテル® Core™ Ultra 9 プロセッサーが搭載でき、グラフィックスも NVIDIA RTX™ 3000 Ada まで選択できるモデルです。16インチノート型でありながら、デスクトップ型ワークステーションに匹敵するパフォーマンスで、幅広い分野で満足いただけるコンピューター処理ができます。一方のHP ZBook Firefly 14inch G11 Mobile Workstationは軽量コンパクトなボディにインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサーが選択でき、コストを抑えながらハイパフォーマンスを引き出したいというニーズに応えるモデルです」と説明する新井氏。モバイルワークステーションはここ数年人気のジャンルだが、幅広いポートフォリオから自分に最適なモデルを選べるのがHPの魅力だ。

スペックへのニーズが高まる傾向があるDXハイスクール。HPのワークステーションなら高度なコンピューティングに必要なすべてが揃う
スペックへのニーズが高まる傾向があるDXハイスクール。HPのワークステーションなら高度なコンピューティングに必要なすべてが揃う
スペックへのニーズが高まる傾向があるDXハイスクール。HPのワークステーションなら高度なコンピューティングに必要なすべてが揃う

「デスクトップ型からは今回HP Z2シリーズを持ってきました。このシリーズのメリットはmini、スモールファクタ、ミドルケースと本体のデザインが選べるところにあります。例えば、教室のスペースが狭ければminiやSFF、拡張性を活かしたいならミドルケースといったように用途に合わせた使い分けができます」と新井氏は説明する。

いずれのモデルもディスクリートグラフィックスが選択できるので、パフォーマンスは上位クラスにも匹敵するものにできる。それでいてコンシューマ向けのインテル® Core™ Ultra プロセッサーが選択可能なため、コストパフォーマンスに非常に優れているのが特長だ。

「今後、AI教育をお考えの場合は、さらに上位グラフィックス搭載可能なHP Z4シリーズ、HP Z6シリーズ、HP Z8シリーズなどもあります。DXハイスクールなどの補助金を活用し先端教育の導入をご検討中の先生方も相談に来られます。HPの豊富なポートフォリオがあれば、あらゆるニーズにお応えできます。プロフェッショナルが選択するHPのワークステーションですから、学校でも安心して使っていただけるはずです」と新井氏は語ってくれた。

「ペーパーレスが進む学校関連施設でも、やはり印刷物は必要なのだといいます。デジタル化を進めた結果、紙資料への必要性が逆に強くなり、ある程度は元に戻そうというお話しを聞くこともあります」と現状を語るHPの野口氏。そんなHPからは、HP Smart Tank プリンターと、HP OfficeJetシリーズが展示されていた。

HPの野口氏
HPの野口氏
HPの野口氏

「HP Smart Tank プリンターは大容量インクタンクを持つ製品で、圧倒的な印刷可能枚数と低印刷コストを提供するモデルです」と野口氏。1回の満タンでモノクロは約6,000枚、カラーはモデルにより最大8,000枚まで対応する。初期に同梱されるブラックインクは2本なので、購入した状態でモノクロなら約12,000枚もの印刷ができる計算だ。「本体もコンパクトなので、各教室に設置するというケースもありますし、電子黒板にうまくセットして連携して使うといったケースもあります」と野口氏は説明する。HP Smart Tankプリンターはさつき株式会社の電子黒板「ミライタッチ」と相性がよく、セットとしてソリューション化されるケースもあるほどだ。気になる方はぜひ問い合わせてほしい。

「また、HP OfficeJetシリーズからはHP OfficeJet Pro 9730を展示しました。A3複合機の場合、平均価格で約10万円程度のモデルが多いのですが、こちらは4万4,000円で購入できます。学校行事ではA3やB4用紙に印刷する機会も多いので、こういったモデルは人気です」と野口氏は語る。クラスに1台、職員室に1台と最適な配置で費用対効果を最大限にできるのもHPプリンターの魅力だ。

HP OfficeJet Pro 9730はA3印刷やスキャンのニーズにも対応
HP OfficeJet Pro 9730はA3印刷やスキャンのニーズにも対応
HP OfficeJet Pro 9730はA3印刷やスキャンのニーズにも対応

HPブースでは来場者が担当者を見つけて積極的に相談に来る様子が目立ったNEW EDUCATION EXPO 2025 東京。HP製品のことはよく知りつつも、なかなか手に取って触れる機会がない来場者たちに、気になっていた製品を直接経験してもらう機会としてもよいイベントになったと思う。HPは今後も同様のイベントに積極的に参加していくので、みなさまもぜひ来場してHPの製品群を体験していただきたい。

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