日本HPのビジネス向け最新AI PCが訴求するCopilot+ PCのこれまでとこれから

2025-06-23

ビジネス現場でのAI活用が急速に具体的なものになりつつあります。各社のビジネス向けPCも、このトレンドを見据えた展開を意識したものになっています。ここではHPのAI対応ビジネス向けPCのフラグシップモデルであるHP EliteBook X G1i 14 AI PC(HP eSIM Connect対応モデル。型番:BC4Q1AT#ABJ)を使いながら、ビジネスにおけるAI活用の方向性、可能性を考えていきましょう。

取材:山田祥平

HP EliteBook X G1i 14 AI PC
HP EliteBook X G1i 14 AI PC
HP EliteBook X G1i 14 AI PC
HP EliteBook X G1i 14 AI PC

ビジネスの現場において、PCは欠かすことができない存在です。それは誰もが納得する事実ではないでしょうか。ただ、今、AIがそのPCに近い存在としてビジネスを支援しつつあるといったとき、その通りだと頷く方もいれば、おそらくそうはなるだろうけれど、まだ実感がわかないという方も多そうです。

そもそもビジネスに関わるそれぞれの立場によって、AIがどのように役に立ってくれるのかは、それぞれの現場で異なります。世間での喧伝をきいていても、その有用性は多岐にわたり、誰もがそのメリットを享受できるかのようです。逆に、大きな期待をして取り組んだものの、実際には期待通りの成果をもたらしてくれなかったといったことを経験されたかもしれません。

今のAIが汎用的で多目的な位置付けで使われることが多いことも混乱を招きそうです。今のPCも、かつてはそうでした。何でもこなせる夢のような機械としてのコンピューターを個人でも使えるようにしたのがパーソナルコンピュータだったのですから、それに対して大きな期待が寄せられるのも無理はありません。その黎明期、人々は、PCよりもワープロ専用機を選びました。できることが限定された機械の方が、その使い道を想像しやすかったからです。今のAIの立ち位置にはそんな面があるように思います。その発想からの脱却が今求められています。

Microsoftは、AIが働き方を変えるとし、全社をあげてビジネスプロセスを刷新しようとしています。そして、あらゆる組織がAIが主導する世界観を受け入れ、それによって人々の働き方を再構築できるようにしようとしています。

そのための道具として紹介されたのがCopilot+ PCという新しいカテゴリのWindows PCです。AI活用を前提に最適化されたWindowsパソコンのハードウェアで、Microsoftが定義する各種要件を満たした各社製品がそれを名乗ることができます。

日本国内販売が始まってほぼ1年が経過しましたが、世界中のパソコンメーカーから製品が出荷されています。

HP EliteBook X G1i 14 AI PC
HP EliteBook X G1i 14 AI PC
2025年6月に日本マイクロソフトが開催したイベントでは発売から約1年で70機種超の製品が揃ったCopilot+ PCが紹介された。
日本HPもコンシューマー向けのHP OmniBook 7 Aeroなどを展示。
日本HPもコンシューマー向けのHP OmniBook 7 Aeroなどを展示。
日本HPもコンシューマー向けのHP OmniBook 7 Aeroなどを展示。

Microsoftは、Copilot+ PC がシリコンから OS、そしてアプリケーション層からクラウドに至るまで、AI を中心に PC 全体を一から再構築したハードウェアだと言います。見かけはPCそのものですが、AIがその実力を発揮しやすいように細部を検討して作られているのです。

MicrosoftがWindowsを供給するパートナー各社が自社のパソコン製品をMicrosoft Copilot+ PCと称するためには、そのハードウェアがMicrosoftが定める最小要件をクリアし、Microsoftがそれを認証する必要があります。Copilot+ PCはWindows 11を想定したパソコンですが、Windows 11の最小ハードウェア要件の増分として規定され、それを満たす製品だけがCopilot+ PCを名乗れます。増分要件の内容は下記のようになっています。

  1. Microsoftに承認されたプロセッサーまたはシステム オン チップ (SoC)。ニューラル処理ユニット(NPU)と 40 TOPS(1秒当たり、40兆オペレーション)以上の処理能力が必要。
  2. RAM: 16 GB DDR5/LPDDR5以上
  3. ストレージ: 256 GB SSD/UFS 以上のストレージ デバイス

