Windows 10のサポート終了間近! AI時代に選びたいビジネスPCとは 専門家に解説してもらった

「Windows 10」のサポート終了が2025年10月14日に迫っている。「Windows 11」への移行をためらっていた担当者も、本腰を入れて作業を始めなければならないタイミングに来ている。OSのサポート終了直前は、駆け込み需要によってPCが品薄になることが想定されるからだ。

Windows 11への移行は、業務アプリケーションの互換性確認やPCの回収などの作業が必要になる。PCをリプレースするとなるとそれなりのコストも発生する。中小企業の移行担当者からは、作業の煩雑さやコスト面から移行のメリットを見いだせず「サポート終了後もWindows 10を使い続けたい」との声も上がる。しかし本当にそれでいいのだろうか。Windows 11に移行すべき理由やAI時代に選びたいビジネスPCについてテクニカルライターの笠原一輝氏に解説してもらった。

※本記事はITmedia NEWSにて掲載されたものです。

笠原一輝
著者:笠原一輝/テクニカルライター
1994年にテクニカルライターとして活動を開始し、プロフェッショナルライターとして約30年のキャリアがある。1990年代はPC雑誌のライターとして、2000年代からはWeb媒体を中心に記者、ライターとして記事を寄稿している。海外のカンファレンスやコンベンションの取材を1997年から続ける。主な分野はPC、半導体などで、近年はAI分野の執筆が増えている。

CPUレベルでマルウェア対策 Windows 11の強固なセキュリティ機能

Windows 10のリタイアに向けたカウントダウンが始まっている。ダウングレード権の行使を含む新規プリインストールPCの生産や販売は2024年3月31日に終了しており、現在販売されているのはスペック決め打ちの在庫品のみだ。

サポートが終了したOSを使い続けると、OSの誤動作によって業務に支障を来したり、マルウェアなどの脅威へのセキュリティ対策が不十分になったりする危険性がある。

それでもWindows 10を使い続けたい場合は、有償の「拡張セキュリティ更新プログラム」(ESU)に加入するという選択肢がある。加入するとサポート終了後も2028年まで更新プログラムの提供を受けられる。ただし、追加コストが発生することを忘れてはならない。Windows 10を継続して利用する目的が予算の抑制であるのならば、適切な施策とは言えない。

Windows 11に移行するメリットの一つとして挙げられるのがセキュリティ機能の強化だ。Windows 10との大きな違いは、ハードウェアベースのより強固なセキュリティに対応していることだ。Windows 11には、最新のCPUに搭載されているハードウェアを活用してマルウェアなどの侵入を難しくする機能が用意されている。

Windows 11は、スタートボタンなどが中央に寄せて表示されるようになった他、新しいマルチタスク表示の機能が追加されるなど、よりモダンなユーザーインタフェースが導入されている。

Microsoftの生成AIソリューションへの入り口となる「Microsoft Copilot」に対応しており、対話型AIサービス「Microsoft 365 Copilot Business Chat」などを搭載している。AIアプリケーションとの親和性が高まっていることもWindows 11の大きな特長と言ってよい。

セキュリティ機能の強化やAIのビジネス活用など今後のことを考えれば、Windows 11を搭載したPCに買い替えるのが合理的な判断だろう。では、どのようなPCを選べばよいのか。選択肢の一つとして考えてほしいのが「AI PC」だ。

PC業界のトレンド「AI PC」を選択肢の一つに

AIのビジネス活用が必須となる中、PC業界では「AI PC」が大きなトレンドになりつつある。AI PCは一言で言えば「生成AIの機能を実装したPC」と表現できる。AI処理に特化した専用チップ「NPU」(Neural Processing Unit)を搭載している点が特徴の一つだ。

Windows 11には、Webカメラの映像をAIで加工して背景ぼかしや自動フレーミングなどのエフェクト処理をする「Windows スタジオ エフェクト」が搭載されている。これらのAI処理をCPUで演算するとCPUの負荷が上がって消費電力量が増えて、バッテリー残量がどんどん減ってしまう。AI処理をNPUが担うことでバッテリー駆動時間のインパクトを最小限に抑えられる。

今後のビジネスにおいてAIが活躍する場はますます増えるはずだ。ビジネスPCとしてAI PCを採用することで、高い処理能力による作業効率の向上が期待できる。近い将来を見据えて、AI PCを導入することは賢明な判断と言えるだろう。

AI PC時代に登場したビジネスPCで、AI PCの旗艦モデルの一つが「HP EliteBook 1040 G11」だ。

HP EliteBook 1040 G11
HPのビジネスAI PC「HP EliteBook 1040 G11」。ボディーカラーはグレイシャーシルバーで、指紋や汚れが付きにくいコーティング仕上げになっている

