日経メッセ プレミアム・カンファレンス・シリーズ「次世代PCによるビジネス変革~AI PCなど最新ビジネスPCの導入活用法~」にHP岡氏が登壇
2025-06-23

Windows 10 のサポート終了を控え、PCの入れ替え作業に追われる企業が増えている。そんな中、市場の中心となっているのはAI PC、Copilot+ PCといった次世代PCたちだ。日経メッセではPC刷新時に次世代PCを選択するメリットを紹介するセミナーを開催。HPもこれに参加し自社の最新モデルを中心にプレゼンテーションを行った。その内容をダイジェストで紹介しよう。
取材:中山 一弘
「AI時代のPCの新スタンダード・AI PC徹底解説」
岡 宣明氏
この日のセミナーに登壇した岡氏は、冒頭でPCの時代が確実に変化していることについて言及した。「AIを使うことで生産性が大幅に向上すると考える人は74%にも達するというHPの調査結果があります。プライベートで生成AIを使った人が、これを仕事に使えば自分が楽になったり、手伝ってくれたりすると思っているのです」と最新の傾向について語る岡氏。HPでは生成AIは今後ますます人に寄り添うような存在になるとみており、特にビジネスで使うPCに関しては「パーソナルコンピューター」だったものが、「パーソナルコンパニオン」へと変化していくと考えているのだという。
「現在、主流となっている生成AIは、クラウドサービスであり、その多くはインターネット経由で活用されています。しかし、増え続ける需要に対してデータセンターが限界を迎えつつあり、消費電力の急増が問題視されています。この理由だけでもビジネスで活用する生成AIは今後、ローカルへと環境を変えて使われるようになると言えます」と岡氏は指摘する。
同氏がいうように、特にビジネス業界で活用する生成AIはローカル化を考える企業が多く、自社システムの内部に生成AIを構築する傾向が強くなっている。もちろんこれには先ほど岡氏が指摘したエネルギー問題もあるが、手元のシステムや端末で処理をしたほうが高速であることや、日本企業の多くはセキュリティを気にしてローカル化を考える傾向があるのだという。
「顧客情報や企業の機密情報をクラウドサービスへアップロードして活用することに不安を感じるケースが非常に多いのです。ローカル環境で使えば、それが社外へ出ることはないのでセキュアに生成AIが使えます。ただし、すべてのAIサービスをローカルに移行させるという業界は限られますから、今後はクラウドとローカル、それぞれを使い分けるハイブリッドAIへと移行していくことが考えられます」と岡氏は予想している。
「そのような時代に必要なPCはAI処理がしやすく、なおかつセキュリティも十分に考えられており、ネットワークにいつでも繋げられ、しっかり管理できるというエコシステムが必要になってくるのです」と岡氏は語る。
そこで必要となってくるPCのひとつに、2024年後期に話題となった「AI PC」がある。それまでのプロセッサーにはCPUとGPUが搭載されるハイブリッドタイプが主流だったが、これに加えてAI処理に特化した「NPU」を持たせることで、増え続けるAI機能をさらに活用しやすくしているのが特長だ。
岡氏は自社のビジネスノートPCのポートフォリオを示しながら解説する。「このように並べてみると、ほとんどのモデルにNPUを持っているプロセッサーが搭載されています。今後は『AI PC』という名称すら使われず、自然に利用されていくようになるのかもしれません」(岡氏)
NPUを採用しているプロセッサーも、インテル、AMD共に第2世代が発表され、性能も格段に上昇している。つまり最新モデルになるほど、AI処理は高速になり、ローカルでAIを活用する時代が来ても安心できるということだ。
「今後、AIを活用したビジネスアプリケーションの普及は確実に進んでいきます。そのため、将来のAI活用に備え、今このタイミングでAI時代に最適化されたPCを導入していただきたいというのが私たちのメッセージです」と岡氏は視聴者に投げかける。
そんなHPは2025年の始めに最新モデルを発表している。「ひとつは『HP EliteBook X G1i 14 AI PC』で、14インチサイズでありながら軽量スタイリッシュなデザインのボディに48TOPSという高性能なNPUを搭載した製品です。もうひとつ『HP EliteBook X G1a 14 AI PC』もリリースしています。こちらはAMDのプロセッサーを搭載したモデルで、55TOPSという現時点で最高クラスの処理性能を持ったPCとなっています」と説明する岡氏。
