HP EliteBook X G1i AI PC 体験レビュー — eSIM常時接続 × オンデバイスAI × 1.19kgの軽量ボディ

年間300回登壇するAI実践者が、2週間使い倒して感じたこと

2026-05-28

HP EliteBook X G1i AI PC  体験レビュー — eSIM常時接続 × オンデバイスAI × 1.19kgの軽量ボディ
HP EliteBook X G1i AI PC  体験レビュー — eSIM常時接続 × オンデバイスAI × 1.19kgの軽量ボディ

ライター:小澤健祐

私は年間300回以上の講演や企業研修を行っています。東京と大阪の新幹線は月に何度も往復しますし、地方出張も珍しくありません。朝は品川のカフェでスライドを仕上げ、新幹線の中でメール返信、大阪に着いたら会議室でAIのライブデモ。そんな日常です。

だからこそ、PCに対する要求はシンプルで、切実です。

「開いたら、すぐネットにつながってほしい。」 「ネットがなくても、AIが使えてほしい。」 「1日中持ち歩いても、重くないでほしい。」

正直なところ、3つ全部を満たすPCにはなかなか出会えませんでした。テザリングの手間、会場Wi-Fiの不安定さ、クラウドAIに依存するリスク。どこかで必ず妥協が入る。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCを手にして2週間。結論から言うと、この3つの要求に、はじめてまともに応えてもらえたと感じています。本稿では、スペック解説よりも「実際どうだったのか」に重点を置いて、その体験をお伝えします。

HP eSIM Connectは、対応PCを購入するだけでau回線によるLTE / 5G通信が5年間使い放題になるサービスです。追加料金なし、データ容量無制限。テザリングもモバイルWi-Fiルーターも不要で、PCを開いた瞬間にネットにつながります。

言葉にすると「それだけ?」と思われるかもしれません。でも、この「それだけ」が生活を変えました。

新幹線のぞみ — 品川から新大阪へ

朝8時、品川駅。のぞみに乗り込み、席に着いてEliteBookの蓋を開けます。その瞬間、もう回線につながっている。「つながるかな」と確認する動作すらありません。

まず、移動中のSlackに溜まったメッセージを処理します。品川を出て新横浜に着くまでの約15分で、研修先への連絡メールを2本送り、翌日のスライドの修正点をNotionにメモ。ここまでは以前のPCでもできました。違いは、途中で一度も接続を気にしなかったことです。

本当に差を感じたのは、Zoomミーティングでした。品川―名古屋間で30分のオンライン会議に参加したのですが、映像も音声もほとんど途切れませんでした。車内Wi-Fiを使っていた頃は、混雑する時間帯に画面がフリーズするのが当たり前だったので、拍子抜けするほどです。

以前は、新幹線の中でZoomが入ると「音声だけにしますね」と断るのが定番でした。HP eSIM Connectのおかげで、それを言わなくてよくなったのが地味にうれしいです。

もちろん、トンネル区間では一時的に途切れます。ただ、トンネルを抜けた瞬間に自動復帰するので、実用上のストレスはほぼありません。名古屋以西の山間部でも、メールやSlackは問題なく動作しました。

午後のカフェ — 渋谷・道玄坂にて

講演と講演の合間、2時間ほど空き時間ができたので、渋谷のカフェに入りました。ここでの体験が、HP eSIM Connectの価値を最も実感した瞬間だったかもしれません。

これまでの流れはこうでした。カフェに入る。Wi-Fiの案内を探す。SSIDを選ぶ。メールアドレスを登録する。ようやくつながる。でも遅い。結局テザリングに切り替える。スマホのバッテリーが減る。——これだけで5分以上は消えていました。

HP eSIM Connect対応のEliteBookでは、そのプロセスが丸ごとなくなります。席に座って蓋を開ける。もう接続されている。コーヒーが来る前にメールを3本返せました。