ひとつめの要件としての40TOPSを満たすニューラル処理ユニットは、Copilot+ PCが登場した1年前にはQualcommのSnapdragon Xシリーズだけでしたが、AMDがそれに続き、Intelも2024年9月にCore Ultra 200Vを発表したことで、御三家のシリコンが揃いました。特に、手堅い手腕でビジネスシーンを支えてきた実績で、高い互換性をキープしているにちがいないIntel製品の登場は、ビジネスシーンが待ち望んでいたものでした。

Core Ultraシリーズ2として出荷が開始されたCore Ultra 200Vは、Intelの第4世代NPUを搭載し、48TOPSもの性能を誇ります。さらにGPUも単体で67TOPS、SoC全体では120TOPSを叩き出します。それなのに省電力性に優れ、まさに、AI時代のバッテリー駆動によるモバイルノートパソコンに最適化された製品だといえるでしょう。

日本HPもコンシューマー向けのHP OmniBook 7 Aeroなどを展示。
日本HPもコンシューマー向けのHP OmniBook 7 Aeroなどを展示。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCはMicrosoftが定義する要件を満たすCopilot+ PCです。HPのビジネス向けノートパソコンのフラグシップモデルとして最上位に位置付けられます。HPのCopilot+ PCはHP EliteBook Ultra G1q AI PCがフラグシップ機として最初に発売されました。QualcommのSnapdragonプロセッサー搭載の製品でしたが、そのSoCにIntelのCore Ultra 200Vシリーズを採用したAI PCがHP EliteBook X G1i 14 AI PCです。

Copilot+ PCでは、各種のAI機能が順次有効にされていきます。第一弾としてはペイントのコクリエーター、ライブキャプション、Windowsスタジオエフェクト、Restyle Image、Image Creator などがお馴染みです。一部を除き、グラフィックスをAI生成処理する機能が目立っていました。1年前の段階では、具体的なAI処理の結果を直感的に理解してもらうためには、ちょっと派手に見えるグラフィックスが最適だったということでしょう。

日本マイクロソフトのイベントで紹介されたCopilot+ PCの各種機能
日本マイクロソフトのイベントで紹介されたCopilot+ PCの各種機能
日本マイクロソフトのイベントで紹介されたCopilot+ PCの各種機能。
イベントでは今後展開予定の各種AI機能も紹介された。
イベントでは今後展開予定の各種AI機能も紹介された。
イベントでは今後展開予定の各種AI機能も紹介された。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCを使い始めてすぐに、リコール(プレビュー)も有効になりました。数秒ごとにデスクトップのスナップショットを自動的に撮り、前回と異なる場合それを保存しておくことで、そのPCでの作業を逐次記録していきます。いわば作業のタイムラインです。それらのスナップショットをAI分析することで、そのパソコンでどんなことをしていたかのすべてを履歴として残し、ユーザーは、いつどのような場面で見たのかを思い出せないウェブページの写真やテキスト情報、また、各種アプリを使っての作業などをビジュアル、テキストの両面から検索し、「あのときのあの画面」として目の前に呼び出すことができます。まさにリコールという呼び名そのものです。リコール AI 処理はローカルで行われ、スナップショットはローカル デバイスにのみ安全に格納されます。

リコールでは地名を入れると過去のスナップショットから、それを含むテキストや推定した画像を特定してリストアップしてくれる。
リコールでは地名を入れると過去のスナップショットから、それを含むテキストや推定した画像を特定してリストアップしてくれる。
リコールでは地名を入れると過去のスナップショットから、それを含むテキストや推定した画像を特定してリストアップしてくれる。

リコールはCopilot+ PCの登場とほぼ同時に利用できるようになる予定でしたが、プライバシー関連の機能強化等のためにリリースが延期されたという経緯があります。今回プレビューとして有効化されたリコール(プレビュー)ですが、既定ではオフとなっています。使うためには、ユーザー自身のオプトインが必要となります。また、リコールを利用するには、Windows Helloによる生体認証も必須となります。