さらにHP EliteBook X G1i 14 AI PCにおいてはauデータ通信が5年間上限なしで使い放題となる、法人向けMVNOサービス「HP eSIM Connect」と、電源が入っていないPCに対してもリモート環境から「探す」「PCをロックする」「データ消去をする」といった指令を出すことができる「HP Protect and Trace with Wolf Connect」対応モデルを用意している。どこにいてもインターネットにつながることから、クラウドAIサービスが利用しやすく、なおかつ高度なMDM機能を実装することで高いセキュリティも確保する、まさにハイブリッドAI時代にふさわしい充実した機能を提供することができる製品といえる。
そのほか、他のビジネスノートPCラインアップや、ハードウェア、ソフトウェアの両面からのAI機能の提供の現状などについて触れた岡氏。「AI関連製品やテクノロジー、弊社のサービスへの問い合わせがどんどん増えている状況です。ビジネスにおいてAIを活用する時代は確実に来ていますので、ご興味を持った方はいつでもお気軽にお問合せください」と語りセミナーを終了した。
岡氏に直撃!自分で次世代モデルを使った感想は?
セミナーを終えた岡氏に短時間ではあるがインタビューすることができたので紹介したいと思う。
―セミナーお疲れさまでした。AI PC、Copilot+ PCへの問い合わせが増えているとのことですが、ご自身でも最新モデルのHP EliteBook X G1i 14 AI PCをお使いですよね。エキスパートの岡さんから見て使い心地はどうですか?
岡氏:
いろいろありますが、例えば最近のWebコミュニケーションツールには背景ぼかしや自動カメラワークなどAIによる画像処理技術が使われていますよね。HP製品にはそれらに加えて、Poly Studio ProというAI機能も提供されていますが、これらをNPUなしのプロセッサーで使った場合、電力消費が増大するというデメリットがあります。
しかし、AI PCの場合、AI処理をNPUに逃がすことができるので、CPU、GPUはそれぞれ得意な演算をすることだけに集中できます。その結果バッテリー効率がよくなり、全体として長時間バッテリーを実現していることが体感できます。実際に使ってみて、Webミーティングが多くてもバッテリーの減り方は少ないのでその効果は確かだと思います。
―すでに問い合わせがたくさん来ているそうですね。
岡氏:
はい。次世代AI PCに注目が集まっているのは間違いありません。今、選択していなくても数年後には間違いなくなんらかの形でNPU搭載モデルを購入することになることがほぼ確実なので、みなさん準備をされているのだと思います。先進的な考え方をしていらっしゃる企業様の中にはAI活用がはじまってからでは遅いので、先にAI PCを購入して時代に備えるために検討しているというところもあります。
―HP eSIM ConnectとHP Protect and Trace with Wolf Connectの「ダブルコネクト」もAI時代に最適なソリューションですよね。こちらも問い合わせは多いのですか?
岡氏:
もちろんです。実際に導入いただいた方も多いですし、PoCの申し込みも非常にたくさんいただいております。こちらも実際に使えばわかるのですが、PCを開けば既にインターネットに接続された状態であるというのは、出張が多い方には特にメリットを感じていただけると思います。私も愛用中ですが、次のPCにダブルコネクトがなかったらと思うと不安でたまりません(笑)。それほど、PCへの接し方が変わるソリューションだと思います。
―今はAI PCの導入やダブルコネクトのような全く新しいソリューションを導入する過渡期にみえます。悩んでいる企業へアドバイスをいただけますか?
岡氏:
いずれにしてもAI時代は確実に来ますから早いか遅いかの違いしかないのが現状ですね。それでもお悩みの場合は、まずは経営層だけ、あるいは経営層と情シスだけといったように、意思決定者とPC選定者で、社員の生産性向上や業務効率化にAIやダブルコネクトがどれほど有効なのかベンチマークを取ることをおすすめします。導入を決定する方々が実際にその良さを実感できなければ効率的な運用につながらないと思いますので、まずは数台、数十台でテストしてみるとよいと思います。
―本日はありがとうございました!
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