「たった5分の違いでしょ?」と思われるかもしれません。でも、この5分が1日に3回あれば15分。月に20日繰り返せば5時間。年間で60時間です。その60時間を、接続の手間ではなく、本来の仕事に使えるようになるのです。

もうひとつ大きかったのは、セキュリティの安心感です。カフェのフリーWi-Fiは暗号化されていないことも多く、通信を傍受されるリスクがあります。HP eSIM Connectならキャリア回線に直結するので、公衆Wi-Fiに一切触れずに仕事ができます。企業の情報セキュリティ担当者にこそ知ってほしい機能です。

企業研修 — 40名規模のAIワークショップ

都内の会議室で、40名規模のAIワークショップを行った日のことです。会場のWi-Fiは参加者全員が共有するため、研修が始まると帯域が一気に逼迫します。

デモで Claude API を呼び出した瞬間、レスポンスが返ってこなくなりました。会場Wi-Fiが詰まったのです。以前であれば、ここで「少々お待ちください」と言ってスマホのテザリングに切り替え、再度接続し直す——その間、40人の参加者が沈黙の中で待つことになります。

HP eSIM Connectがあれば、Wi-Fiの接続先をau回線に切り替えるだけ。数秒でAPIの応答が返り始め、デモを途切れさせずに続行できました。参加者からは「シームレスですね」と声をかけていただきましたが、裏側ではHP eSIM Connectに全力で助けられていました。

講演者にとって、デモが止まる瞬間ほど怖いものはありません。HP eSIM Connectは「保険」というより、もはや「必須の舞台装置」です。

深夜の自宅 — 翌日の準備

出張から戻り、自宅で翌日の研修スライドを仕上げます。自宅にはWi-Fi環境があるので、HP eSIM Connectの出番ではないように思えます。でも実は、ここでも恩恵がありました。

Windows Update が始まったのです。自宅Wi-Fiに接続するたびに「今は勘弁してくれ」と思っていた大型アップデートも、HP eSIM Connect対応PCなら日中の移動中や待ち時間にバックグラウンドで完了しています。「気づいたらアップデート済み」という体験は、地味ですが確実にストレスを減らしてくれます。

開通は3ステップ — 意外なほどシンプル

便利さを語る前に、開通の手間が気になる方もいるでしょう。結論から言うと、驚くほど簡単でした。

STEP 1. 専用フォームから申し込む— 法人の証明書類と本人確認書類、PCのシリアルナンバーを入力。eKYC対応で郵送不要です。

STEP 2. eSIMプロファイルをダウンロード— Windows の設定画面からQRコードを読み取るだけ。スマホでeSIMを設定したことがある方なら同じ感覚です。

STEP 3. PCを開くだけ— 以後、蓋を開けた瞬間にau回線へ自動接続。Wi-Fiの探索もパスワードの入力も不要。この体験は、一度味わうと戻れません。

HP eSIM Connectで「どこでもネットにつながる」環境を手に入れたわけですが、HP EliteBook X G1i 14 AI PCにはもうひとつ、大きな武器があります。ネットがなくても、手元のPCだけでAIを動かせるのです。

gpt-oss-20b — ChatGPTの会社がタダで配った「手元で動くAI」

gpt-oss-20b は、ChatGPT を作った OpenAI が2025年8月に無償公開したAIモデルです。「GPT-2 以来、約6年ぶりのオープンモデル」として大きな話題になりました。

何がすごいかというと、クラウドモデル「o3-mini」に匹敵する推論力を持ちながら、16GBのメモリがあれば普通のノートPCでも動くように設計されていることです。HP EliteBook X G1i 14 AI PCの32GBメモリなら余裕です。