企業内で使われているノートパソコンはIT部門の管理下にありますが、管理者ができるのは、リコール機能を有効にして利用を許可するかどうかだけで、有効でもエンドユーザーがオプトインしなければこの機能は使われません。また、管理者が蓄積されたスナップショットを参照することもできません。プライバシーについては最大限の配慮がされているようです。

加えて、今後のAI利活用についてはオンデバイスでの処理が求められる方向にあります。というのも企業や個人が持つ情報の多くは、外部に漏洩しては困るものが少なくないからです。AI処理が目の前のノートパソコンの外に出ないことが保証されれば、安心してAIに作業を頼ることができるようになるはずです。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCには、HP独自のAIアプリとして、HP AI Companion(Beta)が付属します。指定したドキュメント類を学習させ、それらだけをソースとしてユーザーの質問や疑問などに答えてくれるコンパニオンとして機能します。社内の内部文書、専門分野のマニュアルや仕様書、現場のガイドなどなど、どんなものでも学習させることができそうです。膨大な量の社内規定を学習させておき、法務関連の問い合わせに即座に対応するといった使い道もあります。そして、そのAI処理の結果得られた情報は、自分の機密が他者の目に触れることもなく、さらにAI処理の出力が他者の権利を犯すこともありません。

HP AI Companion(Beta)は現時点ではクラウドサービスへの接続が必要になりますが、夏頃にはオンデバイス処理ができるようになり、活用範囲の拡大が期待されます。

また、Poly StudioとPoly Camera Proによる音声とAIビデオの優れた体験にも注目です。NPUを使った処理で、バッテリー消費のインパクトもかなり抑制されたものとなっているそうです。

さらに、自然言語でPC設定をできるようにするサポートアシスタントなど、あらゆる場面でAIが活用されています。

ノートパソコンを開いてサインインすれば、すでにそのノートはインターネットにつながっている。この常識が当たり前になる過程ではWi-Fiの普及が大きく貢献しました。もはやモバイルデバイスでワイヤレスによるWi-Fi機能を持たないものを見つけるのは難しいくらいです。

日本HPは、この状況をさらに一歩進めるために、ノートを開けばすでにそのノートが通信事業者が提供する5G回線などの公衆モバイルネットワークに接続されているという環境を新たな当たり前にしようとしています。

KDDIのau回線を利用した法人向けMVNOサービス「HP eSIM Connect」が2023年秋にサービスイン、日本HPがMVNO、つまり、仮想移動体通信事業者としてサービスを開始しました。

KDDIとの協業により、KDDIの支援を受けた日本HPは法人向けにデータ通信5年間無制限の利用権付きeSIM対応モバイルPCを販売するという画期的なソリューションです。

もちろんHP EliteBook X G1i 14 AI PCも対応製品です。

任意の法人が対応製品を入手したあと、パッケージに同梱された説明を参照して申し込みサイトでアカウントを作成して回線を申し込みます。履歴事項証明書などの法人証明書類や申し込み担当者の法人在籍確認書類などを手続き時に提出する必要がありますが、すべてをオンラインで手続きできますから煩雑さはありません。

実際、今回の実機を受け取り、自法人の全部事項証明書をオンラインで取り寄せて申し込み、翌日には速達で証明書類が到着、それを説明にしたがってアップロードするなど、eSIM Entryのページで申し込みをしたところ、その日のうちに開通しました。実機を宅配便で受け取った翌々日の開通です。これで5年間無制限の5G接続が可能になりました。

Wi-Fiのみに対応したノートパソコンをインターネットに接続するにはいくつかの方法があります。

  • 有線LAN環境のある場所に移動して有線接続する。
  • Wi-Fi環境のある場所に移動してWi-Fi接続する。
  • 手元のスマホのテザリングをオンにしてWi-Fi接続する。

…といったところでしょうか。身の回りのWi-Fi環境は多岐にわたります。自社内に整備された安全なWi-Fi環境ならともかく、カフェやイベント会場、公共交通機関、訪問先組織のゲスト用Wi-Fiなどが提供する無料Wi-Fiなど、それぞれ、必ずしも安全なネットワークであるとは限りません。また、スマホのテザリングはどうしても機能をオンにするひと手間がめんどうです。