CPUに「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ1)」(以下、Core Ultra シリーズ1)を搭載しており、「インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155H」「インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 125H」「インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー135U」から選択できる。

Core™ Ultra シリーズ1の大きな特徴は、インテルのCPUとして初めてNPUを搭載している点だ。CPUやGPUよりも高い電力効率でAI処理ができる。

インテルロゴ

HP EliteBook 1040 G11は、ハードウェアセキュリティ機能を拡張するHP独自の「HP Wolf Security for Business」に対応している点も見逃せない。Windows 11はCPUのハードウェアを活用した新しいセキュリティ機能を装備しているが、それが効果を発揮するのは「OSが起動した後」だ。

HP Wolf Security for Businessは、OSが起動する前のセキュリティを担保する。UEFIなどのファームウェアがマルウェアに改ざんされていないかなどをチェックする「HP BIOSphere」や、BIOSが攻撃を受けた場合に自動で復旧する「HP Sure Start」などの機能が用意されている。ファームウェアが攻撃を受けたとしても、OSが起動する前に異常を検知して正常な状態に復旧してくれる。

もちろん、ビジネスシーンで役立つ機能も充実している。ディスプレイはアスペクト比16:10の14型WUXGA(1920×1200ピクセル)の液晶パネルを採用している。アスペクト比16:9のノートPCに比べて縦方向が広く、一度により広い範囲を表示できる。

本体重量は約1.2キロ、厚さは最厚部で17.55ミリとスリムだ。かばんに入れてもかさばらずに持ち運びしやすい。天板の素材にはマグネシウム合金を使用しており、軽さや薄さと併せて堅牢(けんろう)性と耐久性を実現している。12万時間を超えるHP独自の耐久テストと米軍調達規格をクリアしているので、外出時も安心して持ち運べるだろう。

HP EliteBook 1040 G11
環境に配慮した設計で、マグネシウム製の天面の90%にリサイクル素材を、キートップの約50%に廃棄されたDVDを使用している

いつでもどこでもインターネットに接続可能な「HP eSIM Connect」

HP EliteBook 1040 G11には、定額制ワイヤレスWANソリューション「HP eSIM Connect」に対応したモデルが用意されている。HP eSIM Connectはau回線を利用した法人向けMVNOサービスで、データ通信を5年間無制限で使用できる。

通常、ワイヤレスWANを利用するにはSIMカードをノートPCに挿入しなければならない。そのため、情報システム部門はノートPCと同時にSIMカードを管理する必要がある。HP eSIM ConnectはSIMカードを仮想的に管理するeSIMという仕組みを採用しており、SIMカードの管理は不要となる。情報システム部門はHP eSIM Connectに対応したPCを管理するだけでいい。

PCの購入代金に5年間の通信費が含まれており、追加料金は発生しない。通信コストを見直せる上に、Wi-Fiが使えるスポットをわざわざ探さなくてもいつでもどこでもインターネットに接続してビデオ会議に参加したりメールを送受信したりできる。HPのノートPCを購入するときには積極的に選択したいオプションだ。

情報システム部の困り事を徹底的に支援するHPのサービス

HPは、情報システム部門の業務負担を軽減するさまざまなサービスを提供している点も心強い。その一つが、工場出荷時にキッティングを代行する「HP コンフィグレーション&デプロイメントサービス」(CDS)だ。

Microsoftは、デバイスのセットアップやアプリケーションの自動インストールといったPCの設定をクラウド経由で操作、自動化する「Windows Autopilot」を用意している。情報システム部門の作業負担を軽減する目的で多くの企業が活用しているだろう。CDSには、Windows Autopilotをサポートするサービスがそろっている。自動でデバイスの登録がされるように設定したり、時間のかかる展開作業を任せたりできる。

意外と見逃されがちなのが、社内管理用のラベルの貼り付けやマニュアルの同梱(どうこん)など、クラウド経由では設定できない手作業があることだ。CDSはこれらの作業を済ませた上でPCを納品してくれる。まさにWindows 11時代のキッティング(モダンIT)をガッチリと支えるサービスだ。CDSを活用することで、情報システム部門の業務負担を大幅に削減できるはずだ。

ビジネス環境が激しく変化する中、Windows 11を搭載したPCへのリプレースは企業の成長を手助けする戦略的な投資と言える。情報システム部門の作業負担を軽減しつつAI活用に適したビジネス環境を構築するためにも、HPの製品群とサポートの活用を検討してみるとよいだろう。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

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