ライセンスはApache 2.0。商用利用もカスタマイズも自由。まさに「手元で動く ChatGPT」と言える存在です。

LM Studio — インストールするだけ、以上

gpt-oss-20b を動かすのに使ったのが「LM Studio」という無料アプリです。セットアップの手軽さは衝撃的でした。

アプリをインストールすると、最初から gpt-oss-20b のダウンロードが画面にドンと表示されます。ボタンを押して約12GBのモデルファイルをダウンロードしたら、あとはチャット画面で話しかけるだけ。プログラミングも、ターミナルのコマンド入力も、一切要りません。ChatGPT を使ったことがある人なら、同じ感覚で使い始められます。

正直、「ローカルでAIを動かす」と聞くと、エンジニア向けの難しそうなイメージがありました。LM Studio + gpt-oss-20b でその印象は完全に覆されました。小学生でもできるレベルの簡単さです(PCのスペックさえあれば)。

gpt-oss-20bで実際にやったこと

メールの下書き — 新幹線のトンネル区間にて

東海道新幹線にはトンネルが多く、HP eSIM Connectでもさすがにトンネルの中では通信が途切れます。以前ならここは「何もできない時間」でした。

HP EliteBook X G1i 14 AI PCでは、トンネルに入ったら gpt-oss-20b に切り替えます。Reasoning Effort を「Low」に設定すると、日本語の短文には2〜3秒で返答が始まります。トンネル通過中の数分間で、研修先への御礼メールの下書きを2本作らせました。トンネルを抜けたらeSIM回線が復帰するので、そのまま送信。完全にシームレスでした。

「通信が切れたらAIが使えない」時代は終わりました。HP eSIM Connectと gpt-oss、この2つの組み合わせがあると、文字通り「AIが使えない瞬間」がなくなります。

研修プランの骨子作成 — 飛行機の中で

地方出張のフライト中、機内モードのまま翌週の研修プランを練りました。gpt-oss-20b に「生成AI導入研修の5時間プログラム、対象は非エンジニアの管理職、ゴールはAI活用の意思決定ができるようになること」と入力。Reasoning Effort を「High」にして、じっくり考えさせます。

数十秒後に返ってきた企画骨子は、午前のインプットセッションから午後のハンズオン、最後の振り返りまで、かなりまとまった構成でした。もちろんそのまま使うわけではありませんが、「叩き台の叩き台」としては十分すぎるクオリティです。フライトの1時間で、研修プランの8割が固まりました。

機密データの分析 — クライアント先のミーティング後

コンサルティング案件では、クライアントの売上データや組織情報など、外部に送れないデータを扱うことがあります。「ChatGPT に入れるのは不安」と言われる場面です。

gpt-oss-20b なら、データは一切外部に出ません。すべてPC内部で処理が完結します。ミーティングの直後に、共有いただいた課題リストを gpt-oss-20b に要約・分類させ、その場で整理した資料をお見せしたところ、「もうアウトプットが出たんですか?」と驚かれました。

「データを外に出さずにAIが使える」—— この一点だけで、gpt-oss-20b を導入する理由になる企業は少なくないはずです。

講演のライブデモ — 「このPC、ネットつながってませんよ」

AIの講演では、デモが最も盛り上がるパートです。ただ、会場のWi-Fiが不安定で、クラウドAIが固まるリスクがつきまとっていました。

そこで、講演の「つかみ」に新しい演出を加えました。壇上でPCの機内モードをオンにし、「今、このPC、ネットにつながっていません」と宣言してから、gpt-oss-20b に質問を投げる。AIが即座に回答を生成し始めると、会場から「おぉ」という声が上がります。

「これがオンデバイスAIです。手元のPCだけで動いています。」この一言のインパクトは、スライド10枚分の説明に匹敵します。AIの民主化を語るなら、それを自分のPCで体現して見せるのが最も説得力がある。HP EliteBook X G1i 14 AI PCは、そのための舞台装置にもなるのです。

gpt-oss-20b の動作感 — 率直な印象

良い面ばかりを並べても信頼性がないので、率直な感想を書きます。

速度は「実用レベル」です。Reasoning Effort「Low」であれば、短い日本語の応答は2〜3秒で返り始めます。ChatGPT のクラウド版と比べてワンテンポ遅いものの、メールの下書きや要約タスクには十分です。「High」にすると思考時間が長くなりますが、その分しっかり考えた回答が返ってきます。