エンドユーザー的には外出先で急なオンライン会議の招待があっても、PCを開けばすぐに参加できたり、移動中の新幹線でプレゼン資料を修正し、そのままクラウドにアップロードするといった作業が、スマートフォンのバッテリーを気にすることなく行えたりといったことが生産意欲を高めます。

ノートパソコン自身がWAN接続できることは、KDDIが提供する安全なネットワークへの接続であることが保証されます。その上で業務の内容に応じてVPNを使うなどして自社ネットワークを経由すれば、より安全です。管理者にとっても素性のしれないアクセスポイントにエンドユーザーが接続することを許可するより、ずっと安心ではないでしょうか。

AIの利用については、オンデバイスで使うことが今後の課題となりつつありますが、インターネット接続を前提としたAI利用がなくなるわけではありません。AIのハイブリッド利用が主流であり続けるでしょう。

インターネットに接続されていないパソコンが生産性を抑制してしまうことにはすでにお気づきでしょう。パソコンそのものが通信機としてインターネットへの接続を維持していることは、もはやビジネスで使われるパソコンとして最低限の要件だといえるでしょう。

日本HPのHP eSIM Connectは5年間無制限のインターネット接続を提供するサービスです。実機ハードウェアの費用にそのための費用が含まれていると考えることもできます。毎月の支払いに伴う精算も必要ありませんから、経理処理上の手間もありません。パソコンを入手したときに、その価格を計上するだけです。管理する側にとっても使う側にとってもきわめてリーズナブルで明快なサービスであると言えるでしょう。

2025年6月時点、日本HPのビジネスPCラインナップよりWANに対応したCopilot+ PCを選ぶなら、HP EliteBook X G1i 14 AI PCが唯一の選択肢です。ハードウェアとしての対応はもちろん、ソリューションとして制限なしの5年間の通信サービスが提供されるのは付加価値としてかなり大きなものだといえます。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCは16:10の画面比率を採用しています。16:9から3:2へと推移したノートパソコンの一般的な画面比率ですが、どうやら今後は、16:10でいくことになりそうです。左側面には2つのThunderbolt™ 4対応USB Type-CポートとHDMI端子、イヤフォン/マイク端子、右側面には5GbpsのUSB-Aポートと10Gbps USB-Cポートを持ちます。USB-Cポートは3ポートともにPower Delivery, DisplayPort™ 1.4に対応します。申し分のない構成です。特に、両側面に映像出力対応ポートが装備されているのは外部モニターの接続に便利です。

左側面に2つのThunderbolt™ 4対応USB Type-CポートとHDMI端子
左側面に2つのThunderbolt™ 4対応USB Type-CポートとHDMI端子
左側面に2つのThunderbolt™ 4対応USB Type-CポートとHDMI端子。
USB-CとUSB-Aポートが右側面にある。左側に見えるのは物理SIMスロットを装備。
USB-CとUSB-Aポートが右側面にある。左側に見えるのは物理SIMスロットを装備。
USB-CとUSB-Aポートが右側面にある。左側に見えるのは物理SIMスロットを装備。
ディスプレイを起こすと指紋センサーを統合した電源キーが目に入ります。
ディスプレイを起こすと指紋センサーを統合した電源キーが目に入ります。
ディスプレイを起こすと指紋センサーを統合した電源キーが目に入ります。

AI処理とWAN対応などで不安を感じるバッテリー駆動時間ですが、68Whの大容量バッテリーの内蔵によりJEITA測定法Ver3.0で 11時間59分(動画再生時)/23時間52分(アイドル時)とカタログスペックでは十分な駆動時間を確保できています。実利用でも大きな乖離はありませんでした。

モデルは4種類ありますが、法人なら5G WAN対応機を選び、5年間無制限のインターネット接続サービスHP eSIM Connectの利用を申し込むことで、想像をはるかに超えるメリットを享受できるはずです。ぜひ、検討してみてください。

これからのビジネスには『AIとの協業』と『常時接続による生産性』が不可欠です。それを強力なハードウェアと画期的な通信サービスで支える真の次世代ビジネスPCがHP EliteBook X G1i 14 AI PCです。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。
また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

ハイブリッドワークに最適化された、Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能があります。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能は Windows 11 で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。

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