2024.08.22
Microsoft Copilot(コパイロット)とはMicrosoft社が提供するAIアシスタント(生成AIサービス)です。Microsoft Copilot for Microsoft 365では、Microsoft 365のWordやExcel、PowerPointなどをはじめとした様々なアプリケーションとCopilotを連携 させることができ、関連 サービスも多数提供されています。従来よりも業務負荷が軽減されて生産性向上につながるとして、注目が集まっています。
この記事では、とくにMicrosoft 365のアプリケーション上で使えるMicrosoft Copilot for Microsoft 365に着目して説明します。Microsoft Copilotの概要や料金体系、Microsoft Copilot for Microsoft 365の特長、使い方、注意点をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
Microsoft Copilotロゴ
Microsoft Copilot(コパイロット)とは、Microsoft社が提供する生成AIサービスの ことです。OpenAI社が開発した「GPT-4」とMicrosoftが従来提供していた検索エンジン「Bing」を組み合わせた生成AIサービス「Bing Chat/Bing Chat Enterprise」が、新たに「Microsoft Copilot」として、2023年12月から提供されるようになりました※1 。
英語のCopilotは日本語で「副操縦士」と訳すことができ、「Microsoft社のAIは副操縦士として、操縦士である人をサポートする」という意味が込められています。Microsoft Copilotのロゴは、人とAIの握手をイメージして作られています※2。
Microsoft Copilotは、Microsoft 365をはじめとするMicrosoftの様々な業務アプリケーションやサービスと連携して使える点が大きな特長です。Microsoft Copilotの活用で、手軽に生成AIを業務に導入できるようになります。
Microsoft Copilotに関して、業務部門、セキュリティ運用、ソフトウェア開発など様々な製品群が提供されています。主要な製品名の例は、以下のとおりです(2024年7月執筆時点)。
この記事では、Copilot for Microsoft 365を利用できる業務シーンに着目してご紹介します。なお、他の製品群については以下の関連リンクも合わせてご覧ください。
関連リンク
※1:出典:Microsoft Copilot (現 Bing Chat、Copilot in Windows) を 12 月 1 日より正式提供開始。個人のお客様向け機能の紹介
https://news.microsoft.com/ja-jp/2023/11/28/231128-microsoft-copilot-officially-launched-on-december-1-introduction-of-features-for-individual-customers/
※2:マイクロソフトのCopilot戦略AIによるビジネス効率向上を全方位で支援
https://jp.ext.hp.com/techdevice/ai/personalcompanion04/
業務部門のMicrosoft Copilotには、以下の3つの料金プランがあります(2024年7月執筆時点)。
Copilot | Copilot Pro | Copilot for Microsoft 365 | |
---|---|---|---|
月額料金 | 無料(ユーザー/月) | 3,200円(ユーザー/月) | 4,497円(ユーザー/月) ※法人向けプラン加入要 |
主な機能 | ・テキスト、音性、画像機能を使用したチャット ・ドキュメントやWebページの要約 など |
・WebバージョンのWord、Excel、PowerPointなどでCopilotの利用 ・迅速なAI画像生成 など |
・Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Microsoft TeamsでCopilotの利用 ・企業向けデータ保護 など |
参考:Microsoft Copilot|Microsoft
1つ目の「Copilot」プランは無料で使えるので、まずは試してみたい方におすすめです。「Copilot Pro」は個人向け有料プランで、「Copilot for Microsoft 365」は法人向け有料プランとなっています。どちらもMicrosoft 365のWord、Excel、PowerPointなどで、Microsoft Copilotを利用できます。
2024年、Microsoft社とLinkedIn社が公開した仕事とAIに関するアニュアルレポートで、Microsoft Copilotに関する調査結果を報告しています。60人の「Copilotユーザー」を対象に半年にわたり調査を行ったところ、以下のような結果となりました。
また同調査によると、現在ナレッジワーカー(知識労働者とも呼ばれる)の75%が仕事でAIを使用していて、「時間が節約できる」「より重要な仕事に集中できる」など、AIによる効果を回答しています。
※参考:2024 Work Trend Index Annual Report|Microsoft
前述した料金体系のうち、2023年11月から提供されはじめた「Copilot for Microsoft 365」を利用すると、企業で働くナレッジワーカーの生産性向上が実現するとして、とくに注目が集まっています。以下では、Copilot for Microsoft 365について詳しくご紹介します 。
ここでは、Copilot for Microsoft 365の特長を解説します。
Copilot for Microsoft 365は、業務で頻繁に使用するWord、Excel、PowerPoint、Microsoft Teams、Outlookなど、Microsoft 365のアプリケーション上で動作する点が大きな特長です。
たとえば以下の作業を自動化でき、業務効率化に貢献します。
Copilot for Microsoft 365には、GPT-4をベースとした大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)が搭載されています。LLMは、書籍、記事、Webサイトなど膨大な量の公開データを使ったトレーニングを通じて、言語、文脈、意味を学習する仕組みです。
チャットを使って質問と回答を続けていくと、これまでの会話から関連性のある回答を生成し、精度が上がっていきます。業務でWordやExcelなどのアプリケーションを使うとき、Copilot機能を利用すればするほど生産性向上につながると期待できます。
なお、Copilot for Microsoft 365において、チャットに入力した内容はLLMのトレーニングに使用されることはないので、安心して利用できます。
Microsoft社は「Copilot Copyright Commitment」を発表し、Copilot製品が生成する出力結果について、著作権に関するリスクを心配することなく利用できると述べています。
さらに万が一、著作権上の異議申し立てがあった場合、Microsoft社は法的リスクの責任を負うとも伝えています。たとえ悪意がなくても、業務でAIを使用して著作権侵害が起こらないかと懸念している企業にとって、Microsoft社の対応は安心材料になると考えられます。