日本語は「ちゃんと使える」レベルです。ビジネスメールの敬語、報告書のフォーマット整形、箇条書きへの変換など、日常業務のAI活用であれば問題ありません。クラウドの GPT-4o と比べれば精度の差はありますが、「ネットなしで、タダで、何度でも」使えることを考えれば、圧倒的にコスパが良いです。

バッテリー消費は要注意です。GPU推論中はバッテリーの減りが通常の2〜3倍になります。新幹線の中で30分ほど集中的に gpt-oss-20b を使うと、バッテリー残量が目に見えて減ります。長時間使いたい場合は電源の確保を。

32GBメモリの安心感は絶大です。モデルのロードで約14〜16GB使いますが、32GBあるのでブラウザやOfficeアプリとの同時利用も余裕です。16GBメモリの機種だと、gpt-oss-20b を動かしながら他のアプリを使うのは厳しかったでしょう。HP EliteBook X G1i 14 AI PCの32GB構成を選んで正解でした。

HP eSIM Connectも gpt-oss-20b も、持ち歩けなければ意味がありません。その点、HP EliteBook X G1i 14 AI PCの約1.19kgという重量は、毎日の鍛錬です——いや、毎日の「鍛錬にならない」のが正しいですね。軽すぎて、PCが入っていることを忘れるくらいです。

出張時の典型的な1日を振り返ってみます。朝8時に新幹線に乗り、eSIM接続でメールとSlackを処理(2時間)。新大阪で降りてクライアント先で研修を実施、その間PCで資料を映しながら進行(3時間)。昼食後、カフェで翌日の資料修正と gpt-oss-20b で下書き作成(1.5時間)。帰りの新幹線でレポート執筆(2時間)。東京に着いてバッテリー残量を見ると、まだ20%以上残っていました。

68Whバッテリーの実力は本物です。「充電器を持っていかない」という選択ができるだけで、出張の荷物が1つ減り、精神的な余裕が生まれます。

厚さは最薄部で約10.5mm。CNCマグネシウム合金のボディは見た目以上に頑丈で、バッグの中で本や水筒と一緒になっても不安がありません。落ち着いた「アトモスフィアブルー」のカラーリングは、壇上に持っていっても品があります。

ディスプレイのアンチグレア仕上げも、地味ですが効いています。新幹線の窓際でも、カフェの照明下でも、画面の反射で目が疲れることがほとんどありませんでした。HP Sure View(覗き見防止機能)対応モデルを選べば、隣の席からの視線も物理的にブロックできます。

2週間、HP EliteBook X G1i 14 AI PCを持ち歩いて気づいたのは、このPCの真価はスペックの数字にはないということです。

HP eSIM Connectの常時接続は、「つながるかな?」という不安を消してくれます。gpt-oss-20b のオンデバイスAIは、「ネットがないとAIが使えない」という制約を消してくれます。1.19kgの軽さは、「今日はPC持っていくの面倒だな」という気持ちを消してくれます。

この3つの「消す」が組み合わさることで生まれるのは、「場所も、通信環境も、気にせずにAIと一緒に仕事ができる」という体験です。それは、カタログのスペック表だけでは伝わらない、使って初めてわかる価値でした。

AIエージェント時代の働き方を考えるとき、PCに求められるのはベンチマークスコアの高さではありません。「AIとの協働を、どこでも途切れさせないこと」です。

年間300回の登壇を支える相棒として、 HP EliteBook X G1i 14 AI PCは確かな手応えを返してくれました。「AIを語る人間が、AIと共に動くPC」を持つ——その説得力は、何よりも強いメッセージになるのではないでしょうか。

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